標高911mの山でよく晴れた視界の良い日に登山すると、噴火湾と太平洋の大展望が望めます。眼下の室蘭の工場群や街並みに、特徴...
続きを読む的な地形の絵鞆半島と白鳥湾、そして遠く噴火湾と太平洋の対岸に駒ケ岳、横津岳など函館の山並みを望む大パノラマ! 測量山と違って高い位置から全体を見渡すことができるので、本当に地図で見る地形を実感することができます。
比較的室蘭市街地に近く、標高も程よく登山道もそこそこ整備された、さほど険しくない道のりで、展望も良いという登山に手ごろな山です。訪れた時には親に連れられた小さな子供もよく見かけ、地元の小学校の登山学習にも使われる山だとのことです。
【登山コース】
夏道、西尾根、水元沢の3つのコースがあります。道が良く距離の短い夏道コースで登り、視界の良い西尾根コースで下るのがおススメです。
①夏道コース
距離も短く、最も一般的なコースで、標高約400mから911mまでを約2.8kmで登ります。最初、森の中ですが、尾根に出ると次第に森が浅くなり、視界が開けてきます。
駐車場のスタートからスキー場横のダートの林道を白鳥ヒュッテまで750m行った後、しばらく森の中の急登が続きます。その後、稜線の尾根っぽい場所に出ると少し傾斜が緩やかになり、途中、木々の間から隣のカムイヌプリが見えたりします。その後も徐々に高度を上げていくと、森も浅くなり、山頂分岐、そして山頂に到着します。
上の方では振り返ると眼下に室蘭市街や噴火湾・太平洋の展望が見えますが、山頂よりも山頂分岐前の登山道中の方が展望が利きます。登山道中では、急な箇所では古タイヤの階段が作られていたり、石畳のような箇所があったりと、登りやすい登山道となっています。
②西尾根コース
途中から森が途切れ、展望の素晴らしいコースなので、絶景を背に登るよりも下りで使うのがおススメです。
夏道コースと同じスタートで、途中、白鳥ヒュッテから分岐して、西側の尾根を大きく迂回して頂上に至る3.8kmのコースです。上部では縦走っぽい感じで2つほどのピーク(825m、855m)をやりこすので、下りの局面もあります。また、夏道コースでは見られない急な傾斜が2、3カ所あります。
コースは白鳥ヒュッテの分岐で建物の裏手に回り込むように進み、そこからはずっと標高を下げ続け、ペトトル川の沢に下りて渡渉します。下りコースの場合は、これが登山の最後に待っている登りとして効いてくるので、疲れ身にはちょっと辛いです。その後、しばらく森林の中の快適な登りが続き、標高600mの辺りで西尾根に取りつきます。尾根に取りつくとともに、森は途切れ、周囲の展望が一挙に開けますが、急登が825ピーク近くまで続きます。展望は室蘭岳本峰の方も開けていて、堂々たる本峰が望めるほか、目指すべきゴールが見えているのが励みになります。825ピークから855ピーク手前までの稜線は緩やかで爽快な空中散歩を楽しめるのですが、その後の855ピーク手前と頂上ピーク手前の登りが面倒に感じてしまいます。頂上でも北側の景色を望める展望場所がありますが、855ピークでもあって、羊蹄山などが望めます。
③水元沢コース
本来、夏道・西尾根コースとは登山口が別の水元沢町方面から登るコースですが、アクセスなどから夏道コース(リフト上)から横ズレして水元沢コースに入って登ります。ただし、その場合、標高400mから一旦、標高280mまで高度を下げ、距離も5.3kmの長丁場になります。何より、渡渉あり急登ありのコースで、夏道コースや西尾根コースなどを経験し、他のコースも試してみたくなった場合に利用するとよいかもしれません。更に健脚な方は幌別駅・幌別ダム方面からアクセスするカムイヌプリからの縦走コースもあります。
【紅葉の状況(2021年)】
10月10日辺りに登りました。同時期、周辺の山では標高1200、1300m以上は既に落葉している感じなので、室蘭岳はちょうどよいはずでしたが、室蘭岳上部のダケカンバ林は数少ない葉が茶色くなって枯れている感じで、白い樹皮も遠くから目立っている上、下部の森もまだ緑が多い状態でした。(特に西尾根コースから眺めると)見事なダケカンバ林なので、黄色くならないのは残念だなと思いました。
【アクセス】
標高400mのだんパラスキー場の駐車場まで車で行くのが一般的です。駐車場は無料で停めるスペースも広く、キャンプ場や公園を訪れているお客さんも多く車を停めていました。また、公共交通機関で訪れようとするなら、タクシー以外では東室蘭駅から室蘭養護学校・大谷高校方面行きの路線バスを利用し、養護学校から4kmほどの道のりを歩きですが、本数も少なく、それなら歩いてしまった方が早い場合もあります。東室蘭駅からの距離は8kmなので、いっそのこと、札幌を朝イチの普通列車で出て幌別駅から約4kmでカムイヌプリからの縦走を選んだこともありました。
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投稿日:2021/10/11