2025/08/30 - 2025/08/30
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AandMさん
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2025年8月モンゴルを訪れ、ウランバートルのスフバートル広場付近のホテルで4泊し、街中の見所を巡りました(https://4travel.jp/travelogue/12012742)。この旅行記では、モンゴルで最大規模の博物館である「モンゴル国立博物館」を紹介します。
博物館はモンゴルが社会主義国であった1924年に「モンゴル中央博物館」として創設され、1991年に「革命博物館」と合体され、名称が「モンゴル国立博物館」に改称されています。
モンゴル国立博物館は、スフバートル広場の東側にあり、石器時代から20世紀まで、モンゴルの歴史と文化に因む品々が展示されています。入場料は20,000トゥグルグ(約900円)で、写真撮影する場合は撮影料として20,000トゥグルグが追加されます。
展示室には、遺物、石像、衣料、武具、絵画、工芸品などが展示され、モンゴル語と英語の簡単な説明が付けられています。この博物館北側150mに近年(2022年)開設された新しい「国立チンギスハーン博物館」があり、こちらでもモンゴルの文化や歴史の展示がされています(https://4travel.jp/travelogue/12028409)。ただ展示はチンギスハーンとその子孫が統治したモンゴル帝国が中心で、展示品数は多くはありません。
短時間の見学なら「国立チンギスハーン博物館」の方が手軽ですが、石器時代から近代までのモンゴルの文化と歴史をじっくりと見学したい方には、「モンゴル国立博物館」をお勧めします。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- ユナイテッド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
8月30日
滞在していたベストウエスタン・ツーシンホテル(https://4travel.jp/os_hotel_tips/15259514)を後にして、スフバートル広場東側にあるモンゴル国立博物館に向かいます。広場を横切って通りを渡った先が博物館です。
前方に見えるのはモンゴル政府宮殿です。チンギスハーン広場 広場・公園
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政府宮殿の正面中央に巨大なチンギスハーン座像があります。モンゴルが社会主義国であった時代(1921-1992)、チンギスハーンは暴君として否定されており、この像はモンゴルが自由主義国になった以降(1992~)に設置されたものです。
政府宮殿 (国会議事堂) 城・宮殿
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モンゴルが自由主義国になった以降に発行されたモンゴルの高額紙幣に、チンギスハーン肖像が描かれています。チンギスハーンはモンゴルの誇りであることが窺えます。
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広場中央には広場名称となっているスフバートルの騎馬像があります。ダムディン・スフバートル(1894-1923)はモンゴルの革命家・軍人で、モンゴルが中国の支配から独立するのを指導した人物で、「近代モンゴル軍の父」と英雄視されています。
チンギスハーン広場 広場・公園
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現在流通しているモンゴル紙幣で、高額紙幣にチンギスハーン肖像、安価紙幣にはスフバートル肖像が描かれています。軍服姿ではなく、モンゴル民族服を纏っています。
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スフバートル広場を横切った先が国立博物館
モンゴルの歴史が分かる博物館 by AandMさんモンゴル国立博物館(国立民族歴史博物館) 博物館・美術館・ギャラリー
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展示室の様子で、この部屋には20世紀初頭の社会主義時代(1923-1991)の品々が展示されていました。
博物館の見学順として、近年(20世紀)から古代に向かってモンゴル歴史を遡る方向で見て回ることにします。 -
展示室説明に「社会主義モンゴル」とあります。モンゴル革命党が中心となって中国支配から独立し、1923年にモンゴルは「モンゴル人民共和国, People's Republic of Mongolia」となった、とあります。
このホールには「社会主義モンゴル」関連品が展示されています。 -
1989年の集会の様子を示す写真や垂れ幕など
社会主義時代末期、人権や自由を求める運動が活発化し、ビートルズ曲やギターなどは自由の象徴と見做されていたようです。 -
社会主義時代に発行されたモンゴル紙幣、軍服姿のスフバートル肖像が描かれています。紙幣には蒙古文字とソ連で用いられていたキリル文字の両方が印刷されています。
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社会主義時代のモンゴル軍の軍服や紋章などが展示されています。
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モンゴル人民共和国の紋章(1940年)
駱駝などの動物に蒙古文字があしらわれたデザインで、ソ連色はあまり織り込まれていないように感じます。 -
こちらの織物文様もモンゴル的です。
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モンゴルが社会主義国になった初期の頃の写真
民族服を着たモンゴルの方々と一緒に共産ソ連の軍人顧問団が写っています。モンゴル近代化にソ連が大きな影響を与えていたことが想像されます。 -
当時使われていた旗(多分、国旗)です。中央の黄金色図形はモンゴル伝統模様の「ソヨンボ」、両側に書かれているのは蒙古文字
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社会主義時代の1980年に子供達が作った箱、ロシア風衣装を着た子供達とキリル文字(ロシアで使われている文字)が描かれています。
社会主義が進むにつれ、共産ソ連の影響を強く受けていったことが窺われます。 -
17-20世紀のモンゴル展示室
君主がモンゴルを統治していた時代の様子が展示されています。 -
モンゴル最後の君主ボグド・ハーン(1869-1924)と妃(1874-1923)の像
意匠や王座は伝統的なモンゴル様式、ソ連の影響はほぼ認められません。 -
ボグド・ハーンと妃を映した写真
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展示室の様子
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当時の生活で使われていた道具類(20世紀初頭)
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金属製茶器(19世紀)
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農耕や狩猟で使われていた道具類
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馬具類(19世紀)
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19-20世紀初頭に使用されていた道具や衣装が展示されています。
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一般モンゴル人が使っていたゲル(再現)
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展示室は広々していますが、訪問者は多くはありません。
