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大学を出てサラリーマン生活を始めて、はや6年。<br />お給料は悪くはないけど、なかなか休みは取れないし、連休に出かけると飛行機も宿も高いし…<br />雇われ人あるあるで、旅に出ても数日ちょこっと出かける程度、というのが続いてきました。<br /><br /><br />でも、雇われ人“じゃない”今なら……?<br /><br /><br />去る今年の2月。<br />会社でとある炎上プロジェクトにアサインされ、紋別旅行をキャンセルせざるを得なくなった上(ちなみに訪問予定日に流氷は来てました。悲しいね…)、度重なる夜勤や残業で体調を崩し、喘息になってしまいました。<br /><br />このままでは体がいくつあっても持たないと思い、転職を決意して、先日ようやく就職先が決まりました。<br /><br />次の職場の勤務開始は、9月の第3週。<br />内定から半月ほど余裕があります。<br /><br /><br />そう、つまり<br /><br />「お金の心配があまりなく、時間も体力もある」<br /><br />状況が急にやってきました。<br /><br />このチャンスを活かさない手はありません。<br /><br /><br />そこで今回、ずっとやってみたかった長旅に挑戦しました。<br />最終目的地は、アイヌ語で「地の果て」を意味する、北海道・知床。<br />「本物に出会う」をテーマに、列車と船を乗り継いでいく、4泊6日の行程です。<br /><br />初日の今日は、釜石・鵜住居地区の旅館で、東日本大震災の津波から生還した女将さんから、震災のお話を伺います。<br /><br /><br />この旅の行程全体は、以下の通りです。<br />今回取り上げるのは、①の大宮から鵜住居までです。<br /><br />①:9/3(木) 大宮→釜石→鵜住居(泊)<br />②:9/4(金) 鵜住居→宮古→八戸→シルバーフェリー(船内泊)<br />③:9/5(土) シルバーフェリー→苫小牧→釧路→鶴居(泊)<br />④:9/6(日) 鶴居→釧路→ウトロ(泊)<br />⑤:9/7(月) ウトロ(泊)<br />⑥:9/8(火) ウトロ→網走→女満別→羽田

【地の果てシリエトクへの道】~①釜石に津波を生き延びた女将を訪ねて~

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2026/09/03 - 2026/09/03

108位(同エリア120件中)

あおば

あおばさん

この旅行記のスケジュール

2026/09/03

  • はやぶさ101号 大宮7:41発→新花巻9:50着

  • 快速はまゆり 新花巻12:08発→釜石13:45着(新花巻10:06発に乗車予定だったが運休)

  • 宝来館送迎車

この旅行記スケジュールを元に

大学を出てサラリーマン生活を始めて、はや6年。
お給料は悪くはないけど、なかなか休みは取れないし、連休に出かけると飛行機も宿も高いし…
雇われ人あるあるで、旅に出ても数日ちょこっと出かける程度、というのが続いてきました。


でも、雇われ人“じゃない”今なら……?


去る今年の2月。
会社でとある炎上プロジェクトにアサインされ、紋別旅行をキャンセルせざるを得なくなった上(ちなみに訪問予定日に流氷は来てました。悲しいね…)、度重なる夜勤や残業で体調を崩し、喘息になってしまいました。

このままでは体がいくつあっても持たないと思い、転職を決意して、先日ようやく就職先が決まりました。

次の職場の勤務開始は、9月の第3週。
内定から半月ほど余裕があります。


そう、つまり

「お金の心配があまりなく、時間も体力もある」

状況が急にやってきました。

このチャンスを活かさない手はありません。


そこで今回、ずっとやってみたかった長旅に挑戦しました。
最終目的地は、アイヌ語で「地の果て」を意味する、北海道・知床。
「本物に出会う」をテーマに、列車と船を乗り継いでいく、4泊6日の行程です。

初日の今日は、釜石・鵜住居地区の旅館で、東日本大震災の津波から生還した女将さんから、震災のお話を伺います。


この旅の行程全体は、以下の通りです。
今回取り上げるのは、①の大宮から鵜住居までです。

①:9/3(木) 大宮→釜石→鵜住居(泊)
②:9/4(金) 鵜住居→宮古→八戸→シルバーフェリー(船内泊)
③:9/5(土) シルバーフェリー→苫小牧→釧路→鶴居(泊)
④:9/6(日) 鶴居→釧路→ウトロ(泊)
⑤:9/7(月) ウトロ(泊)
⑥:9/8(火) ウトロ→網走→女満別→羽田

