エヴェレスト街道トレッキング；中

2014/11/05 - 2014/11/21

エヴェレストをこの目で見たいとの思いで、ヒマラヤに行きました。
トレッキングは初めての素人で、心配な事ばかりでしたが、裏山３００ｍ登山を重ね一人で計画し行ってきました。
軽い高山病も経験し、カラパタール（5545m）からエヴェレストを見る目標を達成できたので、若干の自信となり次の目標に向かってトレーニングを重ねています。
内容はトレッキングしたときのメモ書きを整理したもので、参考になるか？はなはだ疑問ですが、少しでも記憶に留めて頂ければと思います。

その他のトレッキングブログです。
エヴェレスト街道　トレッキング
上 ； http://4travel.jp/travelogue/11266799
中 ；
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アンナプルナ　サーキット　トレッキング
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チョラ パス、ゴーキョ街道　トレッキング
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エリア エベレスト山周辺(ネパール)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 徒歩
• 航空会社: 中国東方航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

2014 、11月　エヴェレスト街道　トレッキング

目　　次　・・・　上
前準備　、　一　日目 ～　六日目

目　　次　・・・　中
七　日目 ； 壮大なヒマラヤ襞に圧倒される
八　日目 ； やっと見えたマカルー　
九　日目 ； 予想外の日本語にびっくり
十　日目 ； 名所？エヴェレスト　ベースキャンプへ
十一日目 ； 高山病の試練に直面

目　　次　・・・　下
十二　日目 ～　十七日目


！！壮大なヒマラヤ襞に圧倒される！！
トレッキング　；　七日目　11 / Nov / 2014
デインボチェ から チュクン へ ；
　3時間のトレック　4350 m ～ 4730m

9時50分出発、　高度差400mの緩やかな坂道を登る、両膝が筋肉痛だが明日は下りなので治まる事を願おう。
森林限界を超えているのでツツジの様な低木が彼方此方にある道を縫って登って予定の３時間、12時40分に到着。
昼食に頼んだ チーズサンドのパン二枚が喉を通らないが、ボイルドポテトは日本から持参したチューブバターを塗ってやっと食べる事が出来た。
外は冷たい風が吹いていたがトレックの後なので心地良い気分となり、日差しが強く風が当たらないロッジ前庭では椅子に腰を下ろし休息しているのを見ているとなんだか南国のリゾート気分になってくる。
目の前に見える世界四位、ローチェとヌプチェが連なる大岩壁は4000mの高度差と規模の大きさに圧倒され、南西に見えるアマダブラムは高度差が2000m程になり　手が届く様な感覚に陥るほど登ってきたのか！
其処から伸びる稜線がカンレヤムーを通り氷河の壁となりパイプオルガン風とも雪のカーテンとも形容されるヒマラヤ襞を見せてくれる。・・・ネット上で検索した中でこの写真はベストだと確信した。親・子・孫の襞まで確認できる程の解像度なのだ。2400万画素を二枚合わせで4500万画素近いのだから当然かな！！


今回の目的の一つであったので三脚を立てヒマラヤ襞を細部まで二分割にしてパノラマ写真と動画を撮影・・・絶景！

夕方5時を過ぎるとローチェの大岸壁が赤く染まり雪煙りを舞い上げる姿には感動した！

毎日複数のヘリが頻繁に飛び交い高山病のトレッカーを運んでいるが　向かい側の小高い丘の上に降りてきてロッジから両脇を支えられた白人が乗り込み直ぐに飛び立っていった。
保険での支払保障が無いと飛んで来てくれないが　60万相当のヘリ代金を考えると、之もネパールの経済に貢献できている事なので地元にとっては良い事かも知れない。
ただ私は　通風を何年も治療中で保険に入れないので無理をしない様に用心して行動する様にしている。

！！やっと見えたマカルー！！
トレッキング　；　八日目　12 / Nov / 2014
　チュクン から チュクン・リ 後 デインボチェへ ；
　6時間のトレック ＋ 昼 90分　4730 m ～ 5000m～ 4350m

