2025/10/19 - 2025/10/19
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TKGさん
瀬戸内国際芸術祭2025秋会期の開催期間は2025/10/3~11/9です。これに合わせて、10/16~19にかけて、以下の日程で、犬島、豊島、直島、小豆島、男木島、女木島の6つの島を巡りました。
10/16 新大阪→岡山→宝伝港→犬島→豊島→高松
10/17 高松→直島→高松
10/18 高松→小豆島→高松
★10/19 高松→男木島→女木島→高松→なんば
4日目の後半は6つ目の島、女木島を訪れました。
女木島訪問には2つの楽しみがあります。1つは集落内に点在するアート巡り、もう一つは山頂近くにある鬼ヶ島大洞窟です。洞窟の近くには展望台もあり、ここから瀬戸内海の雄大な景色を望むことができます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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3泊4日で6つの島を巡ります。最後の6島目は女木島です。
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男木島港にフェリーがやって来ました。高松⇔女木島⇔男木島を結ぶフェリーです。このかわいらしい外観の船が、高松⇔女木島⇔男木島を1日に6往復しています。男木島11:00発のこの船に乗って、女木島を目指し、女木島には以下のように4時間滞在します。
男木島11:00発―(フェリー)→女木島11:20着
女木島15:20発―(フェリー)→高松15:40着女木島(鬼ヶ島) 自然・景勝地
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無事に、女木島に到着しました。女木島の海岸沿いの家々には、オオテと呼ばれる高い石壁が築かれています。この島には冬になると強風が吹きつけ、その風から家を守るために江戸時代に築かれたそうです。
オオテ (女木島の石垣) 名所・史跡
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港のターミナルには、鬼ヶ島大洞窟行きのバスが待っていました。このバスで一気に鷲ヶ峰山頂の大洞窟に向かいます。
洞窟を桃太郎に出てくる鬼の住処だとする説が、今から100年ほど前に発表され、それ以来、この洞窟は地元の観光地として親しまれています。高松から女木島への船はいつも地元の観光客でいっぱいで、そのほとんどがこの洞窟を目指します。ただ、私の乗ったバスは、高松からのフェリーの接続便ではなかったので、さほど混雑していませんでした。 -
バスで10分ほどで、大洞窟に到着しました。
洞窟内には、カラフルでかわいらしい鬼の像がいくつも置かれ、また、数えきれないほどの鬼瓦も置かれています。「オニノコ瓦プロジェクト」と呼ばれるもので、県内の中学生約3000人が参加して製作したものだそうです。鷲ヶ峰(女木島) 自然・景勝地
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洞窟内にはアート作品もあります。「生成するドローイング -女木島・鬼ヶ島大洞窟壁画」(村山悟郎)です。まるで古代の洞窟壁画のようです。
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作品は洞窟内に5か所ほどあります。
洞窟を抜けると、展望台に至る遊歩道が整備されています。その道をしばし歩くと、徐々に展望が開けてきます。 -
最初に見えるのは女木島の北にある男木島です。つい先ほどまで滞在していた島です。
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展望台に着きました。
今度は南側の眺望が開けてきます。鷲ヶ峰とは別のもう一つの山、タカト山と、女木島集落、そして、海の向こうに高松市街地を一望できます。もう少し晴れていれば、まさに絶景だったでしょう。地元・高松の人たちに人気の観光地であることが納得できる眺望です。 -
展望台からは大島も望むことができます。ハンセン病患者の療養所「大島青松園」のある島です。この島も瀬戸内国際芸術祭の会場の一つで、訪問者はアート作品を見るだけでなく、ハンセン病や青松園の歴史についても学ぶことができます。私も行きたかったのですが、時間の関係で断念しました。
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バスで下山するという選択肢もありましたが、私は徒歩で下山しました。下山して最初に現れる作品は「段々の風」(杉浦安益)です。かつて段々畑だった場所に、集落を見下ろすようにオブジェが立っています。
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さらに下ると見えてくるのが「女木島名画座」(依田洋一朗)です。
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昔の映画館が再現され、壁のあちこちには、チャップリンを始めとした絵が描かれています。
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「女木島名画座」から数分ほど歩くと、女木島のメイン会場とも言うべき女木島小学校が見えてきます。ここには3つの作品が展示されています。
1つめは校庭を活用した「女根/めこん」。大きなヤシの木を利用した作品が校庭にそびえています。 -
他にも校庭中に所狭しとさまざまなオブジェが置かれています。作者は直島の家プロジェクト「はいしゃ」と同じ大竹伸朗です。
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小学校のプールを活用したのは、ヤコブ・ダルグレンの「色彩の解釈と構造」。使われなくなったさまざまなものが色やサイズごとに整理して置かれ、町のような景観を作っています。
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教室を活用したのは、クリスティアン・バスティアンス+ローズマライン・パラントの「磁場」。銅線でできた彫刻?が各教室の間の境界を越えてつながっています。
以上の女木島小学校に展示されている3つの作品はどれも見応えのあるものばかりでした。 -
女木島小学校を後にして次に訪れたのは、集落の外れにある「ナビゲーション・ルーム」(ニコラ・ダロ)。大きな窓のある部屋に、竹や金属でできたいくつかのオブジェが置かれており、それらがまるで風に吹かれたかのようにゆっくりと動き、それに合わせるようにオルゴールがやさしい曲を奏でます。説明書きには「プラネタリウム」と書かれていましたが、これはよくわかりませんでした。
