2014/02/08 - 2014/02/09
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たびたびさん
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五島列島の教会めぐりは、上五島で二日、福江島で一日の合計三日の計画。で、今日は、上五島の初日です。
レンタカーでどんな具合に回れるのか。それなりに地図は頭に入れてきたつもりだったのですが、カーナビに表示されていない教会もポツポツあって、正直、けっこう手探りのようなところもありました。ちなみに、上五島には、全部で29の教会があるのですが、どこまで回れるかも楽しみにしながらの初日です。
それにしても、信じられないような小さな集落に建っている教会もあるのですが、敬虔な信者が大事に守ってきたものだけに、それぞれに思いのこもった静かな祈りの場所。そして、西洋からはるか日本に伝わって、これだけの救いのパワーをもたらしたことに思いを馳せれば、厳粛な気持ちというか不思議な感動も湧いてきます。そうした感情は長崎市内の教会を回っていてもなくはないので、それなりに想像なり期待はしていたことなのですが、一日を通してこれだけ次々に現れてくるとやはり尋常ではない。確かに特別な場所であることに間違いはないように思います。
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昼間のランタンフェスティバルから、長崎港ターミナルに到着。
実は、長崎から奈良尾港までのジェットフォイルを予約していたのですが、波が高くて欠航になってしまいました。宿やレンタカーを予約しているし、途方にくれていたら、夕方の便で鯛ノ浦に行く五島産業汽船の船があるよと言うことで、これを利用することにしたんです。 -
所用時間は、一時間半。時間はジェットフォイルとさほど変わらないし、料金は同じです。
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こっちの方が波には強いんですが、それなりの揺れ。ひたすら横になって、無事に着くのを祈りました。
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さて、鯛の浦港に到着。レンタカーの人が迎えに来てくれたので、結果的には何の問題もありませんでした。
まずは、宿に向かいます。 -
永田旅館は、上五島の青方にある民宿。女将さんが教会めぐりについてとても詳しいと聞いていたので、いろいろ相談。国道から見つけやすいとか、道が細いとか、時間がどれくらいかかるかとか。見どころはどことか。事前の情報を得て、とても心強く感じました。
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料理は、品数がちょっと多過ぎるかも。
翌日は早い出発と言ったら、お弁当を作ってくれることになりました。こっちは、シンプルな干物の焼いたのとか。めっちゃうまかったです。ありがとうございました。 -
翌日は、暗いうちから出発です。
最初の予定地、津和崎灯台までは、1時間以上かかる見込みです。 -
津和崎灯台は、上五島の最北端にある灯台。すれ違いできない遊歩道のような道を車で進みましたが、かなり冷や冷やでした。
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周辺は椿公園として整備されていて、しばらく階段を上ると小さめの白い灯台。
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津和崎灯台のすぐ向かいには、野崎島・小値賀島が見えました。島は五島列島の一部のようですが、実は、平戸になります。有名な旧野首教会というのがあって、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の中にも入っています。上五島からだと定期船はなく、津和崎港から海上タクシー等で行くしかないということでした。
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ここから、南下しながら教会を回ります。来る途中に、大ざっぱに位置を確認していたので、何となく、距離感は分かりますね。
米山教会は、上五島の一番北。国道218号からはすぐの場所です。 -
最初に聖堂が創建されたのは明治36年のことですが、老朽で再建。
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現在の聖堂は昭和52年に建てられたもの。
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内部は、がらんとした空間にステンドグラスから優しい光が差し込んでします。
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後方には、最後の晩餐をかたどった飾り付けもありました。
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教会からの眺めです。海を見下ろすこうした景色は、上五島では、どこでも見られる景色です。
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仲知教会は、米山教会に続いて。ここも国道沿いだし、大きな建物なので、見逃す心配はありません。
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日曜日でちょうどミサが行われていました。東日本大震災の被災者のためにも祈りをささげていましたが、その場にいると東北だけではなくて、なんだか世界とつながっているような。上五島の端っこなんですが、本当に不思議ですね。
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なお、ここの教会の見どころはステンドグラス。他の教会のステンドグラスは幾何学的な文様なのですが、ここは絵になっているステンドグラス。これは裏に回って、ステンドグラスを外側から撮ったんですが、ちょっと分からないかもしれませんね。
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218号線を南下して、仲知教会の次にあるのが赤波江教会。急斜面に建つ赤い屋根の小さな教会が見えてきました。
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車を止めて、細い道を上ります。建物の前には守護者聖ヨゼフの像がありまして、
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入口にある手作りの掲示板。教会活動の一環なのでしょうが、これも日常のまじめな信仰に根付いたものでしょう。
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外に出ると五島灘を眼下に見下ろす景色。今日の天気はイマイチのようですね。
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赤波江教会の次にあるのが江袋教会です。国道からわき道を海側に下って行くのですが、ここも海をはるかに見下ろす場所なんです。
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江袋の信徒は、禁教令の高札が撤去された明治6年に激しい迫害を受けるものの、明治15年にはブレル神父の指導により再建。平成19年に焼失するまでは、五島で最古のこうもり天井の木造教会堂だったそうです。
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現在の建物は、平成22年のものです。
