足立美術館に唐犬図を訪ねる旅

2023/05/12 - 2023/05/13

京都の哲学の道を歩くと日本画家の橋本関雪の旧宅である白沙村荘の近くを通る。橋本関雪はかなりの愛犬家だったようで、グレートデンと一緒の写真が残っていたり、代表作の一つに「唐犬図」というボルゾイとグレイハウンドを描いた絵がある。この「唐犬図」は実は二つあって、一つは大阪市立美術館に、もう一つは足立美術館が所蔵している。大阪市立美術館は常展ではないが、2016年11月8日から12月4日まで開館80周年記念の「壺中之展」が開催され、この「唐犬図」が大阪市立美術館のコレクション第一号だったので展示され、その時に見に行くことができた。
我が家にも大型犬がいたので、もう一つの「唐犬図」を見に行こうとコロナ明けを捉えて、足立美術館に行くことにした。
帰りには松江城に寄って行こうと思ったが、妻が膝が悪くて天守に登れないので、船で堀川めぐりをしようと思っていた。ところが、あいにくの雨だったので、松江市立松江歴史館を訪ねることにした。(堀川めぐりの船を現地で見たら、雨でも屋形船のようなテントの屋根が設えてあった。）

エリア 安来・鷺の湯温泉(島根)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 3.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

2023年5月12日(金)10時ころに自宅発、13時40分最初の目的地の「そば処まつうら」に到着。店舗すぐ横に5台、離れて30台以上の駐車場があるが、店舗すぐの場所から車が出そうだったので、待ってそこに入れた。

そば処 まつうら グルメ・レストラン

店舗入り口の向かい側には広い待合室があり、広い駐車場と合わせてこの店舗が人気店であることが良くわかる。

そば処 まつうら グルメ・レストラン

店舗横、大きなガラス窓の向こうに綺麗な池が設えてあり、驚くほど大きな錦鯉が沢山、ゆったりと泳いでいる。下賤の身としては、総額お幾ら？と勘繰ってしまう。

そば処 まつうら グルメ・レストラン

出雲名物の釜揚げ蕎麦を頂いた。釜揚げ蕎麦は蕎麦を茹で汁ごと戴く豪快な食べ方で蕎麦湯も一緒に楽しめる。ざるで蕎麦の先にだけ出汁を付けて通ぶっているのが笑えるくらい豪快で、大好きだ。同じく出雲名物割子そばと、天ぷら盛合せ大も分けて食べた。妻と息子は蕎麦屋にも拘らず、うどんも美味しいとクチコミにあったので、冷たいうどんを頂いた。妻から一口貰ったら、少し平たいが、腰のある美味しいうどんだった。

そば処 まつうら グルメ・レストラン

14時半、足立美術館に到着。順路に従ってまず庭園美を楽しむ。新緑が目に美しい。

足立美術館庭園 公園・植物園

庭園の四季の写真が飾ってあったが、秋の紅葉も実に美しいようだ。冬の雪景色も素晴らしいが、交通が問題だ。今は丁度ツツジが咲くころだが、ここの庭園には意外とツツジも含めて花が少ない。

足立美術館庭園 公園・植物園

ミュージアムショップでお目当ての「唐犬図」の絵葉書一枚120円を購入した。足立美術館の展示では、横山大観や北大路魯山人のコレクションなど素晴らしかったが、最後まで見終わっても「唐犬図」がなかった。出口で絵葉書を見せて「すみません、この絵はどこにありますか？」と聞いたら、常展ではありません、との返答だった。常展だとばかり思ってきたので、残念だった。16時半、美術館を後にした。

足立美術館 美術館・博物館

17時、中海にある大根島の寿物産の前に来た。この辺りからダイハツのテレビCMで有名になった江島大橋、通称「べた踏み坂」が良く見えるという。寿物産の前の土手に上がってみたら遠くに江島大橋が見えた。通常のカメラで写真を撮るとこのようにどこにあるのかわからないくらい小さく見える(赤矢印の下)

江島大橋 名所・史跡

スマホカメラで最大限にズームアップして撮影してみた。赤矢印の下に江島大橋が見えている。望遠で撮影すると確かにすごい坂道に見える。橋の最頂部が奥の山の稜線と重なって見えている。もっと上等な望遠カメラを持っていくべきだった。
この後、実際に江島大橋を通ったが、実は傾斜角はたったの6.1％しかなく、アクセルをそれほど踏まなくても楽々上がっていける。大阪の国道308号線の最大傾斜角41％には比べるべくもない。そもそも普段何気なく通っている大阪の「なみはや大橋」は傾斜6.9％で江島大橋より傾斜がきついのだ。ここは他に建物がなくて見通しがいいのでとんでもない傾斜に見えるだけの話。

江島大橋 名所・史跡

かなり精度の高いズームが可能なビデオカメラの動画から切り取った画像がこちら。ダイハツのCMは随分と良いカメラを使っているようだ。これくらい望遠で見るととんでもない急坂に見える。

江島大橋 名所・史跡

江島大橋を渡って水木しげるロードをゆっくり走って車中観光した後、境水道大橋を渡って、18時頃美保関灯台までやってきた。高校生の時に来て以来久しぶりだ。美保関灯台まで行く間に「関の五本松」跡もある。昔大きな松の木が五本あって目印になったそうで、それを殿さまが一本切ってしまったので、民謡になったというところだ。

