アイフェルの山の谷間にたたずむ美しい村　モンシャウ（Monschau）

2008/06/11 - 2008/06/11

2008年の初夏、実家の母が３週間の予定で日本から遊びに来ました。

母の滞在中に連れて行きたいと思っていた場所のひとつが、アイフェルの山の谷間にあるモンシャウ村。この村には２年前に一度行ったことがあり、美しい村並みがとても気に入ったので、母にもぜひ見せたいと思って、日帰りででかけることにしました。

モンシャウは日本のガイドブックではまだあまり取り上げられていませんが、ドイツではけっこう知られた観光地のようです。ベルギーの国境近くにあるため、ドイツだけでなく、ベルギーやルクセンブルクから訪れる人も多いです。

地図で見ると、我が家からわりと近くに思えるのですが、なにしろモンシャウはアイフェル地方の山奥にあるため、山の周囲をぐるぐるまわって山の中へと分け入っていかねばならないため、片道２時間以上かかります。

電車が通っていないため、アクセスは車が便利ですが、アーヘンからバスでも訪れることができます（所要約１時間／アーヘンから南東へ車で約50km。直線距離だと30kmくらい？）。

ドイツでありながら村並みがどこかベルギーっぽい感じがするなと思っていたら、過去の時代にベルギーのワロン地方に属していたことがあるそうです。ベルギーと雰囲気が似ているのは地理的に近いという理由だけではなかったんですね。

歴史に村が登場するのは12世紀末で、13世紀初めには城が築かれて村ができていったのだそう。戦火を免れたため、木組みの家並みが300年間変わらぬ姿で残っています。

エリア ドイツ

• 旅行の満足度: 5.0
• 交通: 2.0

駐車場に車をとめて、さっそく村の中へ。ちなみに、駐車場は村の端っこにあり、かなりの台数がとめられます。小さい村ながら、それだけ訪れる人が多いのでしょう。

途中にあった建物を見ると――蜘蛛〜。かなりリアルだ、これ。

ドイツなどでは蜘蛛は幸運を運ぶお守りとみなされているそうなので、こういうのもありなんでしょうけど、日本じゃ考えられんなぁ。

絵本に出てきそうなかわいいおうち。

モンシャウの家々はグレーのスレート葺きの屋根で統一されています。家屋の壁面は木組みかうろこ壁のところが多いです。

広場へ向かってのびる、村のメインストリート。

この通りの一角に有名なマスタード屋さんがあります。
実は、モンシャウはマスタードが有名で、100年以上前から作り続けられているそうです。

通りに面したそのお店にはお客さんがいっぱい。ここでは代々引き継がれているレシピで作ったマスタードが10数種類あり、味見もできます。

通りからのぞくと、狭い路地にカフェのテーブルが並んでいました。

時計の上に鐘が。時間がきたら鳴るのかな？

木組みの家が連なる細い路地。

モンシャウの一番の写真スポットがここ！

ルーア川に沿ってひしめき合うように建っている古い木組みの家々。
美しい〜〜♪

村の中心のマルクト広場。

広場に面して建つ、クリスマスグッズのお店。ここだけは年中クリスマス〜♪

２階の窓には本を読むサンタさんが。

広場にある水飲み場。

モンシャウは昔から織物業がさかんだったそうで、この噴水も染色作業の様子を表わしたもののようです。

歩いている途中、このお店のウインドウに目が釘付けに。

かわいすぎる〜！！

アニマル・デザインのキッズ用の帽子やマフラーがずらりと並んでいます〜。タオル地や布でできているようです。手作りでしょうか。小さい子どもが身近にいたら、ぜったい買うんだけどな〜。

教会の裏手に来ました。

先ほどの写真スポットを反対側から見た様子。

こっち側からの眺めもいいな〜。

家々が前に後ろに傾いているのがよくわかる。

このアングルが一番好きかも。

モンシャウは「アイフェルの真珠」「ラインラントのローテンブルク」とも呼ばれているそうですが、ちょっとわかる気がします。

村の中でとりわけ目立っているのが、この赤い家（Rotes Haus）。

18世紀に織物業で財を成した商人のタウンハウスだったそう。現在、内部は博物館になっているとのことなので、あとで見学しようと思います（前回訪れたときは、ちょうど昼休みで時間が合わなくてあきらめた）。

橋の真下にお魚さんのオブジェがぶらさがっています。

ルーア川沿いをてくてく。

路地から下を見ると――川沿いに水車が。

このたたずまい、きっと昔からずっと変わっていないんだろうなぁ。

路地を抜け、小高い丘を登って要塞跡へ行くと――そこは村一番のビューポイント！

村が一望〜〜。

前回、村を訪れたときはこの要塞跡まで登らなかったのだけど、ここにはぜったい来るべきだったと、この風景を見て思いました。

右奥に見えるのは13世紀初めに築かれたモンシャウ城。16世紀半ばに破壊されて廃墟となっていましたが、20世紀初めに修復され、現在、その一部がユースホステルとして使われています。

