2023/06/26 - 2023/06/27
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この旅行記のスケジュール
2023/06/26
この旅行記スケジュールを元に
ユネスコ世界文化遺産 北海道・北東北の縄文時代遺跡群。
ちょっと地味なイメージですが、なにが凄くて世界遺産になったんだろう。
まず、世界的に見ても、とてつもなく長期間にわたって定住生活を営んだ狩猟採集民なんだとか。
特に海外の人が驚いたのは、数千年の長期間にわたってほとんど戦争が起きていないということ!
その中の北黄金貝塚、って知らない人が大部分でしょうね。
かく言うこの私も、今回の旅で何気なくグーグルマップを見て初めてこういうものがあると気が付いたくらいです。
地味な田舎のミニ博物館を想像していたら……意外でした。
血の気の多い人間ですので、平和の秘訣を学んできたいと思います。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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「ありゃ!今通り過ぎたやつじゃない!!」
室蘭から国道37号で伊達に入るととほどなく右手に、高さ2mくらいの「北黄金貝塚」の縦看板が出ています。
気を付けていないと私らのように見落としてしまう。
車をUターンさせて表示に従って侵入してゆくと、度肝を抜かれるほど広大な駐車場。
焼きイモができそうなくらい熱くなっているアスファルトの上を「入り口→」のサインに沿って進むと、一番奥にこの写真の看板。
この日は月曜日で、こういうところはきっと休みだろうとあきらめていましたが、ネットで見る限り月曜日が休みとは書いていない。
思い切ってこの旅に出る前に電話で聞いてみたら、
「はい、安心してください、月曜日もやってます!」
とおっしゃる。
とにかく明るい声でした。
ただ、冬場の12月から3月は休むみたいです。史跡北黄金貝塚公園 公園・植物園
-
ちょうど二年前に世界文化遺産に指定。
縄文と言えば、子供のころ暮らしていた東京郊外の武蔵野の畑の脇には、農家の人が捨てた土器のかけらがたくさん落ちていたものです。
半世紀以上昔の話だけど、拾い集めたものがもしかしたら東京の実家のどこかにまだあるかもな。 -
案内に従って森の小道を抜けると、広々とした草原の向こうの丘のふもとに竪穴式住居が見えます。
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小川の先に三軒の家。
ブーフーウーの家みたいに並んでいる。 -
縄文時代というのは2500年位前まで続いた文化。
北海道というのは弥生時代のない土地で、その後は続縄文時代、擦文時代と呼ばれています。
稲作文化は、明治になって中山久蔵さんが北海道で米作りに成功するまで2400年位なかったんですね、というか出来なかった。 -
しかし関東で過ごした子供時代に、限りなく惹きつけられた縄文時代が、なぜ北海道と北東北なのか。
それは、世界文化遺産に登録する上でのいろいろな事情があるようです。
簡単に言えば、文化遺産的に条件が整っているらしい。 -
縄文時代がなぜ世界文化遺産かというと、狩猟採集民でありながら定住して複雑な文化を築き上げたという、ちょっとシロウトには分かりづらい理由。
ただ、縄文土器の複雑な造形は、今の芸術家もビックリ。
土偶も、かなり個性的なものが出土していますが、いずれも今回の世界遺産指定の北海道・北東北の遺跡からはあまり見かけないですけどね。 -
茅葺の屋根はどうしてもこうなります。
竪穴というのは盾のような形をした浅い穴のことだと昔学校で習ったような気がしましたが、今調べてみると横穴に対して縦に掘り下げているものを指すらしい。
気のせいだったのかな。
そこに屋根をストンと乗せた形。
テントも最近はハウス形より三角テントが流行っているから、こういう形なのは単なる好みの問題かも。
でもこれは、かなり断熱性が高いと思います。 -
結構しっかりした家で、なかなか快適だったんじゃないかな。
この照明はもちろん、現代の文明の力でともっています。
茅葺の維持のためと思いますが、火を焚いた気配が残っています。
おそらく、毎朝火を起こしているのでしょう。
アイヌのチセも、かなりいぶされています。
本州の何百年も続くかやぶき農家は、家が続く限り一時も灯を絶やしてはいけませんでした。
うっかり消えちゃうとさあ大変。
お嫁さんは姑さんに気づかれないようにそっと家を抜け出して、こっそり隣の家の勝手口にもらい火に行ったそうです。 -
宗教的な部分。
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シカの頭に何を感じたのでしょう。
室内が暗いのは、ガラスと電灯が一般的になるまでいつの時代も一緒と思います。
家で本を読むのでもない限り、菜種の油か何かでちょこっと灯っていれば十分でしょう。
人間が長期にわたって定住し続ければ、何らかの農耕や牧畜が始まって人口が増加し、それなりにインフラが整ってゆくものと思っていました。
もしくは、その逆のパターン。
こんな状態で何百年だか何千年だか続いたのは、強力な権力も登場しなかったということでしょうか。
不思議と言えばフシギ。
向上心に欠けるといえばそうですが、代わりにほとんど戦いがなかったというの本当ならがすごい!
