ベートーヴェンが音楽監督をしていた歴史的音楽会場
- 5.0
- 旅行時期:2014/04(約12年前)
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by tadさん(男性)
ウィーン クチコミ:58件
ここは、モーツァルトの魔笛のために台本を作成し、自らパパゲーノを演じたシカネーダーが、1801年に建てた由緒ある劇場。ベートーヴェンを音楽監督に招いたこともあり、彼の仕事部屋もここにあった。2006年に改築して、一部は近代的に見えるが、内部は昔のオペラハウスの大きさが実感できる。
今回、初めて入場し、その規模の適切さを実感した。大都市に大量の観客を収容するオペラハウスが各国にできて、巨大な声のでるビア樽みたいな歌手が持て囃されがちだが、本当はこういう規模でやっていたことが実感できる。アルノンクールがコンツェントス・ムジクス・ウィーンとここで度々上演する理由がよくわかる。今回見た演奏はフランスの実力者ルセを指揮者とするレ・タランテル・リリークという古楽器合奏団とウィーンのシェーンベルク合唱団が共演して、ヘンデルのメサイア全曲を上演した。舞台での演技つきで、初めて見た。出来栄えは、すばらしく、復活祭の前後、かなりの回数上演されていたが、完成度の高い美しい古楽器のハーモニーと合唱、独唱がホールをつつみ、最高の時間が流れた。
今回の12日間のウィーン滞在中に聞いた6つのオペラ、2つのコンサートのなかでも、白眉のひとつ。ホールが広すぎて、がなりたてる演奏の多い中で、この自然な音響空間を経験できたのは貴重であった。本来、モーツァルトやベートーヴェンの時代はこのサイズのホールでやっていたはずだから。。。
上演後、宿に戻ったら、先ほど、ピットでチェロを弾いていた音楽家がちょうど一緒の時間に同じ宿に戻り、話しかけた。勿論、すばらしい演奏だったと声をかけた。一月前に、ロンドンでも彼らの演奏を聞いたばかりだったが、今、実力全開の古楽器合奏団だろう。ロンドンでの演奏はあの厳しいthe Guardianが満点の5つ星をかれらのラモーのオペラ「陽気なインド人」の演奏にだしていたが、その実力はウィーンでも発揮されていた。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- カップル・夫婦(シニア)
- アクセス:
- 5.0
クチコミ投稿日:2014/06/06
いいね!:5票
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