富山・高岡から氷見・砺波・南砺の五月の連休祭りだらけの旅(四日目夜)~福野夜高祭は、福野神明社の春季祭礼の宵祭り。巨大な行燈が夜空に浮かび上がって、よいやさ よいやさ。最後のクライマックス”引き合い”に向けて、いざ出陣です~
2017/05/02 - 2017/05/02
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たびたびさん
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この日の夜の部は福野夜高祭。砺波や福光の街歩きの途中でもこの祭りの話が出て、なんだか面白そう。どうしても行ってみたくなったというわけです。
ところで、福野夜高祭は、福野神明社の春季祭礼の宵祭り。祭りの始まりは、江戸時代の初め。大火からの町の再建で、神明社創建のために伊勢神宮から分霊を迎えたのですが、その使者一行が帰途、倶利伽羅峠の辺りで夜にり、町民達が行燈を持って使者を出迎えたしたというのです。宵祭りの翌日が本祭りで曳山祭りが行われるのですが、始まりからしてもこの宵祭りの方が有名になったのは当然なのかもしれません。
夜高祭りは夕方から深夜にかけて。夜高太鼓にお囃子が場を盛り上げると7町の櫓を組んだ行燈が次々と街に繰り出していく。そして、最後のクライマックスは行燈をけったり叩いたりして、お互いに壊し合う「引合い」。これは12時過ぎの深夜なので、さすがにそこまで見ることはできませんでしたが、櫓の行燈の上の方に陣取った若い衆が光に照らし出されているのを見たりすると十分激しいその「引き合い」も想像できる。行燈は長崎のランタンフェスティバルのような華やかさがありますが、それだけでは終わらず、あくまでも人間が主役になる祭りというのがこれもやっぱり日本的なのかなあと思います。
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イチオシ
砺波駅から福野駅に移動して。
まず向かった福野高校正門前に独立した敷地に建つ巌浄閣。これは、旧富山県立農学校の本館です。
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やや平面的な感じもしなくはありませんが、コロニアル・スタイルの木造2階建て。いかにも明治期に建てられた洋館ですが、これに加えて当時皇太子だった大正天皇の御座所にもなったことがあるという由緒もある。内部の拝観はできないようですが、外観からでもその雰囲気は十分伝わると思います。
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ここで祭りの会場の方に向かいますが、あれ?これはなんでしょう。
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武者人形のような人形が飾られていますが、ははー。たぶん、明日の本祭り「福野の曳山」の飾りですね。
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イチオシ
まだ子供のような武者を睨みつける中国人みたいな男。牛若丸と弁慶でもないでしょうが、これもなかなかよくできているじゃないですか。こっちの方も見応えありそうですね。
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近くに張ってあったポスターを見つけましたが、なるほどこれも絢爛豪華といったお祭りのようです。
ただ、それはそれとして。。 -
本日の会場の方にやってきました。日が暮れかかった中に立つ夜?・行燈。
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上へ上へと伸びたような形ですが、
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全体に灯が灯って、これは面白い。
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長崎のランタン祭りのような感じもしますが、色調を統一させてあんまり多彩になっていませんね。ただ、それは色彩よりも行燈全体の形に特徴があるから。初めて見る人は、誰しもこの凄まじい形の方に目が行くと思います。
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上部の担ぎ棒のような棒が出ているのは神輿の形を写したものでしょう。夜高行燈では、この上部の部分を山車と呼びます。
その下に開いた花のような造形は何を意味するのか。これは吊り物。それらを支える柱のような長方形の行燈が連楽です。ただいずれにしても、パーツとともに全体としてのバランスがとれていて格好いい。私は映画のトランスフォーマーみたいな面白さがあると思いましたが、いかがでしょうか。 -
ちなみに、ここは祭りのスタート地点。銀行四つ角と呼ばれる大きな街の交差点です。
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皆さん、それぞれこの交差点に向かって待機しています。
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イチオシ
では、その間に行燈を見て回りましょう。
なにかコンクールのようなものが既に終わって、賞を取った行燈には黄色い印が付いていますね。この山車は御所車です。 -
御所車は華麗ですが、一方、こうして側面から見ると下を支える連楽の方も力強くて、堂々とした姿。正面から見る華麗さとはまた違った印象を受けると思います。
そして、そこに御神燈と書かれていて、これ全体が御神燈ということ。祭りはあくまで、神事です。 -
どこの行燈も台座の下の部分とその上に乗った上の部分が重なった構造。外見は光を灯す張り子なんですが、引き合いと呼ばれる壊し合いに耐えれるよう芯はしっかりした造りなんですよね。
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上の部分は神輿の形もあれば、御所車のような形もある。
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扇ねぶたみたいなのや
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こちらは宝船ですね。
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ただ、その上部ばかりが目立って頭でっかちにならないように
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下部の造りも豪華で、デザイン的にもバランスが取れていますよね。
さらに言うと。
張り子の行燈というだけなら、もっと自由自在に形を変えられるんですが、そこに大事な機能を発揮させるための構造的な制約がある。この行燈の形にはその制約を踏まえ進化した美もあるように思います。 -
まあ、どっちにしても。
上の部分と下の部分の組み合わせはいろいろだし、 -
それによって、勢いが出たり、趣きが出たりする。
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例えば、こうして屋根が付いていると、それなりに落ち着いた形になるんですが、
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台座の米俵のような吊り物との組み合わせで動的な印象を加えています。
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見上げるとけっこうな高さ。上に乗った人は涼しい顔でいますが、なかなか度胸が必要ですね。
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少しづつ、行燈が動き始めました。
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筏みたいに長い台の上には人が乗って
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よいやさ、よいやさ
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勇ましく叫んでいますよ~
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うちの行燈。どんなもんだあという感じでしょうか。
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交差点ではくるりと向きを変えながら、
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本番での調子を確かめているよう。
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山車の部分は回転もするので、ここでしっかり動きを確認して、
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街の方に出て行くんです。
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よいやさ、よいやさ
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順番に従って、どんどんやってきます。
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こちらの組はそれをじっと眺めながら、自分の番を待っています。
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イチオシ
例の神輿の行燈も動き出しました。
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本当にばっちり決まっていますね。
