物価と天候に悩むケアンズ中年夫婦旅　６

2024/04/27 - 2024/05/04

ケアンズの旅も実質最終日になりました。今日は南の方にドライブに出かけます。
結局最後まで天候に悩まされ続けましたが、今日の目的地は雨も意外に似合う素敵な場所でした。

エリア ケアンズ(オーストラリア)

ケアンズの実質最終日です。しかし今朝も雨が降っています。
早起きはしましたが青空が少し見えるくらいなのでジョギングは止めておきます。
車は今日まで借りていて、一昨日は北、昨日は西にドライブしたので今日は南に行ってみることにします。朝食をどこで取ろうか考えましたが、国道を南下する途中で立ち寄れるバーガーキングのオーストラリア版、ハングリージャックスに行くことにしました。
ショッピングモールの中にある店舗に入ったら、他にお客さんは一人だけでした。
スタンド式の機械で注文と決済を済ませて、最後に名前を入力すると、その名前で呼ばれます。
特に引換証はありませんが、なりすまし対策は大丈夫なのでしょうか。

ハンバーガーとサンドイッチとコーヒーで24ドルでした。
流石にチェーンのハンバーガー店だとそこまで高額ではありません。スモーキーな味付けが売りだそうで、確かに肉好きに好かれそうなフレーバーです。意外に満足してしまいました。
再び車に戻って南下を続けます。

ハングリージャックス ファーストフード

南へ向かう国道は重要幹線だと思うのですが、10キロほど走ったところで上下2車線になります。
キャンピングカーやロードトレインも100キロで走っています。ただし、街に入ると60キロまできっちり落とします。
ロードトレインはセミトレーラーの後ろにもう一つトレーラーを繋いだもので、牽引車はアメ車のケンワースとかマックとかの巨大なやつです。そんなのと中央分離帯のない道で相対速度200キロですれ違うのはなかなかスリリングです。
この辺はシュガートレインの線路も多く踏切も多いのですが、停止しなくてもいいので100キロで通過します。
1時間半程走り続けて第一目的地のエティ・ベイ・ビーチに到着しました。

ここに来たのはCassowary（ヒクイドリ）という大きな鳥が見られるかもしれないという理由です。
写真や動画で見ると大型犬くらいはありそうな大きな鳥で、浜辺をウロウロしているそうです。

ですが、カモノハシ同様やっぱり野生動物は簡単に見られるものではありませんね。
ヒクイドリは調べたところ結構危険な動物のようです。キラキラしたものを見ると突っ込んで来るから気を付けてね、という物騒な看板も立っています。
お目当ての鳥は見られませんでしたが、素敵な海岸だったので良しとします。

ビーチから車で30分ほどで「パロネラパーク」に到着しました。
パークとありますが、元々個人の住宅を兼ねた遊園が廃墟化したものを公開しているものです。
入場料のことは考えていませんでしたが、受付で価格表を見ると1人57ドルと結構なお値段です。
しかし、今日のメイン目的地なのでもちろん払って入場します。
受付時に、無料の日本語ガイドツアーがあるとのこと。家族連れの方がおそらくワーキングホリデーのガイドの方と丁度出発されるところだったのでなので、有難く便乗させて貰うことにしました。

パロネラ パーク テーマパーク・動物園・水族館・植物園

入ってすぐに後ろ向きにコインを投げて、泉の中に入ると良いことがあるという、よくあるアレがありました。世界中どこにでもありますね。

皆でトライしますが、なぜか一行の中で奥さんだけ外しました…

このパークの創業者のホゼさんは自分の「城」を作るのが夢だったようです。欧州で事業に成功した彼はこの地を気に入って購入し、自宅を兼ねた遊園を自力で建設しました。建物は素人建築なので洗練されていませんが、それだけに何とも言えない味があります。
遊具はありませんが、会食のできるホールやテニスコートなどがあり、おそらく滝の下の池では水遊びもできたのでしょう。
ホールは屋根が火災で焼け落ちてしまっていますが、壁は残っています。往時もこの場所にミラーボールがあったとのことです。

パークの中には見事な滝があり、滝の上側にホゼさんの家やホールが、滝の下側に庭園やテニスコートなどがあります。地形を生かした設計になっていて、ミニ水力発電所も竣工時からあったとか。

ざっと強い雨が降ってきて、ガイドさんが傘を用意してくれました。
このパークは雨もなかなか風情があって似合います。降ったり照ったりの天気ですが、考えようによっては両方の景色を眺められて得なのかもしれません。

一行のところに美しい青い蝶が飛んできて歓声があがりますが、ここではなかなか見られず珍しい蝶だそうです。

滝の下には元々休憩所のようなスペースがありますが、半ば水没しています。
ツアーの最初に貰った餌を撒くと、魚がわんさか集まって来ました。
この川はパークの資材搬入にも活用されたようです。

滝の落差を利用した噴水のある庭園です。林に囲まれていて、陽が差すと緑が眩しいです。

「ラピュタのモチーフにもなった～」と言われるパークですが、確かに苔むした建物はそのように見えます。緑に包まれているので余計にそう感じるのかもしれません。
ただ、国内国外含めてとても沢山の場所が同じように言われている気がするのですがどうなんでしょう。どれかが本物なのか、それともいくつも参考にした場所があるのでしょうか。

庭園から谷戸の奥にある小さな滝に繋がるトンネルです。
このトンネルに実用性はなくて少し遠回りをすれば滝に着きますが、ホゼさんがエモいからと（言ったかは知りませんが）掘ったみたいです。
しかし廃墟化した後は人が通らなくなり、代わりに大量のコウモリが住み着いてしまいました。
ワラビーは好きでもコウモリは嫌いな我々はそそくさと立ち去ります。

