2014/07/19 - 2014/07/21
28位(同エリア81件中)
naoさん
愛媛県西予市城川町田穂(しろかわちょうたお)の山間に広がる堂の坂(どうのさこ)の棚田は、平安時代から室町時代にかけて造られた歴史ある棚田で、「先祖伝来の棚田を守りたい」という気持ちが強い9軒の地元農家は、高齢化や人材不足など、棚田を取り巻く厳しい条件下にも関わらず、今も100枚の水田の耕作を続けておられます。
この棚田のすぐ下を国道が走っていて、交通アクセスが非常に良好な所にありますが、最近、雑誌で紹介されるまでは本当の地元の人にしか知られておらず、市の職員も雑誌を見て、「城川にこんな所があるのか」と驚いたと云うエピソードが残っているそうです。
斜面に沿って等高線を描く畦、キラキラ輝く田植え後の水田、風にそよぐ青々とした夏の稲穂、そして黄金色に頭を垂れる稲穂など、見る時間、場所、季節に応じてさまざまに表情を変える棚田の美しさは、見る者に感動を与えてやみません。
斜面を吹き抜ける涼風に身を任せながら、美しい堂の坂の棚田を眺めていると、都会の喧騒を忘れ、ゆるやかな時間の流れる「至福の時」を過ごすことができました。
愛媛県南予地方の旧道沿いを中心に、弘法大師、庚申さん、お地蔵さんなどの石像を安置した「茶堂」が広く分布しており、美しい農村風景を形作る要素の一つとなっています。
ここ城川町田穂地区では、保存状態の良好な59箇所もの「茶堂」が確認されており、田植え後の五穀豊穣や害虫退散を祈願する、「実盛り送り(虫送り)」という伝統行事の舞台となっています。
この行事は、『平家物語』に登場する平安末期の武将で、稲の株につまずいて転倒したために討たれたことを恨んで、害虫と化して稲を食い荒らすという、『斎藤実盛』の伝説に基づくもので、武将姿の実盛人形をうちかざし、鐘や太鼓で囃したてた行列が田植えの終わった畦道を進み、途中「茶堂」に参拝しながら下流地区へ送り継いで行き、最後は供え物とともに川に流して今年の無病息災と豊作を祈るというものです。
この様に、そもそも宗教的な意味あいの強いものだった「茶堂」ですが、現在はお遍路さんへのお接待や、村人たちの懇親の場として使われています。
今回、堂の坂の棚田とともに、県道35号線に面して比較的見つけやすい4つの「茶堂」を訪れました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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城川町田穂地区に入って、先ず現れたのは「桜んとう茶堂」です。
城川町田穂地区には、59箇所もの「茶堂」が広く分布しており、美しい農村風景を形成するうえで重要な要素の一つとなっています。 -
ほとんどの「茶堂」は方形造りで、三方を開放した正面奥には祭壇が設けられ、石像が安置されています。
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「茶堂」は、「実盛り送り(虫送り)」という宗教的な行事の舞台や、お遍路さんなどにお茶の接待をする場として使われていたそうです。
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岩を這うカタツムリ。
ずいぶん久しぶりに見た気がします。 -
では、次に向かいます。
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「桜んとう茶堂」の少し東側にある、「沖の堂茶堂」です。
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茅葺屋根は若干ムクリ気味で、軒先には反りがあります。
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「沖の堂茶堂」の目の前がバス停になっています。
雨の日には、「茶堂」がいい雨宿り場所になりそうです。 -
茅葺屋根の棟飾りに壺がかぶせてあります。
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「沖の堂茶堂」には、収納棚のある立派な祭壇が設けられています。
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木彫りの像が真っ正面に安置されています。
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反りのついた茅葺屋根。
屋根の機能を果たすためには、これだけの厚みの萱が必要なんですね。 -
梁に施された唐草模様。
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「沖の堂茶堂」の敷地に咲く木槿(むくげ)。
木槿(むくげ)は、花の少ない夏場に咲く代表的な花です。 -
では、次は堂の坂(どうのさこ)の棚田です。
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堂の坂の棚田にやってきました。
この棚田は国道のすぐ上に広がっているので、交通アクセスは非常に良好です。 -
ここは平安時代から室町時代にかけて造られた歴史ある棚田で、「先祖伝来の棚田を守りたい」という9軒の地元農家は、高齢化や人材不足など、棚田を取り巻く厳しい条件下にも関わらず、今も100枚の水田の耕作を続けておられます。
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こんなに交通アクセスの良好な場所にあるのに、本当の地元の人にしか知られておらず、最近紹介された雑誌を見て、「城川にこんな所があるのか」と市の職員も驚いたと云うエピソードが残っているそうです。
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棚田を見下ろすように植えられた・・・
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カンナの花。
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斜面に沿って折り重なる等高線が・・・
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棚田特有の美しさを描いています。
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この時期になると、稲の苗はこんなに成長しており・・・
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穂先には、すでに稲が形成されています。
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苗の成長とともに・・・
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水面に漂う水草。
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棚田の斜面に沿って、涼風が吹き抜けていきます。
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この稲穂も、いずれ黄金色になって頭を垂れる時が来るんですね。
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石積みの棚田と畦道が描く曲線模様がリズミカルです。
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折り重なるようにつづく石積みの棚田は・・・
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平安時代から室町時代にかけて造られた歴史の重みを物語るように・・・
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無言の迫力で見る者に迫ってきます。
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オニユリが見つめる棚田。
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整然と並ぶ稲穂。
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稲穂の中に咲くキバナカンゾウの花。
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ガードレールの付いた道路を下ると国道へ通じています。
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都会の喧騒を忘れ、吹き抜ける涼風に身を任せながら美しい棚田を眺めていると、ゆるやかに時間が流れる、「至福の時」を過ごすことができました。
では、棚田にお別れを告げて、次へ向かいます。 -
棚田の次に訪れたのは「ごまじり茶堂」です。
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「ごまじり茶堂」の祭壇は・・・
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「桜んとう茶堂」と同じような簡易なものが設けられています。
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その祭壇に安置されている石像。
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傍らの木陰から見た「茶堂」。
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木々に囲まれてお墓が立っています。
「茶堂」が持つ、宗教的な意味を示しているようです。 -
さすがに愛媛です、「茶堂」の傍に柑橘系の木が植えられています。
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擬宝珠(ぎぼし)の付いた「ごまじり茶堂」の棟飾りは・・・
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銅板で作られています。
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「ごまじり茶堂」はこれくらいにして、次へ向かいます。
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次に訪れたのは「古市茶堂」です。
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この「茶堂」の茅葺屋根の棟飾りは、壺が使われています。
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この「茶堂」の脇には灯籠が立てられ、祭壇は「沖の堂茶堂」と同じような立派なものが設けられています。
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祭壇に安置されている石像です。
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燈籠の笠は荒々しい自然石で、擬宝珠(ぎぼし)も自然の玉石です。
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石像もこの荒々しい燈籠が気になるようです。
今回、城川町田穂地区に59箇所もある「茶堂」の内、県道35号線に面して比較的見つけやすい4つの「茶堂」を訪れましたが、『「茶堂」無くしてこの美しい農村風景は語れない』という点が、強く印象に残りました。
では、茶堂群をあとに次の目的地へ向かいます。
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