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2025年4月22日(火)午後2時過ぎ、コモンズAを出てすぐ西側、大屋根リングの中央のやや北寄りにある静けさの森へ移動する。<br /><br />この森は8人のプロデューサーが主導するテーマ館と一体となって、今回の万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」 について問いかける空間芸術として、会場の真ん中に造られた。<br /><br />広さは約2.3haあり、アラカシ、イロハモミジ、 エゴノキ、クヌギ、コナラ、ヤブツバキなど約1500本が植えられている。大阪府内の公園等から将来間伐予定の樹木などを移植し、新たな生態系を構築している。移植元の公園は万博記念公園の他、服部緑地、久宝寺緑地、大泉緑地、鶴見緑地、大阪城公園など。<br /><br />設計・デザインを担当したのはランドスケープデザイナーの忽那裕樹(くつな ひろき)氏。森や空、水といった自然を感じて、静かにテーマの「いのち輝く未来社会のデザイン」の“いのち”と対話しながら、大切な人と時間を過ごす場所になればと設計。そして森の中には、世界で活躍するアーティスト5人の作品が並ぶ。<br /><br />東ゲート方向から来ると最初にあるのが「健康とウェルビーイング(Health and Well-Being)」。“ウェルビーイング”は、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを指す概念で、一人ひとりのウェルビーイングが共鳴する社会をどう実現するかをテーマにしている。<br /><br />レアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)氏の作品。氏は1973年アルゼンチン生れの芸術家、現代美術家。パリ、ブエノスアイレスを拠点に活動。過去20年間、彼の作品は国際的に展示され、米国ヒューストン美術館(The Museum of Fine Arts, Houston)、パリのポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)など多くの施設に収蔵されている。日本では金沢21世紀美術館に常設されている「スイミング・プール」が有名。<br /><br />この作品は、円柱状の空間に多様な植物が生い茂り、上から見るとホールケーキを十字に切ったような形になっている。切り目である通路を進むと、両側面に配置された鏡が自分自身や空、森を映し込み、無限に広がるような錯覚を体験できる。<br /><br />さらに外側に回り45度などの位置に立つと、目の前も鏡となっており、多様な植物の中に溶け込んだかのような感覚を味わえる。エルリッヒ氏特有の「鏡や構造を用いた視覚のトリック」が、多様性と自然との一体感を生み出し、新たな認知的体験へと人々を誘う。これは確かに面白い。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.29925857087057597&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br />あとの4つの作品は予習してなかったので見てないのだが、簡単に説明しておく。<br /><br />オノ・ヨーコ(Yoko Ono)氏の「平和と人権(Peace, Human Security and Dignity)」。「あらゆる差別をなくし、互いを尊重し合う社会を実現するために世界は何をすべきか?」をテーマにしている。<br /><br />1980年に凶弾に倒れたジョン・レノン(John Lennon)の妻でもあったオノ・ヨーコ氏は1933年東京生れのアーティスト、ミュージシャン、活動家。グラミー賞を受賞した「ダブル・ファンタジー(Double Fantasy)」を含む多数のアルバムをリリースし、彼女の作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)やロンドンのテート・モダン(Tate Modern)などの会場に展示されている。<br /><br />地面に掘られた穴の底に鏡を仕込むことで空を映し、まるで空の雫をためるかのように見せる詩的なコンセプトをもつ作品。静けさの森の泉につながる四叉路の2ヶ所に設置されている。<br /><br />「空」というあらゆる人々に開かれた“共有の風景”を見つめながら、社会や国境を超えたつながりへの意識を高めて、平和への思いをめぐらせている。<br /><br />ピエール・ユイグ(Pierre Huyghe)氏の 「学びと遊び(Learning and Playing)」は、「AI時代において人は何を学べば良いのか?」をテーマにしている。<br /><br />ピエール・ユイグ氏は、1962年フランス・パリ生まれの現代アーティスト。現在はサンティアゴを拠点に活動。その作品は国際的に知られ、その作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)やロンドンのテート・モダン(Tate Modern)などの会場に展示されている。<br /><br />日本でも2017年から18年の第10回太宰府天満宮アートプロジェクトで個展「ソトタマシイ(Exomind)」が開催された。また2019年には「岡山芸術交流2019 もし蛇が」の芸術監督に就任している。<br /><br />作品は、普通の彫刻のように見えながら、人肌のような温かみをもつ特殊な素材で作られ、苔をまとわせて作品自体も森と共存するイメージを持たせた。実際には“生き物”ではないにもかかわらず、その微妙な差異が観る者に「これは何なのか」「どこまでが生きていると言えるのか」という問いを喚起する。<br /><br />ステファノ・マンクーゾ(Stefano MANCUSO)氏とPNATの「地球の未来と生物多様性(The Future of Earth and Biodiversity)」は「豊かで多様ないのちが住む地球を未来に残すために、私たちは何をすべきか?」をテーマにしている。<br /><br />ステファノ・マンクーゾ氏は1965年イタリア生れの植物学者兼作家で、植物の知能に関する研究で最もよく知られている。植物神経生物学の創始者で、現在はフィレンツェ大学(Universit&#224; degli Studi di Firenze)教授。&#8203;<br /><br />植物神経生物学は、生命の階層の全層における信号伝達とコミュニケーションを探求する学問で、氏は国際学術誌に300以上の科学論文を発表している。<br /><br />PNAT(ピナット)は、氏が率いる学際的なチームで、アート、科学、テクノロジーを融合させ、革新的なインスタレーションを制作している。<br /><br />作品は、樹液が幹を流れる音を科学的な音波データから変換した、音と光による作品。木が酸素と二酸化炭素を調整する気孔の働きを模倣しており、植物の視点から世界を見るユニークな体験で、「植物として生きるとはどういうことか」を直感的に感じることができる作品に仕上げた。<br /><br />最後、トマス・サラセーノ(Tomas SARACENO)氏の「未来のコミュニティとモビリティ(The Future of Community and Mobility)」は「誰もがその人らしく生きられるコミュニティとは?」をテーマにしている。<br /><br />トマス・サラセーノ氏は1973年アルゼンチン生れで、ドイツ・ベルリンを拠点に活動するアーティスト。彼の作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)、パリのパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー(Serpentine Gallery)など、世界中の主要施設で展示されている。<br /><br />作品は種間関係の代替モデルを提案している。繊細なワイヤーで吊るされた12の彫刻は森の生態系の機能も持ち、鳥やクモ、昆虫などのさまざまな生き物が相互交流する有機的プラットフォームの役目を担い、静けさの森の上に浮かぶ生物多様性の雲として景観を創出している。<br /><br /><br />テーマ館エリアに向かうが、続く

