新緑や紅葉が美しい渓谷と聞いて訪れましたが、11月初めではさすがにやや落葉気味でした。見ごろは10月下旬前半辺りではないか...
続きを読むと思われます。ただ、ところどころ残る紅葉は、最後まで染まりきった美しい色づきの紅葉でした。
矢櫃渓谷は、厚沢部の舘の集落から7、8kmとの案内がありますが、3、4kmも行けば、美しい紅葉が見られる山中の道となります。もっとも、案内のとおり7、8km辺りの場所になってくると、矢櫃沢川がいよいよ渓谷らしい景色になってきます。それまでは、「渓谷」と呼ぶには少し大げさでは?と思われる丘陵地の谷戸の森を流れる小川の雰囲気ですが、あまり分からないくらいの緩やかな傾斜が続き、気づいた時には、横を流れる川からは10m近い比高を稼ぎ、渓谷沿いの林道と変わっていました。
なお、ここまでのアクセスですが、松前藩の舘城跡の前の道(道道634号線)を、糠野川に架かる落合橋を渡ったところで農道のような細い非舗装の道路へと折り返し、そこから矢櫃川の上流へと進む林道に入っていきます。注意点は、道道634号線をそのまま進んで糠野川の上流方面に進んでしまわないことです。634号線上には、目立つ案内看板なども無く、矢櫃川の林道入口のところに案内看板が立っています。
また、入口から2kmほど進んだところに矢櫃温泉があります。温泉といっても、湧き水の吹き出し口のように筧があるだけで、浴槽など何もありません。何より、温度が低く、清水のようにヒヤッとはしませんが、かなり冷めた冷たい水のため、冷泉と表現した方がよいかもしれません。ただ、硫黄の香りが漂い、湧き出し口あたりも硫黄華が軽く付着していて、やっと温泉なんだなあと分かりました。
さて、更に1kmほど進むと、ゲートがあり、矢櫃境界のプレートが隠れるように木に掛かっていましたが、ここから本格的に矢櫃渓谷が始まります。深さ2、30mほどのV字谷が続き、沢から10mほどの高さを林道が縫うように川とともに奥地へ進んでいきます。坪田の沢を越えると、いよいよ道が荒れてきて、大きな落石がある箇所や、道が流出している箇所があって、物理的に車は通れなくなります(もともと入口のゲートのところで車は入れない)。道路上にも雑草が生い茂り、人が通れるほどの踏み跡しかなくなりましたが、道は更に続いていました。渓谷の景色としてもクライマックスは越えた感があるので、途中で引き返すことにしました。渓谷や紅葉の景色としては、ゲートから少し行ったところまでで十分だと思います。
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投稿日:2019/11/10