憧れだった吉野の桜～奈良・三重・愛知旅vol.1

2024/04/10 - 2024/04/14

古くから花の名所として知られている吉野山の桜、いわゆる「花見」のためではなく、山岳宗教と密接に結びついた信仰の桜として現在まで大切に保護されてきたという。
若い頃から、厭世的なイメージの西行法師、「ねがわくば 花の下にて 春死なん そのきさらぎの もち月のころ 」という歌に漠然と憧れていました。
死ぬまでに一度は見たいと思っていた吉野山の桜を見に出かけました。

エリア 吉野(奈良)

吉野山の天気と桜の開花状況を３月中旬からずっとウォッチして旅程を探ってきた。
例年より開花が遅れたり、荒模様の天気が続いたりと気をもむ日々だったが、１週間前に日程を決めた。
混雑が予想されるので早朝に着きたくて、新宿発の夜行バスで出発して京都に到着。
京都から近鉄で吉野に９時頃到着した。荷物をコインロッカーに預け、ケーブルカーで吉野山駅へ。

寒緋桜でしょうか。

金峯山寺（キンプセンジ）
吉野山から山上ヶ岳にかけての一帯は、古くから聖域とされ、白鳳時代（天武天皇の時代）には役行者(えんのぎょうじゃ)が金峯山の山頂にあたる山上ヶ岳で修行された結果、金剛蔵王大権現を感得せられ、修験道のご本尊とされたとのこと。

秘仏本尊特別ご開帳期間だったのだが、「大名行列・花供懴法会（はなくせんぽうえ）・採灯大護摩供」という行事で入れなかった。

薔薇のような椿。

東南院。
先を急いだのでゆっくり見学しませんでしたが、美しいフォルムの塔だった。

参道沿いには行列の出来ている店などもあった。
覗いたら柿の葉寿司、苦手なのでスルー。

梅か桜の一種なのか・・・

腹痛の妙薬なんていうお店もあった。
事前にチェックしていた葛切りのお店は、帰路立ち寄った時には、当日予約分終了となっていた。往きに予約しとけば良かった！残念。

吉水（よしみず）神社。祭神は、後醍醐天皇と楠木正成。
役行者（えんのぎょうじゃ）が創建した格式高い修験宗の僧坊だったが、明治時代に行われた神仏分離によって、吉水院が後醍醐天皇の南朝の皇居であったことから、明治八年に「吉水神社」と改められたそう。

神社の境内から。ここが一目千本なのね。

きれい・・・しばし見入ってしまった。

天気と開花を見図って来て良かった！

名勝「一目千本」は別名を「一目十年（ひとめじゅうねん）」とも言われ、その景色を一目見ると十年長く生きることができる長寿のご利益があると言い伝えられているのだそう。まあ、私もあと十年は大丈夫かしら？

1185年源頼朝の追手から逃れた源義経と静御前が弁慶等と共にこの吉水院に隠れ住まわれたのだそう。
1336年後醍醐天皇が京の花山院から吉野へと行幸された際に、吉水宗信法印の援護のもと、この吉水院を南朝の皇居とされたそう。

もう一度境内へ。

美しい桜、記憶に残そう。

まだまだ登るよ。

勝手神社。静御前が捕らえられ、この社の神楽殿で法楽の舞をさせられた「舞塚」があることでも有名とのこと。
本殿は何回か焼失してるそう。
鳥居前の枝垂れ桜が見事だった。

宿坊だったか？・・・

ちょうど本日の行事のひとつ大名行列がやって来るということで待機。

偶然行事に遭遇した幸運。大名行列がやってきた。奴（やっこ）が踊ったり。

寿稲荷大明神。
お参りして先へ。

櫻本坊。
天智天皇の弟、大海人皇子が、ある冬の夜、吉野の山の中に満開の桜がみごとに咲き誇る夢をごらんになり、役行者の高弟　角乗に夢判断を命じたところ、「桜の花は日本の花の王です。この夢は殿下が天皇の位につかれるよい知らせでしょう」と。
果たして壬申の乱に勝利し、大海人皇子は帝位につかれ、天武天皇として即位された。夢に見た桜と出会い、そのもとに道場を建立、 ｢櫻本坊（さくらもとぼう）｣と名づけたそう。

