2014/07/19 - 2014/07/21
78位(同エリア342件中)
naoさん
7月の3連休を利用して愛媛を訪れました。
今回の旅のテーマは、この地方に残る古い町並み散策と夕日観賞などです。
旅の行程
7月19日 石垣の里 外泊、遊子水荷浦
7月20日 卯之町、堂の坂の棚田と茶堂、河辺浪漫八橋、下灘駅
7月21日 大洲、内子
愛媛県南宇和郡愛南町外泊(そとどまり)は、愛媛県最南端の美しく変化に富んだリアス式海岸に位置し、かつて鰯や鰹漁が盛んだった集落で、豊後水道を北に臨む半島の入江に面した山の険しい急斜面には、台風や冬の厳しい季節風を防ぐ石垣に囲われた家並みが折り重なるように広がり、一種独特の雰囲気を醸し出しています。
外泊集落は、開発の波にさらされなかったことも幸いして、軒先に達するほどの石垣を積み上げた家並みが、今も迷路のように山肌をぬう石畳の路地に沿って連なっており、そのたぐい稀な景観から、「石垣の里」としてその名を全国に知られています。
そもそも外泊集落が生まれたきっかけは、幕末の頃から経済力の上昇とともに人口が増加した中泊集落の、深刻な分家問題によるものだと云われています。
中泊集落の明治12年の戸籍によると、人口198人の内、次男、三男、四男が占める割合は65%にまで達しており、分家させる土地の手当てに苦心した中泊集落の人々は、西側に隣接する外泊の谷川を治水し、山の急斜面に石垣を積んで屋敷や畑を造成してこの問題の解決を図りました。
このため、外泊に残る石垣も、元録年間から中泊集落で代々受け継がれてきた石垣築造技術が使われているそうで、かつて人々が培ってきた生活の知恵を目の当たりにすることができます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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外泊集落にやってきました。
豊後水道を臨む入江に面した山の険しい急斜面には、台風や冬の厳しい季節風を防ぐ石垣に囲われた家並みが折り重なるように広がり、一種独特の雰囲気を醸し出しています。外泊・石垣の里 名所・史跡
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この集落には、住民の足としてバスが通っています。
では、観光案内所を兼ねる休憩所の駐車場に車を停めさせてもらって、石垣の里をめぐります。
「めぐり」と云いましたが、ちょっとしたトレッキングになりそうです。 -
集落の端に階段があるので、ここから登っていきましょう。
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小さな石を積み上げた石垣には、元録年間から受け継がれてきた築造技術が使われているそうです。
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お隣の中泊集落の人々が代々培ってきた、生活の知恵を目の当たりにすることができます。
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石垣に植えられたベゴニア。
土が乏しい石垣にも植物は根付くんですね・・・。 -
もう少しで軒先に達しようかと云う高さまで、石垣が積み上げられています。
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その石垣の間を縫うように・・・
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石畳の狭い路地が迷路のように登って行きます。
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石垣の真下から見上げると屋根しか見えません。
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だって、石垣と民家の位置関係はこんな具合なんですから・・・。
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石垣を見ると、何となく敷地の高低差や形状が判ります。
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空き地になったと思われる区画もあります。
今は広場として使われているようです。 -
その広場を見下ろす民家とはかなりの高低差があります。
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石垣と同じ石を積み上げた階段。
けつまずいたりすると大変なことになりそうです。 -
横方向の通路には、板石を貼った所もあります。
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石垣の里からは、真珠の養殖いかだが浮かぶ入り江が望めます。
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少し前からポツリポツリと雨が降り出していたんですが、この辺りから雷も鳴りだしたんで、傘を取りに車に戻ります。
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雷が鳴る中、石垣めぐりを再開します。
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厳しい立地条件のため、石垣と民家の間は人がやっと通れるくらいの間隔しかありません。
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これだけ急な傾斜角で、安定した石垣を積み上げる技術は素晴らしいですね。
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確かに、わずかに傾斜角は付いているんですが、私の目にはほぼ垂直としか写りません。
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カラフルな消火栓の蓋を見つけました。
石畳に水滴がついているので、雨が降っているのが判ります。 -
そそり立つ石垣。
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先ほどの広場の入り口があったので、中へ入ってみます。
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石垣に設けられた雛段に、手作りのお雛さまが飾られています。
これは、外泊の貴重な石垣文化を継承し、心のより所となるふるさとづくりを目指して、平成19年から開催されている『石垣の里 だんだん雛祭り』に展示されていたものだそうです。 -
