2015/09/21 - 2015/09/21
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aquamarine_324さん
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サラエボの後編です。
サラエボという街は、20世紀だけで3度も歴史上の大きな出来事を経験しました。
1)第一次世界大戦勃発のきっかけとなったサラエボ事件
2)冬季オリンピック
3)旧ユーゴ内戦が引き金となったサラエボ包囲
スケジュールの都合上、サラエボで2泊することになって時間があるので、良さそうなツアーに参加して郊外へも出てみようと思った中から、ボスニア内戦の爪痕を見て回るツアーを選びました。
当初はサラエボは2泊するどころか通過しようかとさえ思ったぐらいなのですが、結果的に2泊してこのツアーに参加する時間ができ、良いガイドさんに案内してもらったこともあり、本当に参加して良かったと思える有意義な時間を過ごせました。
日本の場合、原爆投下から70年以上が経ち、リアルな当時の経験を知る人が少なくなっていますが、ボスニア内戦の場合、まだわずか20年強しか経っていません。
それこそ、自分と同年代か年下の若者が平然と戦争経験を語るのを聞くと、カルチャーショックを受けてしまいます。
しかし、だからこそ、そういう場所に身を置いて話を聞ける機会は貴重だと思います。
□9/16 成田→フランクフルト
□9/17 フランクフルト→(ザグレブ)→スプリット(空路移動)
□9/18 スプリット→ドゥブロヴニク
□9/19 ドゥブロヴニク→ブドヴァ→コトル→ドゥブロヴニク
□9/20 ドゥブロヴニク→モスタル→サラエボ
■9/21 サラエボ
□9/22 サラエボ→ベオグラード
□9/23 ベオグラード→(フランクフルト)→…
□9/24 …→成田
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《「ようこそ、バルカンへ。ここはもうヨーロッパではありません、バルカンです」 目次》
#0 ビールは我慢して、名物アップルワインを飲もう! @フランクフルト
http://4travel.jp/travelogue/11053749
#1 夜も眠らない古代ローマ宮殿 @スプリット
http://4travel.jp/travelogue/11058498
#2 暑さ対策にはご用心! @ドゥブロヴニク(前編)
http://4travel.jp/travelogue/11064172
#3 モンテネグロへ日帰りshort trip ブドヴァ編
http://4travel.jp/travelogue/11087999
#4 モンテネグロへ日帰りshort trip コトル編
http://4travel.jp/travelogue/11088007
#5 早朝のバニェ・ビーチを独り占め @ドゥブロヴニク(後編)
http://4travel.jp/travelogue/11094061
#6 "Don't Forget '93" @モスタル
http://4travel.jp/travelogue/11090710
#7 異文化のミーティングポイント、サラエボの光と影
http://4travel.jp/travelogue/11090711
#8 "一番大切なのは、相手をリスペクトすること" サラエボ包囲の爪痕を見る
http://4travel.jp/travelogue/11090712
#9 トルコ兵が叫んだ「白い都!」のいま 〜米原万里さんのエッセイで旅するベオグラード〜
http://4travel.jp/travelogue/11090713
【参考書籍】
○嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (著)米原万里
○終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ (著)木村元彦
○ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (著)高木徹
○ユーゴスラヴィア現代史 (著)柴宜弘
○トルコのもう一つの顔 (著)小島剛一
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス 徒歩
PR
-
11:00〜 ラテン橋至近のSarajevo Insiderという旅行代理店オフィス前から
サラエボ包囲ツアー(Times of Misfortune)に参加しました。
事前予約が必須で、日本出発前に予約していきました。27ユーロ、支払いは当日です。
もちろんマルクで払ってもOK。
最初に連れてこられたのは小高い丘です。 -
言われるがままに進み、
-
開けた場所まで出たところでガイドさんが最初の説明を始めました。
1974年生まれで、もともと警察官だったムスリムの男性です。内戦当時も警察官だったとのこと。
事前の調べでは、内戦当時は子供だった若いガイドが多いようだったので、ちょっと予想外でした。
なぜ警察官を辞めてガイドになったのか?を後で聞くことができました。
お金の問題やら何やらで辞めざるを得ない理由もあったようですが、
徐々に戦争の傷が癒えて世界中からいろんな人が集まるようになって、あの戦争について全く知らない人も多いことがわかってきたので、当事者として説明したいと思うようになったことが決断の1つの理由だった、と。 -