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こっちは、宝塔のような大げさな意匠。これだって、迫力では負けていませんよ~
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鳳凰を頭にした宝船が続いて。
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こちらは布袋さんのような行燈ですが、半身になった男衆が高いところに何人も乗っています。
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イチオシ
そして、足を振り上げたりして猛アピール。俺っちこれくらいなんでもねいぜーって感じでしょうか。
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あんなに高いところなんですけどねえ。それにきちんと足場があるような風には見えないんですが。。
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それでも、大事なのは全体の息を合わせること。
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何度も方向転換をしながら、
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全体の意思疎通を確かめ合っているようです。
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だんだん暗くもなってくるし、
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ちょっとした油断やスキが
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イチオシ
大きな事故を巻き起こさないとも限りませんから。
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うーん。それでもすごい。このチームはもうエンジン全開です。
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さっきも言いましたが、この交差点は祭りの出発点。
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ここにいれば、すべての屋台がやってきます。
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これは、小型の行燈ですが、上に乗った男の子はもう一人前の気分でしょう。
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すっかり暗くなって、
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灯りがますます美しくなってきましたよ~
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この漆の黒光りを彷彿とさせるような輝き。素晴らしいじゃないですか。
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担い手もそれを誇りに頑張ります。
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お互いにあいさつを交わして、祭りの無事を祈ります。お互いライバルですけど、祭りを思う気持ちは同じです。
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優秀賞を取った行燈ですね。
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イチオシ
釣り物の鳳凰に、御所車もきらびやか。
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側面から見た連楽も力強いです。
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こちらの山車は、宝塔のような神輿型。
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周囲に欄干まで付けて、むしろこれがお宮さんみたいです。
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すごい、すごい。
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これも優秀賞。鳳凰がぬっと現れて、
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勢いがありますね。
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山車は車はついていますが、宝船でしょう。
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四つの車輪がついた宝船が
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高い場所で吠えているよう。
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さらには、その山車を回転させて、いやー、乗ってきましたね。
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イチオシ
お囃子の子供たちも休む暇はない。最初からぶっ通しで頑張ってますよ~
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屋根の付いた御所車も、
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よいやさ、よいやさ。
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華麗で、熱い。福野夜高祭り。最高です。
しかし、帰りの時間が気になります。引き合いはとても見れないし、ここらで退散しましょうか。 -
駅の方に戻りつつ、少し市街をぶらぶら。
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朝山精華堂は、福野の中心部。
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看板商品の「千代の梅」をいただきました。
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ピンクの求肥の中心に有平糖が核のように入っていて、柔らかな味わいに最後、ちょっと甘い刺激をくれる。その加減がとてもいい感じ。銘菓の品格が漂う逸品です。
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もう一軒は朝山太陽堂。
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ここにも福野名物の千代の梅がありましたが、朝山精華堂の方で買っていたので、
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こちらでは別のものと思って、お店のお勧め双子餅をいただきました。求肥に包まれたねっちょりした白餡のお菓子。全体が混じり合って、ボリューム感がありますね。ただ、やっぱり名物は千代の梅の方かなという感じです。
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と、これは明日の曳山ですね。
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イチオシ
裏の方に回ってみると、これは像と唐子。コテ絵のような感じですが、幻想的でちょっと見入ってしまう美しさです。これも見応えありますねえ。
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こちらは宝船の意匠。気で作ったものは重厚です。曳山は四台あるよう。それぞれ明日の本番を待っています。
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横にあるのは庵屋台。この庵唄がいいんですよね。
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ところで、市街の家々には軒先に武者絵の行燈が掛けてあって、祭りを盛り上げます。
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その武者絵の展示会もありまして、ちょっと拝見。
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行燈に映えるように赤を基調とした配色ですが、
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その中でも、それぞれが個性的。
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イチオシ
力強い姿をこれでもかこれでもかと強調しています。
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以上で福野の夜?・祭りは終了。ここから高岡の宿まで帰ります。
なお、明日は旅の最終日。彫刻の街、井波の街を回る予定です。
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