2024/03/24 - 2024/03/24
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たびたびさん
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この旅行記スケジュールを元に
神戸・ミナミから奈良の旅って、かなり漠としているんですが、つまり、以前から気になっていたことをいくつか寄せ詰めたらこうなったという旅。①神戸迎賓館のランチ、②道明寺の御開帳、③重伝建の宇陀の街並、④吉野蔵王堂の日本最大秘仏本尊特別ご開帳、⑤町家の雛めぐりと壺阪寺大雛曼陀羅、⑥法華寺の特別公開とかいつでも行けるとたかをくくって今に至るもの。それらを寄せ詰めたら五日間の旅になりました。ちょっと雑多と言えば雑多で、少なくとも一貫したテーマがあるわけではないですね。
ということで、初日はそのうちの一つ、神戸迎賓館のランチをメインにして、最後は有馬温泉でまったりするというスケジュール。いつものような詰め込みはまったくなくて、天気もイマイチだったし、むしろ、二日目以降への体力温存といった一日になったような気もします。
さて、神戸迎賓館はやっぱり人気ですからね。日曜日のお昼の予約は残り僅かというところでのぎりぎり滑り込みセーフ。何とかいい時間に予約が取れて、やっと満を持しての訪問です。ちなみに、迎賓館は、大正8年築の兵庫県指定重要有形文化財。かつては貿易商、西尾類蔵氏の邸宅だったという建物です。設計は、初代通天閣の設計者でもある設楽貞雄。ヴィクトリアン様式の建築美に当時は最先端のアール・デコの意匠を取り入れたというのですが、規模からしてもどっしりと構える重厚さの一方で、いわゆる幾何学図形をモチーフにした記号的表現が加わって、外観はアール・デコの個性を強く感じる印象がありますね。一方で、内部は正統派のヴィクトリアン様式。格調の高い落ち着いた雰囲気があって、大広間の食堂に入る前、かつては応接室だったという玄関わきの小部屋で待合をする辺りからちょっと夢心地ですね。
そうした中でいただくランチは、期待にそぐわぬ伝統的な趣と上品な味わいが期待通りに素晴らしい。ハーフコースは、前菜から始まって、メインの真鯛のマリネ木の芽味噌のクルート仕立てとか程よいボリューム感。スタッフの応対も洗練されていて、すべてが申し分のないひと時となりました。
その後は、久しぶりの有馬温泉。太閤の湯でまったりして、最後は中華街。ただ、気が付くと写真はあんまり撮ってなくて、旅行記の方はちょっと寂しくなってしまいましたが、たまにはこんなこともある。それに、まだまだ二日目以降もありますので、その辺りはご容赦いただきたいと思います。
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イチオシ
広島から新神戸に到着して。
朝飯は元町サントスへ。やっぱりさすがの人気店ですね。日曜日の朝9時くらいでしたが、もう行列ができていました。やっぱりさすがの人気店 by たびたびさん元町サントス グルメ・レストラン
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トーストにハムエッグが付いただけの簡単なモーニングですが、店内のさりげない雰囲気と珈琲のうまさで確かに上質感はありますね。神戸元町商店街の中にあるので雨が降っていても大丈夫なのもいいと思います。
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お昼までの腹ごなしで、少し散策。元町駅から兵庫駅まで移動して、兵庫津の辺りを歩きます。
柳原天神社は、菅原道真が大宰府へ左遷される途中、大和田泊に上陸し、この辺りの梅花を見て「風さむみ雪にまかへて吠く花の柚にそうつれ匂ふ梅が香」と詠んだその地に建つ神社。風さむみ雪にまかへて吠く花の柚にそうつれ匂ふ梅が香 by たびたびさん柳原天神社 寺・神社・教会
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そこまで立派な構えではありませんが、
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境内には太宰府から分霊を迎え奉祀した云々の詳しい縁起も紹介されていまして、ちゃんと古い歴史を持つ神社です。
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そして、兵庫津のお目当ては能福寺の兵庫大仏です。
清盛塚も必見かな by たびたびさん能福寺 寺・神社・教会
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境内に雨ざらしの白っぽい大仏があって、これはもともとは明治24に豪商、南条荘兵衛の寄進により大仏が建立されたもの。ただ、戦時中の金属類回収令で解体されてしまい、現在の大仏は平成3年の再建です。
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大仏は、像高11m、蓮台と台座を含めると高さ18m。東大寺と同じく毘廬舎那仏で、華厳経ではこの世の中心と説かれる仏さまですね。
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一方で、その手前に平相国廟と書かれた清盛塚。寺の創建は延暦24年(805年)ですが、その後、平家一門の祈願寺に。養和元年(1181年)には清盛の墓所が作られたようですが、荒廃。他方、弘安9年(1286年)、執権北条貞時が石塔を建て清盛公の霊を弔った清盛塚が近くにあって、そっちはそれなりに知られていますが、この廟は昭和55年の平清盛公800年忌に復興されたもののようですね。