サラエボ市街地を望む
ぐるっと見渡すと、サラエボが周囲を山々に囲まれた盆地であることがすぐにわかります。
内戦時は、ここをほぼ一面セルビア勢力に包囲されていたとのこと。
―「このすべてが、いつ破壊し尽くされてもおかしくないような状況に、私たちは置かれているのよ。本を読んでいるときも、台所に立っているときも、ふとそのことで頭がいっぱいになるの。すると、振り払っても振り払っても、恐ろしいイメージが次から次へ浮かんできて気が狂いそうになる」
(『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』より抜粋) -
戦争に至った背景の説明と、それに対する私見を述べたあとに
短く発せられた言葉が、とても印象に残りました。
「皮膚の色も同じ、話す言葉も同じ、それなのに何故殺し合わなければならないのか?」
「好きか嫌いかは関係ない。一番大切なのは、誰であっても相手をリスペクトすること」
実際に内戦を経験された方の言葉なので、とても重いです。
シンプルな英語で、respectというワードをとりわけ強調してガイドしてくれたのが印象的でした。 -
丘の近くにある広大なお墓に案内されました
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全ての方が、1993年とか1994年に亡くなっています
1971年生まれで1993年に亡くなったということは22歳…
悼まれない気持ちになります -
車に乗ってオリンピック・スタジアム方面へと移動しました
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向こうに見えるのがスキーかジャンプかの会場だったというような説明だったと思います。
紛争中の犠牲者が多すぎて埋葬もできず、お墓のスペースも足りなかったので、オリンピックスタジアムのグラウンドを墓地にして、砲撃を避けるように早朝と夕暮れ時に埋葬をしていたそうです。 -
最後に訪れたのはトンネル博物館。
最後といっても、移動時間も含めると実質的にツアーの半分がここでした。
生々しい跡が残っています。サラエボ トンネル博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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いわゆる「サラエボのバラ」。
内戦時の砲弾で爆発した跡のくぼみを赤い樹脂で埋めたものがバラに見えることから
こう呼ばれています。サラエボ トンネル博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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このすぐ裏はサラエボ空港で、国連も出入りしていたので
このエリアだけは完全に包囲されていなかったそうです。
また、すぐ裏の山・丘にもボスニア軍占領区域と繋がる抜け道があったことから、包囲時は外部から物資を引き込める可能性のある貴重な調達ルートでした。
その調達ルートと空港の間にたまたま位置していたこの家が、トンネルを掘る拠点として選ばれたということらしいです。サラエボ トンネル博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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赤い太線が、セルビア軍に包囲されていた場所。
わずかに包囲されていない場所にトンネルが掘られました。
SURROUNDED CITYなんて言葉、初めて聞きました…
―「二人とも、サラエボにいるの。しじゅう空爆に晒されている地域。だから、地下室に暮らしている。ガスも水道も止まった地下室にね。どんどん戦況は泥沼化して、脱出など不可能になってしまった」サラエボ トンネル博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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これを使って、トンネル内を往復して物資を運びこんでいたそうです
サラエボ トンネル博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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犠牲者の名簿。
行方不明になってしまった方も数多くいたと思われますサラエボ トンネル博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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トンネルは800mありますが、うち25mだけが残されています。
実際に歩くことができますサラエボ トンネル博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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「20世紀を終わらせた場所」と訳すのでしょうか?
