2014/05/24 - 2014/05/24
46位(同エリア130件中)
naoさん
五條新町の次に、安藤忠雄氏の設計により、1995年にオープンした五條文化博物館を訪れます。
五條文化博物館は、五條の文化や歴史などを展示物や映像などで紹介する施設として建設されましたが、JR五条駅から約4kmも離れ、路線バスも通っていない場所に立地していることもあって、来館者は年間5千人に留まり、市の財政難も手伝って残念ながら2009年4月から休館に追い込まれていました。
しかし、五條市の登録有形文化財「藤岡家住宅」を運営する、NPO法人「うちのの館」が指定管理者となり、2011年5月1日に2年1カ月ぶりに再開されました。
再開にあたっては、五條の貴重な宝物を次世代へ引き継いでいくこと最大の目的に、「藤岡家住宅」運営の経験を活かして、地元住民の方々にボランティアなどとして参画してもらう枠組み作りや仕掛けを施し、職員4人、学芸員3人とともに、市民ボランティア25人の方々で運営にあたっておられます。
博物館の活性化にとって最も重要な来館者である、子ども達にターゲットを絞り、五條から和歌山県新宮までを結ぶ計画だった五新鉄道のジオラマ展示や、オープン以来ほとんど利用されてこなかった円形広場において影絵や創作ダンスのイベントなどを企画し、来館者の増加を目指しておられます。
では、そろそろ建物に目を移しましょう。
この博物館も安藤さん設計の多くの美術館や博物館に見られるように、先ず最上階で来館者を迎え入れ、そこから下階の展示スペースへ導く構成を採っており、エントランスホールのある3階から1階へと順路を進むと、古代から現代に至る五條の文化や歴史の変遷をたどることができます。
「五條バウム」と云う愛称が付けられていることからも判るように、バウムクーヘンのような円形の本館の外壁には溶融亜鉛メッキの鉄板を採用しています。
円形(実際には四分の三の円しかない)の本館の内部は、1階から3階までコンクリート打ち放しの吹抜空間になっており、弧を描くコンクリート打ち放しの壁とフローリングの床に、妻面のカーテンウォールと僅かに切り取られた壁のスリット窓から差し込む外光が、時間の経過とともに移ろいながら、美しい光と影を織りなします。
バウムクーヘンの真ん中に設けられた円形広場へは2階の展示スペースから出入りでき、円の中心に向かって階段状に下がっていくデザインはイベント利用に最適で、これを使わない手はありません。
博物館に隣接して、コンクリート打放しの外壁にスチールの屋根が架けられた別館には、和室や多目的室が設けられ、主に文化活動に利用されています。
和室のエントランス前には、小さなカウンターが付いた視線をさえぎるための壁が立てられ、利用者はこの壁を廻り込んで玄関へ向かいます。
また、外壁には様々な円形の開口部が穿たれ、採光の用に供されています。
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五條文化博物館へやってきました。
左側の円形の建物が本館です。市立五條文化博物館 美術館・博物館
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エレベーターシャフトと本館への連絡通路を見上げてみました。
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この博物館は3階にエントランスホールがあるので、先ず、来館者をエレベーターで3階まで導きます。
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本館へは、エレベーターだけでなく、もちろん階段でも上ることができます。
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階段から振り返ると、地上レベルのエレベーター乗り場があります。
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階段は幾重にも折り返しながら上って行きます。
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階段の途中から見た、エレベーターシャフトと連絡通路。
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エレベーターシャフトの反対側を見上げると、別館が見えています。
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ほぼ階段の最上部まで上ってきました。
ここまで上って来ると、エレベーターと本館をつなぐ連絡通路の関係がよく判ります。
では、先に別館を見に行きましょう。 -
別館には和室や多目的室が設けられ、主に文化活動に利用されています。
コンクリート打放しの外壁にスチールの屋根が架けられていて、和室のエントランス前には視線をさえぎる壁が立てられています。 -
小さなカウンターが付いた和室のエントランス前の壁。
利用者はこの壁を廻り込んで玄関へ向かいます。
ちょっとピンボケになっちゃいました・・・。 -
外壁には採光のために様々な円形の開口部が穿たれています。
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半円形の窓や・・・
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大小さまざまな円形の窓が散りばめられています。
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では、本館へ向かいます。
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眼下に広がる五條の遠景が、本館脇から展望できます。
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階段の奥に見えているのは先ほど見た別館です。
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連絡通路から見た本館エントランスホール。
エントランスホールの窓越しに、円形の本館が廻り込んでいるのが見えています。 -
エントランスホールから見た連絡通路とエレベーターシャフト。
受付の方に、「カメラはOKですか?」と伺うと、フラッシュをたかなければOKとのことなので、内部も撮影することができました。 -
3階から1階まで、外壁の曲面に沿って階段が続いています。
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ここは2階展示スペースの踊り場です。
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踊り場に立つと、2階の展示スペースと階段に続く1階の展示スペースが見えます。
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1階から階段を見上げたところです。
左手の曲線状のフロアが2階、奥の直線状のフロアが1階になります。 -
1階の展示スペースです。
さりげなく立っている案内サインのデザインが良いですね。 -
1階展示スペース奥の、カーテンウォールの前にある階段です。
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吹き抜け空間に階段の踊り場が突き出ています。
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階段奥妻面のカーテンウォールと、僅かに切り取られた壁のスリット窓から差し込む外光が・・・
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各階の展示スペースに光と影の表情を演出します。
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カーテンウォールを背に、メイン階段の方向を見たところです。
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2階展示スペースのガラス手すりを見上げたところです。
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1階展示スペースの廊下の壁には、五條の町並みを描いた絵が掛けられています。
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ちょっと判りにくいかも知れませんが、この扉には、壁の曲面にあわせてアールがつけられています。
写真が歪んでいるわけではありません。 -
カーテンウォールと2階展示スペースを見上げたところです。
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では、そろそろ上階へ戻ります。
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カーテンウォールと壁のスリット窓。
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2階展示スペース進むと、奥の階段に通じています。
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2階展示スペースの手すり。
ガラスとコンクリートの組み合わせです。 -
2階展示スペースのスリット窓から見た円形広場。
この広場は、今後有効活用が図られようとしています。 -
吹き抜けには、五條の風物詩のタペストリーが吊り下げられています。
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3階から見ると1階展示スペースの吹き抜けと2階展示スペースの関係がよく判ります。
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五條文化博物館も、安藤さんの個性が随所にあふれる建物でした。
では、そろそろ帰ることにします。
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