兵庫大仏もいいですが、平家一門との関係や清盛塚も必見。清盛ゆかりの兵庫津はまだちゃんと回ったことがないので、また改めて訪ねたいと思います。 -
イチオシ
JR須磨駅から神戸迎賓館までは、だらだらと坂道を上って行きます。
敷地に入ってからでもまだ坂道。やっと建物が見えてきました。以前、須磨離宮公園を訪ねた際に確認していましたが、それ以来。ずっと気になっていましたからね。すべてが申し分のないひと時となりました by たびたびさんルアン 神戸迎賓館 グルメ・レストラン
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玄関はこちら。
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車寄せのこの幾何学模様をモチーフにした意匠もアールデコということでしょう。個性的な感じがしますよね。
ところで、ここでアールデコのことに触れておくと。。アールヌーボーと対比されるアールデコですが、本質的な意味合いは全く違うように思います。アールヌーボーでは、シノアズリや浮世絵とかのジャポニズムといわれる東洋美術の影響から、植物や鳥、昆虫や魚とかをモチーフにした新しい美術領域。それはロココの退廃的な芸術からの完全な脱却ともなったもので、潤いや活力をもたらすものでした。一方のアールデコは第一次世界大戦の影響を受けたもの。大量の戦車や航空機の投入でそれまでの戦争の概念がまったく変わってしまった近代戦。それまでは考えられない大規模な戦争の時代に入ったという不安や虚無感に襲われた時代に登場したもので、美術や芸術というよりもむしろ工業的なデザインとかがその中心です。美術や芸術への過度な期待がしぼんだものともいえると思います。私は、このアールデコの流れは今も続いていると思っているのですが、当初と違うのは映像の広がりかな。映画やテレビ、今だと動画の世界。我々を楽しませる美術や芸術の役割の大きな部分を映像が肩代わりしていった側面があるのではないかと思います。エンターテイメントの要素も含んだ映像の発展による美術や芸術の相対化とでもいうものかな。それが豊かなものなのか、貧しいものなのかはよく分かりませんが、少なくとも不安定。美術や芸術が社会の中心にあった時代は平和な時代と重なりますからね。私はアールデコのことを考えるとちょっと複雑な気持ちになります。
なお、西洋の美術史は別途少しまとめていますので、参考まで。
https://4travel.jp/travelogue/11833080 -
ここが入口。
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館内へ入ります。
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この先が食堂ですが、まだ予約した時間になっていないので
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イチオシ
手前の待合室に通されました。
かつての応接室という部屋ですが、 -
ここもシックで落ち着いた雰囲気。
黒光りのする木製の建具に深紅の絨毯の組み合わせも正統派のヴィクトリアン様式ならではかな。部屋の広さと窓の採光のバランスもお屋敷って感じですね。 -
灯りはどうでしょう。
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やっぱり伝統的なものなのかな。
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ステンドグラスもおとなしくて、これくらいが上品ですね。
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いよいよ食堂に通されて、窓際の席でランチのスタートです。
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イチオシ
神鍋清流サーモンのミキュイとじゃがいものテリーヌ クレソンの香り
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春キャベツと蕪のポタージュ
カプチーノ仕立て -
真鯛のマリネ
木の芽味噌のクルート仕立て -
パティシエ特製デザート
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珈琲
ゆっくりして2時間くらいかな。次の予約があるのかと思って、それも気になったのですが、昼の予約はこれで終わりだそう。「ゆっくりしてくださいね」と言われて、ほっとしました。 -
帰りは、須磨寺にもちょこっと寄りまして、
平敦盛・熊谷直実の一騎討ちの像。 -
一騎討ちと言っても百戦錬磨の熊谷直実からするといとも簡単なこと。熊谷直実の呼びかけに引き返した平敦盛に勝ち目はありません。
しかし、自分の息子と変わらぬ年の熊谷直実を討った熊谷直実のショックも大きい。法然のもとで出家し、違う人生を歩みだします。
ほかにも屋島の戦いでヒーローとなった那須与一も戦乱の非情さにショックを受け、いわゆる鬱になって、残りの人生はボロボロに。
対して、嬉々として戦場を駆け回った義経は稀代の英雄かもしれませんが、その戦い方を知ると私としてはあまり好きにはなれません。悲劇の最期を遂げますが、因果応報ということでいいのではないかと思います。 -
須磨海水浴場は、須磨駅のすぐ裏手の海水浴場。須磨駅は神戸市の中心部からすぐの駅だし、またそのすぐそばという海水浴場。神戸市民は六甲という山のあるし、この海もある。どれだけ自然に恵まれているんだという象徴のような場所ではないかと思います。
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今度は有馬温泉に向かうのですが、
