「ようこそ、バルカンへ。ここはもうヨーロッパではありません、バルカンです」　＃６　"Don't Forget '93"　＠モスタル

2015/09/20 - 2015/09/20

バルカン周遊の6回目、ここからボスニア・ヘルツェゴヴィナへ入ります。
クロアチアのドゥブロヴニクからボスニアの首都・サラエボへと向かう途中、モスタルで一旦降りて少しだけ散策しました。

この旅行を思い立つまで全く知りませんでしたが、モスタルはボスニアに2つしかない世界遺産の1つであるスターリ・モストがあるほか、サッカー日本代表ハリルホジッチ監督が現役時代にデビューしたクラブチームの本拠地でもあります。

スターリ・モストの周辺はよく整備され快適に過ごせますが、少し世界遺産エリアを外れると、生々しい痕跡があちらこちらに残っていました。
「93年を忘れるな」と訴えるかのように―。


□9/16　成田→フランクフルト
□9/17　フランクフルト→（ザグレブ）→スプリット（空路移動）
□9/18　スプリット→ドゥブロヴニク
□9/19　ドゥブロヴニク→ブドヴァ→コトル→ドゥブロヴニク
■9/20　ドゥブロヴニク→モスタル→サラエボ
□9/21　サラエボ
□9/22　サラエボ→ベオグラード
□9/23　ベオグラード→（フランクフルト）→…
□9/24　…→成田


-----------------
《「ようこそ、バルカンへ。ここはもうヨーロッパではありません、バルカンです」　目次》

＃０　ビールは我慢して、名物アップルワインを飲もう！　＠フランクフルト
http://4travel.jp/travelogue/11053749

＃１　夜も眠らない古代ローマ宮殿　＠スプリット
http://4travel.jp/travelogue/11058498

＃２　暑さ対策にはご用心！　＠ドゥブロヴニク（前編）
http://4travel.jp/travelogue/11064172

＃３　モンテネグロへ日帰りshort trip　ブドヴァ編
http://4travel.jp/travelogue/11087999

＃４　モンテネグロへ日帰りshort trip　コトル編
http://4travel.jp/travelogue/11088007

＃５　早朝のバニェ・ビーチを独り占め　＠ドゥブロヴニク（後編）
http://4travel.jp/travelogue/11094061

＃６　"Don't Forget '93"　＠モスタル
http://4travel.jp/travelogue/11090710

＃７　異文化のミーティングポイント、サラエボの光と影
http://4travel.jp/travelogue/11090711

＃８　"一番大切なのは、相手をリスペクトすること"　サラエボ包囲の爪痕を見る
http://4travel.jp/travelogue/11090712

＃９　トルコ兵が叫んだ「白い都！」のいま　〜米原万里さんのエッセイで旅するベオグラード〜
http://4travel.jp/travelogue/11090713


【参考書籍】
○嘘つきアーニャの真っ赤な真実　(著)米原万里
○終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ　(著)木村元彦
○ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争　(著)高木徹
○ユーゴスラヴィア現代史　(著)柴宜弘
○トルコのもう一つの顔　(著)小島剛一

エリア モスタル(ボスニア・ヘルツェゴビナ)

• 旅行の満足度: 3.5
• 観光: 3.5
• グルメ: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

引き続き【旅行5日目：9/20（日）】

ドゥブロヴニク長距離BTからサラエボ行きのバスに乗車し、モスタルで途中下車します。
バスチケットはスプリットからの到着時に買っておきました。

ドゥブロヴニク8:00→モスタル11:45

発車30分前の7:30過ぎには到着し、準備万端です

バスチケット

途中休憩したときに外へ出ましたが
雲行きが怪しいですね。。

バスは超満員で、途中のバス停で乗れない人が大量に出てしまうほどでした。
この日が日曜日だった影響もあると思います

モスタルには定刻より少しだけ早い11:30頃到着。
同じバスには日本人と思われる女性が2人乗っていましたが、モスタルでは降りなかったので一気にサラエボまで行ったようです。

にわか雨の予報通り、バスを降りたときはかなり降っていました。

バスターミナル (モスタル) バス系

すぐにサラエボ行きのバスの時間を確認してチケットを買いました。

がらんとした窓口におばさんが2人いて「本当にここか？」と疑問に思いながらも英語で話し掛けたら通じました。
クロアチアクーナも受け取ってくれますが、お釣りはマルクです。