お城の周囲には、かつての城壁や塔が残っています。

先ほど歩いたマルクト広場も見えます。

では、お城のほうへも行ってみます。

うひゃ〜、この家、相当ゆがんでる〜。

花いっぱいのお家。

お城の近くから見た眺め。

ここからの眺めもよいです〜。

左奥に見えるのが、先ほどのビューポイントの要塞跡。

要塞跡からも見えていたお城の塔。


塔の写真を撮っていたら、上のほうから声がして――

見ると、てっぺんの窓で女の子がこちらに向かってポーズしました。

すると今度は男の子が顔を出し――

さらにもうひとりの男の子もこっちに向かってこんにちは（笑）

ひょうきんな子たちだ（笑）

では、村にもどります。

新緑の小道♪

あちこち歩いてまわったあとは、あの赤い家の見学です。

バロック様式で建てられた18世紀のこの建物は、現在、博物館となっています。内部は18世紀から19世紀初めのころの家具調度でしつらえられていて、その当時の暮らしぶりが見られるようになっています。

建物の窓をよく見ると、窓の真ん中が開いているところが。
これは換気用の小窓でしょうか。これなら、寒い冬でも窓を開けずに空気の入れ替えができますね。

屋根部分にもたくさんの窓。

では、さっそく中へ。

この建物の中で最も有名な、ロココ様式のらせん階段。

ぴかぴかに磨き上げられた木製の階段のなんと美しいこと！

めちゃくちゃアンティークな木馬。

ダイニングルーム。

広間でしょうか。

周囲の壁には肖像画や風景画が隙間なく掛けられています。

ここは書斎かな。

窓にはレースをはめこんだ枠が取り付けられています。

今で言う、目隠し用のカフェカーテンといったところでしょうか。

こちらはキッチン。

真鍮製の調理道具がいろいろ〜。

こういう昔のキッチン道具を見るのはとっても楽しい♪

木製のリネンプレス機。

アイロンのかわりにこうやって皺をのばしていたのか〜。

これは水道？

こちらは手洗い用でしょうか？　上部に水を貯めて、蛇口をひねると水が出るようになっているみたいです。

このらせん階段、美しすぎる。。。

こちらはリビングかな。

やわらかい光が差し込んでいます。

テーブルの上にあるのは玉巻き器？

主寝室でしょうか。

部屋の窓から見た眺め。

おーっ、トイレだ〜。

蓋付きで、便器は陶器製。

ベビーベッド。ちっちゃい〜。

ベビーチェアって、昔からこんな形だったのか。

らせん階段を上から見た様子。吸い込まれそうだ。。。

こんなふうに当時の暮らしぶりが見られる博物館って好きだな〜。
建物内部まるごとアンティークといった感じで、すごく見ごたえがありました！　

このあと、広場近くのカフェでランチをして、そのあとハンドクラフトを一堂に集めた屋内常設マーケットをのぞきました。ここにはガラス工芸品や手工芸品がたくさんあり、たぶんどれもモンシャウやその近郊で作られたものだと思います。結局、何も買いませんでしたが、見るだけでも楽しかったです。

★ハンドクラフト・マーケット
（Monschau Handwerkermark）
　住所：Burgau 15


モンシャウ、母もとっても気に入ったみたいです。連れてきてよかった♪

この旅行記へのコメント （8）

• kurichanさん 2014/08/25 15:58:15

  はじめまして

  私は今年7月にモンシャウに行きました
  息子がお世話になっているお宅のご家族に
  連れて行っていただいたのですが
  ココがどこなのかわからず、
  帰国してから検索していたら
  こちらのブログに出会いました
  
  申しわけございませんが
  私のブログにリンクさせていただいても
  よろしいでしょうか・・・
  よろしくお願いいたします
  
  「香るキッチン」
  http://kurichan827.blog.fc2.com/に
  ブログがあります

  ショコラさん からの返信 2014/08/25 18:41:21

  RE: はじめまして

  
  kurichanさん、はじめまして。
  
  モンシャウの旅行記を見つけてくださってありがとうございます。
  人に連れていっていただいたときは、場所の位置関係などが？？になることってありますよね。旅行記へのリンク、どうぞしてくださって構いません。旅行記の情報が少しでもお役に立てれば、わたしもうれしいです。
  
  kurichanさんのブログ、先ほど少し拝見させていただきました。毎朝パンを焼いていらっしゃるなんて、素敵！　パンはわたしも大好きで、２年前まではパン教室にも通って、週に１〜２回くらいパンを焼いていたんですが、今ではすっかり買うのが専門になってしまいました。キッチンに置いているパンこね機もほこりかぶってます(^^;)
  
