2013/12/13 - 2013/12/13
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たびたびさん
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いつもは、B級グルメばかりなんですが、いつかはチャレンジなければと思っていた嵐山吉兆。一人で行くのも行きにくいので、それならと経験のある知り合いを誘って三人で行くことにしました。それにしても、混んでるんですねえ。12月ということもあるんでしょうが、ぎりぎりで予約が取れてやっとのことで滑り込みました。
私がこれまで行った京都の老舗料亭は、リーズナブルな昼飯があって行ったものばかり。それに対して、こちらは、昼飯でも値段は一人4万円からと晩飯と変わりません。まあそれでも、結局はこれまで京都に費やしたコストを考えればごみみたいなものだし、いつまでも行ったことがないではさみしすぎるでしょう。
で、結果の方は。。何でしょうか。アットホームといってもいい、自然な雰囲気。そして、自分ちの家庭料理が懐かしくなるようなところもあって、ちょっと不思議な気持ちになりました。そして、人間はやっぱり自分の食べたいものを食べたいし、自分の求める味がどこかにあってそれを思い出してしまったような。そういう意味では、サプライズの対極。最後はなんか自分ちの飯と比べたくなる。変な話。家族と行ったら、もっと盛り上がったかもしれないなあと思いました。
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今日は姫路の観光をしていたのですが、早めに切り上げて、嵐山にやってきました。
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渡月橋を渡って、嵐山吉兆に急ぎます。
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何んとか、間に合いました。
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ここが入口。
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この奥が玄関です。黒い小石は、鞍馬石ですね。まあ、他の店ならすごいですねとなるんですが、ここならたぶんそんなの全然気にもしてないでしょう。
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入口を入ってすぐの部屋。三人だったので、何の問題もないんですが、もう少し早く予約すれば、奥の部屋に入れたのかも。実は、私はここが待ち合いになっていて、この後、奥に案内されるのかと思ってました。。(後日、そんなことを言ったら、連れの方もそう思ったと言って笑ってました)
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二間続いた奥の部屋は、雪見障子の部屋です。この向こうに路地庭園があるのですが、あるというだけで、特別な拵えはないように思いました。お昼に来ても、同じだったと思います。
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連れの一人が誕生日だったこともあって、掛け軸はこれ。しかし、季節にどんな掛け軸を駆けるのかはとても興味があったところ。心尽くしはうれしいんですが、ちょっと私としては興ざめです。(これも、後日そんな話をしたら、連れも同じ気持ちだったとか。その時は、お互いに言いませんでしたが、やっぱり同じ思いでしたか。連れは私と感性がよく合うんです。)
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で、見上げた天井は、流れるような川のデザイン。琳派のような趣向です。竹の灯りも渋いですが、でも結局は質素ですよね。値段のことを言うとやぼですけど、竹の灯りはそんなに高くても知れてます。ここで、とにかく金を使おうとなるとステンドグラスを使ったりすることになるんですが、そんなのは料理屋のすることではない。あくまで、食事を楽しむ空間を演出するのであって、ここまでがいいところなんです。
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さて、お茶が出てきて。こぶに梅。ここで、びっくりさせようとすると、超薄手の湯のみ。つまりろくろで成形した後に、さらに削って薄くするといった技巧の器を出したりすることもあるんですが、そんなことは余計なこと。あくまで普通に出してます。
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イチオシ
この紅白の演出は、誕生日を祝ったものですね。
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この染付の銀杏型としっくりよく合ってます。もうこれは慣れたものでしょう。
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すこし食前酒をいただいて、
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お吸い物です。
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蓋は見事な鶴の蒔絵。だんだんここから、吉兆の世界にいざなわれるって感じですね。お吸い物をいただくといかがでしたかと声をかけられる。ちょっと薄味ですけど、私にはちょうどいい。連れによると、ここでお客の好みを確認して、これから出す料理の味加減を調整するんだそうです。なるほど。さりげない会話の中にも重要な意味があるんですね。
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御造りです。
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イチオシ
なんて薄いんでしょうか。脂がのってるんで、こんなに薄くても、味わい深いということなんでしょうが、厚い方のもうまいんですけどねえ。そこはどっちもありのような気がします。金襴手の器が豪華さを演出します。あくの強い素材をうまくコントロールしてるって感じですね。蒔絵から金襴手って、ちょっと走ってますね。
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イチオシ
と、蟹が出てきました。なるほど。さっきの薄い御造りはこれにつなげるためだったんですね。舌をまだ疲れさせないための薄造りだったんでしょう。
この荒っぽい土の器も力強いですね。蟹のワイルドさをさりげなく演出しています。 -
なるほどねえ。ただ、私はあんまりそこまで蟹が好きではない。ここをピークに持ってこられても、実はちょっとそうではないんですけどね。まあ、普通にいただきます。
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今度のお椀は、
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お赤飯がちょこんと乗ってます。確かに、ちょっとご飯ものが欲しくなっていたところだったかもしれません。
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蟹はあぶってもいいようですね。
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そして、この柑橘で手を拭いて、匂い消しにするようです。
