2023年 / スイス　ミュージアム巡り (20)　 シャフハウゼン/ラインの滝

2023/06/12 - 2023/06/12

　ラインの滝のすぐ上流にあり、滝を避けるための船荷の積み替えで栄えた中世の町シャフハウゼンを散策した後で、ラインの滝を見学します。

エリア シャフハウゼン(スイス)

• 旅行の満足度: 5.0

　Easyparkアプリも使えるムノート城駐車場に駐車。シャフハウゼンで最初に目に留まったのは、こちらのリヤカーです。いったいどのような経緯で、スイスに辿り着いたのでしょうか？

　ムノート城に入る手前にローズガーデンがありました。リヤカーの持ち主は、この方なのでしょうか。

ムノート城 城・宮殿

　丘の上に建つ直径52mの円形の城、ムノート城です。

ムノート城 城・宮殿

　1566年につくられたユニークなデザインの砲門がありました。

ムノート城 城・宮殿

　お城のお堀は、ダマジカの保護区になっています。

ムノート城 城・宮殿

　城内の螺旋状になっているスロープを上がっていくとお城の上に出られます。昔の大砲も置かれていました。

ムノート城 城・宮殿

　お城の屋上にある広場からは、チューリッヒ州との州境にもなっているライン川を見下ろせます。

ムノート城 城・宮殿

　大聖堂や聖ヨハネ教会の塔が並ぶシャフハウゼン旧市街です。

ムノート城 城・宮殿

　旧市街に下りてきました。旧市街の噴水広場からも、ムノート城の円塔が垣間見えます。

　スイスの英雄、ウィリアム・テルの噴水です。

　ムノート城塞の屋上から見えた時計塔のある聖ヨハネ教会です。1529年に宗教改革派に加わったシャフハウゼンは、周りをカトリック派に包囲されていました。軍事的な脅威に備えるために建てられたのがムノート城塞です。

聖ヨハネ教会 (シャフハウゼン) 寺院・教会

　フォルダーガッセで一番美しい邸宅、騎士の館です。1570年に描かれた壁絵で飾られています。

騎士の館 建造物

　題材は『オデュッセイア』。オデュッセウスの仲間たちが、ナツメヤシのような味でとてもおいしいロートスの実を夢中で食べています。ロートスの木は女性として描かれています。

騎士の館 建造物

　魔女キルケーの島で豚に変えられてしまった仲間たちを救いに来たオデュッセウスです。

騎士の館 建造物

　大聖堂の方へ向かうと、1529 年の宗教改革後に建てられた邸宅がありました。階段状の切妻屋根を挟むように、対になった大きな出窓があります。

　12世紀に建てられた諸聖人修道院の大聖堂の塔が見えてきました。ただ建物の周りをぐるりと1周しても、教会への入口がどこにあるのかわかりませんでした。

大聖堂（シャフハウゼン） 寺院・教会

　薬草園になっている修道院の回廊には入れました。1895年までシャフハウゼン大聖堂で鳴り続けていた一番大きなこの鐘は、詩人シラーによるドイツで最も有名な詩『鐘のバラード』の着想源となった鐘だそうです。日本人が『雨ニモマケズ』を思い出しながら、「下ノ畑ニ居リマス」という賢治の黒板を見学しに行くようなイメージのスポットでしょうか。

大聖堂（シャフハウゼン） 寺院・教会

　大聖堂エリアからフォルダーガッセに戻り、フロンバーグ広場までやってきました。フロンバーグ塔の切妻に設置されているのは、ベルンの時計と比べるとシンプルに見えますが、1564年製の天文時計です。

フロンバーク広場 広場・公園

　広場のピンク色の建物の隣の壁に、日本語の看板がありました。16年間の文通というと1922年までで、その翌年に亡くなっていますが、ティルダさんは、有島武郎の死亡の経緯を知ることがあったのでしょうか。

