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少し早めの夕食は、ブルーを基調にしたスカンジナビア料理屋を思い出させるレストラン。客はわれら団体さんのみのよう。4テーブルに分かれて一斉に同じものを配られる。<br />刻んだ野菜にドレッシングがかかったサラダに続きスズキのムニエル、フライ添え。デザートは「でかい切れのケーキアイス~」と思ったら、あらら、生クリームを冷やし固めたものだった。舌のさきでアイスクリーム部を探れども、口のなかでやわらかくなるホイップクリームのもったりした感触が残るのみ。残念<br /><br />実はこの日咽喉の調子が悪くて首にスカーフをぐるぐる巻きにしたまま、出来るだけしゃべらずに「・・・・」と静かにしていた。さかのぼれば飛行機の機内から鼻がぐずぐずしてティッシュが手放せなかった。埃アレルギーかな?飛行機の中って凄いからねー。 とにかく、静かだった。そういえばホテル初日に、友人に「ホテルについたらマッサージしてあげるから、まかしといて」なんて豪語しておきながら、ベッドでバタンQでした。 <br /><br />水を確保して周りのおば様方の様子を観察するのみの夕食でした。 しかし、おば様がた。それぞれのキャラクターが少しずつ分かってくると、ひそかに可笑しくなってくるような会話をしている。ボケと突っ込みが絶妙。長年連れ添った友達なんだろう。友人はそんなおば様方といい感じに会話をこなし「いーわねー、若いひとは」などという、ほめ言葉もモノにしているあたり、流石。<br /><br />食事の後にバレエの席の抽選会があった。おば様方、互いに番号を教えあって盛り上がっている。友人と私の席は?「A」、「B」って、、番号じゃないの?ときょとんとしたら、おば様方、我々二人の席のことでもう人盛り上がり。頼もしいというか、世話強いというか、かしましいというか・・・皆さんいい人たちみたい。<br /><br />レストランから歩いてすぐのところにあった、ムソルグスキー劇場。これなら誰も迷子にならないね。劇場という言葉からイメージするホール正面の階段や階段下の広場は「全く無し」。道に直に扉1枚分の「玄関ドア」があって、そこから中に入ると狭ーいロビーがある。数歩でロビーを前進してもぎりのオバチャンにチケットを切ってもらい、階段を数段上がるとホールの扉とその前の細い通路。通路の壁には過去にこのホールに立ったアーティストたちの写真がずらり。中に指揮者の西本智美さんも。そうだ、彼女はモスクワで交響楽団の常任指揮者だったのではなかったか?この人の指揮も生で一度観たい。前にTVで見たらとても美しく凛々しかったのを覚えている。彼女は関西出身だったはずだぞ。 後でチェックしておこう。 そうだ、ロシア語では西本は「НИШИMOTO」と書いてあるの、読めた読めた。ちょっと嬉しい。<br /><br />ホールの扉を開けると!<br />プチサイズホールながらゴージャスな内装。<br /><br />若いバレエダンサーたちの鍛え抜かれた体の線はそれはそれは美しかった。ステージが近いので着地するときの「トン」とか「ドタ」とか「ドン」とかいう音も聞こえてきて、目の前で今踊っているんだなーというライブ感に包まれる。オデット姫を踊るプリマドンナはやはり目だってしなやかな動き。この踊りのほとんどが魔法にかけられてしまった姫の憂いのこもった踊りだから、鳥の羽や華奢な骨格とエレガントで舞い立つような柔軟さも体ひとつで表現するのが大変。オリンピック選手よりも凄いと思うようバレエダンサーは。堅い木の舞台の上で何回転もしたり、不自然な体制で他人の体重も支えながらゆっくりとした動きで感情や情景を表現しなければいけないんだから。しかもこれが2時間ぐらい続くわけだから。バレエダンサーにこそ金メダルを!<br /><br />ちょっと熱く訴えてみました。 ホンとに凄いよねー。<br /><br />白鳥の湖のお話に戻りますが、この演目の目玉は通常「瀕死の白鳥」。だんだん力尽きていくオデット姫の白鳥を悲しく清らかに舞い、肩腕ずつ最後の力で小さく震わせながら最後には前屈するようにして生き絶える白鳥の姿が来ると思いきや、今回の演出は違う。瀕死の白鳥は無し。代わりに、ロットバルトの魔力を浴びながらジークフリード王子と二人で・・・・この後がよく分からなかったのだけど、①悪魔を倒して幸せになりました。 か、もしくは②悪魔と戦った挙げ句二人で連れ立ってあの世へと旅立ちました。 のように見えた。この2つの展開はほとんど両極端ななんだけど、どちらともとれるところが、言語を使わぬ表現の微妙なとこ。<br />このバレエ団に限らず、最近は古典の演目の解釈にどんどん新しい見方を取り入れているようです。 あれ?そういえば、アダム・クーパーのSWAN LAKEはどこにやったかなー?探してみよう。誰かに貸してる? あれは母の愛に飢える王子(Male)がSWAN(Male)に惹かれていくという大胆な演出。これがスンバラシイから観てないひとは一見の価値大いにありです。これを舞台で見た後、私は「生まれ変わったら美しいイギリス人男性バレエダンサーになりたいと思った程。ちなみに、彼らの衣装はチュチュではありませんから、大柄でケバ化粧して笑いをとるバレエダンサー絶ちと混同しないで下さい。笑い系も一度は観たいけどね。<br /><br />てなことをつらつら考えながら全3幕観ました。咳き込んだらどうしようと心配していたけどそれも大丈夫。時々ジャジャーンとオケがフォルテシモで演奏するタイミングにあわせて「ゴホン、ゴホン」とやって乗り越えました。<br /><br />見渡せば、この会場には男性や子供の姿が多い。デートかな?男性はきちんとしたスーツを着ている人が結構いる。カップルだけではなくて友人たちとか家族?などの数人連れで着ている人が多そうに見える。本場ロシアの人達はレストランに行く感覚でバレエを観にくるのかな?私の隣の男の子も正装して髪を7,3に分けて座っている。バレエをやっている子なのか、ダンサーのウルトラC的技には「ヒュー!」などといって手を叩いている。隣がわけの分かんないアジア人のお姉さんたちでビビッタろーなー。<br /><br />会場を出ると目の前にバスが待っていた。こういうところはツアー様様だわ。<br />のりこんで、正面にある時計を見て気づいた。<br /><br />今すでに午後10時になろうとしているのだわ!何が驚くって・・・、外が明るい。。 まだ4時ごろの明るさ。変~。白夜の時期に入ったと書いてあったっけ。ううーん、大晦日のニュージーランドでもなかなか日が沈まないので驚いたけど、ロシアの日の長さも驚くなー。<br /><br />写真は例のデザート。これぜーんぶ生クリームの塊、だったと思う。鼻咽喉嵐でよく分からなかったわ。