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改めて盛り合わせ。たぶん、こんな光の演出はなかったことなんでしょうが、今ではこれをみてもそんなに驚かない。あちこちどこでも真似してしまってますからね。
ここでもきちんとやってもらったかなあという受け止めでしょう。 -
これは香合のような器ですが、青い釉薬がきれいです。魚の切り身のようなものだったと思いますが、一口で食べちゃいました。
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イチオシ
その後、さっきの盛り付けを取り分けてくれました。あえものとかいろいろです。この器は春慶塗ですけど、果たして食器のなのかなあ。
お盆のような形にも見えますが、上手に使ったのであれば、センス抜群。つまり、ここで軽い感じの器にしてきたことが、心地よい変化になっています。 -
ちょっと揚げたものに、
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この椀は
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煮物です。貫入がとても美しい景色となっています。
さてと。ここで敢えて言えば、何がメインだったかのかなあ。出されたものを順番に食べてきたら、次第にお腹がいっぱいになってきてはいるのですが。。
結局、流れがよく分かっていないので、料理に自分の気持ちをうまく乗せられなかったような感じです。品数が少なかったら、何とかなるんですがね。
例えば、自分ちでご飯を食べる時って、正月のおせちでも、何がどううまいか分かっているから、自分で食べる流れが作れます。そういう意味では、ここではその流れをお店にゆだねるしかないのですが、どうなんでしょう。それがはまればいいけど、もしかしたら実はそれってやっぱりかなり難しいことなんじゃないでしょうか。とすれば、逆に、客の方も、一回パッと来て、そんなのを求めて味わいたいって言ったって、土台無理な話。限界があるような気もしてきますね。
つまり、ここでチャレンジなんて大げさに構えたこと自体、笑止千万だったのかもしれません。 -
で、炊き込みご飯が出てきて。これはもう終盤ですね。
やっぱり、ここで振り返っても、あれが特にうまかったという印象が不思議と残っていない。自然自然と箸を勧めただけのよう。こんなのでよかったのかなあ。
変な話。一つ一つの料理で言えば、これはあの店のあの方がうまかったとか。これはこうとか過去の経験を思い出してしまう。しかし、そういうことでもないですよね。うーん、しばらくは悩んでいくしかありませんかあ。。
とにかく、正月に自分ちで食べる料理なら、あれとあれとあれって、ちゃんと楽しみにしている料理があって、とにかくそれを食べれば大満足っていうのがあるんですけどねえ。それに、B級グルメだと、ここ一点これしかないけど、これってうまい?うまくない?って単純な評価で済むじゃないですか。うーん。流れの中で味わうって、別にここが初めてのことじゃないですけど、やっぱりそんなに簡単なことじゃないでしょう。 -
もう、デザートになってしまって、
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メロンがどうのと言ったって、いまさらそんな問題じゃないですよね。
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きんとんの
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和菓子に
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おまめさん。
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お薄で終了です。
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本当はなかったものなんですが、メニューを作ってもらいまして。
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あとは、おみやげの
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しおりです。
とにかく、この旅行記はなかなか書けなくて、しばらく置いておいたもの。でも、いつまでたってももやもやが消えないので、もやもやのままに書いたらこうなりました。
来た甲斐がなかったわけじゃないけど、うちで食べる料理が一番のような気持ちになったのも事実。そんな単純なものではないんでしょうが、人間は結局のところそういうものかもしれません。最後まで、もやもやでごめんなさい。おしまい。
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この旅行記へのコメント (2)
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- belleduneさん 2015/03/26 10:15:41
- うーん、一度は食べてみたいかな?
- たびたびさん、夕食ですか、羨ましい限りです。京都もよく訪れましたが、ランチが多いですね。私が友人と記念に行った粟田山荘のお茶室での昼食が一番良かったかなと思います。それ以上の支払いを自分でするのは、ちょっと考えてしまいます。旅費に廻したいですからね。
段々年を取って、動き回るのが億劫になってきたら、高級料亭へ行くかもしれませんが...
でも、写真で見せて頂いて、やはり調和の取れたお料理ですね。知れば知る程、手の込んだものだと分かると思います。繊細な日本料理は、素晴らしいとつくづく思います。家庭料理も人其々で、違うので、他所の家で食べる家庭料理も良いものですね。
たびたびさんの旅行記で、勉強させて頂きました。またお邪魔します。
- たびたびさん からの返信 2015/03/26 12:09:51
- RE: うーん、一度は食べてみたいかな?
- グルメっておいしいものを食べるためなのか。それとも、食文化を知るためのものなのか。
例えば、いくら京都で頑張ったとしても、海鮮みたいに単純なものなら北海道や日本海側に勝てるはずはないですよね。それを料理の腕で高みに持って行くんでしょうが、日本料理は素材の味をどういかすかだとすれば、造りすぎては元も子もないし、もともと、そういう限界を持っているのかもしれません。
そういう意味だと、やっぱり食文化を感じたかったのですが、そうすると吉兆は京都のトップかと言えばやはりそうではない。歴史がないんですよね。
一方で湯木美術館を拝見すると、創業者の湯木貞一氏がいかに茶道具が好きだったのかがストレートに伝わってくる。難解なものはほとんどなくて、なるほどねと言ったものばかり。とても素直な気持ちの人だったように感じました。先日、五島美術館の中国陶器コレクションを見ましたが、五島慶太は本当に焼き物が好きだったのかなあ。そこそこ好きだっただけのような感じもして、湯木美術館を思い出してしまいました。
たぶん料理もとにかく好きだったんでしょう。その好きだったところから吉兆が始まっているんだということをもっと分かってもらう工夫が必要なような気がしました。もし、これはうまいと感じてもらいたいならいくらでも手があるはずなんですが、そこはたぶんやってません。そこは好感を持ったんですが、ちょっと惜しいかなあと思います。
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