大阪 夢洲 大阪・関西万博 静けさの森(Forest of Tranquility,Expo 2025,Yumeshima,Osaka)

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2025/04/22 - 2025/04/22

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ちふゆ

ちふゆさん

2025年4月22日(火)午後2時過ぎ、コモンズAを出てすぐ西側、大屋根リングの中央のやや北寄りにある静けさの森へ移動する。

この森は8人のプロデューサーが主導するテーマ館と一体となって、今回の万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」 について問いかける空間芸術として、会場の真ん中に造られた。

広さは約2.3haあり、アラカシ、イロハモミジ、 エゴノキ、クヌギ、コナラ、ヤブツバキなど約1500本が植えられている。大阪府内の公園等から将来間伐予定の樹木などを移植し、新たな生態系を構築している。移植元の公園は万博記念公園の他、服部緑地、久宝寺緑地、大泉緑地、鶴見緑地、大阪城公園など。

設計・デザインを担当したのはランドスケープデザイナーの忽那裕樹(くつな ひろき)氏。森や空、水といった自然を感じて、静かにテーマの「いのち輝く未来社会のデザイン」の“いのち”と対話しながら、大切な人と時間を過ごす場所になればと設計。そして森の中には、世界で活躍するアーティスト5人の作品が並ぶ。

東ゲート方向から来ると最初にあるのが「健康とウェルビーイング(Health and Well-Being)」。“ウェルビーイング”は、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを指す概念で、一人ひとりのウェルビーイングが共鳴する社会をどう実現するかをテーマにしている。

レアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)氏の作品。氏は1973年アルゼンチン生れの芸術家、現代美術家。パリ、ブエノスアイレスを拠点に活動。過去20年間、彼の作品は国際的に展示され、米国ヒューストン美術館(The Museum of Fine Arts, Houston)、パリのポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)など多くの施設に収蔵されている。日本では金沢21世紀美術館に常設されている「スイミング・プール」が有名。

この作品は、円柱状の空間に多様な植物が生い茂り、上から見るとホールケーキを十字に切ったような形になっている。切り目である通路を進むと、両側面に配置された鏡が自分自身や空、森を映し込み、無限に広がるような錯覚を体験できる。

