2009/04/01 - 2009/04/01
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旅人のくまさんさん
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四、五分咲の桜の岩崎城を車で訪ねました。家から20分とはかからない距離です。ここでは1584年(天正12年)、岩崎城の戦いが行われました。小牧・長久手の戦いの一部です。城を守る織田・徳川陣の丹羽氏重と羽柴(豊臣)陣の池田恒興の間で行われ、岩崎城は落城しました。実質的な秀吉と家康との戦いでした。
- 交通手段
- 自家用車
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『岩崎城址公園・案内図』です。岩崎城の戦いは、『小牧・長久手の戦い』のうち長久手の戦いの緒戦となった戦いです。岩崎城を守る織田・徳川陣の16歳の丹羽氏重と300名ほどの守備隊、その数十倍の兵力の羽柴(豊臣)陣の池田恒興が襲い掛かり、岩崎城は落城しました。しかし、池田隊を足止めした効果は大きく、この後の徳川本隊との長久手で決戦では、池田恒興・元助親子、森長可といった羽柴方の有力な武将が戦死し、徳川・織田方の勝利に終わりました。後に家康は、『一番の戦功者は池田勢を足止めさせた、岩崎城代丹羽氏重である』と称賛しました。
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『岩崎城址公園・案内図』の中にあった、現況の城郭図です。かつての岩崎城の縄張りを発掘調査のうえ、再現されたようです。この地図では、北が下側になります。
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駐車場に車をとめて、あとは徒歩での見学です。二の丸、本丸方面に向かって坂道を登りました。通路の脇には、土塁や空堀らしいものがありました。
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城が築かれた場所だけに、中々険しい地形でした。岩崎城の縄張は、丘の最高所に櫓台がありここが本丸です。北に二の丸、西に西曲輪、東に東曲輪(東曲輪は未整備)が配置されています。それぞれの曲輪の間には空堀が設けられ、各曲輪には土塁が残っています。
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『二の丸庭園』への案内標識があった階段途中の光景です。
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『二の丸庭園』に到着したようです。『岩崎城址公園・案内図』の中には、本丸より一段低い、北側に表示されていました。
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イチオシ
岩崎城址の二の丸庭園は、名古屋城の二の丸庭園を模して造られたようです。枯山水の石庭でした。岩崎城の二の丸は、本来は馬出曲輪だったようです。
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同じく、岩崎城址の二の丸庭園の光景です。名古屋城の二の丸庭園は、明治の初めに兵営建築のため、多くが壊されました。このため、名古屋市蓬左文庫所蔵の『御城御庭絵図』に基づき、発掘調査で現れた北池、南池、茶席『霜傑』建物跡、暗渠の四遺構を中心に整備され、昭和53年(1978年)4月に『二之丸東庭園』として開園しました。
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枯山水の岩崎城址の二の丸庭園の紹介が続きます。庭園に使われている庭石は、発掘されたものではなく、造園のために運び込まれたもののようでした。
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風情たっぷりなヤマザクラ(山桜)の光景です。白い花と、赤味を帯びた新緑とのコントラストが、なんとも言えない風情を醸します。
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風情たっぷりなヤマザクラ(山桜)の花のズームアップ光景です。赤っぽい葉が、花を一層白く引き立てていました。
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頭上に伸びた、ヤマザクラ(山桜)の花の光景です。その先に時計塔が見えました。
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『水琴窟(すいきんくつ)』の説明パネルです。右側に断面図が記されていました。蹲(つくばい)の近くに設置された、風流な排水施設です。甕が二つ埋設されていて、二種類の音が楽しめるようです。
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イチオシ
『勘助の井』の石碑があった一角です。武田信玄(1521〜1573年)の軍師だった山本勘助(1493?〜1561年)ではなく、第4代の岩崎城主だった、『丹羽勘助(1550〜1601年)』でした。『棒の手』の生みの親として、地元では有名なようです。通称が勘助、本名は氏次です。