バスターミナル (モスタル) バス系

有名なスターリ・モストのある世界遺産エリアへはバスターミナルから徒歩20分ほど。

その途中には、内戦時の生々しい跡が今でも多数残されています。

モスタルの弾痕 史跡・遺跡

来る前からわかっていたことですが
クロアチアとは雰囲気が全く違って、どんよりとした曇り空が不安を助長させます…。

これはおそらくサッカーボール？

サッカー日本代表監督のハリルホジッチ氏が現役時代に選手としてブレークしたのが、このモスタルの名門チーム、ベレジュ・モスタルだったそうです。

私はサッカーはあまり興味がありませんが、それでも2014年のW杯にボスニア・ヘルツェゴヴィナが初出場したことは鮮明に記憶に残っています。

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201507120003-spnavi?p=1

バスターミナル前の道路が狭くて歩きにくいので
一本中の通りに入ったら、
カラジョズ・ベゴヴァ・ジャミーヤというイスラム建築が目に入ってきました。

クロアチアからわずか数時間で、キリストの世界から一気にイスラムの世界へと変わったわけですが、どうも実感がわきません。

内戦時の生々しい跡がここにも

モスタルの弾痕 史跡・遺跡

ここにも

モスタルの弾痕 史跡・遺跡

あまり人通りの多くない道をずーっと歩いていくと
急に賑やかな場所に変わりました。

突然石畳の路地が始まるので面食らいます

ここからが世界遺産エリアですね

スターリ・モストが見えました。

知らない間に雨は上がっています

スターリモスト橋 建造物

パッと見た感じは普通の橋ですが、観光客が群がっています。

橋台を用いず、両岸からアーチ状に掛かる橋であるという点で、建築技術的に優れた橋であるといえるようです。

スターリモスト橋 建造物

橋の上からネトレヴァ川を望む―。

のどかな風景ですが、旧ユーゴ内戦時は、この川を境に民族が分断されてしまいました。
向かって右岸、ネトレヴァ川の東側はモスクが立っていることから明らかなようにムスリム系住民、左岸、川の西側はクロアチア系住民が住んでいたようです。さらに少数ですがセルビア人も住んでいました。

スターリモスト橋 建造物

橋の片隅に、大きくはありませんが太い彫刻で
"DON'T FORGET 93"と書かれた石碑がありました。

1993年に内戦で破壊されてしまったこの橋は、2004年にユネスコの協力で復元され、2005年に世界遺産として登録されています。

スターリモスト橋 建造物

橋の反対側

スターリモスト橋 建造物

観光案内所だと思いますが、誰もいませんでした

橋の両端から続く石畳の路地には
ぎっしりと土産店が軒を連ねています。

モスタルは観光地であり、クロアチアから日帰りで訪れる人も多いことから
マルクを持っていない人が多いことも想定し、ユーロやクロアチアクーナが使えるようです。
レートは1ユーロ＝2マルク＝8クーナ　と覚えておけば良さそうです。

石畳を抜けて突き当たりまで来ました。
とっとと歩けば10分も掛かりません。

この先に広い駐車場スペースがありそうな感じでした。
バスツアーに参加するとこちらから入ってくる形になるのでしょう。

ツアー客が立て続けに到着すると、狭い石畳の道は身動きが取れないぐらい
混雑します。

やはりサッカーが人気なのかな

一通り見終わってしまったので、橋が見えるレストランのテラス席でランチタイムにします。

ベラ ヴィスタ 地元の料理

ボスニア・ヘルツェゴヴィナへ入って最初の食事ですので、代表料理ということで
順当にチェヴァプチチを選択。
ついでにサラエボ・ビールも付けて14KM（7ユーロ）。
まずまずでしょうか

ベラ ヴィスタ 地元の料理

橋の上から川に飛び込もうとする男性と、取り囲む観光客。

さんざん周りを煽って結局最後まで飛び込めない人も少なくないようですが
しっかり飛び込んでました。

スターリモスト橋 建造物

気が付いたら雨が上がるどころか晴れていて、気温も一気に上がっていました。

だから飛び込みパフォーマンスがあったんですね

スターリモスト橋 建造物

橋の下まで降りてみればよかったなぁ

スターリモスト橋 建造物

橋の真横にあるスターリ・モスト博物館へ来てみました。
5KMです。

受付のある建物の一番上は展望台になっています。

スターリ モスト博物館 博物館・美術館・ギャラリー

1つだけガラス窓でないところがあり、
スターリ・モストの上よりも高い場所から景色を見下ろすことができました。

スターリ モスト博物館 博物館・美術館・ギャラリー

この博物館は3か所ぐらいに点在しており、5KMで全部見れます

スターリ モスト博物館 博物館・美術館・ギャラリー

ボスニア・コーヒーの銅製品

さあ、そろそろバスターミナルまで戻りましょうかね。

途中下車して良かったと思います。

スターリモスト橋 建造物

暑くなってきたのでジェラートを食べました。
1KM、わずか0.5ユーロです。
物価は安いですね

世界遺産エリアから離れるにつれて、また銃弾の跡が姿を現すようになってきます。

ツアーで訪れると負の側面に出くわすことはなさそうですが…。

モスタルの弾痕 史跡・遺跡

無残な姿のまま放置されてしまっている感じです。

内戦は本当の意味で終わったといえるのでしょうか？

モスタルの弾痕 史跡・遺跡

バスターミナルまで戻ってきました。
やっぱり暑いのでキオスクでコーラを購入。2KM（1ユーロ）

クロアチアと全然違うことを身に染みて感じたモスタルの次は、さらに内陸へと入っていきます。
ようやく「バルカンの旅」っぽくなってきたような感じがします。


-----------------------------
＃７　？？？　＠サラエボ　へ続きます。
（URL追加）

バスターミナル (モスタル) バス系