  • 旅の始まりは、一都三県の北の玄関口・大宮から。

    旅の始まりは、一都三県の北の玄関口・大宮から。

  • 盛岡行きのはやぶさに乗って、釜石線の乗換駅、新花巻を目指します。

    盛岡行きのはやぶさに乗って、釜石線の乗換駅、新花巻を目指します。

  • ところが、はやぶさ、発車しません。。。<br />この日、仙台駅近くで保守作業用車両の故障があったそうで、東北新幹線のダイヤが大幅に乱れていました。<br /><br />乗車したはやぶさは、しばらく大宮駅で運転を見合わせました。<br />とりあえず乗車電が来て、席に座れただけ良しとしますか。<br />アナウンスで8時20分には発車するって言ってるし。

    ところが、はやぶさ、発車しません。。。
    この日、仙台駅近くで保守作業用車両の故障があったそうで、東北新幹線のダイヤが大幅に乱れていました。

    乗車したはやぶさは、しばらく大宮駅で運転を見合わせました。
    とりあえず乗車電が来て、席に座れただけ良しとしますか。
    アナウンスで8時20分には発車するって言ってるし。

  • その後、運転再開予定時刻が8時40分に変わり、その8時40分になっても、前の列車との間隔調整で発車できず…<br /><br />最終的に動き出したのは、定刻から1時間以上過ぎた8時53分でした。

    その後、運転再開予定時刻が8時40分に変わり、その8時40分になっても、前の列車との間隔調整で発車できず…

    最終的に動き出したのは、定刻から1時間以上過ぎた8時53分でした。

  • そのまま1時間以上の遅れを引きずって、新花巻駅に到着しました。<br />後続も遅れて、発車案内がドイツ鉄道と化しています。。。

    そのまま1時間以上の遅れを引きずって、新花巻駅に到着しました。
    後続も遅れて、発車案内がドイツ鉄道と化しています。。。

  • そして釜石線…キミもか( ´・・)<br /><br />この週は全国的に天気が悪く、各地で線状降水帯が湧いていたので…こればかりは仕方ありませんね。<br />12時8分の快速はまゆりは動くって言ってるし、気長に待ちましょう。

    そして釜石線…キミもか( ´・・)

    この週は全国的に天気が悪く、各地で線状降水帯が湧いていたので…こればかりは仕方ありませんね。
    12時8分の快速はまゆりは動くって言ってるし、気長に待ちましょう。

  • 時間ができたので、新花巻駅の構内を探検してみます。<br /><br />待合に足湯ならぬ“手湯”がありました。<br />花巻も大きな温泉街があるんですね。

    時間ができたので、新花巻駅の構内を探検してみます。

    待合に足湯ならぬ“手湯”がありました。
    花巻も大きな温泉街があるんですね。

  • 野球好きにとって花巻と言えば、花巻東。<br />甲子園の強豪にして、大谷翔平の母校です。

    野球好きにとって花巻と言えば、花巻東。
    甲子園の強豪にして、大谷翔平の母校です。

  • 同じく花巻東出身の、菊池雄星コーナーもありました。<br />本人から寄贈されたMLBオールスターゲームユニフォーム入りの豪華仕様です。

    同じく花巻東出身の、菊池雄星コーナーもありました。
    本人から寄贈されたMLBオールスターゲームユニフォーム入りの豪華仕様です。

  • そしてもう1つ忘れちゃいけないのが、東北大学野球の強豪、富士大。<br />多和田、山川、外崎、佐々木健と、我々西武ファンが何度もお世話になってきた名門です。

    そしてもう1つ忘れちゃいけないのが、東北大学野球の強豪、富士大。
    多和田、山川、外崎、佐々木健と、我々西武ファンが何度もお世話になってきた名門です。

  • 花巻ゆかりのプロ野球選手のサインボール詰め合わせセット。<br />大谷、菊池、山川、外崎、巨人堀田…錚々たる面々が並びますね。

    花巻ゆかりのプロ野球選手のサインボール詰め合わせセット。
    大谷、菊池、山川、外崎、巨人堀田…錚々たる面々が並びますね。

  • その錚々たるメンツの中で、多和田のサインだけ漢字なのジワジワくるな(笑)

