2024/07/06 - 2024/07/14
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2024年の7月6日から7月14日にかけて、中国の西寧と敦煌を旅行してきました。
今回は7月9日の、青海省博物館の見学、西寧から敦煌までの移動並びに敦煌滞在1日目について書きます。
旅程
7/6 瀋陽→蘭州(春秋航空)、蘭州→西寧(高鉄)
7/7 タール寺、青海蔵文化博物館、西宁电视塔観光
7/8 青海湖、チャカ(茶卡)塩湖観光
7/9 青海省博物館観光、西寧→敦煌(四川・南方航空)
7/10 敦煌博物館観光、又见敦煌鑑賞
7/11 莫高窟、鳴沙山月牙泉観光
7/12 敦煌古城、敦煌丝路遗产城、玉門関、ヤルダン(雅丹)地質公園観光
7/13 陽関観光、敦煌→蘭州(春秋航空)、中山橋付近観光
7/14 蘭州→瀋陽(春秋航空)
※当時は留学中の身でしたので、旅行の開始地点は遼寧省の瀋陽となっております。ご了承ください。
※当時の元/円レートは、1元=22円くらいです。
それではここからが本編です。
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おはようございます。7月9日の朝です。
今日は午前中に青海省博物館を訪れたのち、飛行機で敦煌へと向かいます。 -
10時ちょうど、ホテルをチェックアウトし歩いて青海省博物館へとやってきました。
入館料は無料で、外国人はパスポートが必要です。 -
飛行機の時間を考えると1時間しか滞在できないので、サクッと見ていきます。
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今から2800-3600年程前、甘粛省と青海省の湟水・黄河流域に辛店文化というのがあったみたいです。
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その時代の青銅製の馬?
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西寧は匈奴を討ち河西回廊を開いた英雄霍去病が、この地に軍事基地を置いたところから始まったといいます。
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やがて青海湖も漢が支配するようになります。
昔は青海ではなく西海と呼ばれていたみたいです。 -
青海湖付近の交易路を表した図。
前回の旅行記でもちょこっと触れましたが、かつて青海湖の南を通って西域へと抜ける青海の道という交易路が存在しており、河西回廊が戦乱によって不安定な時はこちらの交易路が有効に使われたようです。 -
魏晋南北朝時代になると青海省東部に吐谷渾が建国され、この時代の青海の道は吐谷渾道や河南道と呼ばれたようです。
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鮮卑族が建国した吐谷渾は氐や羌といった諸民族を脅かす強大な国家に成長しましたが、隋唐の時代になると徐々に衰退していき、入れ替わりで台頭してきた吐蕃によって663年に滅ぼされました。
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6世紀に台頭した吐蕃は長きにわたって唐と領土争いをしていましたが、安史の乱によって唐が弱体化すると青海地方の大部分のみならず西域までも支配するようになりました。
この時代にはチベット、ネパール、インド方面への交易ルートである唐蕃古道が開かれ、青海は中国と南アジアを結ぶ交易ルートの要衝の地を兼ねるようになります。
しかし9世紀中頃に吐蕃では王位継承をめぐって内乱が勃発し、また各地で反乱も相次ぎあっという間に滅亡してしまいました。 -
唐三彩の展示。
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大非川遗址や石堡城遗址など、吐蕃時代の遺跡が数多く残されています。
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昨日行けなかった日月山についての展示。
元々は赤嶺という名前で、漢の時代から中原王朝の前哨基地だったようです。
唐と吐蕃の時代にはこの地で絹と牛馬の交易が行われたとあります。 -
青海省都蘭県にある热水血渭一号大墓という遺跡のレプリカ。
まだ2018年に発見されたばかりで、壁画や墓室など様々なものが出土しているみたいです。
吐蕃時代の交易や文化交流に関する貴重な情報が得られるのではないかと期待されています。 -
热水遺跡から発掘された花の模様が描かれた錦。
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吐蕃の滅亡以来約300年間混沌の時代が続きましたが、11世紀初頭になると青唐という地方政権が西寧で生まれ、約100年間安定した治世が続きます。
しかし1099年と1104年の宋による進軍によってそれも崩壊してしまいました。 -
宋代の焼き物。
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13世紀にはモンゴル、そして元の支配下に置かれ、青海の多民族が共生する体制の基盤が築かれました。
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時代は変わり11代皇帝の正徳帝以降西寧は明の勢力下に置かれていましたが、青海のモンゴル勢力の襲撃が絶えなかったため、嘉靖帝の時代に西寧を半分囲むように長城が建設されました。
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タール寺が創建されたのもこの頃です。