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イチオシ
ステンドグラスがいい感じです。
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さらに国道218号線を南下して、小瀬良教会は、江袋教会の次。国道から細い道をしばらく歩いて登ることになります。石垣の上には、赤い屋根の教会。
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振り返るとこんな感じ。
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教会の内部は折り上げ式の天井。
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窓の上部に少しステンドグラスが使われているだけ。とても質素な印象です。
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大水教会は、国道218号線からわき道を入ってしばらく進んだ、番岳の北側山腹。
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明治初期の大水は、伝道士の資格を持った信徒のいないキリシタン集落だっただめ、迫害を受けずに済んだのですが、カトリックへの信仰復帰が遅れることになった地区だということです。
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ここが玄関ですが、内部はステンドグラスもなくて、とても質素でした。
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こちらの眺めはこんな具合。奥の奥といった場所でしょう。
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曽根教会は、大水教会の後。
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明治32年に建てられた2代目の教会は、
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あの鉄川与助が初めて教会建築に携わったという記念碑的な建物だったようです。
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ただ、現在の教会堂は、昭和41年に建立されたもの。内部はすっきりとした近代的な雰囲気。ステンドグラスもシンプルなもので、薄い青と緑の光が柔らかに差し込んでいました。
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駐車場の下が国道28号線です。
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さて、さらに国道28号線の南下を続けます。
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次にやって来た青砂ヶ浦天主堂は、この辺りでは、一番メジャーな教会です。
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頭が島教会と並んで世界遺産登録の候補とする話もあったようですが、この辺りは信者の力が強くて、逆に登録した後の制約条件等を考えた時に不都合があるとして反対にあい、登録候補を断念したという教会です。ただ、国指定重要文化財とはなっていて、レンガ造りの外観はとても重厚な印象。。
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内部の高いこうもり天井は、
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見事なもの。
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幾何学的なステンドグラスは、
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イチオシ
色の組み合わせが
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いろんなバリエーションで
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とっても、
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面白いです。
教会の見どころとして、やっぱりステンドグラスは重要です。たぶん、色には何かの宗教的な意味もあるんでしょうが、そこまではちょっと分かりません。 -
最北部の細い半島部を終わって、少し離れた西のエリアに移動します。
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冷水は、五島崩れの迫害後、平戸や下五島などから移住してきた人々が中心なんだとか。
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現在の木造教会堂は、明治40年に建てられたもの。丸尾郷出身の鉄川与助が棟梁となって初めて手掛けた教会堂であり、その歴史的な価値は大きいとされます。正面に据えられた尖塔の姿がとても印象的ですね。
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また、中はこうもり天井。
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窓の上部に
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少しつけられたステンドグラスから、
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青や緑の光が入って、塗り分けられたような光の感じになるんですね。
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なるほど。これもちゃんと計算に入っているんでしょう。
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矢堅目公園は、冷水教会のついでに訪ねました。
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特に期待はしていなかったのですが、石段を登って、なだらかな芝生に出たと思ったら、正面にはそびえる山のような小島です。周囲には、荒い波が押し寄せていて、それを崖の上から見下ろすロケーション。けっこう迫力がありました。
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丸尾教会は、青砂ヶ浦教会の巡回教会から、
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その後独立した教会です。白亜の教会でデザインにもちょっと工夫があります。
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そして、内部は丸窓も含めて、赤い十字の意匠が鮮やかなステンドグラス。
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船底型のすっきりした天井とよくバランスが取れていると思います。
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さて、ここで予定通り、お昼にしましょう。