頭痛がひどいので　痛み止めのロキソニンを服用する。
トイレに設置のタンクの水は氷が張っていたが室内のボトルは凍り付いていなかった。
6時半　周りの山に朝日が当たり輝き始めてきた。本日も晴天。
7時半　出発、麓の川沿いに移動して川を渡るルートをやっと探して、川縁に薄く張った氷の川で女性が髪を梳かしている傍を通り抜け登り始めると　北側は岩壁で頂上のみ雪を頂いた山が見えたのでFurbo　に聞くとマカルー（世界第五位 8463m）と言ったが直ぐに打ち消した。・・・雪嶺のCho Pholu (6734m) だった。
5000m近くになると一昨日と同様に筋肉に力が入らず足が上がらなくなるので少しずつ登ると岩肌が覗く山マカルーが見えた。8000m峰は風が強く雪が飛ばされるのか 岩肌がむき出しで存在感を示している。
逆さにしたお椀の上にピラミッドを載せた様な山容で　昨日のヒマラヤ襞は麓に広がる氷河も姿を見せてくれた。
3時間掛かったが　マカルーを見て満足したので　チュクン・リ（5550m）の 頂上は諦め下山することにした。

11時半の　ロッジに戻る。前庭で日光浴を兼ね椅子で休息。
ランチの後　13時にデインボチェへ出発　15時に到着。

鼻水が続き治まらないが頭痛は高山病でなく風邪だったのかな？
昨夜のロッジは 私だけポーター達と一緒の二階のフロアだったが他の客はツアーなので　食堂の有る一階でトイレも屋内の客室に陣取っていた。
二階は建屋入り口の脇にトイレが有り、その扉は施錠出来ず半開きの状態でローチェから降りて来る冷気にさらされ寒かった。

デインボチェのロッジ裏側広場に10張り程のテントを張ったツアー一行が夕食の準備を始めていた。
この様なツアーは自前のテント、食料等を帯同したポーターが運ぶ為宿の心配なく行程通りに行けるし全ての準備はして貰えるので忙しい人には重宝だが、高山病になった人は残るか下山する事になり、カラパタールに雪が積もった場合も登頂を断念する事になるし、途中で絶景ポイントが有っても列を離れ撮影に行く訳には行かないし、自分の都合で日程を調整出来ないことが最大の問題！

夕食は　ベジタブルスパゲテイーはとても美味しく完食したが量が少なかった。・・・何時も食べ切れないで残すが！　
高山病の兆候はないが、5000m越えは何回登っても慣れる様な感じがしない。
カラパタールは一回で充分の様だが、早朝の日の出に合わせて登るのは寒さで難しい！
　“第一は　カラパタールからエヴェレストを見る事”！！

！！予想外の日本語にびっくり！！
トレッキング　；　九日目　13 / Nov / 2014
　デインボチェ から ロブチェ へ ；
　5時間のトレック ＋ 休息 40分　4350 m ～ 4910m

7時20分出発　
今夜、宿泊のロブチェのロッジに空き部屋が有るかFurbo　に聞くと“OK”との返事だったのでポーターを先行させることは無いが、ロブチェとゴラクシェプのロッジはピーク時には満室になりダイニングの床がベッドとなる。
宿泊したロッジの傍で　住宅建設の作業が始まっていたが、建物の周囲の壁は50cm程に石を積み重ね　窓、玄関等は木材で組み上げその上にはタルチョウを飾って祈願し、三人掛かりで窓と窓の間に入れ込む石を寸法に合わせて割る作業が寒い中行われていた。見てみると近場から持って来た石がメインで木材は開口部のみ　屋根はトタン板なので之もポーターが運んで来る物・・・合理的な組み合わせと思う

丘の上に見えるストゥーパを目指し登り切ると　左；西側は氷河から流れ出しガンジス河へ流れ込むクーンブ・コーラとタウチェ、チョラチェの双子峰が全容を見せ、川沿いにはペリチェのロッジ街とジャガイモ畑、後方はアマダブラム、カンテガ、タムセルクと、周囲を絶景に囲まれた緩やかな丘の上を歩くトレックで2時間程歩くと右；東側の合間から真っ白に輝くプモリが見え出す。全体がピラミッドに似ているので一目瞭然でバランスが良く魅了される山で白人からマッターホルンと一二を争うと言われているだけの事は有る！　　やがて目の前にトゥクラのロッジ群が見えて来たが其処から北側に350m急峻な坂を登った先がトゥクラ・パスでこの街道で三番目の激坂も見え出した。

