2024/05/10 - 2024/05/12
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息子を訪ねる名目で行く、東京さんぽ第三弾。
今回はこのあたり、というよりも、これを見てみたい!という好奇心を優先してみました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 新幹線
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5月10日金曜日
とても良いお天気に恵まれたこの日は、新幹線の車窓から伊吹山がくっきりはっきり。 -
東へ向かっても快晴は続き、富士山もくっきりはっきり。
冠雪が見えるということはまだ山頂は氷点下なのですね。 -
11時過ぎに東京駅に到着。
この日は息子が午後自宅でオンラインでの用事があるということで、私は夕方まで時間を潰さないといけません。
転がしてきたキャリーケースが邪魔なのでまずは駅構内のコインロッカーに預けようと思ったもののどこも満杯で、丸の内地下中央改札まで行ってようやく空きを発見。
平日のまだ午前中なのにー。
荷物を預けて身軽になって、行幸通りを歩いていてやたら交通整理があるなと思ったら、在日大使の信任状捧呈式の馬車列でした。
どちらのお国でしたでしょう? -
この儀式にあたっては馬車と自動車とどちらかが選べるそうですが、殆どの方が馬車を選ばれるそうですよ。
世界的に見ても馬車は少数派のようで、そりゃどちらかと問われれば大抵の人は馬車に乗りたいだろうなー。
パカパカガラガラと小気味良いリズムで行列は過ぎて行きました。 -
明治生命館に来ました。
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焼け野原にされた東京に残された数少ない近代建築なのかな。
存在感が半端ないですね。 -
目的は静嘉堂文庫美術館です。
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岩崎彌之助氏と小彌太氏によるコレクションを収めたこちらは、もとは世田谷にあったものを数年前にこの丸の内に新設されたものだそうです。
「静嘉堂」の名称は『詩経』の「籩豆静嘉(へんとうせいか)」というフレーズから採ったもので、【祖先の霊前への供物が美しく整う】という意味とのこと。
彌之助氏の堂号でもあるそうですが、とても美しい名前ですね。 -
エントランスを入ってすぐ、ガラス越しの光が降り注ぐ明るく広いホワイエはいつまでものんびり座っていたくなる雰囲気。
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この日行われていたのは「画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎」展で、幕末から明治期に生きた絵師と好古家ふたりに関する美術品の数々を拝見しました。
お二人とも天神様を信仰してらしたそうで、松浦氏は各地の天神様の神鏡背面の拓本を取られていたり -
暁斎氏は日課天神像として、毎日一天神を描くなど、なかなかのフリークぶり。
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こちらは狩野探幽の『白衣観音図』。
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周耕『猿猴図』。
右側の子が後の涅槃図に描かれているのはパロディなのかオマージュなのか…? -
小さな石仏やら像やら。
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見つけたら手当たり次第に集めていたのかしら?
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『慈覚大師伝』。
平安後期の写本で、箱書は松浦氏と交流のあったという勝海舟。 -
伊勢擬革紙で作った煙草入れ。
松浦氏はこれを大量に用意していて様々な人に火の用心と墨書してもらっていたのだとか。 -
『骸骨図縫付傘』。
暁斎の描く骸骨図に友人の寄せ書きもある奇抜な日傘。
登山にも持って行ったとかでステッキ代わりにもしていたのでしょうが、洒落者ですね。 -
『武四郎涅槃図』。
『北海道人樹下午睡図』ともありました。 -
足元でよよよと泣き崩れているのは松浦氏の奥さまだそうですが、松浦氏本人はお昼寝…のような?
