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福島県会津若松市東山町大字湯本字川向200 地図 / アクセス・施設情報

平日でも満室の向瀧 その理由は日本最高の「おもてなし」

5.0 旅行時期:2020/09(約4年前)

kirstiNorge

kirstiNorgeさん(非公開)

東山温泉のクチコミ:1件

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1.新型コロナウィルスの影響下で向瀧の経営者が守り続けるもの「雇用」
ある化学会社の工場で地震対策を担当していたときのことである。
地震が発生し、停電が生じた場合、一部の設備が高温が発生し、爆発する危険がある。
福島原発の水蒸気爆発ミニ版が生ずる。
私の地震対策の提案は、保守要員は退避させず非常用電源を起動させ、設備を冷却し、設備を爆発からの危険から守ることであった。
工場長の指示は全員避難である。
その理由は、設備の設計、維持管理のノウハウはすべて従業員の頭の中にあり、設備の再建、操業再開は従業員の安全が確保されれば、
可能となるからであった。
夕食時に向瀧の仲居と短い語らいがあった。
コロナの影響で向瀧は長い期間休業していた。
経営者はその間、三十数名いる番頭、仲居の誰も解雇せず、雇用調整助成金の給付を受け、耐え抜いたのである。
仲居の中には、ベトナム人とフィリピン人もいる。国籍の差別なく、この二人の外国人も現在も9か月以上雇い続けている。
2.番頭、仲居を支えるもの 向瀧で働くことの「誇り」
向瀧に早めに、チェックインすることを推奨する。番頭が部屋まで案内してくれる。早く温泉に入りたいならば、番頭に何も聞かない方が良い。
ちょっとした質問でも、その答えは十倍の量となって返ってくる。番頭はこの向瀧で働くことに「誇り」をもっているようで、向瀧の歴史と特徴を限りなく語り続ける。
チェックアウトの前に予約しておくと、向瀧の空いている部屋を番頭が案内してくれる。最上級の部屋は連泊の宿泊客がいるため、案内してもらえなかった。
唯一空いていた部屋は、宴会場である。この部屋を大学卒と思われる若い番頭が案内してくれた。
学歴まで聞きはしなかったが、大学卒まで引き付ける何かがここ向瀧にはある。
3.向瀧への地元の支援は「修学旅行」
私には小学六年生の2人の孫がいる。いずれも首都圏の小学校に在学しているが修学旅行は早々と中止となった。
浅虫温泉に宿泊した時、中学生の集団に出会った。東北では、新型コロナウィルスの感染者が少ない隣県への修学旅行が行われている。青森県の浅虫温泉には隣接県岩手県の中学生がバス2台で宿泊していた。
青森県の修学旅行は北海道に行くそうである。
早朝に、玄関を開けている品の良い中年の男性に会った。
話が修学旅行に及んだ。この男性は経営者らしく、「地元の中学校は例年だと、東京や関西に修学旅行に行くところ向瀧に来てくれたので経営上とても役立った。」と言っていた。
ここ東山温泉には、地元の中学生が知っておくべき、歴史遺産ある。松平容保等の松平家歴代の墓地、新選組土方歳三が刀傷を癒したと伝えられる温泉
(東山温泉には江戸時代からの保養所が三つあり、その内の一つが向瀧であり、三つの保養所のどれかに土方歳三が逗留したことは確実であると経営者と思われる男性は言っていた。)がある。
ここ東山温泉には芸妓組合が感染防止のため、青森県内の住民の宴席に招かれた場合に限って、その芸を披露する。もしもできたら、修学旅行生にも日本古来の伝統ある芸を披露してあげたらと思う。
そして何よりもここ向瀧である。ここ向瀧に多くの歴史に名を残す人物が宿泊している。その人物と向瀧の関係を知るだけでも本当の修学旅行となったであろう。そして何よりも、向瀧等の高級旅館にはめったなことで宿泊できないだろう。
修学旅行でこの向瀧を利用した中学生がうらやましい。
4.マッチと新人仲居
夕食の時に仲居から面白い話を聞いた。新人の仲居はマッチを見たことがないそうである。新人の仲居はマッチの点け方を知らないそうである。
早速、翌朝、若い仲居に真偽のほどを確認した。その若い仲居の祖母の家は、薪ストーブであるそうだ。薪に火を点けるのにマッチを使っているとのことに驚いた。
その新人仲居には訛りを感じなかったので、その旨仲居に話したら、「群馬県の大学に在学中に友達から訛りがあると言われた。」とのことである。群馬県人が福島県人に訛りがあると言うとは、どちらの県人が本当の標準語を話しているのか、興味深かった。
5.インバンドツーリズムと地元企業の最高の接待は向瀧
地元企業が欧米との契約が成立した際に接待に利用するのがここ向瀧であると仲居が言っていた。今は海外からのビジネス客の来日は絶えており、向瀧が接待に利用されることなど2-3年はないだろう。
トリップアドバイザーで口コミの件数を調べて見た。全体の20%以上が日本語以外の言語により、記載されている。向瀧の全体の評価の90%以上が「とても良い」又は「良い」の評価である。
海外からの旅行客の比率が高いのではないかと思う。インバウンドツーリズムが復活するのは、全世界にワクチンが普及する2022年以降になるかと思う。
その時まで、雇用を維持して、伝統を守り、経営を続けて欲しい。
5.私が宿、ホテルに求めるものは「おもてなし」
欧米で宿泊して、最高のホテルと思ったのは、NHホテルアンコーナである。
その理由は「おもてなし」である。チェックイン時、フロント係員は日本語での歓迎の言葉。イタリアの最果ての地でイタリア人が日本語で迎えてくれることに喜んだ。
早朝、フロント係、女性に「フェリーがどこへ行くのか」「港にあるサイロは何を保存しているのか」聞いて見た。
女性は英語が不得意であるようで最初はイタリア語で次にパソコンで調べて英語で答えてくれた。一生懸命たどたどしい英語で説明しようとする態度に感動した。
この私より小柄な女性は我々が出発する際、私の20Kgの荷物をタクシーに運んでくれようとしたが、断った。タクシーが出発するまで見送ってくれた。楽しい思い出である。
向瀧を印象付けるのは、文化財の建物でもなく美味しい料理でもなく、多くの貸切風呂でもない。
向瀧を印象付けるのは、ここで働くすべての番頭、仲居の「おもてなし」である。
宿に到着すれば、荷物を持ちながら、宿を案内してくれる番頭。宿を出るときには見送ってくれる番頭と仲居。
食事は部屋食。夕食は軽い消化の良い米飯。朝食はしっかりとした米飯。朝夕食の仲居との楽しい語らい。
箸とマッチに私が興味を持ったら、帰りにお土産に持たせてくれる心遣い。また来たいと思わせる「おもてなし」である。

クチコミ投稿日:2020/11/08

  • ホテル写真

  • 番頭仲居のお見送り

    番頭仲居のお見送り

  • 庭

  • 宴会場

    宴会場

  • お土産のマッチ

    お土産のマッチ

  • お土産の箸

    お土産の箸

  • ホテル写真

  • 玄関

    玄関

  • 利用目的:観光
  • 同行者:家族旅行
  • 1名1泊予算:15,000円未満
アクセス
5.0
コストパフォーマンス
5.0
客室
5.0
接客対応
5.0
風呂
5.0
食事・ドリンク
5.0

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