タール寺は元々黄帽派の開祖であるツォンカパの生母が立てた仏塔がもとになっており、14世紀には寺院も建てられていたようですが、タール寺が正式に創建されたのは嘉靖39年(1560年)になってからのことです。 -
菩薩像
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壁画
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後半になると仏教関連の展示が多くなります。
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清代に作られた木製の壇城というお城。
仏教(密教)で瞑想中に用いられる曼荼羅という世界感をイメージして作られたものみたいです。
ちょっと難しい。 -
ということでそろそろ時間がやばいので博物館を出ます。
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近くでタクシーを拾い、空港へと向かいます。
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11時40分、西宁曹家堡国际机场に到着しました。
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私が乗るのは13時ちょうど発の敦煌行きの便です。
中国南方航空と四川航空のコードシェア便のようです。 -
空港内の土産屋でミルクティーを買いました。
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12時20分、機内へと乗り込みます。
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今日の為に井上靖さんの「敦煌」をわざわざ実家から送ってもらいました。
折角なので空の上で読むことにします。 -
13時ちょうど、定刻通り離陸しました。
敦煌までは1時間30分のフライトです。 -
短いフライトですが機内食が提供されました。
いつもの茶色い機内食です。 -
敦煌の近くまで来ると景色が砂漠に変わりました。
オアシスの緑が見えてくるともうすぐ着陸です。 -
14時30分、敦煌莫高国际机场に到着しました。
手荷物を受け取り外へ出ます。 -
敦煌へ到着しました。
敦煌はかつて沙州とも呼ばれた、甘粛省北西部に位置するオアシス都市です。
匈奴の勢力圏にあった敦煌は漢の武帝期に敦煌郡として開かれ、海の道が活発化するまで幾つもの交易路が交わる要衝の地として栄えました。
しかし交易上重要な都市であった敦煌は中原王朝や遊牧国家にとってせめぎ合いの地となり、時代によって様々な国家の勢力圏におかれました。
文化面では仏教が栄え、莫高窟、西千仏洞、楡林窟といった仏教遺跡が残されています。
中原王朝にとってはこの敦煌が国の西端であり、西域ロマンを語る上で欠かせない町です。 -
現在の気温は35℃。
さっきまで西寧にいた私にとっては随分暑く感じます。 -
それではタクシーに乗ってホテルに向かいます。
道路脇に生えられている木は砂よけのものでしょうか?
何ともオアシスらしい景色です。 -
中心街に近くにある敦煌花径酒店というホテルに泊まります。
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部屋はこんな感じ。
観光シーズンだからなのかどこのホテルも値段が高く、一泊あたり400元近くもしました。 -
このホテルに決めた1番の理由は洗濯機があったからです。
今日は観光もしない休息日ということで、ゆっくり洗濯でもして過ごそうと思います。 -
洗濯物を干し終えました。
移動もあって少し疲れたので、夕食の時間まで少し眠ることにします。 -
20時になって再び活動開始です。
ここまで西に来るとこの時間でも外は明るいです。
余談ですが、標高の高い場所にいたせいか皮膚が焼けてしまったようで、急遽薬局で日焼け止めを買うことにしました。
かなり値が張りましたが、敦煌でも日焼けするのは目に見えているので致し方ありません。
皆さんも夏に行かれる際は日焼け止めを持参することをオススメします。 -
今日はあまり観光する気分ではないので、近くにある適当な店で夕食は済ませてしまおうと思います。
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とはいっても折角なら敦煌らしい料理が食べたいので、この羊肉が食えそうな店に入ることにします。
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この胡羊焖饼という特色料理を食べることにします。
「胡」というのは異民族や遊牧民を表す言葉で、言ってしまえばこれは「異民族風羊の煮込み麺」といった感じのメニューになります。 -
前菜の砂糖がけトマト。
中国ではオーソドックスな前菜です。 -
我慢できず頼んでしまった紅柳羊肉串。
砂漠によく生えている紅柳(タマリスク)の枝に、クミンや唐辛子をまぶした羊肉を刺して焼いた料理です。
羊の脂が香ばしくて、私の大の好物です。 -
そしてこれがメインの胡羊焖饼。
平べったい麺にタレと羊の脂が絡んで美味しい。
ただちょっと頼みすぎてしまったようで、食べ終えた後は動けませんでした(^^; -
ホテルに戻って洗濯物を触ってみるともう乾いていました。
ホテルの横には学校があり、運動場から声が聞こえてきます。
といったところで今回はここまでです。
青海省での観光を終え、旅行記も敦煌編に突入です。
次回は敦煌博物館と又见敦煌という演劇を見に行こうと思います。
次回は敦煌博物館・又见敦煌編です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
現在part5は分け合って編集中です。すみません。
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