ツッコミどころ満載の大作ですね。 -
涅槃図にも描かれている『大首飾り』。
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古代の遺物をこれでもかというほど集めて作り上げたもの。
4展示室に分かれているこの展覧会は第2と第3室のみ撮影可能で、撮影不可の第4室に静嘉堂文庫所蔵の曜変天目茶碗が展示されていました。
今回初めて現物をこの目で拝見しましたが、思った以上に斑紋がはっきりとしていて、まさに小宇宙としか表現できない美しさ。
帰りにミュージアムショップを覗いて曜変天目茶碗のぬいぐるみのサンプルを手にしましたが、とても小ぶりなお茶碗なのに驚きました。 -
全てを鑑賞し終えてホワイエでひと休みし、トイレをお借りしたら帰りはこちらのエントランスから。
オフィスのあたりへ行く方なのかな? -
現役なのかどうなのか、そこにあるエレベーターも古い趣き。
こちらを離れてから知りましたが、ビル自体の見学コースもあるそうですね。
次回機会があれば是非見て回りたいです。
静嘉堂文庫美術館 入館料 1,500円 -
明治生命館の後、出光美術館に行きたい気もしたのですが、あまり時間が取れそうにもなかったので、かねてより気になっていた将門塚を訪ねることに。
お濠端をてくてく歩いて向かうと、ふたつの碑。
故蹟保存碑の方は明治年間のもの、都旧跡の方は戦前のものとのこと。 -
今のものは3年前に整備されたばかり。
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三方をビルに囲まれている割には広く明るい印象。
平日のお昼過ぎでしたが、混み合うことはないものの国内外の方を問わずに切れ目ない人出で、人気のある場所なのですね。 -
朝敵とされている将門公ですが、関東では英雄であり、今もなお様々なエピソードが生きているほど影響力を持ち続けるほど、偉大な方なのでしょうね。
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神田明神の御祭神だと初めて知りました。
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帰り道に通りがかった東京駅前にある日本鉄道の父・井上勝像。
他でもなく駅舎を仰ぎ見る姿が良いです。 -
さて、駅に戻りましたが、もう少しだけ時間を潰したかったので、こちらもかねてから気になっていたKITTEにあるInterMediaThequeへ行ってみることに。
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2階から回ることにして、まず昔の東京大学の教室の風景。
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机の丸く凹んでいるところにインキ壷を置き横長の窪みにペンを置くようになっていたのですって。
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資料が展示されているところはずっとこんな感じで、少し雑然としていますがいかにも大学の資料室という雰囲気。
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旧門標。
昔は国宝だったとのことですが、その後重文となったことから上の国宝の2文字は塗りつぶされたそう。 -
鉱石の棚。
他にもたくさんの標本があり、石好きには堪らないスペース。 -
資料棚の合間の窓から東京駅。
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江戸切絵図の特別展。
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時代小説なんかを読んでいるとよく出てくるので、実物を目の当たりにできたのが嬉しい。
InterMediaTheque 入館料 無料
この辺りで午後3時過ぎ。
そろそろ息子の部屋へ向かうことにして、初日の東京さんぽはこれでおしまい。
なんだかんだで4時間ほど歩き続けていました。 -
5月11日土曜日
この日も良いお天気。
息子は午前中は所用があるとのことでひとりのさんぽ。
10時のオープンを目指してお茶の水駅から歩いて明治大学駿河台キャンパスへ。 -
大学の博物館へ向かいます。
創立者と建学精神のレリーフ。 -
博物館はアカデミーコモンという生涯教育拠点のある建物の地下にあります。
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エスカレーターを降りるとすぐに朝ドラの『虎に翼』展のエントランス。
毎朝欠かさず見ているのでとても興味深いです。 -
前半は登場人物の扮装が飾られていたり人物紹介があったり。
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後半は史実の紹介。
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昭和初期までに女性が学部生になれた大学はわずか5大学。
そんな中に私の母校が入っているのは少し誇らしい。 -
