2014/05/31 - 2014/06/01
96位(同エリア519件中)
naoさん
日本海沿岸では、板や丸太で作られた風除けの囲いがある集落をよく見かけますが、能登半島の外浦沿岸には、地元で採れる高さ約5mの苦竹(ニガタケ)という竹でできた、「間垣」と呼ばれる高垣を家の周囲にめぐらせ、日本海から吹きつける冬の厳しい北風を防いでいる集落があります。
「のと里山海道」を穴水で降り、険しい峠の山道を越えたところに広がる日本海に面して、まるで戦乱の世の山城が出現したかのような不思議な雰囲気が漂う、石川県輪島市上大沢町と大沢町の集落がそれで、「間垣の里」として知られています。
細い苦竹(ニガタケ)を隙間なく並べた「間垣」は、冬は厳しい北風を防ぎ、夏は暑い陽射しをさえぎる、一石二鳥の効果が得られるもので、奥能登の厳しい気候風土を受け入れ、これと共存してきた先人たちの生活の知恵がもたらした産物だと云えます。
そんな「間垣」も手入れを怠ると古い竹が朽ち折れ、やがて垣全体が崩れてしまうので、各家庭では、毎年10月末から11月にかけて、用意した新しいニガ竹を一本一本古くなった竹と差し替え、開いた隙間を埋める作業を繰り返しているそうです。
しかし、残念ながら高齢などを理由にニガ竹での補修を断念し、既に木製の垣に変えたお宅もみられました。
夏も冬も効果があるからこそ大変な作業を続けてこられた「間垣」ですが、維持する人がいなくなり、せっかくの先人の知恵が絶えてしまうのもやむを得ないんでしょうか・・・。
上大沢町は三方を山に囲まれ、日本海に面する浜辺には小さな漁船が浮かぶ漁師町で、「間垣」の内部では、肩を寄せ合うように建ち並ぶ20軒あまりの民家が小さな集落を形成しています。
上大沢町であえて公共施設と呼べるバス停と宅配便ののぼりが、わずかに外部との繋がりを保つ証しであるかのように思われました。
上大沢町から海沿いの狭い道を車で10分ほど走ると大沢町の「間垣」が姿を現します。
大沢町は、前面に開けた日本海に防波堤を築いて漁港を整備した漁師町で、上大沢町に比べ、駐在所や郵便局のある幾分大きな集落の、日本海に面する場所に「間垣」をめぐらせています。
駐在所はもちろん、旅館や酒屋もすっぽりと「間垣」の中に包み込まれて、厳しい気候風土と向き合っている集落だからこそ、「間垣」の隙間からチラッと顔をのぞかせる看板に人の営みの温かさが感じられ、何かしら「ホッ!」とした気持ちにさせてくれます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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「のと里山海道」を穴水目指して走っている途中トイレ休憩に立ち寄った「しおパーキングエリア」は、日本で唯一波打ち際が走れるドライブウェイとして人気の「千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ」のほぼ中間地点にあるので、ちょっと覗いてみましょう。
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波打ち際で戯れるカップルの前を、波打ち際のドライビングを楽しむ車が走っています。
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それを見つめるウミネコ。
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全長約8kmの「千里浜(ちりはま)ドライブウェイ」を車でも走れる訳は、きめ細かい砂の一粒々々が海水を含んで締まっているからだそうです。
でもドライバーさん、走りを楽しむのはいいけど、家へ帰ったら車の下回りの洗車を入念にしないと錆びちゃうよ〜っ! -
大型観光バスも悠々と走っています。
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穴水から間垣の里へ向かう途中の山中で出会った男女滝(なめたき)です。
男女滝 自然・景勝地
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向かって右側の男滝と、左側の女滝が一体となって男女滝(なめたき)と呼ばれています。
夏は天然のウォータースライダーとして、子供たちに人気だそうです。 -
「間垣の里」として知られる、上大沢町に着きました。
上大沢町は、能登半島北部の日本海に面する漁師町で、肩を寄せ合うように建ち並ぶ20軒あまりの民家が小さな集落を形成しています。 -
この土地特有の「間垣」と呼ばれる高垣に囲まれた集落には、まるで戦乱の世の山城を思わせるような不思議な雰囲気が漂っています。
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地元で採れる高さ約5mの苦竹(ニガタケ)という竹を隙間なく並べた「間垣」は、冬は日本海から吹きつける厳しい北風を防ぎ、夏は暑い陽射しをさえぎる、一石二鳥の効果が得られるそうです。
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土塀や板塀と違って、竹でできた「間垣」には適度な隙間があり、竹自体もしなって折れることがないので、どんなに強い風を受けても倒壊しないんでしょうね。
これらは、奥能登の厳しい気候風土を受け入れ、それと共存してきた先人たちの生活の知恵がもたらした産物だと云えます。 -
日本海沿いにポツンとたたずむ上大沢町で、わずかに外部との繋がりを保つ証しであるかのように、宅配便ののぼりが揺れています。
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田植えを終えた水田が、「間垣の里」に清々しさを演出しています。
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上大沢町の皆さんは、田植えを終えて「ホッ!」としておられるんでしょうね。
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上大沢町で唯一の公共施設とも云えるバス停も、外部と繋がる窓口です。
バス停は集落のほぼ中央部にあります。 -
人の出入のため、「間垣」には出入口が開けられています。
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石積み擁壁とコンクリート擁壁が隣り合っています。
元々はどの家も石積み擁壁だったんでしょうね。 -
バス停の方を振り返ったところです。
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擁壁の上の木々が道路に木陰をつくっています。
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では、庭で作業していた方がおられたので、お願いして「間垣」の中を歩かせていただきます。
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「間垣」の中には、肩を寄せ合うように伝統的な民家が建ち並び・・・
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ごく普通に日常生活が営まれています。
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割竹の垣根のある民家。
これは、風を防ぐというより、視線を防いでいるようです。 -
「間垣」の中には、一応道らしきものもありますが・・・
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そのほとんどは民家の前庭のようなスペースで、歩いていると知らずしらずのうちに民家の庭に入り込んでしまっている、と云った状況です。
これは、他人の家に土足で踏み込むようなものなので、モラルに注意しないと失礼にあたります。 -
漁村だけあって、軒下に漁具が見えます。
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あまり長居するのもお邪魔なので、そろそろ海岸の方へ行ってみます。
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日本海に向かって「間垣」が延びています。
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「間垣」の出入口。
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さすがに漁師町です、ウミネコの群れが飛び交っています。
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颯爽と飛ぶウミネコ。
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ウミネコを尻目に、かわいい三毛猫が歩いています。
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日本海が見えてきました。
この日の日本海はすごく穏やかです。 -
太公望が一人、釣り糸を垂れています。
釣果はどうなんでしょうか・・・。 -
この「間垣」はモロに日本海に面しているので・・・
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冬場なんか、すごい北風に曝されるんでしょうね。
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さて、日本海側までひと通り見ることができたので、車に戻ります。
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おっと、起こしちゃったかな・・・?