    その錚々たるメンツの中で、多和田のサインだけ漢字なのジワジワくるな(笑)

  • 快速はまゆりの発車20分前になったので、そろそろ釜石線ホームに向かいましょう。<br />釜石線ホームは、新幹線の駅から地下通路をくぐった先にあります。

    快速はまゆりの発車20分前になったので、そろそろ釜石線ホームに向かいましょう。
    釜石線ホームは、新幹線の駅から地下通路をくぐった先にあります。

  • 花巻は銀河鉄道の夜の作者、宮沢賢治が暮らした街です。<br />その街を走る釜石線のホームには、銀河鉄道の夜にちなんだ装飾が施されていました。

    花巻は銀河鉄道の夜の作者、宮沢賢治が暮らした街です。
    その街を走る釜石線のホームには、銀河鉄道の夜にちなんだ装飾が施されていました。

  • さて、緑豊かな景色の中、釜石行きの快速はまゆりを待ちましょう。<br /><br /><br />釜石線運転再開予定時刻の12時になって、駅構内にアナウンスが。<br /><br />「朝からの大雨の影響により、運転再開予定時刻を12時半に変更させていただきます」<br /><br />山間部はまだまだ雨が強いようです。<br /><br />最悪、釜石に行けない場合は…近くにある宮沢賢治記念館を見に行って、盛岡に泊まりましょうか。<br />明日の夜8時までに八戸に着けば北海道へ渡れるので、何とかなります。

    さて、緑豊かな景色の中、釜石行きの快速はまゆりを待ちましょう。


    釜石線運転再開予定時刻の12時になって、駅構内にアナウンスが。

    「朝からの大雨の影響により、運転再開予定時刻を12時半に変更させていただきます」

    山間部はまだまだ雨が強いようです。

    最悪、釜石に行けない場合は…近くにある宮沢賢治記念館を見に行って、盛岡に泊まりましょうか。
    明日の夜8時までに八戸に着けば北海道へ渡れるので、何とかなります。

  • 遅れること約1時間、13時過ぎに快速はまゆりがやってきました。<br />これで無事に釜石へ行けそうです。

    遅れること約1時間、13時過ぎに快速はまゆりがやってきました。
    これで無事に釜石へ行けそうです。

  • 新花巻を出てしばらくは、雨の影響を警戒してか徐行運転が続きました。<br />車窓はどこまでも山と田んぼの深い緑。<br />窓越しに濃厚な雨の匂いがしてきそうです。<br /><br />途中、遠野市内の駅で10分以上止まって安全確認してから、ようやく通常運転に戻りました。

    新花巻を出てしばらくは、雨の影響を警戒してか徐行運転が続きました。
    車窓はどこまでも山と田んぼの深い緑。
    窓越しに濃厚な雨の匂いがしてきそうです。

    途中、遠野市内の駅で10分以上止まって安全確認してから、ようやく通常運転に戻りました。

  • 最終的に1時間40分遅れで、釜石駅に到着しました。<br /><br />本来なら11時40分に着くはずのところ、時刻は15時25分。<br />新幹線と釜石線の遅れで、ずいぶん遅くなってしまいました。<br />それでもたどり着けたことに一安心です。

    最終的に1時間40分遅れで、釜石駅に到着しました。

    本来なら11時40分に着くはずのところ、時刻は15時25分。
    新幹線と釜石線の遅れで、ずいぶん遅くなってしまいました。
    それでもたどり着けたことに一安心です。

  • 隣のホームには、三陸鉄道のポケモントレインの姿が。

    隣のホームには、三陸鉄道のポケモントレインの姿が。

  • 岩手にちなんで、岩タイプポケモンが大集合です。<br />(カニがいますが、彼も水タイプじゃなく岩タイプ。ややこしいね…。まあ悪&エスパータイプのイカよりは分かりやすいか。)

    岩手にちなんで、岩タイプポケモンが大集合です。
    (カニがいますが、彼も水タイプじゃなく岩タイプ。ややこしいね…。まあ悪&エスパータイプのイカよりは分かりやすいか。)