枝垂れ桜が満開だった。

境内の関山桜（八重桜）はまだ咲き始めだったが、掲示されていた写真を見るとこんな感じになるみたい。

竹林院。
宿泊施設になっているよう。見てみたら高級宿。

さらに登ります。

金峯山寺が下に見えた。

背景の山々と桜が馴染んで美しい。

ツツジのトンネルから望む桜。

続く登り坂はキツイけど景色に癒やされる。

山桜って桜餅を想像しちゃうのよね。

お昼ご飯にしましょう。コンビニで買ってきたおにぎりを食べた。

こんな景色を見ながら食べたら何を食べても美味しいよね。

金峯山寺が小さく見える。ずいぶん登ってきたね。

眺望が素晴らしい。

ここにも枝垂れ桜が満開。

まだまだ登ります。

絶景だなぁ。

花矢倉展望台に到着。このあたりが上千本なのね。

景色を見ながら一休み。

吉野水分神社（よしのみくまりじんじゃ）。

水の分配を司る天水分大神（あめのみくまりのおおかみ）を主祭神に玉依姫命（たまよりひめのみこと）（神像は国宝）以下６柱の神を祀る世界遺産の神社。
子守宮（こもりのみや）ともいい、子授け・安産・子どもの守護神として篤く信仰されているそう。

豊臣秀吉が子授け祈願をし、その子秀頼を授かったそう。
西行法師の木造もあった。

中庭の桜が見事。

そしてさらに登ります。

高城山展望台。
ラスト展望台までの上りがキツかった。上方に見える桜はまさに満開だった。
奥千本行きのバスは１時間半待ち。徒歩だと往復１時間、後の予定の関係で断念。

景色を楽しみながら下ります。

落ちた花びらも風情があるね。

念願の吉野の桜、満喫しました。往復4時間ほどかかりました。

近鉄で吉野から大和八木で乗り換えて伊賀神戸へ。
そして伊賀鉄道で上野市へ。
忍者の電車が可愛かった。

近鉄伊賀線は、松本零士氏がデザインしたそうで、「鉄郎・メーテルブロンズ像」が置かれているそう。
時間は夢を裏切らない
人は夢をもち、時間の中に生きている
限りある時間の中で人はたくさんの夢をもち生きていく・・銀河鉄道999の鉄郎のように　　とのメッセージが添えられていた。

駅のコインロッカーに荷物を預け、ちょっと散歩。
徒歩10分ほどでお城へ。

伊賀上野城。
天正13年（1585）に筒井定次が平楽寺・薬師寺のあった台地に近世城郭としての伊賀上野城を築いたそう。
そして慶長13年（1608）徳川家康は、伊予の国宇和島城主であった藤堂高虎に、伊賀の国10万石・伊勢の内10万石、伊予の内2万石、合わせて22万石を与え国替えさせたそう。

藤堂高虎が本丸の西に築いた石垣。高さ約30メートルの高石垣は大阪城と並んで日本一の高さを誇っているそう。

現在の復興天守閣は、昭和10年（1935）当地選出の代議士、川崎克が多くの支援者の協力を得ながら私財を投じて藤堂氏の天守台に建てたものとのこと。
内部には入らなかった。

城に桜、あいますね。

最後に見納めして宿に向かいましょう。

今晩のお宿NIPPONIA 伊賀上野。
まち全体がまるごとホテルになる分散型ホテル。
https://www.vmg-igaueno.com/

お部屋は１０２。部屋のプレートには、忍者文字で「ろ」暗号みたいで読めません。
天井が贅沢な数寄屋造りになっている。

お庭が眺められ、もうひとつ居間が。（もと茶室のようだった）

二階が寝室と浴室になっている。
ウェルカムお菓子もありました。

一人で宿泊は贅沢よね。たまに命の洗濯（笑）

襖の金具が茶器だったり意匠がすてき。

襖をあければ浴室へ。

気持ち良く使えそうなお風呂。

もともとのレトロモダンな窓を活かしてリノベーション。

竹の装飾も面白い。

こちらは蔵のお部屋、「は」のお部屋。

庭を眺めながらダイニングで夕食。

アミューズ
伊賀の春野菜と魚介のマリネ
ホタルイカのイカ墨フリットと新玉ねぎスープ
三重県産の伊勢海老のロースト　伊賀海苔香るバターソース　＊焼き魚が苦手なので伊勢海老に変更
伊賀牛ロース肉のグリエ酒粕香るジャガイモのピューレ　　　　

日本酒のジュレと季節のフルーツ
春いちごのフレジェ
パン
珈琲
とても美味しく頂戴しました。

お庭には明かりが灯り・・

二階の食事室も拝見させていただいた。

入浴後にウェルカムシャンパン。ノンアルコールを置いて下さっているところがいい。桜も見れて、充実の１日目でした。

この旅行記へのコメント （4）

• mistralさん 2024/04/18 15:19:23

  桜、桜、桜。

  マリアンヌさん
  
  ご無沙汰してます。
  久しぶりのフランスでロマネスク三昧、してきましたよ。
  コロナの最中の、夜の講座、懐かしいですね。
  
  さて吉野の桜の旅行記表紙のお写真の桜、桜、桜、の見事さ！
  さまざまな色合いの桜が春霞のように煙っていて素敵ですね。
  天候などの諸条件のウオッチングから決められたとのことで
  絶好のチャンスとなりましたね。
  