五島うどんは有名ですが、日本三大うどんの一つなのだそう。その五島にあっても、竹酔亭は有名店です。うどん道場と書かれた店構えは、ちょっと迫力あり。 -
イチオシ
特製うどんをいただきましたが、ただ、予想に反して、透明なあご出汁に麺は、ペロンペロンした柔らかい麺。全体として優しい仕上がりには逆に驚きました。
じわじわおいしさが分かってくるようなうどんです。 -
せっかくなので、お土産も買いました。
ところで、お土産は家で茹でていただきますと、微妙に腰が強い。竹酔亭おあの柔らかさは、相当に煮込んだものでしょう。博多のうどんは腰がないので有名ですが、たぶん、それも影響していたのかもしれません。微妙に腰のある方が乾麺らしいし、ちょっとした凄味もある。私的にはこっちの茹で方がうまいと思いました。 -
この辺りは、五島うどんの里とか上五島でもそれなりに賑わいがあるエリアなのですが、国道から少し海側に入ると、そこは蛤浜海水浴場。白い遠浅の砂浜に波が静かに打ち寄せて、これは美しい。遠くに島影が見えて、どうかするとハワイのラニカイビーチのような景色。いかがでしょうか。
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鯛の浦教会と旧鯛ノ浦教会は同じ敷地にあって手前に建つのが鯛ノ浦教会。
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こちらは新しいだけに、明るい感じです。
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イチオシ
旧教会の建物は、明治36年の建立。昭和24年に増築しましたが、その際、煉瓦造の塔が正面につけられましたが、旧浦上天主堂の被爆煉瓦を一部使用しているそうです。
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内部は、こうもり天井が見事。
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敷地内のルルドも
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有名です。
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ここから、頭ケ島天主堂はちょっと距離があります。そもそも、頭ケ島は、上五島と橋で結ばれた小さな島。つづら折りの道をどんどん降りた先のこれも小さな入江に建っていて、アップダウンの道をやっとのことで到着です。
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上五島には教会が29あるんですが、
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イチオシ
世界遺産に登録を目指している教会群に入っているのはこの頭ケ島天主堂だけです。ずんぐりとした印象の石造りの教会は柱がないシンプルなもの。
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屋根を支えるのに二段の船底天井を組んで工夫したという
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特殊構造です。
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ステンドグラスも、充実していますね。
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幾何学模様の
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イチオシ
バリエーションに、
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配色のバリエーション。
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変化していくデザインが、見る人を飽きさせません。
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外にはこちらもルルド。
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これは拷問に使った抱き石。チャックしておきたいポイントの一つです。
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頭ヶ島教会から、海側に歩くと
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すぐに見えてくるのがキリシタン墓地。美しい入江に望む緩やかな斜面を利用した墓地です。
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入り口を入ると、
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上に十字架を乗せた墓石が点々と立ち並んでいました。
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イチオシ
それぞれには鮮やかな花も活けられて、厚い信仰が墓の様子からも自然と偲ばれました。
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イチオシ
頭ヶ島教会を後にして、これは坂を上りきった場所。教会の建つ小さな浜が眼下に見えました。ただただ、美しい光景です。
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赤い堂ヶ島大橋を渡って、
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今度は、坂本竜馬ゆかりの広場。
坂本龍馬が薩摩藩から練習船として使用を任されたワイル・ウエフ号が鹿児島へ向けて航行中、暴風雨によってこの沖合いで難破。12人の同志が命を失います。知らせを聞いた龍馬は、寺田屋事件で受けた傷を鹿児島で療養中でしたが、この地に駆けつけ、慰霊碑建立を依頼したといわれています。 -
イチオシ
祈りの龍馬像が仲間への鎮魂の想いを込め、海に向かって合掌していました。
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黒崎園地展望所は、頭ケ島からの帰り道。海沿いのくねくね道の途中に、小さな標識が立っていたので寄ってみることにしました。
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駐車場から、展望所に向かう遊歩道を登って行くと、目の前には今行ってきた頭ケ島までの海岸線がよく見えました。
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この日は、天気がイマイチだったのですが、天気が良ければ絶景だと思います。
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右の奥は、空港の辺りです。
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さて、先を急ぎましょう。
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集落に戻ってきまして。
海童神社は、鳥居の形が変わっています。この形は鯨のアゴ骨をかたどったもの。
神社の起こりは、3年続けて決まった日に海で溺れ死ぬ者があり、神社の信託により石祠を建てて祭り、即席の「にわか芝居」などを奉納したことから。7月の第4日曜日に行われます。 -
