横浜の歴史が詰まった馬車道を歩く

2023/07/19 - 2023/07/19

横浜散策のひとつとして、関内駅に近い馬車道を歩きました。関内駅の北口付近から本町通りまでというさほど長い通りではありませんが、横浜の歴史が詰まった通りとなっています。
幕末に横浜が開港した後、この馬車道のあたりを中心として発展してきました。明治時代後期から昭和初期にかけて建てられた建築もいくつか残っています。そうした建物や、様々な碑を見て歩きました。横浜観光にて、一度は訪れるべきところだと思います。

エリア 横浜(神奈川)

• 旅行の満足度: 3.5
• 観光: 3.5
• 交通: 4.5

• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル 徒歩

みなとみらい線の馬車道駅から上がると、すぐに馬車道通りとなっています。本町通りとの交差点側から散策をはじめました。
並木が整備されており、他の通りよりもきれいな通りになっていました。

馬車道と本町通りとの交差点の角にある石造りの建物は、旧富士銀行横浜支店です。昭和初期に建てられた貴重なものです。
前面には４つの円柱が立つ独特の美しい外観となっていました。現在は東京芸術大学の校舎として使われているようでした。

旧富士銀行横浜支店［旧安田銀行横浜支店］ 名所・史跡

旧富士銀行横浜支店の石造りの入口。見事な造形です。入口の上には東京芸術大学と彫られたレリーフがありました。

旧富士銀行横浜支店の建物の前にはガス灯があります。馬車道は日本で初めてガス灯が設けられたところだそうで、横浜はもちろん、日本の歴史としても重要なところです。

ガス灯の横にはこうした説明板もしっかりと設置されていました。イギリスにあるものと同じ造りになっているそうです。

旧富士銀行横浜支店の建物の隣にあるのがこちら、馬車道大津ビル。シンプルな外観の建物ですが、石造りで歴史があることが伝わってきます。ビルの入口上には名前がかかれたレリーフもありました。

馬車道大津ビル (旧東京海上火災保険ビル) 名所・史跡

馬車道に面したところには、その馬車道大津ビルについての詳しい説面板もありました。こうした説明板がしっかりと設置されているのがいいですね。

馬車道大津ビルのはす向かいにそびえるようにあるのが、神奈川県立歴史博物館。馬車道の主、と言っていい存在感があります。馬車道を代表する建築であり、横浜の歴史が詰まっているところのひとつです。

神奈川県立歴史博物館 美術館・博物館

神奈川県立博物館の入口横には「国指定重要文化財　旧横浜正金銀行本店本館」と刻まれた碑と、説明板がありました。その通り、国の重要文化財にも指定されている貴重な建築です。

神奈川県立歴史博物館の入口。細かい彫刻がふんだんに施されており、当時の石造り建築に対しての熱意、技術、デザイン性の高さがよく感じられます。素晴らしい建築であると同時に、内部の博物館の展示も素晴らしいです。

あらためて、神奈川県立歴史博物館の正面をパチリ。大きな建物ではありますが、重厚感よりも美しさをより感じる建物だと思います。

神奈川県立博物館の西側へとまわると、こちらのカノン砲が展示されています。こちらはスイス人の商会が関東大震災で被災し、埋もれていたものであり、それが戦後になってから発掘されたのだそう。もしかしたら、まだこうしたものが土の下に眠っているのかもしれませんね。

旧居留地90番地の大砲 名所・史跡

神奈川県立博物館と馬車道を挟んだ向かいにこちらの牛馬飲水があります。名前のように車を引いていた馬や牛が水を飲むための水道です。
一見すると洗面台のようですが、その高さは馬や牛に合わせたものなのでしょう。しかも馬車道の車道側を向いており、それも馬や牛のため、ということかと思います。

牛馬飲水 名所・史跡

神奈川県立歴史博物館の南側にはこちらの旧川崎銀行横浜支店があります。外観のみ昔の建物を保存していて、その内部や上部は新しいビルになっています。この上にガラス張りの現代的なビルが立っている姿は美しいです。

損保ジャパン日本興亜馬車道ビル［旧川崎銀行横浜支店］ 名所・史跡

こちらも馬車道にある碑のひとつで、下岡蓮杖顕彰碑です。下岡蓮杖は幕末の下田に生まれ、外国人から写真術を学び、この場所に写真館を設けました。当初のお客さんは外国人がほとんどだったそう。と同時に多くの弟子を育て、明治期以降の多くの写真家を輩出したそうです。

写真の開祖 下岡蓮杖顕彰碑 名所・史跡

馬車道と書かれたおしゃれな電灯もありました。こうしたところひとつひとつが馬車道の歴史やおしゃれさを彩っています。

馬車道 名所・史跡

関内ホールの正面横には「日本で最初のガス灯」があります。近年になって復刻されたものではありますが、昔の姿に忠実に沿ったデザインになっているそうです。

日本で最初のガス灯 名所・史跡

ガス灯の横にはこうしたしっかりとした説明板もありました。最初のガス灯はスコットランドのグラスゴーでつくられたものだったそうです。

近いうちに関内での夏祭りがあるようで、ガス灯の裏には協賛する企業の名前がずらっと並んでいました。こうしたところでも、馬車道が歴史を紡いできたところだということを感じられました。

そして、ガス灯の裏手にそびえているのが横浜関内ホール。昔あるコンサートホールではありますが、音響がよく、素晴らしいホールだと思います。私も何度かこちらでコンサートを観覧しましたが、音響が素晴らしかったです。

関内ホールの前にはこのようなオブジェがあり、目だっていました。ここは関内駅から近く、アクセスが良いのもいいです。
今回の旅行記はここまでにしておきます。

横浜関内ホール 名所・史跡