  • 改札を抜けて駅舎を出ると、宿の送迎車が列車の到着を待ってくれていました。ありがたい。。。<br />急いで乗り込んで、釜石駅を後にします。

    改札を抜けて駅舎を出ると、宿の送迎車が列車の到着を待ってくれていました。ありがたい。。。
    急いで乗り込んで、釜石駅を後にします。

  • ここ釜石は鉄とラグビーの街。<br />鉄鉱山が閉山して高炉が閉じた今も、駅前には堂々と日本製鉄の工場が並びます。

    ここ釜石は鉄とラグビーの街。
    鉄鉱山が閉山して高炉が閉じた今も、駅前には堂々と日本製鉄の工場が並びます。

  • 女将さんの運転でいくつか山を越えて、大槌湾に面した鵜住居地区の旅館・宝来館さんにやってきました。

    女将さんの運転でいくつか山を越えて、大槌湾に面した鵜住居地区の旅館・宝来館さんにやってきました。

  • 部屋は山側の小ぶりの和室。<br />ひとりで過ごすには十分なスペースです。<br />平日だったのもあり、2日前の直前予約で2食付き17000円で泊めていただけました!

    部屋は山側の小ぶりの和室。
    ひとりで過ごすには十分なスペースです。
    平日だったのもあり、2日前の直前予約で2食付き17000円で泊めていただけました!

  • 夕食まで時間があるので、目の前の海岸を見に行ってみます。<br /><br />宿を出ると左手に、震災の慰霊の鐘が。

    夕食まで時間があるので、目の前の海岸を見に行ってみます。

    宿を出ると左手に、震災の慰霊の鐘が。

  • 目の前の海に、数千人もの行方不明の方が眠っているそうです。<br />確かに大きな湾ではあるけれど、ここだけで千人単位の犠牲があったとは…<br />改めて震災の規模の大きさを思い知らされますね。

    目の前の海に、数千人もの行方不明の方が眠っているそうです。
    確かに大きな湾ではあるけれど、ここだけで千人単位の犠牲があったとは…
    改めて震災の規模の大きさを思い知らされますね。

  • 鐘を鳴らして海に手を合わせたら、松並木を越えて海岸へ。

    鐘を鳴らして海に手を合わせたら、松並木を越えて海岸へ。

  • 多くの人を呑み込んだ海も、今はただ静かに波を寄せます。<br />こうして見ていると、本当に穏やかな景色で…15年前に天変地異があったとは信じられません。

    多くの人を呑み込んだ海も、今はただ静かに波を寄せます。
    こうして見ていると、本当に穏やかな景色で…15年前に天変地異があったとは信じられません。

  • 湾の中ほどに、漁船の影が浮かびます。<br /><br />このあと、宮古や八戸、知床で海に出ましたが、この鵜住居の海は特段、磯の香りが濃厚でした。<br />磯の香りの元は、海洋プランクトンと言われます。<br />それだけこの海は栄養が豊かで、プランクトンや魚が豊富ということでしょうか。

    湾の中ほどに、漁船の影が浮かびます。

    このあと、宮古や八戸、知床で海に出ましたが、この鵜住居の海は特段、磯の香りが濃厚でした。
    磯の香りの元は、海洋プランクトンと言われます。
    それだけこの海は栄養が豊かで、プランクトンや魚が豊富ということでしょうか。

  • しばらく海を眺めたら、宿に戻って夕食の時間です。<br /><br />新花巻駅のホームで電車を待ち続けたため、地味に昼食を食べ損なっていて…そろそろ限界が近づいていたため、待ちに待ったご飯です(笑)

    しばらく海を眺めたら、宿に戻って夕食の時間です。

    新花巻駅のホームで電車を待ち続けたため、地味に昼食を食べ損なっていて…そろそろ限界が近づいていたため、待ちに待ったご飯です(笑)

  • 1階の広々した夕食会場に通していただいて、豪華な晩餐が始まります。<br /><br />風味豊かなホヤに、雪駄鰈の煮付けに(このカレイがめちゃくちゃ美味しい、カレイってこんなに身が柔らかくて旨味もあったのか…)、鮪・メカジキ・宮古産サーモンのお造りまで。<br /><br />三陸の恵みがここぞとばかりに勢揃いです。