ロシア5 ムソルグスキー劇場にてバレエ「白鳥の湖」を鑑賞

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2006/05/26 - 2006/06/02

1594位(同エリア1805件中)

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3

yumyum

yumyumさん

少し早めの夕食は、ブルーを基調にしたスカンジナビア料理屋を思い出させるレストラン。客はわれら団体さんのみのよう。4テーブルに分かれて一斉に同じものを配られる。
刻んだ野菜にドレッシングがかかったサラダに続きスズキのムニエル、フライ添え。デザートは「でかい切れのケーキアイス~」と思ったら、あらら、生クリームを冷やし固めたものだった。舌のさきでアイスクリーム部を探れども、口のなかでやわらかくなるホイップクリームのもったりした感触が残るのみ。残念

実はこの日咽喉の調子が悪くて首にスカーフをぐるぐる巻きにしたまま、出来るだけしゃべらずに「・・・・」と静かにしていた。さかのぼれば飛行機の機内から鼻がぐずぐずしてティッシュが手放せなかった。埃アレルギーかな?飛行機の中って凄いからねー。 とにかく、静かだった。そういえばホテル初日に、友人に「ホテルについたらマッサージしてあげるから、まかしといて」なんて豪語しておきながら、ベッドでバタンQでした。 

水を確保して周りのおば様方の様子を観察するのみの夕食でした。 しかし、おば様がた。それぞれのキャラクターが少しずつ分かってくると、ひそかに可笑しくなってくるような会話をしている。ボケと突っ込みが絶妙。長年連れ添った友達なんだろう。友人はそんなおば様方といい感じに会話をこなし「いーわねー、若いひとは」などという、ほめ言葉もモノにしているあたり、流石。

食事の後にバレエの席の抽選会があった。おば様方、互いに番号を教えあって盛り上がっている。友人と私の席は?「A」、「B」って、、番号じゃないの?ときょとんとしたら、おば様方、我々二人の席のことでもう人盛り上がり。頼もしいというか、世話強いというか、かしましいというか・・・皆さんいい人たちみたい。

レストランから歩いてすぐのところにあった、ムソルグスキー劇場。これなら誰も迷子にならないね。劇場という言葉からイメージするホール正面の階段や階段下の広場は「全く無し」。道に直に扉1枚分の「玄関ドア」があって、そこから中に入ると狭ーいロビーがある。数歩でロビーを前進してもぎりのオバチャンにチケットを切ってもらい、階段を数段上がるとホールの扉とその前の細い通路。通路の壁には過去にこのホールに立ったアーティストたちの写真がずらり。中に指揮者の西本智美さんも。そうだ、彼女はモスクワで交響楽団の常任指揮者だったのではなかったか?この人の指揮も生で一度観たい。前にTVで見たらとても美しく凛々しかったのを覚えている。彼女は関西出身だったはずだぞ。 後でチェックしておこう。 そうだ、ロシア語では西本は「НИШИMOTO」と書いてあるの、読めた読めた。ちょっと嬉しい。