青方は、上五島では広域の総合病院や福祉センターなども置かれた中心地。青方教会も、パッと見た感じ、大きな鉄筋コンクリートの建物なので、役場か何かかなあと思ってしまいました。
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建物は、平成12年に建てられたもの。
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かなりの人数が入れる大きな空間の奥の祭壇には、キリストとマリア様の二面のステンドグラスがありました。
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青方教会から大曽教会へ。最後に小さな運河のような浦を回り込んでいくのですが、対岸の高台にレンガ造りの教会が見えた時は、ちょっと感動的でした。
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現在の教会堂は、大正5年に、鉄川与助が設計したもの。
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外観も凹凸の変化が面白いし、
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内部の3廊式のこうもり天井が
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木質の優しい感じと合わせて、見事です。
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幾何学的な文様のステンドグラスもシックな色合いが素敵。
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例によって、
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配色の
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バリエーションも
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イチオシ
とっても豊かなんですが、
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それにも増して、赤、青、緑。
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一つ一つの深い色合いだって、何とも言えない美しさです。
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これは外の景色。来た道は運河の向こうです。
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そろそろ終盤になってきたでしょう。
こちらは跡次教会。 -
初代建物は、大正3年に青方小学校を半分買い受けて建立したようですが、
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現在の教会堂は、昭和59年の建立。国道からすぐの山の中腹に建っています。
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ただ、内部はステンドグラスもなくて、これ以上ないくらいシンプル。学校の校舎を使っていた伝統が引き継がれているのかもしれません。
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正面には、世界初の洋上石油備蓄基地が見えています。
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真手ノ浦教会は、道土井湾を望む丘の上。奈良尾からも遠くないし、国道から少し入ったところなので、交通の便は悪くないのですが、
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国道から教会までの道は細いし、とても分かりにくい。カーナビで位置を確かめながら向かったのですが、かなり苦労しました。
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初めは若松町桐教会に属していたようですが、独立。現在の聖堂は、昭和44年に建てられたものです。薄い青と緑のおとなしいステンドグラスです。
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そして、今日の最期は中ノ浦教会です。予定通り、ついに、何んとか回りきったんですね。
この教会は、水辺に教会堂が映る風景が美しいということだったのですが、この日は風が強くてその景色はここまで。 -
しかし、国道から海を覗くと、海がとても澄んでいる。これに映るんですね。なるほどといった感じです。
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ただ、見所はやはり内部でしょう。
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天井を飾る赤い椿のデザインがとても力強くて、
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かなりインパクトあり。これも鉄川与助の意匠ではないかと思います。
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ほか、ルルドもありますので、お見逃しなく。
では、若松島の宿に向かいます。 -
若松島は、上五島町。上五島の中心、中通島とは若松大橋で結ばれています。そして、その若松大橋付近が若松瀬戸と呼ばれる風光明媚なエリア。若松大橋のたもとに、ちょっとした駐車スペースがあって、そこから周囲を眺めることができます
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潮の香薫る公園というのですが、シンボルの花時計が坂道の中ほどで、道路のすぐ脇に見えました。ただ、駐車は若松大橋を渡ってすぐのところにある駐車場が安全でしょう。
そこから眺めた海の青さは海水の透明度がよく分かって、なかなかでした。 -
極楽寺は、旅館街の一番奥にある浄土宗の寺。ついでなので、行ってみました。
本尊として祀られている銅造菩薩像は、7世紀頃に制作されたもので、国の重要文化財に指定。本堂の中を覗くと、内陣の奥に、小さな立像が見えました。時間が遅かったので、遠くからしか見れませんでしたが、拝観を頼めば近くで見ることができると思います。 -
今夜の宿は旅館前川荘。ネットでここの旅館にほれ込んだという人が紹介のブログを書いたりしていたので、ちょっと期待して利用しました。ただ、私も同感。当たり前のようですが、部屋がとても暖かい。風呂も温泉地のような石造りのゆったり湯舟。リラックスするための基本的な造りがしっかりしていると思いました。
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特に料理は、海鮮中心ですが、ご主人の腕前がかなりのものではないかと思います。味付けの工夫で心地よい変化があって、楽しい食事となりました。
さて、今日は比較的スムーズだったんですが、明日のコースはちょっと決めかねているところがある。同じ宿に泊まった人からいい情報を手に入れて、また欲張ってしまいそう。。
体調が一番気がかりですが、宿がよかったのでひと安心。あとは、明日に備えて寝るだけです。
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