その前にJR須磨駅からJR新長田駅に移動して。 -
JR新長田駅からすぐのショッピングモールは、東急プラザ 新長田。キーテナントは西友で、その他は専門店やはなまるうどん、モスバーガーなど。ショッピングモールというより、食品スーパープラスアルファといった商業施設かなと思います。
長田も震災では大きな被害を受けた地区。こういうのも震災の後に復活したものなのかなと思います。 -
で、ここのお目当ては鉄人28号 モニュメント。
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イチオシ
これは、神戸出身の漫画家、横山光輝を記念して作られたもの。高さは18m。大きいというのは知っていましたが、実際に見ると予想をはるかに超える圧倒的な迫力がありますね。ちょっと爽快な気分。
予想をはるかに超える圧倒的な迫力 by たびたびさん鉄人28号 モニュメント 名所・史跡
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ちなみに、横山光輝は、鉄人28号だけではなくて、魔法使いサリーやバビル2世などもあって、確かに一世を風靡した感があると思います。
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新長田一番街商店街は、鉄人28号 モニュメントからすぐのところに入口があるアーケード商店街。雨の日でもこのアーケードの下から鉄人28号 モニュメントを眺められるというのもウリのようですね。まだ新しい街にできた商店街みたいな雰囲気もあると思います。
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新長田駅から有馬温泉は、神戸市営地下鉄西神・山手線から神戸電鉄 有馬線を乗り継ぎます。これは神戸電鉄 有馬線。
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最後に有馬口駅で乗り換えてひと駅で有馬温泉駅に到着します。
住宅地を抜けて行きますが、けっこう勾配がきつい感じ。乗っていてもがんばって上っているのがよく分かります。 -
有馬温泉に到着です。
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有馬温泉市街の入り口。有馬川にかかる橋は太閤橋。有馬温泉を復興した豊臣秀吉にちなんで名づけられたものですが、少し上流にはねねの橋があって、対のような位置関係になっています。
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太閤橋とねねの橋の間が有馬川親水公園。きれいに整備されていますが、ちょっと大水になったら、かなり危ないような気がしますけどね。
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太閤橋を渡ってすぐにあるのは仏座巌。湯けむり広場の東側で、袂石と並んだような場所にある平たい、その名の通り仏座のような巨石です。寛文年間、日蓮宗の元政上人なる人物が名付けたのだとか。ただ、現在は、文化9年(1812年)に大洪水によって埋没していて、その迫力はあまり感じれないと思います。
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これは、隣りの袂石。注連縄で飾られた石で、高さ5m、周囲約19m重さ約130トン。湯泉神社の祭神である熊野久須美命が着物の袂からとりだし投げた石といわれるもの。投げた相手は、葦毛の馬に乗り、重藤の弓に白羽の矢で、久須美命を射ようとした松永城主。有馬では、この時から、葦毛の馬や重藤の弓、白羽の矢は持ち込んではならないとされているようです。
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では、太閤の湯に向かいます。有馬きらりの横を抜けて
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これが太閤の湯。金の湯や銀の湯とは別方向。ちょっと山の方に上った奥の方です。
金の湯や銀の湯だと混みあうのでこちらにしたのですが、けっこうしっかりした日帰り温泉の施設で、館内もピカピカ。大浴場の悠々とした広さは基本として、あとは蒸し風呂が付いているのが魅力でしょう。蒸し風呂用の部屋着を借りてしばらく寝転んでいると大汗をかいていい気分。男女関係なく一緒に入れるので、家族連れとかにもウケるんだと思います。
夕方まで、ここでボーっとして過ごしました。蒸し風呂が付いているのが魅力でしょう by たびたびさん有馬温泉 太閤の湯 温泉
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晩飯は、神戸中華街まで帰ってきて。
中華街は意外に早く閉まる店が多くて、なんとか飛び込んだのは兆記。店構えも派手だし、中華街の元気印といったところでしょうか。 -
いただいたのは天津飯。けっこう薄味のやさしい味わい。これもやっぱり老舗の味なのかなという感じがしました。
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神戸から大阪に移動して、今夜の宿はカプセルホテル大東洋。大阪駅から歩いて15分くらい。建物は大通りに面していて、少し遠くからでも確認できました。
受付は元気のいい若い女性が何人かで対応している体制。その辺りで明るくて安心感もあるような気がします。なんとなく客層もいいのかな。館内は清潔だし静かで落ち着いていて、気持ちよく泊まれました。
さて、明日は道明寺の御開帳からスタートです。
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