晩秋の1泊2日の旅で度々訪れた町の中で、一度も訪れていない名所を訪れた。
埼玉の小江戸・川越と同じように、千葉の「小江戸...
続きを読む」と称した潮来市佐原地区は観光地としては小さい町だが、散策しながら歴史に富んだ、小野川ぞいの街を楽しめる。
食の方も、成田の鰻(うなぎ)料理と同様に佐原の鰻料理が知られているから、この町を訪れる際の一番の楽しみにしている。
香取市佐原地区は中心部を利根川の支流である小野川が流れ、古くから利根川を使った水運による物資の集散地として栄えた。
特に江戸時代になると顕著になり、商業集積は、小野川の東側だけでなく西側にも拡大した。小野川の東側を本宿、西側を新宿と呼ぶ。
当時、「江戸優り(えどまさり)」の言葉が残るほど、栄えていたようだ。
【佐原のうなぎ店やま川】
〒287-0003 千葉県香取市佐原イ449
Tel:0478-52-5061
営業時間:月,火,木~日 11:00~14:00,16:30~19:00(時間は適宜お客さんに合わせてくれる感じだった)
定休日:毎週水曜日
内容:鰻(うなぎ)、魚介・海鮮料理、ふぐ料理、すっぽん料理といった和食店
席数:21席(テーブル席、カウンター席、座敷席)
佐原駅北口から徒歩約5分と近い、小野川沿いにある。
近くには御同業の「山田うなぎ」店がある。
食の方も鰻(うなぎ)料理が知られているから、この町を訪れる際の一番の楽しみにしている。佐原を良く知る友人が勧める「やま川」はメニューのうな重、うな丼の値段が同一価格と言うのが、分かりやすくて実に良い。
タレは妙な甘みや、くどさが無くて私共の好みに合っている。
尚、店の傍は駐車場が無いが、ご近所さんなどのお勧めもあって、邪魔にならない川沿いに駐車させて頂いた。
夕方5時頃に開店と聞いていたが、早めに店内に招じられた。
最近は、座敷は体が硬くなった所為で苦手になり、入口傍の右に在ったテーブル席に座った。
店内には、御亭主が若い頃から熱中したと思わせる佐原の*山車(だし)の写真がたくさん掲げられていた。
写真を見ている内に、お待ちかねのうな重が出て来た。
「うなぎの長谷川」、「山田うなぎ」と、佐原の鰻料理はこれで3店目だ。
さわらグルメマップという冊子にも載っていない(あるいは載せようとしていない)店だが、私共の好みは「やま川」だった。
さて、店内の佐原山車(だし)24台の勢ぞろいの写真や、山車の「幣台(やだい)彫刻」の写真が目についた。
博天如(ひろきことてんのごとし)の文字が目立つ、山車の「幣台(やだい)彫刻」は祭礼の際に引く山・鉾・人形・鳥獣・草木などを飾った屋台のことで、神がおり立つ、神の依り来る目標(依代)とされている)彫刻」の写真である。
菊花・鳳凰の彫刻で飾られ、明治の著名な書家 巖谷修(本名はしゅう、巖谷 一六いわや いちろくと称し、明治の三筆の一人である)の筆で「ひろく大きな、いつくしみの心」を意味したもので「博如天(ひろきことてんのごとし・・・実はこの時は読み下せず、帰宅してから調べたのだ!)」と記されている。
この時は、つい山車の「幣台(やだい)彫刻」が気になって、ご亭主にこれは何かと聞いてしまったのだが、ご丁寧に写真集をお見せいただき、上の様な説明を受けた。
また、「やま川」のカウンター席は4mの欅(けやき)製の見事なものだ。この時は御亭主の説明に驚き、写真を撮ることを忘れた。
店内は私共が座ったテーブル席もそうだが、見事な欅を使用しているのが伺われた。
また、春の季節に訪れたいものだ。
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*香取市のHP:https://www.city.katori.lg.jp/sightseeing/matsuri/index.html
によれば、「佐原の大祭」と称する夏祭りと秋祭り(ユネスコ無形文化遺産/国指定 重要無形民俗文化財)は、関東三大山車祭り(秩父・川越・佐原)の一つと称され、約300年の伝統を誇る。
日本三大囃子「佐原囃子」(神田囃子、京都祇園囃子に加えて)の音を町中に響かせながら、小江戸と呼ばれる町並み(国選定 伝統的建造物群保存地区)の中を家々の軒先をかすめながら進むさまは風情たっぷりで、江戸時代の情景を彷彿とさせる。自慢の山車は、総欅造りの本体に関東彫りの重厚な彫刻が飾り付けられ、上部には江戸・明治期の名人人形師によって制作された高さ4mにも及ぶ大人形などが飾られている。
八坂神社祇園祭である7月の夏祭りは、小野川をはさんで東側一帯(本宿地区)を10台の山車が曳き廻される。一方、諏訪神社秋祭りである10月の秋祭りは、小野川の西側一帯(新宿地区)を14台の山車が曳き廻される。
「水郷佐原山車会館」では、夏祭りと秋祭りの山車が1台ずつ交替で2台展示されている。
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(2022.11.21.)
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投稿日:2023/01/05