さらに外側に回り45度などの位置に立つと、目の前も鏡となっており、多様な植物の中に溶け込んだかのような感覚を味わえる。エルリッヒ氏特有の「鏡や構造を用いた視覚のトリック」が、多様性と自然との一体感を生み出し、新たな認知的体験へと人々を誘う。これは確かに面白い。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.29925857087057597&type=1&l=223fe1adec

あとの4つの作品は予習してなかったので見てないのだが、簡単に説明しておく。

オノ・ヨーコ(Yoko Ono)氏の「平和と人権(Peace, Human Security and Dignity)」。「あらゆる差別をなくし、互いを尊重し合う社会を実現するために世界は何をすべきか?」をテーマにしている。

1980年に凶弾に倒れたジョン・レノン(John Lennon)の妻でもあったオノ・ヨーコ氏は1933年東京生れのアーティスト、ミュージシャン、活動家。グラミー賞を受賞した「ダブル・ファンタジー(Double Fantasy)」を含む多数のアルバムをリリースし、彼女の作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)やロンドンのテート・モダン(Tate Modern)などの会場に展示されている。

地面に掘られた穴の底に鏡を仕込むことで空を映し、まるで空の雫をためるかのように見せる詩的なコンセプトをもつ作品。静けさの森の泉につながる四叉路の2ヶ所に設置されている。

「空」というあらゆる人々に開かれた“共有の風景”を見つめながら、社会や国境を超えたつながりへの意識を高めて、平和への思いをめぐらせている。

ピエール・ユイグ(Pierre Huyghe)氏の 「学びと遊び(Learning and Playing)」は、「AI時代において人は何を学べば良いのか?」をテーマにしている。

ピエール・ユイグ氏は、1962年フランス・パリ生まれの現代アーティスト。現在はサンティアゴを拠点に活動。その作品は国際的に知られ、その作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)やロンドンのテート・モダン(Tate Modern)などの会場に展示されている。

日本でも2017年から18年の第10回太宰府天満宮アートプロジェクトで個展「ソトタマシイ(Exomind)」が開催された。また2019年には「岡山芸術交流2019 もし蛇が」の芸術監督に就任している。

作品は、普通の彫刻のように見えながら、人肌のような温かみをもつ特殊な素材で作られ、苔をまとわせて作品自体も森と共存するイメージを持たせた。実際には“生き物”ではないにもかかわらず、その微妙な差異が観る者に「これは何なのか」「どこまでが生きていると言えるのか」という問いを喚起する。

ステファノ・マンクーゾ(Stefano MANCUSO)氏とPNATの「地球の未来と生物多様性(The Future of Earth and Biodiversity)」は「豊かで多様ないのちが住む地球を未来に残すために、私たちは何をすべきか?」をテーマにしている。

ステファノ・マンクーゾ氏は1965年イタリア生れの植物学者兼作家で、植物の知能に関する研究で最もよく知られている。植物神経生物学の創始者で、現在はフィレンツェ大学(Università degli Studi di Firenze)教授。​

植物神経生物学は、生命の階層の全層における信号伝達とコミュニケーションを探求する学問で、氏は国際学術誌に300以上の科学論文を発表している。

PNAT(ピナット)は、氏が率いる学際的なチームで、アート、科学、テクノロジーを融合させ、革新的なインスタレーションを制作している。

作品は、樹液が幹を流れる音を科学的な音波データから変換した、音と光による作品。木が酸素と二酸化炭素を調整する気孔の働きを模倣しており、植物の視点から世界を見るユニークな体験で、「植物として生きるとはどういうことか」を直感的に感じることができる作品に仕上げた。

最後、トマス・サラセーノ(Tomas SARACENO)氏の「未来のコミュニティとモビリティ(The Future of Community and Mobility)」は「誰もがその人らしく生きられるコミュニティとは?」をテーマにしている。

トマス・サラセーノ氏は1973年アルゼンチン生れで、ドイツ・ベルリンを拠点に活動するアーティスト。彼の作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)、パリのパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー(Serpentine Gallery)など、世界中の主要施設で展示されている。

作品は種間関係の代替モデルを提案している。繊細なワイヤーで吊るされた12の彫刻は森の生態系の機能も持ち、鳥やクモ、昆虫などのさまざまな生き物が相互交流する有機的プラットフォームの役目を担い、静けさの森の上に浮かぶ生物多様性の雲として景観を創出している。


テーマ館エリアに向かうが、続く

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