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中国山地の岡山と広島の山間部を結ぶ芸備線。<br /><br />その総延長は約160km、備中神代と広島の間に42もの駅を擁する。<br />全線開通は1936年のこと。<br />往時には「ちどり」や「たいしゃく」など5本の急行列車が山陰と山陽を走っていた。<br />おもしろいことに、1968年当時の「ちどり」は1~4号まで上下で各4本の列車が運行され、木次線や伯備線を経由している。<br />特筆すべきことは、下りの「ちどり4号」は米子を22時40分に出発し、広島駅に翌日の5時に着く。<br />上り「ちどり3号」と「ちどり4号」も夜行列車になっている(1等車と2等車で、寝台車は連結していない)。<br />それだけ「利用客が多かった」と、言うことだ。<br />※急行「ちどり1号」(下り)鳥取発→宍道→(木次線)→木次→備後落合→(芸備線)→広島着<br />※急行「ちどり1号」(上り)広島発→備後落合→(芸備線)→新見→(伯備線)→米子着<br /><br />さらに、急行「たいしゃく」は、始発の岡山から新見を経由して芸備線に入り、広島へと向かう。<br />※急行「たいしゃく」(上下線とも)岡山←(伯備線)→新見←(芸備線)→広島(列車の運転経路は、1968年当時のもの)<br /><br />同時期の伯備線の新見駅では、急行「しんじ号」に、「たいしゃく」と「ちどり」が切り離され、連結されている様子が見られた。<br /><br />※当時の時刻表によると、<br />宇野から伯備線を通って急行「しんじ1号」と「たいしゃく2号」は11時44分に新見駅に着く。<br />次に広島から芸備線を走って来た「ちどり1号」を11時45分に連結。<br />それを終えると「たいしゃく2号」を切り離す。<br />小郡行の「しんじ1号」は、11時54分に「ちどり1号」と新見駅を出発し、伯備線を北上する。<br />単独になった「たいしゃく2号」は、芸備線を広島に向かう。<br /><br />この複雑怪奇なダイヤを組んだ『スジ屋』さんには恐れ入る。<br /><br /><br />時は流れ、現在の芸備線は典型的なローカル線になった。<br />特に新見-備後庄原間は、JR西の中では最も輸送密度が低く、施設維持費は6億円以上も掛かると聞く。<br /><br />岡山と広島、両県の山間部を縫うように敷かれた鉄路。<br />周辺地域は過疎化も相まって、人口も少ない。<br />(それだけに、自然が多く残っているとも言い換えられるが・・・)<br /><br />今回は、芸備線を守る方々が行ったクラウドファンディング(CF)で運行が実現した。<br />さらに、地元の有志の協力を得て、地酒と名産品をいただく。<br />舞台は「キハ47」の車内で、三好駅と備後落合駅間を臨時列車で【呑み鉄】する旅。<br />鉄ファンの一人として、芸備線の将来を見守っていきたい。<br /><br />

芸北を「キハ47」の【呑み鉄・鈍行ちどり足】で旅をする

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2023/09/24 - 2023/09/24

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レモンパパ

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この旅行記のスケジュール

この旅行記スケジュールを元に

中国山地の岡山と広島の山間部を結ぶ芸備線。

その総延長は約160km、備中神代と広島の間に42もの駅を擁する。
全線開通は1936年のこと。
往時には「ちどり」や「たいしゃく」など5本の急行列車が山陰と山陽を走っていた。
おもしろいことに、1968年当時の「ちどり」は1~4号まで上下で各4本の列車が運行され、木次線や伯備線を経由している。
特筆すべきことは、下りの「ちどり4号」は米子を22時40分に出発し、広島駅に翌日の5時に着く。
上り「ちどり3号」と「ちどり4号」も夜行列車になっている(1等車と2等車で、寝台車は連結していない)。
それだけ「利用客が多かった」と、言うことだ。
※急行「ちどり1号」(下り)鳥取発→宍道→(木次線)→木次→備後落合→(芸備線)→広島着
※急行「ちどり1号」(上り)広島発→備後落合→(芸備線)→新見→(伯備線)→米子着