明大の新聞かな?女子部設立の趣旨が掲載された駿台新報の紙面ですが、私は下の方の東大の学生大会での学費値上げをめぐる乱闘記事に目を取られ…。
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昭和3年の女子部入学志願者心得と受験票。
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戦前の学生証と高等試験受験票。
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女子部入学のしおり。
学部入学特典について記されているページ。 -
女子部の制帽。
角帽だったのでこれを被っていると随分からかわれたのだとか。 -
昭和16年2代目女子部校舎の図面。
女子トイレがたくさん設けられていますね。 -
昭和4年の女子部開校式開設にあたり当時の学長が述べた挨拶が良いですね。
「男尊女卑の旧習を打破し、女子の人格を尊重し、その法律上、社会上の地位を改善して之を向上せしむる」 -
昭和13年の女子部卒業式の答辞。
「非常の時」という文言が見えます。
戦争へ突き進んでいく頃でしょうか。 -
掲示されていたおことわり。
女性としてだけに限らず、今私が当たり前に行使している権利は、かつて誰かが頑張って獲得してくれたものであることを覚えていなければ。 -
常設の展示も盛り沢山。
石器やら -
土器やら
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埴輪やら(円筒のもの以外はレプリカ)
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貝塚まで。
私の住む関西はあまり縄文弥生の遺跡が身近になくて、生まれて初めて見た貝塚に圧倒されました。 -
渡来の中国鏡もたくさんコレクションされていて、
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明大の辺りから出てきたのか、おままごとセットもありました。
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明大らしいのがここから。
西洋の刑具。
レプリカとはいえおどろおどろしい。 -
大河ドラマとか映画とかでみる日本の刑具。
再現とは分かっていても怖いわー。 -
江戸時代の逮捕のための道具。
なんかトゲトゲが付いていて痛そう…。
さすまた的なものは今でもある感じ。 -
生類憐み令と公事方御定書。
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牢内のしきたりを記した書。
牢名主とか、自然発生的なものではなく、運営側の都合により設けられていたものなのかな? -
十手あれこれ。
左の木製のものは練習用だとか。
十手にも使い方があるのね。 -
これまた、おことわり。
現在放送中の朝ドラに始まって古代の遺物~江戸期の刑具まで、多岐にわたる盛り沢山な所蔵物を拝見できて、とても楽しい博物館でした。
明治大学博物館 入館料 無料 -
明大を出て、小桜通りという道を東の方向へ。
私は京都で生まれ育ったので、街といえば平坦なところに開けているものだと思い込んでいますが、東京は坂が多くて歩く度に戸惑ってしまいます。
こちらもなだらかに下り坂。
下っているとビルの合間からニコライ堂の丸い緑の屋根が見えました。 -
ところで、先ほどの『虎に翼』展の会場で学生さんの手によるらしいこんなマップをいただきました。
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周辺に残る古き良き時代のお店の紹介パンフレットなのですご、そういえば今日はこの後息子と落ち合ってランチにするものの時間が遅くなりそうなので、和菓子のお店が載ってるやん、ということで、小腹を満たすためにこちらを目指しましょう。
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10分ほど歩いて神田の『竹むら』に来ました。
この辺りは古い店構えのお店が点在していて、後から調べてみると戦災からた奇跡的に被害を免れた数少ない場所なのだとか。
こちらの建物は昭和5年竣工のもので、東京都選定歴史的建造物となっているそうです。 -
看板商品?
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土曜日とはいえお昼前のせいか中に入ると先客はテーブル席に2組のみ。
小上がりでもテーブルでもどちらでもということだったので、4人掛けのテーブルを使わせていただくことに。
着座すぐに桜湯。
汗ばむ陽気の中を歩いてきたので、塩気がありがたい。 -
お店の方に聞くとやはり表にかかれているものがおすすめだということなので、揚まんじゅうをいただくことに。
濃い目のお茶と一緒にサーブ。 -
お箸で切った断面。
餡はぎっしりのこしあんで、おまんじゅうの皮は結構固めの存在感、それを薄い衣で覆ってサクサクに揚げられています。
餡の甘味は控えめだし、薄手の衣なので油っぽくもなく、思ったよりあっさりといただくことができ、小腹の空いたお腹も満足。