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集落の方に戻り、次に訪れたのは「女木島名店街」。かつて民宿だった建物を活用したもので、民宿の各部屋がアートの展示場やショップになっています。民宿の中庭だった場所には、さまざまな変則的な卓球台が置かれています。原倫太郎、原游の「ピンポン・シー」です。
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二階の一室には「いのちの詩・あまのおと」(柴田あゆみ)。
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別の一室には「ヨガ教室 -瞑想するブランコ 転がる景色-」(中里繪魯洲)。ブランコをこぐと、上の車輪が回転するなどして、軽快な音が奏でられます。
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別の一室には「ガラス漁具店」(柳健太郎)。その名の通り、ガラスのルアを始めとしたさまざまなガラス製品を展示・販売しています。
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一階の一室には「休校書店 メコチャン」(ザ・キャビンカンパニー)。巨大な少女像が訪問者を驚かせます。
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「女木島名店街」を出た後に訪れたのは「不在の存在」(レアンドロ・エルリッヒ)。ただの中庭に見えますが、この下に何らの装置が置かれています。数分おきにその装置が動作して、見えない何者かが歩く足跡が庭の砂に現れます。何の前触れもなく突然、現れるので、結構、驚いてしまいます。
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最後に訪れたのは「こんぼうや」(小谷元彦)。古民家に各種の棍棒(こんぼう)が置かれています。鬼に棍棒を売る店という設定と思われます。
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建物の脇には巨大な像が立っています。鬼と思われるのですが、顔はなく、代わりに磨き上げられた銅鏡が、周囲を威圧するように光り輝いています。
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洞窟まで往復し、集落内もほぼすべて回り、さすがに足も疲れ切った状態で港に帰還しました。港のすぐそばには「20世紀の回想」(禿鷹墳上)が設定されてます。ピアノと帆船が合わさったような作品で、ピアノからは音楽が流れてきます。その音を聴きながら、フェリーがやって来るのを待ちました。
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男木島から高松行きの船がやって来ました。すでにたくさんの乗客が乗っている船に、女木島からの乗客が乗り込んでいきます。
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船は定刻通り、15:20に女木島を出発し、15:40に高松港に到着しました。私は急いで、高松駅のすぐ横の高松バスターミナルに向かい、16:00発のなんば行きのチケットを購入しました(バスはなんば経由梅田行き)。
高松港 乗り物
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高松駅を出発したバスは、途中のいくつかの停留所で客を乗せた後、鳴門、淡路島を経由して一路、大阪へと向かいました。
こうして、瀬戸内国際芸術祭2025秋会期の旅は無事に終わったのですが、ここで旅行記の締めくくりに、瀬戸内のアートの島に興味を持たれている方に私から一つアドバイスをしておきたいと思います。それは、瀬戸内のアートの島巡りをするなら、よほどのアート好きでない限り、瀬戸内国際芸術祭の会期中よりも会期外の方がいい、ということです。
会期中のメリットとしては、以下が挙げられます。
(1)会期中のみしか見られない作品がある。
(2)会期中のみ、臨時バスが運行される。
逆に、デメリットとしては、以下が挙げられます。
(1)とにかく混雑している。
(2)ホテルやレンタサイクルは早めの予約が必要。地中美術館など予約必須な美術館も早めの予約が必要。
メリットとデメリットを比較すると、デメリットの方がはるかに大きいと思います。
私は1か月半前にいろいろと予約しましたが、その時点で、レンタサイクルは全滅、高松のホテルも名のあるところはすべて満杯でした。予約必須美術館に関しては、地中美術館、豊島美術館、南寺(直島の家プロジェクトの1つ。ここだけは予約が必要)はどうにか予約できましたが、杉本博司ギャラリーはダメでした。これらに入れないのであれば、さすがに悔しいですよね。
また、フェリーはともかく、高速船はすぐにいっぱいになってしまうので、行きはなるべく早くに港に行く必要があり、帰りはなかなか乗れずに待たされる、ということになってしまいます。
一方のメリットの方に関して言うと、どの作品も芸術祭の会期中だけしか見られないと勘違いしている人が多いようですが、そんなことはありません。直島、豊島、犬島のメジャーな3島に関しては、ほぼすべての作品が、芸術祭の会期中、会期外にかかわらず、常設展示されています。逆に、男木島、女木島、小豆島やそれ以外の会場は、芸術祭の会期中のみの作品が中心です(ただし、屋外展示は常設)。したがって、直島だけ、あるいは、直島、豊島、犬島のメジャー3島だけを訪れるのなら、断然、芸術祭の会期外の方がいいと思います。
臨時バスがないのは不便ですが、その分、レンタサイクルの予約はしやすいので、臨時バスの問題はそれほど気にしなくてもいいと思います。
この旅行記を見られて、是非とも、男木島、女木島、小豆島などの作品も見てみたい、全部回ってみたいと思われた方は、いろいろと困難があることを覚悟の上で、芸術祭の会期中に行ってみてください。その際は、ホテルや予約必須美術館の予約は遅くても1か月前くらいにはしておく必要があります。……ということは、つまり、今年度中については、もう手遅れということです。次回の開催は3年後の2028年になりますので、そのときに行ってみてください。
全部見るつもりはないけれども、瀬戸内のアートの島に興味を持たれ、一度行ってみたいと思われた方は、芸術祭の会期外をお勧めします。いつでも、予定の合う時に行ってみてください。ただし、その場合でも、ホテルや予約必須美術館の予約はできる限り早い方がいいと思います。この地域はもはや、海外旅行者にとって、広島や姫路に匹敵するくらいの、「日本で是非とも行くべき場所」の1つになりつつありますから。
以上、瀬戸内国際芸術祭の旅行記でありながら、芸術祭の会期外をお勧めする、という奇妙な終わり方になりましたが、この旅行記はこれで終わりです。
ここまでお付き合いしてくださって、どうもありがとうございました。
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