ヒクイドリは見られませんでしたが、パークの中にも鳥が歩いていました。何という鳥かは分かりませんが、悠々と私たちの前を横切ります。
ケアンズは鳥が本当にどこに行ってもいて感心します。

トンネルの出口にある小さな滝です。人気はありませんが気持ちの良いところで、しばらく休憩します。
パーク自体は1時間もあれば大体回れますが、ホゼさんの人生を紹介した資料館などもありますので、時間をかけてゆっくり見ていきたい場所です。

さて、ケアンズに戻ります。パークの近くには製糖工場もあって、構内でシュガートレインの試運転をしていました。やはりサトウキビの収穫期はこれからのようです。
大東島のシュガートレインは大昔に廃線になり、台湾でもほとんど無くなったようですが、この地ではバリバリの現役のようです。
帰り道には一部併用軌道の区間までありました。シーズンになるとここをサトウキビを満載した貨物列車が通るのでしょうか。見てみたいというか便乗してみたいです。

ケアンズに戻った私たちには一つ行かねばならないところが残っています。
ケアンズのランドマークであるエスプラナード・ラグーンです。
ホテルに帰ってから水着の用意をして車で向かいます。ラグーンの裏手には大きな駐車場があり1時間2.1ドルで停められます。発券機でチケットを購入してダッシュボードの上に置くシステムです。
手荷物はプールサイドに持ち込めますが、貴重品は暗証番号式のコインロッカーがあるのでそこに入れた方が良さそうです（暗唱番号は生年月日）。2ドル2時間です。
ラグーン自体には入場料はかかりません。清掃もちゃんとしてあり、常時複数の監視員もいるので相当コストはかかっているのでしょうが。

ケアンズ エスプラネードラグーン テーマパーク・動物園・水族館・植物園

水が冷たいです。メモリアルと思って入ったのですが、天気が悪いので仕方ありません。天気が良ければ素敵な場所なのでしょうが。
やがて小雨も降ってきたので30分もせずに上がります。

レンタカー屋に行って3日間お世話になったMGを返却します。
送迎サービスの時間を過ぎてしまっていましたが、たまたま店員さんが2人いるからということで、町の中心にあるナイトマーケットまで送ってもらえることになりました。小雨がぱらついているので助かります。
送ってくれた女性の店員さんに、「この時期のケアンズは乾季なのか雨季なのか」というずっと不思議に思っていた疑問を訪ねました。大半のガイドブックには乾季と書いてあるのですが、一部雨季と書いているものもあり、何よりこの1週間の天気はどう考えても乾季というにはほど遠いのです。
彼女の答えは「5年間ケアンズにいるけど、雨季のようなこの天気は初めて。気候変動だと思う。普段は11月から雨季なのに昨年の11月は雨が降らず雨季に入るのも遅れた」「ケアンズに来るなら9月10月がベストシーズンだと思うよ」とのことでした。
ケアンズにまた来るかどうか分かりませんが、納得しました。
ナイトマーケットはTシャツなどの土産物が比較的安く、マッサージも30分25ドルとのことでしたが、日本の相場よりも安いとかえって警戒してしまいます。

最後なのでコーラルシー醸造所にもう一度やってきました。今度はトロピカルエールとラガーを頼みます。
改めてクラフトビールはケアンズの魅力の一つだなと確信しました。

最終日くらいは外食しようと思いましたが、ビールを飲んだら何だか面倒くさくなってしまい、路線バスでホテルに戻ります。部屋食は単調ですが楽なんですよね（ケチ）。
一昨日寄ったシーフード店でイカリングとバラムンディ、エビのカツレツを買います。占めて24ドルでした。
その側にあるリカーランドでお土産用のビールも買います。

日本に帰る日の朝は皮肉なことに今までで一番良い天気です。
せっかくなのでいつものジョギングコースに出かけます、土曜日だからでしょうか、何かの集団走イベントをやっています。特にゼッケンなどもつけずに皆で同じコースを走ろうというユルいもののようです。
途中からその集団に混じってゆっくり走ります。

魚釣りをしている人たちもいて、ちょうどオジさんがスズキっぽい大き目の魚を釣り上げていました。声をかけて写真を撮らせてもらいます。
5キロほど走ってホテルに戻ります。

朝食はパンとハンバーグが残ったので自作のハンバーガーを作ってみましたが、パンが固くて失敗しました。ハンバーグが美味だったのが救いです。
10時のチェックアウトまで荷造りと掃除を済ませます。宿泊代金は6泊950ドルでした。

コアラ コート ホリデイ アパートメンツ ホテル

Uberで空港に向かいます。料金は来た時よりもかなり安い14ドルでした。需要によって料金は変動するようです。
国際線のロビーはガラガラで、同じ飛行機で帰る日本人ばかりです。
往路のゴタゴタが嘘のようにあっさりチェックインが終了します。出発の3時間も前に着いたので時間が余ります。

ケアンズ国際空港 (CNS) 空港

私達が使えるラウンジもないので、制限エリア内の喫茶でのんびりします。
ジンジャービアーという飲み物が気になって頼んでみたら、ジンジャーエールでした。言われてみればエールもビールなので納得です。

帰りの飛行機は南向き離陸なのでケアンズの町を眺めながら左にターンして北に向かいます。離陸後10分ほどで点々と長く続く珊瑚礁が見えてきました。
旅の最後の最後でグレートバリアリーフを眺めることができ、何とか帳尻があった気がします。
これで今回の旅はおしまいです。今度ケアンズに来ることがあれば天気を味方に付けたいですね。
物価高は諦めます。