  マリアンヌさんの相変わらずの健脚ぶり
  あの山道をすいすいと登っていかれて、びっくり。
  日頃のテニスで鍛えた成果？
  蔵王権現堂の青鬼、ではなく仏像にお会いになれなかったのは残念でしたね。
  桜の時期ではなかったけれどいつぞやお詣りしてきました。
  それでも人混みを避けるには、少しでも早く登っていくことが必須なんでしょうね。
  
  この後に宿泊されたNiipponia
  佐原と同様に素敵なお宿で、お一人でのびのびと宿泊されて
  羨ましいことでした。
  次はどちらへ行かれるのでしょう。
  
  mistral
  

  マリアンヌさん からの返信 2024/04/21 19:20:51

  RE: 桜、桜、桜。

  mistralさん
  
  よく遊んでるので、レスが遅くてスミマセン。
  フランスでロマネスク、行かれたのですね！
  羨ましくてヨダレを垂らして拝見しちゃいます。ゆっくり見せていただきますね。
  明日館の夜の講座、懐かしいです。終わってしまったので残念です。
  
  関東から吉野のお山は遠いし、優先順位が、つい行けなく前に海外でしたので。
  元の会社の先輩の来訪などがあり、ベストなタイミングからは少し遅れたのですが、山桜ですし、中千本、上千本もあるので桜三昧楽しめて良かったです。
  今年は全国的に桜の開花は遅れるし、天候不順だしとチェックして直前に決めました。
  妙齢ゆえ、見ることが出来て感謝いっぱいでした。
  
  はい、テニスしてますので、坂道は多少息は切れましたが問題なく登れました。
  大名行列や護摩行事でしたので、残念ながら蔵王権現堂の青鬼の仏像には会えませんでした。
  mistralさんは、奈良にはずいぶん行かれているので、いつかゆっくり奈良に行くときは、参考にさせていただきたいと思っています。今回は吉野山だけでしたので。
  実は真言宗智山派なので（宗教心はないですが）高野山にも一度行き、宿坊に泊まってみたいとは思っています。
  
  Niipponia佐原、mistralさんも行かれてましたよね。私は前回は４人で泊まり豪華な蔵の部屋でしたが、今回はこじんまり。といっても私にとっては贅沢な一夜だったのですけど、たまにはいいかなとゆったり出来ました。
  小さな旅、また覗きにいらして下さいね。
  
  マリアンヌ

• salsaladyさん 2024/04/17 09:48:27

  大海人皇子の夢判断。。。

  ☆執念の賜物～奈良に属するの～吉野の千本桜～十年桜なら遠慮したい所ですが～
  
  ☆関西に育った夫からは、吉野の桜を見たければ人の押し寄せない早朝出ないと無理とか～
  
  ☆関東から夜行バスで駆けつける根性が素晴らしい～今年ほど天気に左右される桜はない～
  
  ☆見事な千本桜も良いけれど義経と静御前がここまで流浪した事実？「法樂の舞」を強要されたとか？鎌倉の「舞殿』で白拍子として舞われた時とは違った状況なのか❓歴史を改めて紐解かねば折角の桜を愛でる価値が無いかも～謝謝～

  マリアンヌさん からの返信 2024/04/21 17:51:46

  RE: 大海人皇子の夢判断。。。

  ☆執念の賜物?奈良に属するの?吉野の千本桜?十年桜なら遠慮したい所ですが?
  　　関東からは、ちと遠い。やっと見ることができました。
  
  ☆関西に育った夫からは、吉野の桜を見たければ人の押し寄せない早朝出ないと無理とか?
  　　そう思って、夜行バスで決行しました。
  
  ☆関東から夜行バスで駆けつける根性が素晴らしい?今年ほど天気に左右される桜はない?
  　　ほんとに、毎日、長期天気予報と桜の開花状況とにらめっこでした。
  
  ☆見事な千本桜も良いけれど義経と静御前がここまで流浪した事実？「法樂の舞」を強要されたとか？鎌倉の「舞殿』で白拍子として舞われた時とは違った状況なのか;歴史を改めて紐解かねば折角の桜を愛でる価値が無いかも?謝謝?
  　　後醍醐天皇や西行法師に関しては、聞き及んでいましたが、静御前の舞の件は知らず、愛でる価値はないですかね。