さらに、急行「たいしゃく」は、始発の岡山から新見を経由して芸備線に入り、広島へと向かう。
※急行「たいしゃく」(上下線とも)岡山←(伯備線)→新見←(芸備線)→広島(列車の運転経路は、1968年当時のもの)

同時期の伯備線の新見駅では、急行「しんじ号」に、「たいしゃく」と「ちどり」が切り離され、連結されている様子が見られた。

※当時の時刻表によると、
宇野から伯備線を通って急行「しんじ1号」と「たいしゃく2号」は11時44分に新見駅に着く。
次に広島から芸備線を走って来た「ちどり1号」を11時45分に連結。
それを終えると「たいしゃく2号」を切り離す。
小郡行の「しんじ1号」は、11時54分に「ちどり1号」と新見駅を出発し、伯備線を北上する。
単独になった「たいしゃく2号」は、芸備線を広島に向かう。

この複雑怪奇なダイヤを組んだ『スジ屋』さんには恐れ入る。


時は流れ、現在の芸備線は典型的なローカル線になった。
特に新見-備後庄原間は、JR西の中では最も輸送密度が低く、施設維持費は6億円以上も掛かると聞く。

岡山と広島、両県の山間部を縫うように敷かれた鉄路。
周辺地域は過疎化も相まって、人口も少ない。
(それだけに、自然が多く残っているとも言い換えられるが・・・)

今回は、芸備線を守る方々が行ったクラウドファンディング(CF)で運行が実現した。
さらに、地元の有志の協力を得て、地酒と名産品をいただく。
舞台は「キハ47」の車内で、三好駅と備後落合駅間を臨時列車で【呑み鉄】する旅。
鉄ファンの一人として、芸備線の将来を見守っていきたい。

交通手段
JRローカル

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  • 早朝に新幹線を乗り継ぎ、広島駅に到着。

    早朝に新幹線を乗り継ぎ、広島駅に到着。

    広島駅 (JR)

  • 芸備線の列車が入線してきました。<br />

    芸備線の列車が入線してきました。

  • 非電化で単線のローカル線と言っても

    非電化で単線のローカル線と言っても

  • 下深川までは頻繫に

    下深川までは頻繫に

  • 列車が走っています。

    列車が走っています。

  • 車内の風景<br />

    車内の風景

  • 単線なので、列車交換しながら

    単線なので、列車交換しながら

  • 時間を掛けて進みます。<br />

    時間を掛けて進みます。

  • 三篠川に沿って北上

    三篠川に沿って北上

  • やがて車窓には

    やがて車窓には

  • 山が迫る

    山が迫る

  • 田園を抜ける。

    田園を抜ける。

  • 何とも言えない

    何とも言えない

  • 日本の田舎の鉄景ですね。<br /><br />

    日本の田舎の鉄景ですね。

  • 向原に到着<br />

    向原に到着

    向原駅

  • 対向列車が来ました。<br />

    対向列車が来ました。

  • 列車はさらに進む

    列車はさらに進む

  • 夏草が線路を覆う

    夏草が線路を覆う

  • 後方車両の運転席<br />

    後方車両の運転席

  • 走り去る風景にも

    走り去る風景にも

  • 趣があります。<br /><br />

    趣があります。

  • かなり登ってきました。<br />

    かなり登ってきました。

  • 山あいの駅を過ぎ

    山あいの駅を過ぎ

  • 山間部に

    山間部に

  • 清流とともに進む。

    清流とともに進む。

  • 三次駅に到着<br />

    三次駅に到着

    三次駅

  • ここで乗り換え

    ここで乗り換え

  • 次の列車は、どこかな?

    次の列車は、どこかな?

  • と、思ったら・・・

    と、思ったら・・・

  • そのまま広島から来た列車が、特別列車になった。

    そのまま広島から来た列車が、特別列車になった。

  • 今日の主役は「キハ47」

    今日の主役は「キハ47」

  • ディーゼルカーの二両編成です。

    ディーゼルカーの二両編成です。

  • こちらは、カープのラッピング列車

    こちらは、カープのラッピング列車

  • 改めて、特別列車の【呑み鉄・鈍行ちどり足】号<br /><br />出発進行!