お昼寝中ごめんね・・・。 -
地元のお婆ちゃんが歩いています。
「間垣」とともに、厳しい風雪に耐えてこられたんでしょうね。 -
お婆ちゃん、いつまでもお元気で。
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上大沢町はとても小さな集落でしたが、「間垣」の中に温かい人々の暮らしぶりを垣間見ることができました。
では、大沢町へ向かいます。 -
上大沢町から海沿いの道を車で10分ほど走ると、大沢町が姿を現します。
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ここ大沢町も「間垣」をめぐらせる「間垣の里」として知られています。
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大沢町は、前面に開けた日本海に防波堤を築いて漁港を整備した漁師町で、上大沢町に比べ、駐在所や郵便局のある幾分大きな集落の、日本海に面する場所に「間垣」をめぐらせています。
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この漁港には、大きな羽を広げて悠然と飛ぶ鳥や・・・
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一羽静かにもの想いにふけるウミネコが居ます。
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竹の「間垣」は、手入れを怠ると古い竹が朽ち折れ、やがて垣全体が崩れてしまうので、各民家では毎年10月末から11月にかけて、新しいニガ竹を一本一本古くなった竹と差し替え、開いた隙間を埋める作業を繰り返しているそうです。
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しかし、残念ながら高齢などを理由にニガ竹での補修を諦め、木製の垣に変えた民家も見られます。
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夏も冬も効果があるからこそ大変な作業を続けてこられた「間垣」ですが、維持する人がいなくなり、せっかくの先人の知恵が絶えてしまうのもやむを得ないんでしょうか・・・。
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「間垣」の修理費は、「間垣」をめぐらせているお宅だけで負担しているそうで、このこともニガ竹での補修を断念せざるを得ない一因になっているのかも知れません。
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「間垣」の間から看板が出ているので、旅館や駐在所も「間垣」の中にあることを教えています。
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蔵造りの建物と「間垣」の相性はしっくりしていて、いいですね〜。
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「間垣」に守られる駐在所です。
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では、駐在所の前を通って「間垣」の中へ入ります。
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大沢町は、上大沢町に比べて幾分大きな町なので・・・
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「間垣」の中にはきちっとした道路が整備されています。
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日用品を扱うお店や酒屋さんもあります。
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この辺りは冬の厳しい北風から建物を「間垣」で守るほどですから・・・
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潮風に弱い土壁ではなく下見板張りの民家がほとんどです。
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と云っているところで、漆喰塗の民家を発見しました。
でも、心配無用です。
漆喰塗の壁は表面が固いので潮風にも負けません。 -
1階の下屋や2階の大屋根に、装飾のための垂木が付けられていますが、この土地特有のもののようです。
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「間垣」の間から港が見えています。
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駐在所はもちろん、旅館や酒屋もすっぽりと「間垣」の中に包み込まれて、厳しい気候風土と向き合っている集落だからこそ、「間垣」の隙間からチラッと顔をのぞかせる看板に人の営みの温かさが感じられ、何かしら「ホッ!」とした気持ちにさせてくれます。
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今回「間垣の里」を歩いて感じたことは、奥能登の人々が、如何にして厳しい気候風土と共存してきたかを、「間垣」を通じて教えられました。
では、そろそろ次の目的地へ向かいます。 -
峠の山道から大沢町の全景が見えました。
本当に小さな集落ですが、そこには、先人の偉大な叡智が息づいていました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- pedaruさん 2014/07/25 06:05:39
- 間垣の里
- naoさん お早うございます。
pedaruは一世紀近く生きてきて(四捨五入)この間垣の里のことは知りませんでした。とっても風情があって、旅情を感じますね。
機会があったら一度行ってみたいと思いました。外国に限らず、まだ沢山見たい所が全国にあるのだと感じました。。 ありがとうございました。
pedaru
- naoさん からの返信 2014/07/26 09:35:25
- 「用の美」
- pedaruさん こんにちは。
いつも投票していただいてありがとうございます。
間垣は、能登の厳しい風土とともに生きる人々が育んできた生活の知恵。
これぞ「用の美」といった美しさがあり、とても感動しました。
是非、機会を見つけて訪れてください。
pedaruさんの「誰もいないシリーズ」にぴったりかも知れませんよ。
nao
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