シンプルですが重い言葉だなぁと…
ガイドさんは最初から最後まで熱心に語ってくれました。
実際に現場を見て話さないとわからないことがたくさんあると再認識しました。
とてもお勧めできるツアーでした。
Sarajevo Insiderオフィスの前で、小銭がなかったのでチップ込みでガイド料60KM(=30ユーロ)を払い、お別れ。サラエボ トンネル博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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再びバシチャルシァを歩き始めました。
これはシナゴーグです。
サラエボにはユダヤ人もたくさん住んでいました。
スペイン/ポルトガル系のユダヤ人が、貿易目的でイスタンブール方面を目指して立ち寄り、そのまま住み着いたという歴史背景のようです。
一番大きなユダヤ人墓地があるのはプラハだが、2番目はサラエボなのだと、さっきのガイドが移動中に教えてくれました。ユダヤ博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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展示は1階〜3階部分に分かれていました。
1Fは↑でコメントしたような歴史背景、
3Fが第2次大戦時のホロコーストの話でした。
何度見ても心が痛みます。ユダヤ博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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もう特にやりたいこともないので
気になっていたTurkish Teaを、朝とは違う店で飲みました。
何がTurkishなのかわかりませんが、ジャスミンティーみたいな感じで
飲みやすくて良いです。 -
何も買う気はないのに
土産物店が軒を連ねる通りをブラブラと歩き、バシュチャルシヤ 散歩・街歩き
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ちょっと裏道へ。
ようやくサラエボの街の雰囲気にも慣れてきた感じがしました -
Gazi Husrev begova medresa
かつてのボスニア総督で建てたMedresa(学校)です。
彼の生涯を紹介するビデオが上映されていました。Gazi Husrev begova medresa 建造物
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バシチャルシァのメインロード沿いに入口があったので
なんとなく入ってみました。Gazi Husrev begova medresa 建造物
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いつの間にか快晴になりました。
昨日もこんな天気だったら
必要以上に不安を煽られなかったような気がしますバシュチャルシヤ 散歩・街歩き
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夜遅くにバッタリ会ったら怖そう
実際ブカレストではこの類の野良犬が問題になってるようですが -
ちょっと丘のほうへも散歩しましたが
特に面白いものはなく退散。 -
まだ時間的には早いですが、サラエボ滞在の〆のディナーとすることにしました。
一旦ホテルへ戻ってざっとお勧めレストランを調べたら
立て続けに同じ店が2件ヒット。
しかも場所を調べたらホテルから徒歩1分!
目の前の交差点から橋を渡った先にある「イナート・クーチァ」ですInat Kuca その他の料理
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よく見たら、地球の歩き方にも載っていました。
こんな時間なので全然客がおらず、川沿いのテラス席をゲット。Inat Kuca その他の料理
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ツアーがランチタイムを跨いだ関係で昼から何も食べていないので、豪勢に行きます。
サラエボ・ビールのプレミアム。
500mlで6KM(=3ユーロ)Inat Kuca その他の料理
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メインは、一番オススメだという
ボスニアンフードのミックス煮込み「Sahan」14KM(=7ユーロ)
迷わず選びましたが、これがビックリするぐらい旨かったです。
今回の旅行の中でもう一度食べたいものを1つだけ選べと言われたら確実にコレでしょう。
写真左下の白いものはヨーグルトですが、これもよく合います。
肉と野菜だけでこんなに美味しい料理ができるの?という感じ。
付け合わせのパンも美味しかった。
バシチャルシァから歩いてすぐなので、観光の合間にも立ち寄れます。
このレストランは超オススメです!Inat Kuca その他の料理
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明朝にはボスニアを出てしまうので
最後に、そんなに好きじゃないのにもう一度ボスニアン・コーヒーを。
こういうレストランだからちょっと高いかなと思いきや、バシチャルシァと同じ2KM。
良心的ですね。Inat Kuca その他の料理
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あまりにもくつろいでいたら
こんな暗くなってましたw
陽が落ちると一気に寒くなってきます。
これだけ美味しいものを食べて酔っぱらってくつろいで22KMは安すぎです。
来る前&到着直後は不安でいっぱいなサラエボでしたが、良い場所でした。
日本人は全然見かけませんでしたが、もっと訪れる人が増えるといいと思います。Inat Kuca その他の料理
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ライトアップされたお店も味があります。
これにてサラエボ編は完結!
翌朝、この旅の最終目的地となるセルビアの首都、ベオグラードへと向かいます。
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#9 トルコ兵が叫んだ「白い都!」のいま 〜米原万里さんのエッセイで旅するベオグラード〜 へ続きます。
(URL追加)Inat Kuca その他の料理
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