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櫛、髪飾り
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女性が用いていた飾り
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17-20世紀に使用されていたモンゴル民族衣装(再現品)
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宗教儀式で用いられていた衣装
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民族衣装も多様です
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民族衣装、結構カラフルです。
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装飾具類
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宗教儀式や政務では、特別な衣装が用いられていたようです。
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現代モンゴル文字(キリル文字)と英語で衣装について説明されています。
モンゴルで昔から使われていた漢字に似た蒙古文字、展示品や説明パネルの所々で見かけますが、モンゴルの若者達は殆ど読めないようです。 -
モンゴル将棋の駒と将棋盤
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木組みパズル(20世紀)
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木組みパズル
使い方は分かりませんが、ルービック・キューブのような3次元パズルのようです。 -
羊の骨で造られた遊び道具(20世紀)
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モンゴルのハープ
造りが立派なので、宮廷や由緒ある寺院などで使用されていたのかも知れません。 -
馬頭琴(19世紀)
馬頭琴はモンゴルを代表する民族楽器 -
太鼓
寺院などでの宗教儀式で用いられたようです。 -
ラッパ類
これらも宗教儀式用 -
経文、蒙古文字で書かれています。
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緑多羅菩薩(Green Tara, 19-20世紀)
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バナムジュナイ仏陀像(19-20世紀)
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アイシュ仏陀と香炉(19世紀)
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老白人像(19-20世紀)
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モンゴルの伝統的木造建造物の模型(19-20世紀)
君主が統治していた時代のモンゴルの寺院や宮殿は、この様であったようです。
20世紀初頭にモンゴルが共産ソ連の影響下に入って以降、蒙古文字がキリル文字に、伝統木造建造物が洋風建造物に急速に変わっていったことが分かりました。 -
オゴタイハーン肖像
オゴタイハーン(1186-1241)はチンギスハーン(1162-1227)の3男で、モンゴル帝国の第2代皇帝 -
13-14世紀に書かれた「元朝秘史」
蒙古語が漢字で音訳され、中国語の訳が付されています。 -
モンゴル帝国時代の武将再現像
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発掘されたモンゴル帝国時代の衣装
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モンゴル帝国時代の装飾具(発掘品、13-14世紀)
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モンゴル帝国時代の通行手形、蒙古文字で書かれています
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モンゴル軍司令官の印章(13-14世紀、再現品)
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釘や矢など(発掘品、モンゴル帝国以前)
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石像(9-10世紀?)
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突厥時代(Turkic period)に造られた彫像の頭部(8世紀、再現)
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陶製の甕と小物類
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ナイフと手綱(発掘品、2-3世紀)
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青銅製巨釜(発掘品、紀元前700-300年)
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パジリク陶器(発掘品、紀元前6-2世紀)
とても綺麗な模様と形の陶器で、ギリシャやローマ時代の発掘品に匹敵するように感じます。 -
モンゴル最古の人物像が彫られた石(初期青銅時代、紀元前2600-2000年)
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人物像が彫られた石の説明板
2003年にモンゴル・アルタイ山脈で発見された・・、と書かれています。 -
モンゴルで発見された岩絵(先史時代)
狩りの様子が彫りこまれています。 -
先史時代に彫られた岩絵
鹿や山羊と思われる動物が描かれています。似たような岩絵はヨーロッパのラスコー洞窟やアメリカのアリゾナなどでも発見されており、場所を問わず、先史時代に狩猟を行っていた民族に共通しているように思われます。この岩絵は、モンゴル高原で先史時代から狩猟が行われていた証でしょう。
今回、モンゴル国立博物館を訪れて先史時代から20世紀までのモンゴルが体験してきた歴史の一端を見学しました。20世紀初めまでは民族伝統を継承しながら推移してきたように思われました。しかし20世紀初頭に共産ソ連の影響が強まるにつれ、長年使用してきた漢字系の蒙古文字がロシアで使われているキリル文字に、衣類が伝統的民族衣装からロシア風に、木造建築がヨーロッパ風の石&コンクリート構造建屋に切り替わっています。社会主義時代のモンゴルでは、昔からモンゴルの方々が英雄と見做してきたチンギスハーンも暴君として否定され、肖像や彫像は全て撤去&廃棄され、民族宗教であったチベット仏教が抑圧あるいは禁止されたことを知りました。これらは伝統と古来文化が否定されることで、モンゴルの人々にとって受け入れがたく、とても辛い経験だったであろうことが想像されました。問答無用で強制力で従わせる共産主義の恐ろしさを感じました。
1992年以降モンゴルが自由主義化されてから、伝統的な蒙古文字の復活使用やチンギスハーンの威厳復権、あるいは宗教の自由化も認められるなど、好ましい方向に戻りつつあるようです。このような動き、モンゴルの方々にとって大変良いことと思います。2時間ほどの博物館見学、学ぶことが多かったと感じました。モンゴルの歴史が分かる博物館 by AandMさんモンゴル国立博物館(国立民族歴史博物館) 博物館・美術館・ギャラリー
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