フロンバーク広場 広場・公園

　二人の出会いの場となった白鳥ホテル。出窓には確かに二羽の白鳥がいます。

フロンバーク広場 広場・公園

　シャフハウゼンならではの出窓の特徴は、出窓の上の雨樋が、魔除けも兼ねたドラゴンの形になっている点です。

　フロンバーク広場は噴水が二つある長方形の細長い広場で、フォルシュタット側にはムーア人の噴水がありました。

モーレンブルンネン 史跡・遺跡

　フォルシュタットを歩いていくと左手にある17世紀の邸宅、「黄金の牛亭」です。

ハウス ツム ゴールデネン オクセン 史跡・遺跡

　現在のテナントのカジュアルな靴屋さんにそぐわない、立派な門構えに目を奪われます。

ハウス ツム ゴールデネン オクセン 史跡・遺跡

　シャフハウゼンも出窓が多い町でしたが、1608年に作られたこちらの出窓が一番豪華でした。

ハウス ツム ゴールデネン オクセン 史跡・遺跡

　さらにフォルシュタットを進むと、やはり左手に「大きな檻の家」がありました。

　ティムール帝国のティムールと、オスマン帝国のバヤズィト1世が戦ったアンカラの戦い。戦闘に勝利したティムールが、サマルカンドに向けて凱旋行進をしています。モンゴル人に見えない描かれ方です。

　ティムールの捕虜となり、大きな檻の中に入れられてサマルカンドに移送されるオスマン帝国のスルタン、バヤズィト1世です。アンカラの戦いでは、ビザンチン帝国やヴェネツィア共和国は、宿敵オスマン帝国の敵ティムールに協力を申し出たそうです。ティムール勝利によりオスマン帝国の力は弱まり、ヨーロッパ諸国は一息つくことができました。ウィーン包囲の恐怖を感じていた16世紀以降のヨーロッパでは、かつてオスマン帝国をやっつけてくれたティムールは、邸宅のファサードに描きたくなるほどの歴史的人物だったのかもしれません。

　最後にシャフハウゼンの富の源泉となったラインの滝を見に行きました。到着が夕方だったためか、駐車場も空いていました。クレジットカードで支払えます。

ラインフォール 滝・河川・湖

　迫力のある滝の流れにズームアップすると、ちょうど雪解けの時期だけに、滝の水が凍った雪のようにも見えます。

ラインフォール 滝・河川・湖

　遊覧船がラインの滝に近づいていきます。

ラインフォール遊覧船 船系

　滝の水に流されることもなく、突入していきます。

ラインフォール遊覧船 船系

　中央の巨岩に登る勇敢な観光客たちです。

ラインフォール 滝・河川・湖

　滝の上流側にある鉄道橋の歩道の上からも、滝を眺めることができるようです。

ラインフォール 滝・河川・湖

　レンタカー返却後、チューリッヒ空港内の「シュプリュングリ」で、軽食をいただきました。熾烈な座席争奪戦を勝ち抜く必要がある本店とは違い、空港店はがらんとしていて、ゆったり過ごせるので穴場の支店です。

チューリッヒ国際空港 (ZRH) 空港

　絶品のトリュフケーキは、空港店にもありました。

チューリッヒ国際空港 (ZRH) 空港

　黒パン付きのポテトスープ、人参スープ、トマトキッシュ。

チューリッヒ国際空港 (ZRH) 空港

　ルクセンブルクの菓子店でマスターしたレシピで作られる名物「ルクセンブルゲリ」をデザートにいただきました。小ぶりのマカロンです。レモンマカロンには、カスタード風味のクリームがサンドされていました。

チューリッヒ国際空港 (ZRH) 空港

　チューリッヒ空港駅からインターシティで一駅のヴィンタートゥール駅に移動しました。

　ヴィンタートゥール駅のホームからも見えるHotel Wartmannにチェックインしました。

Hotel Wartmann am Bahnhof ホテル