    1階の広々した夕食会場に通していただいて、豪華な晩餐が始まります。

    風味豊かなホヤに、雪駄鰈の煮付けに(このカレイがめちゃくちゃ美味しい、カレイってこんなに身が柔らかくて旨味もあったのか…)、鮪・メカジキ・宮古産サーモンのお造りまで。

    三陸の恵みがここぞとばかりに勢揃いです。

  • 陶板焼きは大粒の帆立と鱈でした。<br />ほんのり潮の香りがするのがいい。

    陶板焼きは大粒の帆立と鱈でした。
    ほんのり潮の香りがするのがいい。

  • デザートはパインの白ワイン煮と、キウイ、アーモンドの葛寄せ。<br /><br />右奥の四角いのがアーモンドの葛寄せですが、想像以上に優しい甘さで…アーモンドと言われなければ、苺と思ったかもしれません。<br />アーモンドって調理方法によって、こんな風味にもできるんですね。

    デザートはパインの白ワイン煮と、キウイ、アーモンドの葛寄せ。

    右奥の四角いのがアーモンドの葛寄せですが、想像以上に優しい甘さで…アーモンドと言われなければ、苺と思ったかもしれません。
    アーモンドって調理方法によって、こんな風味にもできるんですね。

  • 夕食の後は、女将さんが開催している震災の語り部に参加します。<br /><br />この宿は震災の折、2階まで津波に呑まれて、宿に避難してきた近所の方を迎えにきた女将さんも、津波に巻き込まれたそうです。<br />その際の体験と、釜石と隣の大槌町の被災時の様子を、当時の映像を交えながら語ってくださいました。<br /><br /><br />詳しくはぜひ実際にこちらで聞いていただきたいですが…<br />まず印象に残ったのは、津波の「形」と被害の出方です。<br /><br />津波というと、沖合から寄せてきた高波が海岸を襲うイメージでしたが、女将さん曰く「水平線を見ていても、津波が来たことは分からなかった」そう。<br /><br />大きく潮が引いたあと、水位が徐々に上がって、防潮堤を越えてくる。<br />水平線から波頭が迫ってくるわけではないから、女将さんもまだ大丈夫と思って、避難していた山を下りたそうです。<br />ところが、実際には水位がぐんぐん上がっていて、気づいたときにはもう遅かったと。<br /><br />女将さんと、一緒にいた方々は、波に浮いていたバスから旅館の屋根に飛び移って、一命をとりとめました。<br /><br />そして津波が寄せた後の「引き波」の力は凄まじく、これが家や車を持っていってしまい、そこにまた次の波が押し寄せてきて…<br />波が押す・引くを繰り返して、街を粉々にしていくそうです。<br /><br />そして後に残るのが、瓦礫。別の言い方をすれば「かつて街だったもの」。<br />あれを全て片付けるだけでも、途方もない時間と労力がかかったことが想像できます。<br /><br /><br />そんな津波の恐ろしさの一方で、女将さんは「教育で被害は抑えられる」とも仰っていました。<br /><br />実際、震災前から「自分で考えて行動する」「まずは逃げることを優先する」と教えられていた釜石の小中学生は、9割以上が助かったそうです。<br />適切な行動を取れれば命を守れる、この街で暮らしていけるんだと。<br /><br /><br />女将さん自身、震災で死の間際を経験して、相当苦しい思いをされたはずですが、こうして体験を共有してくださるのは、本当に頭が上がりません。<br />そして内容の重さに反して、話しぶりから負の感情を感じない…とっても明るい方なのが、印象に残りました。<br /><br />女将さんはこの後15年で、裏山の避難路を整備して、できれば裏山を海が見える公園にしたいとも仰っていました。<br /><br />もう女将としては一線を退かれた(だから厳密には「元女将」)のに、まだまだ目標を持って歩む姿には、こんな風に生きたいなぁ、と思わされます。<br />こういう方だから、神様も助け舟、いや助けバスを出したのでしょうか。<br /><br /><br />15年後。<br />もし自分が家庭をもっていたら、家族みんなでこの宿に来て、また女将さんにご挨拶したいなと思います。