    改めて、特別列車の【呑み鉄・鈍行ちどり足】号

    出発進行!

  • 鉄好きな面々と<br />

    鉄好きな面々と

  • 呑ん兵衛が集う車内<br />

    呑ん兵衛が集う車内

  • 呑み鉄の開始!<br />

    呑み鉄の開始!

  • 「さぁ、一杯どーぞ」<br />

    「さぁ、一杯どーぞ」

  • 数種類の地酒が用意されていました。<br />

    数種類の地酒が用意されていました。

  • 列車が揺れます・・・(笑)

    列車が揺れます・・・(笑)

  • 地元の珍味?<br />

    地元の珍味?

  • 「こんにゃくジャーキー」だって<br /><br />

    「こんにゃくジャーキー」だって

  • 記者さんの取材も

    記者さんの取材も

  • いつの間にか、列車は

    いつの間にか、列車は

  • 両側に山が迫り<br />

    両側に山が迫り

  • 集落に辿り着く<br />

    集落に辿り着く

  • 濃い緑の茂みを抜ける<br />

    濃い緑の茂みを抜ける

  • 臨時列車の到着駅

    臨時列車の到着駅

    備後落合駅

  • 備後落合駅へ<br />

    備後落合駅へ

  • 横断幕がありました。<br />

    横断幕がありました。

  • 乗客は、三々五々駅舎を楽しみます。

    乗客は、三々五々駅舎を楽しみます。

  • ホームの先には、転車台跡があります。

    ホームの先には、転車台跡があります。

  • 長いホームがある駅です。<br />

    長いホームがある駅です。

  • 駅舎の中

    駅舎の中

  • いわゆる「スジ」です。<br /><br />これを見れば、この駅で「何分停車する」とか、どの信号所で「列車交換する」のか、一目で判ります。<br /><br />

    いわゆる「スジ」です。

    これを見れば、この駅で「何分停車する」とか、どの信号所で「列車交換する」のか、一目で判ります。

  • しばらくすると、

    しばらくすると、

  • トロッコ列車「おろち号」が入ってきました。

    トロッコ列車「おろち号」が入ってきました。

  • この列車は老朽化のため、2023年で運行を終えます。

    この列車は老朽化のため、2023年で運行を終えます。

  • 指定席はプラチナチケット化しているようです。<br />

    指定席はプラチナチケット化しているようです。

  • 先発する「おろち号」を見送り

    先発する「おろち号」を見送り

  • 列車と人々が去ると、いつもの静かな駅舎に戻りました。<br />

    列車と人々が去ると、いつもの静かな駅舎に戻りました。

  • 現在の新見駅<br /><br /><br /><br /><br />今回は、主に地酒をふるまう【呑み鉄・鈍行ちどり足】の旅でした。<br /><br />車社会が到来し、沿線の人口が減り、それに合わせるように鉄道ダイヤも激減した。<br />日本全国で鉄道路線をはじめ、公共交通機関が危機に瀕している。<br />個人の力だけでは厳しいけれど、ローカル鉄道に乗ることにより見えてくることもある。<br /><br />芸備線は、山を抜け谷を渡り山野をゆっくりと走る。<br />いつまでも、この美しい風景が残っていることを願う。<br /><br /><br /><br /><br /><br />        ―――――― おしまい<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />

    現在の新見駅




    今回は、主に地酒をふるまう【呑み鉄・鈍行ちどり足】の旅でした。

    車社会が到来し、沿線の人口が減り、それに合わせるように鉄道ダイヤも激減した。
    日本全国で鉄道路線をはじめ、公共交通機関が危機に瀕している。
    個人の力だけでは厳しいけれど、ローカル鉄道に乗ることにより見えてくることもある。

    芸備線は、山を抜け谷を渡り山野をゆっくりと走る。
    いつまでも、この美しい風景が残っていることを願う。





            ―――――― おしまい







    新見駅

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