  ご連絡ありがとうございました。
  
  ショコラ
  
  

• 旅は人生の友さん 2013/05/06 13:06:44

  あら〜ここもかわいい〜

  　ショコラさん、こんにちわ〜
  素敵な街を見れて嬉しいです。ありがとうございます。
  又、２００９年から４年ぶりのドイツへ行きます。
  シュコラさんの日記を見ていたら、この町にぶつかりました。
  博物館の階段もなんて、素敵なレースのようなカーブがたまらないわ。
  展示されている物もいいわ〜
  アーヘンから往復２時間か、バスの本数はあるのかしら？
  コメントのペコリーンさんも懐かしい〜
  今回の旅に行けたらいいなあ〜
  頑張って検討してみます。
  

  ショコラさん からの返信 2013/05/06 22:22:48

  RE: あら〜ここもかわいい〜

  旅は人生の友さん、こんにちは。
  
  小さな村の旅行記を探し当ててくださってありがとうございます！
  モンシャウはとても気に入っていた村なので、共感してくださってうれしいです〜。このレースのような螺旋階段は本当に美しかったです。アンティークなものがお好きでしたら、この博物館はツボだと思います(^.^)
  
  山奥にありますが、アーヘンからはアクセスがよく、バスの本数も（以前調べたときには）たしか１時間に１本くらいあったように思います。
  
  今年、ドイツを再訪されるのですね！　どのあたりへ行かれるのかしら？　候補がたくさんあって、悩まれているところかもしれませんね。楽しみですね〜。
  
  どうぞドイツを満喫してきてくださいね。素敵な旅になりますように♪
  
  ショコラ

• ココアさん 2012/01/25 13:45:56

  モンシャウのクリスマス・マーケットに行きたくて。。。

  ショコラさん、本年もよろしくお願いしますｍ（＿＿）ｍ
  
  モンシャウは、自宅から、あるいはアーヘンから直線距離ならそれ程でもなく、近そうにみえながら、意外に道路が複雑で、ここの有名なクリスマス・マーケットは絶対に行かねばと思いながらも、昨冬も実現出来ませんでした。近くて遠いモンシャウ、色んな方々のブログでクリスマスの魅力が取り上げられているのに、行けないというもやもや感。ベルギー等から、かなりの人達が押し寄せるそうですね。
  
  ココア

  ショコラさん からの返信 2012/01/25 18:07:53

  RE: モンシャウのクリスマス・マーケットに行きたくて。。。

  ココアさん、お久しぶりです〜。
  
  こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いします♪
  
  モンシャウの旅行記、見つけてくださってありがとうございます。
  ほんと、モンシャウは山奥にあって、ぐるぐる山を回って行かないといけないから、けっこう遠いですよね。ドイツからより、ベルギーやオランダからのほうが行きやすいかも。
  
  わたしもクリスマスマーケットに行きたかった〜。新緑の季節も素敵ですが、雪に覆われた真っ白の町並みとマーケットの灯りもとても美しいことでしょう。ココアさん、今年はぜひ実現させてくださいませ。
  
  モンシャウからわりと近い、オランダのファルケンブルクの洞窟クリスマス・マーケットにも行き損なって、今も心残り〜。
  
  ショコラ

• ペコリーノさん 2011/02/14 16:53:46

  素敵な町ですね〜

  ショコラさん、こんにちは
  
  日本のガイドブックにはないけれど、とっても素敵な町ですね。
  大きな駐車場があるとのことですが、周りから日帰りで訪れる人が多く、宿泊する人は少ないのでしょうか。
  アーヘンからバスですか。私でも頑張れば行けなくもないですね。
  博物館のらせん階段、素敵すぎます。実物をぜひ見に行きたいものです。
  素敵な町のご紹介、ありがとうございました。
  
  ペコリーノ

  ショコラさん からの返信 2011/02/14 18:58:27

  RE: 素敵な町ですね〜

  ペコリーノさん、こんにちは。
  
  コメントをありがとうございます〜。
  
  モンシャウは田舎町好きの方にはとくにおすすめです。小さな町なので日帰りする人が多いようですが、泊まってのんびり過ごすのもいいだろうなぁと思います。観光客が少ない朝や夕方は、昼間とはまたちがった素敵な雰囲気なのではないかしら〜。
  
  町には大きなホテルはありませんが、小規模な宿が10軒くらいあるようです。日帰りでも、アーヘンからバスで訪れて十分に見て回れますよ♪　４トラベラーの方の中にもバスで行かれた方がいらっしゃるようです。
  
  博物館のらせん階段、本当に素敵でした！　１回目に訪れたときは時間が合わなくて（昼休みがある）見られなかったのですが、２回目の今回は中に入ることができてとても満足しました。
  
  ペコリーノさんも機会がありましたらぜひぜひ〜♪
  
  ショコラ