    夕食の後は、女将さんが開催している震災の語り部に参加します。

    この宿は震災の折、2階まで津波に呑まれて、宿に避難してきた近所の方を迎えにきた女将さんも、津波に巻き込まれたそうです。
    その際の体験と、釜石と隣の大槌町の被災時の様子を、当時の映像を交えながら語ってくださいました。


    詳しくはぜひ実際にこちらで聞いていただきたいですが…
    まず印象に残ったのは、津波の「形」と被害の出方です。

    津波というと、沖合から寄せてきた高波が海岸を襲うイメージでしたが、女将さん曰く「水平線を見ていても、津波が来たことは分からなかった」そう。

    大きく潮が引いたあと、水位が徐々に上がって、防潮堤を越えてくる。
    水平線から波頭が迫ってくるわけではないから、女将さんもまだ大丈夫と思って、避難していた山を下りたそうです。
    ところが、実際には水位がぐんぐん上がっていて、気づいたときにはもう遅かったと。

    女将さんと、一緒にいた方々は、波に浮いていたバスから旅館の屋根に飛び移って、一命をとりとめました。

    そして津波が寄せた後の「引き波」の力は凄まじく、これが家や車を持っていってしまい、そこにまた次の波が押し寄せてきて…
    波が押す・引くを繰り返して、街を粉々にしていくそうです。

    そして後に残るのが、瓦礫。別の言い方をすれば「かつて街だったもの」。
    あれを全て片付けるだけでも、途方もない時間と労力がかかったことが想像できます。


    そんな津波の恐ろしさの一方で、女将さんは「教育で被害は抑えられる」とも仰っていました。

    実際、震災前から「自分で考えて行動する」「まずは逃げることを優先する」と教えられていた釜石の小中学生は、9割以上が助かったそうです。
    適切な行動を取れれば命を守れる、この街で暮らしていけるんだと。


    女将さん自身、震災で死の間際を経験して、相当苦しい思いをされたはずですが、こうして体験を共有してくださるのは、本当に頭が上がりません。
    そして内容の重さに反して、話しぶりから負の感情を感じない…とっても明るい方なのが、印象に残りました。

    女将さんはこの後15年で、裏山の避難路を整備して、できれば裏山を海が見える公園にしたいとも仰っていました。

    もう女将としては一線を退かれた(だから厳密には「元女将」)のに、まだまだ目標を持って歩む姿には、こんな風に生きたいなぁ、と思わされます。
    こういう方だから、神様も助け舟、いや助けバスを出したのでしょうか。


    15年後。
    もし自分が家庭をもっていたら、家族みんなでこの宿に来て、また女将さんにご挨拶したいなと思います。

  • 部屋で小休憩の後、大浴場へ向かいます。<br /><br />こちらのお宿は天然温泉ではありませんが、広々した浴場が備わって、設備は温泉に引けを取りません。<br /><br />中は洗面も浴場もピカピカ。<br />よく手入れされてるなぁ。。<br /><br />洗い場で汗を流したら、潮風を感じられる露天風呂へ。<br /><br />打ち寄せる波の音に、松の間にのぞく港の灯り。<br />海をすぐそばに感じながら、穏やかな時間が過ぎていきます。<br /><br /><br />明日は鵜住居から三陸鉄道に乗って、宮古の浄土ヶ浜を訪ねつつ、さらに北上して八戸を目指す予定です。<br />大雨で列車が動かなかったときはどうなるかと思ったけど、とりあえず1日目は無事に過ぎていきました。<br />明日も幸運を祈りましょう。<br /><br />それでは、おやすみなさい。

    部屋で小休憩の後、大浴場へ向かいます。

    こちらのお宿は天然温泉ではありませんが、広々した浴場が備わって、設備は温泉に引けを取りません。

    中は洗面も浴場もピカピカ。
    よく手入れされてるなぁ。。

    洗い場で汗を流したら、潮風を感じられる露天風呂へ。

    打ち寄せる波の音に、松の間にのぞく港の灯り。
    海をすぐそばに感じながら、穏やかな時間が過ぎていきます。


    明日は鵜住居から三陸鉄道に乗って、宮古の浄土ヶ浜を訪ねつつ、さらに北上して八戸を目指す予定です。
    大雨で列車が動かなかったときはどうなるかと思ったけど、とりあえず1日目は無事に過ぎていきました。
    明日も幸運を祈りましょう。

    それでは、おやすみなさい。

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