永田の駄作。最近、世界のあらゆるコンサートホールの建設において半ば独占的に音響コンサルタントを請け負っている永田音響設計、...
続きを読む例えば最近開業したハンブルクのElbphilharmonie も永田がやっています。ここも含めいろいろな永田のよる設計のホールを見てきましたが、出来の良いすみだトリフォニーのようなとこもあれば、ここ芸劇のような駄作の中の駄作もあります。パイプオルガンの問題がたびたび指摘され続ける芸劇ですが、永田音響の設計した音響自体も大問題です。良いホールと言うのは、舞台に100人いるオーケストラの音がホールでミックスされて安定し、客席に届きます。しかしながら、ここの音響は、それこそ永田音響設計が厳密に計測しながら工事したはずにも関わらず、音が乱反射をしてまともな音響になりません。ホールの一点から試験音を発して、その残響を確かめるようでは、おそらく大変良い結果になっていると思います。しかしながら、舞台全体でオーケストラが音を出した場合、音は一切ミックスされず、それぞれの音源からの音が、直接壁などで反射しながら耳に届きます。これでは、演奏者の数だけある音源の音がバラバラに耳に届き、不要な雑音のような感触が感じられるようになってしまい、良い演奏家の良い演奏でも、何か不満のある音楽に変わってしまいます。オーケストラ全体で音をミックスして聞くのが作品であって、ホールのどこで弾いてもよく聞こえる、と言うのは全く不要な考え方です。バンダのパートがあるのは、音響の不一致をわざと作曲家が狙っているためで、舞台で弾いても客席のどこで弾いてもよく聞こえるようでは、そもそも舞台以外のところで弾くようにと言う作曲家の視点自体が意味をなさないことになるわけです。残念ながら、池袋のここは永田音響が設計した数々のホールの中でも最もだめな音響ですし、莫大な費用をかけたコンサートホールとしても、エルプフィルハーモニー同様税金の無駄としか言いようがありません。
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投稿日:2017/05/04