暴力による死者数は1,8%くらいで、他の時代と比べて5分の1だったという研究結果もあります。 -
丘の上にはどこまでも続くかに見える貝塚。
この写真ではほとんどわかりませんが、ずっと向こうに雌鹿がこっちをじっと見ています。
やがて、すごい勢いで右手の方に走って行ってしまいました。
あの走り方は、縄文人と思われたかもしれません。 -
発見された貝塚は全部で5か所。
ここはそのうち最も古いもので、ハマグリの貝殻も含まれているようです。
つまり、その頃はあったかかったんですね。
ホッキでなくハマグリか。
私的にはハマグリに軍配。 -
下の沢の方に下ってきました。
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丸木橋を渡ります。
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この河原には、いろいろな石の道具などが奉納?されていたそうで、供養のような儀式が行われていたのではと書かれていました。
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こんな感じです。
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草原を情報センターの方に歩くと、途中の森にこのような散策路が設けられています。
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ここが情報センター、博物館のようになっています。
ここまで、一切お金は取られません。
博物館も無料。 -
入ってすぐに、当時のこの辺りの様子が示されています。
内部に、その時代を再現した絵が幾点か展示されていますが、なかなかいい絵です。 -
小ぢんまりしていますが、興味深い展示物の数々。
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発掘された地層の再現。
ホタテなど、今の北海道の産物ですね。 -
ホタテ、ウニ、カキに混じってイガイが入っている。
まあ、ムール貝ですね。
結構グルメな生活をしていたんですね。 -
縄文人は、骨の形からアイヌ民族とのつながりが指摘されているようです。
DNA的には沖縄の方たちとアイヌの方たちはルーツが一緒のようです。 -
いわゆるヤマト民族は、大陸系ですよね。
なんといっても扁平な顔がそうです。
縄文の血が混ざったおかげなのか、堀の深い人たちも時折見かけます。 -
縄文土器と弥生土器は民族的に別次元というくらい、すごい違うと思ってましたが、ここのはおとなしめ。
やはり火焔土器みたいのはありませんね。 -
10㎝くらいの小さな土偶。
やはり、おとなしめのデザイン。
遮光土器だの仮面土器だの、興行的にはこの地域、もっと芸術が花開いてたらよかったと思うのですが……。
私も子供の頃、水たまりの縁の粘土でいろんなものを作りました。
まあ、縄文人とはいえ地域差はあるでしょう。
そういう装飾性がキライ、という人たちもいるでしょう。 -
でも、実用品への装飾は余念がない。
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装飾品や食器が、オーパな素材で作られているので、本州などとの交流があった。
旅好きの人がいたのか、何かの使命を帯びて渡っていったのか。
地域の交流というやつですね。
先史時代の歴史について読んだときに、いつも疑問に思うのは、千年単位とか一万年とか、そのスパンがやたら長いということです。
人間自体は縄文人だろうと、石器人だろうと、今とそんなに変わっていないと思います。
人間は、そんなに長きにわたって文明を獲得することなく、ある意味停滞した生活を続けるものだろうか。
頭のいいやつ、野心的なやつが必ずどこかに現れて、人々の生活が一変するというのが人間ではないだろうか。 -
知識がない分、妄想が限りなく膨らむ。
いろいろ書いていますが、学術的知識が豊富な人が万一このブログを覗いたらボコボコにされますね。
そうなりませんように。
ただの妄想癖のある旅人ですので……
たぶん大丈夫です、こんな地味な旅行記ほとんど見られないでしょう。 -
粉にすると、レシピが広がる。
みんなせっせと粉にしたのでしょうか。
乾燥させて粉にする、という感じなのかな。
性懲りもなく妄想する。 -
米が採れないから木の実とか……、魚とかも魚粉にしたのかな。
生魚をつみれ的なものにしても良いですね。
体験できるコーナーがあったので、この取っ手の部分を握って動かしてみましたが、けっこう力がいる。
冬場はすることもないから、夏の間にためた食料をすりおろしては土鍋で煮炊きして食べたんだろうな。
どんなことをおしゃべりしていたのだろうか。
人間、つまらないことなら何時間でも何日でもしゃべってられますからね。
しゃべっていると、だんだん話がうまくなる。
架空の物語を面白おかしくしゃべる人が出てくる。
大変なこともあるけど、けっこう楽しく暮らしていたのかな。
未開とか言われ、今でも似たような生活をしている人たちもいる。
不便じゃないかとか、病気になったら困るだろうとか、もっとうまいもの食べたいと思わないのかだとか言うのは上から目線、ほんとに余計なお世話でしょう。
縄文人の生活に思いを馳せながら、そんなふうに思いました。
かといって文明に浸かってしまった自分、それを捨てて生活するのは剣呑です。
まあ、ずいぶん余計なものを背負い込んでいるような気がしました。
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