10時　トゥクラ　に到着
Furboが”如何しようと“　早いのでそのまま進もうかと思ったが　周りの人たちは皆休憩していたので一服。
この坂もFurboにバッグを預け身軽になって登り切ると頂上広場にはエヴェレストで犠牲になったシェルパの人々や登山家のメモリアルストーン；チョルテンが数多く設置され、銘板を埋め込んだ碑も多く見られるが　その周りには石を積み上げただけの碑もあり、それぞれに冥福を祈ってタルチョを掛けてある。
その広場では　最後の関門を登り切った安堵感に浸って皆ゆっくり休憩タイム。
バッグを置く石積みに立掛けて有る　15cmの角材で長さ2m物を11本束ねたポーターの荷物を借用して頭に掛けその重さを体感しているトレッカーがついには走り出したが、白人は体格が違うしそのパワーにびっくりした。

写真を撮りお祈りを済ませ　トゥクラ・パスを回り込むとエヴェレスト南壁から延々と続くクーンブ氷河が目の前に現れ、プモリ、リントレン、クンブチェの連山が純白に輝く雪を頂いた姿が紺碧の空に映え感動する！
ヌプチェがローチェ、エヴェレストの前に大きく立ちはだかった雄大な姿を眺めながら氷河沿いに登って行く途中、デインボチェで高所順応に登ったナンカーツアャンで出会った日本人に再会。・・・帰路だった。
ゴラクシェプの宿は泊まれたが倉庫の様な狭い個室だったと言っていた。来週一杯カトマンドゥ滞在して帰国する！
・・・後日　カトマンドゥのお土産屋さんで再会した。

13時10分　ロブチェ到着　Above The Cloud Lodge & Restaurant
昼食、夕食も完食出来、高山病の心配はなさそうだが用心の為ダイアモックスを飲んでおく。
このロッジの女主人は南海キャンデイーズの静ちゃん似で食堂の配膳をテキパキと一手に指示するタフな人だった。
昼食の片付けがひと段落してゆっくりしているタイミングを見計らっていると目が合ったので “Can I take your sign” と持って来たバナーにサインをお願いすると”OK” とサインをしてくれたが　”One hundred “ と言われたので　お土産用に持っていた表紙が富士山のカレンダーを渡すと意外にも日本語で “何処から来た” と聞かれたので、ノートに挟んでいた日本地図で長崎を指差し “Atomic　Bomb” で説明した。
カレンダーは新しいのか　と言いながら飾る場所を探し回っていた。
・・・ネパールは4月が新年だから！！
食堂に居た日本人客と話していると撮り溜めた写真をアップロードしたが旨くいかず消えてしまったが、帰りにもう一回撮影出来るので不幸中の幸いと！・・・泣くに泣けないだろうと思う。
隣に気分が悪そうな白人が抱えられて横になり パルスオキシメータを指に挟み血中酸素量の計測を始めるとロッジの女主人が電話でヘリの手配をした様で　30分位で近くの広場に到着。両脇を支えられヘリに乗り込みルクラ空港に向かって行った。・・・毎日の事だが　電話してから意外と早く来るのに感心した。
まだ　時間が早いので外を歩いてみると傍に手入れされた水汲み場と洗濯場が有り美味しそうな水が出ていたがミネラルウオーターのボトルを飲んでいたので汲まなかったが、近くで会った地元の人に持っていたカメラの事を聞かれ“それは“$2000 か　撮ってくれ”と言われヌプチェをバックに撮影。

ロッジの向かいの丘に登ってみると　岩陰にはまだ雪が残る場所に５張りのテントが設置して有りメインと思えるテントには人影が見えるが他は無人・・・ツアー客用に設置している様だが客はいない。
ロッジの裏側では若い人達が10ｍ近い岩に素手で登る練習をしていたので暫らく見ていたが見事に登っていくのに感心していると手を上げ笑顔を返してくれた。
16時半を過ぎると日が沈み始めたが　周りの山に阻まれ赤く染まる夕焼けにはならなかった。

！！名所？エヴェレスト　ベースキャンプへ！！
トレッキング　；　十日目　14 / Nov / 2014
　　ロブチェ から ゴラクシェプ へ　　＊ エヴェレスト B.C 往復
　 8.5時間のトレック ＋ 昼食 70分　4910 m ～ 5364m ～ 5150m

8時出発、今日はヌプチェを見ながらクーンブ氷河の脇を登って行くトレック。
約一時間歩くと岩場をプモリに向かって登っていくロブチェ・パス；激坂の傍で日本人ツアーガイドが“チョット厳しい坂ですがカラパタールへの最後の坂”と言っているのが耳に入る。エヴェレストが時折頭を覗かせるので　元気が出て登り切るとクーンブ氷河の全体像が見えたが、氷河の上に周囲の山々から流れ出た土石が堆積し　雪が固まって押し流される白く輝く氷河とは違い　岩石が広がる谷間の様な感じがするが　至る所で氷河が溶け池の様になっているので、かろうじて岩の下に氷河がある事を実感できる。早速　エヴェレストの裾野からトゥクラパスまで動画で撮影した。