揚まんじゅう 520円 -
『竹むら』を出ててくてく歩いて神田川の上を昌平橋で渡ります。
渡る手前にある煉瓦造りの線路の土台のようなところは、旧萬世橋駅の駅舎だったそう。
今は商業施設になっているようでした。 -
昨日に将門塚でご挨拶をさせていただいたことなので、息子に会う時間までに神田明神を訪ねてみました。
鳥居入口から入り、短い参道に飲食店が並んでいて、甘酒やら氷やら餅いなりやら、誘惑がいっぱい。 -
随神門。
この左手前に手水舎があり、海外からの観光客と思われる方々も手を清めておられました。
青い空に鮮やかな朱が映えますね。 -
御神殿。
創建は天平の頃で祖神は大国主命、また神田は伊勢神宮の神田があった場所とのこと。
江戸期にこの場所に遷座したものは大正の震災で焼失し、昭和初期に再建されたものが戦災をくぐり抜けてきたそうです。
他にも境内にはいくつもの摂末社がありました。 -
この日はちょうど神田祭りが始まるそうで、氏子総代と思われる方々がご祈祷をされていました。
江戸っ子のお祭りなんて、きっと賑やかでしょうね。 -
お詣りを済ませて、EDOCCOという境内の施設で御朱印をいただきました。
こちらは書き置きのみの対応とのこと。
初穂料 500円
神田明神クリアファイル付き -
参拝を終えても息子との約束までにはもう少し時間があり、この際なので湯島聖堂も行ってみることに。
裏から向かったので杏檀門から。 -
大成殿。
こちらも関東大震災で焼失し、昭和初期に建て替えられたものが戦災をくぐり抜けてきたものとのこと。 -
境内の一角にある宥坐之器。
ちょうど修学旅行のような学生さんのグループが指導員の方と試してられました。
中空に斜めに吊るされた底の尖った甕に水をすくい入れ、一定のところで甕は真っ直ぐに立ち、更に水を入れ続けるとひっくり返り水はこぼれ出てしまう、という実演。 -
虚なれば即ち傾き
中なれば即ち正しく
満つれば即ち覆る
いずくんぞ満ちて覆らざるものあらんや
孔子さま、すごい。
人類の叡知は孔子のいた時代に絶頂を迎えている、とか聞いたことがあるような。 -
帰りは正面から。
石段を降りて杏檀門を仰ぎ見ると、新緑の緑が左右から覆い被さっていました。 -
入徳門を出て歩く石畳は、塀のすぐ外が外堀通りだというのになんだか静か。
-
楷の木。
孔子由来の曲阜から持ち帰られた種子が根付いたものだそうで、カクカクとした枝ぶりが楷書の由来なのだとか。 -
大きな孔子像。
このすぐそばで男性がおふたり向き合って詩吟を吟じておられました。
練習かな。
昔北京に住んでいた頃、孔子廟である国子監を訪ねて近所をぶらぶらしていたら、地域の集会所のようなところから老人たちが京劇を練習している声が聞こえてきたのをよく覚えています。
ところは変わっても孔子廟とは文化の拠点なのですね。 -
仰高門。
-
仰高門脇の斯文会館でいただいた御朱印は、半紙に手書きをしてくださったもの。
初穂料 300円
ようやく良い時間になったので、秋葉原まで歩いて息子との待ち合わせに。 -
駒込駅で息子と落ち合い、遅めのランチをしようとしたら、どこもオーダーストップの時間だったり満席だったりで、結局文京グリーンコートという商業施設にあるイタリアンのお店に入ることに。
店頭で少し待ち2時過ぎのお昼となりましたが、パスタとピザをシェアして美味しいランチでした。 -
食事を終えて落ち着いたところで、すぐ近くの東洋文庫ミュージアムを訪問。
創始者は岩崎久彌氏。
昨日の静嘉堂文庫といい今日の東洋文庫といい、岩崎家すごい。 -
モリソン文庫。
オーストラリア出身の旅行家モリソン氏が中国在住時に集めた極東に関する欧文の文献を岩崎氏がまとめて買い取ったものとのことです。
この書庫、本好きにはたまらない空間ですね。 -
この日は【キリスト教交流史ー宣教師のみた日本、アジアー】という展覧会が催されていました。
これは大秦景教流行中国碑の拓本。
6世紀頃に中国に伝わったキリスト教は当時の唐王朝の保護を受けて盛んであったそうです。 -
17世紀にドイツで刊行されたドイツ語の聖書。
もともと旧約聖書はヘブライ語、新約聖書はギリシャ語で記されていたものをかのマルティン・ルターがドイツ語に翻訳したことで布教活動が容易に活発になったとのこと。 -
重文ドチリーナ・キリシタン。
イエズス会によるローマ字での日本語表記の教理本。
日本で刊行されたもので世界に残る4冊のうちの1冊ですって。 -
円明園の銅板画。
清朝が隆盛を極めた頃の皇帝の離宮を描いたもの。
アヘン戦争で破壊されて以来廃墟になり、在住時もそのままだった古跡はこんな洋風な建築物だったのですね。 -
展示室内の回顧の路に口を開けるクレバス・エフェクトというアート作品。
底の見えない奈落に落ちてしまいそうで、一瞬恐怖を感じます。
実際は深さ10センチほどで鏡を使った錯視なのでしょうが、薄暗い照明の下でぽっかりと開く穴。
知の深淵は暗く果てしなく恐いものなのかしら。
東洋文庫美術館 入館料
一般 900円
大学生 700円
と、2日に渡って歩き回った東京さんぽ。
初夏の爽やかな季節にお天気にも恵まれて、とても気持ち良かったので、
また次回、興味の赴くままに歩き回りたいものです。
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