ホールの扉を開けると!
プチサイズホールながらゴージャスな内装。

若いバレエダンサーたちの鍛え抜かれた体の線はそれはそれは美しかった。ステージが近いので着地するときの「トン」とか「ドタ」とか「ドン」とかいう音も聞こえてきて、目の前で今踊っているんだなーというライブ感に包まれる。オデット姫を踊るプリマドンナはやはり目だってしなやかな動き。この踊りのほとんどが魔法にかけられてしまった姫の憂いのこもった踊りだから、鳥の羽や華奢な骨格とエレガントで舞い立つような柔軟さも体ひとつで表現するのが大変。オリンピック選手よりも凄いと思うようバレエダンサーは。堅い木の舞台の上で何回転もしたり、不自然な体制で他人の体重も支えながらゆっくりとした動きで感情や情景を表現しなければいけないんだから。しかもこれが2時間ぐらい続くわけだから。バレエダンサーにこそ金メダルを!

ちょっと熱く訴えてみました。 ホンとに凄いよねー。

白鳥の湖のお話に戻りますが、この演目の目玉は通常「瀕死の白鳥」。だんだん力尽きていくオデット姫の白鳥を悲しく清らかに舞い、肩腕ずつ最後の力で小さく震わせながら最後には前屈するようにして生き絶える白鳥の姿が来ると思いきや、今回の演出は違う。瀕死の白鳥は無し。代わりに、ロットバルトの魔力を浴びながらジークフリード王子と二人で・・・・この後がよく分からなかったのだけど、①悪魔を倒して幸せになりました。 か、もしくは②悪魔と戦った挙げ句二人で連れ立ってあの世へと旅立ちました。 のように見えた。この2つの展開はほとんど両極端ななんだけど、どちらともとれるところが、言語を使わぬ表現の微妙なとこ。
このバレエ団に限らず、最近は古典の演目の解釈にどんどん新しい見方を取り入れているようです。 あれ?そういえば、アダム・クーパーのSWAN LAKEはどこにやったかなー?探してみよう。誰かに貸してる? あれは母の愛に飢える王子(Male)がSWAN(Male)に惹かれていくという大胆な演出。これがスンバラシイから観てないひとは一見の価値大いにありです。これを舞台で見た後、私は「生まれ変わったら美しいイギリス人男性バレエダンサーになりたいと思った程。ちなみに、彼らの衣装はチュチュではありませんから、大柄でケバ化粧して笑いをとるバレエダンサー絶ちと混同しないで下さい。笑い系も一度は観たいけどね。

てなことをつらつら考えながら全3幕観ました。咳き込んだらどうしようと心配していたけどそれも大丈夫。時々ジャジャーンとオケがフォルテシモで演奏するタイミングにあわせて「ゴホン、ゴホン」とやって乗り越えました。

見渡せば、この会場には男性や子供の姿が多い。デートかな?男性はきちんとしたスーツを着ている人が結構いる。カップルだけではなくて友人たちとか家族?などの数人連れで着ている人が多そうに見える。本場ロシアの人達はレストランに行く感覚でバレエを観にくるのかな?私の隣の男の子も正装して髪を7,3に分けて座っている。バレエをやっている子なのか、ダンサーのウルトラC的技には「ヒュー!」などといって手を叩いている。隣がわけの分かんないアジア人のお姉さんたちでビビッタろーなー。

会場を出ると目の前にバスが待っていた。こういうところはツアー様様だわ。
のりこんで、正面にある時計を見て気づいた。

今すでに午後10時になろうとしているのだわ!何が驚くって・・・、外が明るい。。 まだ4時ごろの明るさ。変~。白夜の時期に入ったと書いてあったっけ。ううーん、大晦日のニュージーランドでもなかなか日が沈まないので驚いたけど、ロシアの日の長さも驚くなー。

写真は例のデザート。これぜーんぶ生クリームの塊、だったと思う。鼻咽喉嵐でよく分からなかったわ。

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  • ロシアの劇場で、ロシア人おじさんコンダクターに混じって、凛々しい西村さん。

    ロシアの劇場で、ロシア人おじさんコンダクターに混じって、凛々しい西村さん。

  • 海外の劇場は内装が美しいですね。ロシアもそれは同じ。

    海外の劇場は内装が美しいですね。ロシアもそれは同じ。

  • 豪華〜。 我々は1Fの椅子席でした。

    豪華〜。 我々は1Fの椅子席でした。

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