雛祭りに参加した皆さんが、思い々々にお雛さまの絵を描いて作った「石雛」が一堂に展示されるそうです。
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真珠の養殖いかだの浮かぶ入り江を背に、石垣の上に並ぶお雛さま。
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下の路地との高低差を埋める石垣の上に、民家が顔をのぞかせています。
外泊の石垣文化の凄さを示すに相応しい光景です。 -
石垣の上には、民家の軒先が見えるだけです。
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石垣の上から顔を出す、屋根の鬼瓦。
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豊後水道に睨みをきかす水軍の要塞と云った趣きです。
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先ほど消火栓を見かけたので、ホース格納箱があっても不思議ではありません。
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何せこの石垣ですから、消防車は入ってこられませんのでね・・・。
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石垣の里の、のぼりが出ています。
あの辺りに、石垣の里の観光拠点「だんだん館」がありそうです。 -
石垣と民家の間から見た真珠養殖いかだ。
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「だんだん館」の上にまだまだ石垣が続いているので、取りあえずてっぺん目指して登ります。
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先ほどは水軍の要塞でしたが、この辺りはまるで山城のようです。
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この平場に大砲を置いてあったとしても違和感はありません。
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民家の奥に水槽のようなものが置いてあります。
何に使うんでしょうか・・・。 -
ひっそりと咲くベゴニア。
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「右手の上に天守台があります」と云って、誰にも疑われないような景観です。
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今にも、奥から鎧兜をつけた武者が駆け下りて来そうです。
さて、武者に追いたてられないうちに、退散するとしますか・・・。 -
石垣最上部からの眺め。
なかなかの絶景です。 -
上の方の敷地は、空き地が目立ちます。
毎日ここまで昇り降りするのは大変でしょうからね。
それにしても、海に面してこんなに開けているので、台風の時なんか海を渡って来る風はすごいんでしょうね。 -
「だんだん館」のあるレベルまで降りるのに、かなりの段数がありました。
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申し訳ないんですが「だんだん館」はパスさせてもらって、奥にある展示スペースへ「石雛」を見に来ました。
雛段には、いろんな手づくりの「石雛」が並んでいます。 -
小学生が作った5段飾り。
お内裏様はもちろん、三人官女や五人囃子と、ひと通りの役者は揃っています。 -
こちらは、「だんだん館」から少し下った所で見つけたお内裏様。
とても良いご機嫌で、鼻歌が聞こえてきそうです。 -
こちらは、石臼の中で雨宿りしているお雛様。
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石垣の陰から、そっと・・・
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入り江に浮かぶ真珠養殖のいかだを・・・。
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自然石の石積みの階段。
雨が降っていたので、滑べりゃしないかとヒヤヒヤでした。 -
階段状に続く甍の波。
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この辺りも雑草が生い茂る・・・
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空き区画が目立ちます。
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狭い区画の中で、屋根を切り欠いて増築されています。
工夫されてますね〜。 -
表紙にしようかと迷った写真です。
迫力満点でしょう・・・。 -
石畳の舗石が雨に濡れて光っています。
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硬い石垣に、植物の緑がやさしい表情を与えています。
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折り重なる石垣と、その間を縫うように通る狭い路地が・・・
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人々の生活を支えているんだな〜と、痛感します。
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そろそろ石垣の里とお別れする時間が近づいてきました。
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濡れた舗石で滑らないよう注意しながら、駐車場へ向かいます。
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今回石垣の里を歩いて、人口増を解決するためとは云え、険しい山の急斜面に石垣を積み上げ、屋敷や畑を造成することを可能にした高い石垣築造技術が、元録年間から代々受け継がれてきた事実に感嘆させられました。
では、独特の雰囲気ただよう石垣と、青く美しい海を脳裏に刻み込んで、この地を後にします。
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