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『丹羽勘助』は、城下町の農民を集めて、長さ2メートルの棒を振り回して敵と戦う訓練をさせたようです。後に神社の祭礼で奉納される儀式となり、現在まで伝わって、愛知県の無形文化財に指定されました。『勘助の井』には、再建施設かどうかは分かりませんが、『水琴窟(すいきんくつ)』で趣向を凝らしてありました。
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『水琴窟(すいきんくつ)』に水を流して、音を楽しんだ跡です。生まれたのは江戸中期。大名茶人だった小堀遠州が蹲踞(つくばい)周りの配水装置として作った、洞水門(どうすいもん)が原型になったようです。
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水琴窟は、施工するのも大変ですが、メンテナンスも大変だったようです。掃除ができない仕組みですし、砂や土が入ってしまうと音が鳴らなくなってしまうようです。このため、江戸時代に造られたものは、京都、鳥取、岐阜、三重などに僅かに残っているだけのようです。ところが、水琴窟の音色に魅せられた人たちが、水琴窟を現代に蘇らせ、今ではかなりの数の施設があるようです。公開されているものだけでも、白鳥庭園、名古屋城『二の丸茶亭』、大須観音、犬山の有楽苑、岡崎公園『葵松庵』、佐布里池『水の生活館』などがあります。
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枯山水は、水のない庭のことです。池や遣水などの水を用いず、石や砂などにより山水の風景を表現する庭園様式です。室町時代の禅宗寺院で用いられ、発達しました。
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この辺りも二の丸庭園の一部だったようです。日本庭園は、水を得られる場所に築くのが普通でしたが、枯山水様式が登場してからは、水を使わなくとも造園が可能になりました。
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石燈籠の光景です。下部が壊れたらしく、修復された跡がありました。右奥に見える新しい石碑は、先に紹介した『勘助の井』です。
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これで二の丸址の二の丸庭園の見学はおしまいです。次は本丸址に向かいました。
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二の丸から、本丸址にやって来ました。『岩崎城歴史記念館』の玄関光景です。本丸跡に建てられていました。
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イチオシ
扇の紋所です。『小牧・長久手の戦い』の当時、岩崎城の城主だった丹羽氏の紋所のようです。丹羽家系譜では氏兼の子に氏宗、氏茂という兄弟がいたとされ、氏宗は早く死に、弟氏茂は兄の子氏明を援けて尾張国丹羽郡丹羽村に移住し、そこで、一色の姓を丹羽に改め、家紋も
雪笹〈ゆきざさ〉を檜扇〈ひおうぎ〉に変えたようです。(尾張徇行記) -
展示室にあった、レプリカの甲冑の数々です。丹羽氏本拠の地を一宮市丹羽町の爾波〈にわ〉神社のある辺りとする説もあるようです。
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『櫓台』のタイトルがあった説明パネルです。岩崎城内で最も高い場所とされ、『版築』と呼ばれる工法で、5.5メートルの盛り土がされていることが説明されていました。『櫓台』の呼び方は、名古屋市逢左文庫の古文書に記されているようです。
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岩崎城での発掘調査では、銅銭5枚が出土しています。いずれも中国からの輸入銭で北宋時代(960〜1127 年)に作られた物とされます。
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『井戸跡』の説明板です。発掘調査時に見つかった内径2.4メートルの素掘りの井戸の紹介でした。
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かなり大きな『井戸跡』です。保存のために表面補強がされ、埋め戻した後に砂利が敷いてありました。江戸時代の『岩崎村古城絵図』にも同位置に記されているようです。
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再建された建物の葉風の光景です。天守閣ではなく、岩崎城歴史記念館の方です。本丸跡に建っていますから、本丸御殿をイメージした建物かもしれません。
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更にズームアップした、破風と鬼瓦の光景です。本丸御殿が存在したかどうかは分かりませんが、発掘調査で、よく保存された遺構が調べられています。
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