氷河の脇を登ったり下ったりしながら　11時過ぎには最後の宿泊地　ゴラクシェプが見え出し感動する。
・・・・やっと到着した！

昼食後　Furbo が”如何しよう“　と聞いて来たので時間が掛かるがベースキャンプ行きを選択、Furboも同じ！　　　　　
5km先のベースキャンプはロッジの先を下り広場と池の脇を通り、時折エヴェレストが頭を覗かせるのを楽しみながら、氷河沿いに進んだ先に有るが、春には氷河の脇にテント村が出来　登山隊が5月後半に登頂するタイミングに向けて約1ヶ月半、高所順応しながら繰り返し高度を上げていく時の司令部の場所となる。
トレッカーが行けるのは此処迄でこの先は登山家の領域となる！

現在の　ピーク登山の申請料は 一人 11,000ドル( 旧25,000ドル) に下ったが、以前 7人以上は 一人10,000ドルの申請料だったので、この15,000ドルの差を考えツアーで募集し7人以上にした登山隊が出てきたが　隊長と言っても寄せ集めのチームで統率力が発揮出来る訳ではなく事故が続いたので　現在はすべて一人11,000ドルとなっている。

オフシーズンで誰もいないベースキャンプを望む所には、積み石、バナー、タルチョが飾られていたが先行していた白人数人が写真を撮っていたので　暫らくその様子を眺め　彼らが去った後　Furbo と写真撮影を済ませた。
カラパタールは知らなくてもエヴェレスト ベースキャンプは皆分かる有名な場所。
その頃からお腹の調子が悪くなり痛み出したが、来る途中でロッジの人が広場の水溜りで汲んでいた水が原因の様で、他のブログでも此処の食事で調子を崩す人は多くミネラルウォータを飲んでも防ぎようがない！

氷河の岩の上に頭、胸が赤い綺麗な鳥がいたので撮って後日調べるとオオマシコで日本でも高い山で見られる鳥だった！
5時半になってやっとロッジに到着したが、ベースキャンプ往復5時間、本日は合計8時間半の長丁場だった。
久し振りに電波が届き日本に電話出来たがベースキャンプが分かったのかな？
明日のカラパタールは　登り5時間、下り3時間とFurboは予測した。
5000m越えの空は紺碧なヒマラヤンブルー、空気が薄く空中のゴミ、水分などの乱反射が少ないから宇宙まで見えそう！
戻る途中、手の甲・指にむくみがある事に気付いたが　薬の副作用と思いながらベッドにもぐりこんだが、夜中に頭痛が酷いのでダイアモックス250mgを飲んだが治まらず、ついに高山病が自分の体に出た事を感じた。

！！高山病の試練に直面！！
トレッキング　；　十一日目　15 / Nov / 2014
　ゴラクシェプ で 待機　
1時間のトレック　5150 m ～ 5350m ～ 5150 m

朝　6時に飲んだダイアモックス250mgが9時頃効き治まって来た。
食欲不振・吐き気は無く、頭痛・手のむくみなので軽症だが　日程には余裕があり宿も問題ないので今日は無理をせず待機する事にし、午後に少し登って高所順応する事にした。
カイロ等の物資も少なくなって来たので明日は是非登りたい。・・・軽症なので突然倒れる事は無いだろう！
昼食後　一時間掛けて約200m程登ってみたが筋肉痛も無いので、カメラバッグと三脚をFurbo に持って貰い歩幅は半分にして登れば3時間位で着くだろうと思う！！

外に出てみると広場の日陰に残った雪が、太陽に向かって伸びる花弁の様な綺麗な形に見惚れてしまった！

夕食後ロブチェの宿で一緒だった日本人も同じ宿だったのでヤクの糞を燃料にしたストーブの傍で暫らく話をした。
・・・　後日、カトマンドウのダルバール広場でも再会した。
ロッジのトイレは建物の中に一箇所有り、夜中でも寒くないし苦にならないが使えない時は　離れた所の穴を掘った上に設置の外トイレを使うことになり子供の頃を思い出すが、寒さで睡眠障害にならない様に用意した尿パックを使い、部屋の中で済ませ翌朝トイレに流し処分する尿パックを使用したのは、此処ゴラクシェプだけだった。