美保関灯台 名所・史跡

美保関灯台の駐車場から南側を展望したら、遠くに大山が見えた。この角度では幅が狭く見える。来る途中の伯耆町あたりから見ると横長の山峰が見えて、まだ雪があるのか？白く見えていた。今では危険なので立ち入り禁止になっているが、40年ほど前にこの縦走路を踏破したことがある。欧州から飛行機で帰ってきても、この辺りから列島上空に入ることが多く、空から見ても大山は美しい山で、毎回故国に帰ってきた感動を味わえる。

大山(伯耆富士) 自然・景勝地

今夜の宿泊は、ファミリーロッジ旅籠屋境港店だ。真向かいにドラッグストアのダイレックス境港店があったので、飲み物やお菓子などを購入してからファミリーロッジに行った。

ダイレックス境港店の左横奥に境水道大橋が見える。下から見るととんでもなく高い所に掛けられている。やはりここの水道は大きな船が出入りするのだろう。

境水道大橋 名所・史跡

18時半、ファミリーロッジ旅籠屋境港店に到着。最近ではペット同伴可のホテル旅館も増えてきたが、それでも小型犬だけで、大型犬の同宿は難しい。その点、このファミリーロッジは大型犬も人間と同じ料金で同宿可能なので、我が家に大型犬がいた頃は良く利用させてもらった。犬がいなくても、モーテル形式で駐車場から歩く距離が短く、朝軽食もついていてリーズナブルな宿舎だ。

ファミリーロッジ旅籠屋 境港店 宿・ホテル

通常はクイーンベッド2台だが、3人で止まるのにエキストラベッドを1台入れてもらった。追加料金1000円が必要。どのベッドもかなり硬くて寝やすい。よくホテルのレポートで「ベッドがふかふかです」と言うのがあるが、何がいいのかわからない。柔らかいベッドは腰が落ちて辛くなるので嫌いだ。これくらい硬いほうが楽に練られる。

ファミリーロッジ旅籠屋 境港店 宿・ホテル

夕食は近くのレストランと迷ったが、やはり日本海の美味しいお寿司を食べようと、回転すし北海道皆生店までやってきた。旅籠屋から25分くらいかかり19時前に到着したが、EPARKで予約してから行ったので、あまり待たずに済んだ。ただ、注文方式を見ると、メニューの黒い文字は回転しているものから取り、青文字は注文しろという。小さなメニューではどれが黒か青か分かりにくかったし、黒でも回っていないものは注文しろというのでややこしい。

それに最初はどの皿がどの値段か分からず、テーブルについて数分は何も食べられなかった。大きなメニューを見てようやくどれが青文字か、また皿の模様と値段の関係もようやく理解できて食べ始めることができた。良く行く回転寿しより、一つ一つの値段は少し高めだが、ネタが大きいのでお得感はある。3人で27皿たべてお腹いっぱいになった。普通の回転寿しなら物足りない枚数だろう。お会計は7300円ほどで、ネタの大きさと美味しさの満足感からすれば十分よいコスパだった。

回転すし北海道 皆生店 グルメ・レストラン

2023年5月13日(土)朝8時前、ファミリーロッジ旅籠屋の無料朝食を頂いた。口コミでもクロワッサンが美味しいとあった。レーズンパンと白いパンも中にマーガリンが沢山入っていた。オレンジジュースも美味しかった。

ファミリーロッジ旅籠屋 境港店 宿・ホテル

松江では、妻の膝が悪いので松江城天守に登ることは諦めていた。堀川巡りをしようと考えていたが、雨だったのでやめた(後で船を見たら屋根があった)。お城の前にある松江市立松江歴史館に行った。城の落成は1611年というから関ケ原以後にできた比較的新しい城だ。築城の経緯や、木組みの模型等、詳しく展示されている。11時ころに蕎麦屋が混む前に行こうと思ったら、出口のところで「松江城VR体験」を勧められた。城に登れない妻に体験してもらった。地下にある井戸の中をのぞき込んだり、天守から下を見たりできて面白かった。しかも無料だった。

松江歴史館 美術館・博物館

松江歴史館から真正面の松江城を見た。写真に撮ってみると、どこにあるのかわからないくらい小さな城だ。普段大きな大阪城を見慣れているので、とても小さいなと思ってしまう。勿論、400年以上前のまんまの国宝だから、鉄筋コンクリ―ト製でエレベータ付きの大阪城よりも歴史的価値はこちらがはるかに大きい。

松江城 名所・史跡

11時35分、お昼は混雑するそうなので早めに「神代そば」にやってきた。最初駐車場が満車で、隣の空き地に車を停めて、1台が帰るまで数分待った。そして店舗に行くと店舗内に5名ほど待っていて、店外にも二名一組が待っていた。11時45分頃店内に入れて座って待つ。ガラス張りの蕎麦打ち室があって、綺麗な蕎麦が打たれていくので見ていて飽きない。

手打 神代そば グルメ・レストラン

11時50分席に案内された。出雲名物の釜揚げ蕎麦を一人一つずつと、具が多い三彩割子そばを一つ、具の少ない割子そばを一つ注文した。テーブルが狭いので一度に持ってこれず、釜揚げを先にお願いした。後で割子そばを一人二枚ずつ分けていただいた。腰のある美味しい蕎麦だが十割の割にはプツプツ切れたりせず、滑らかに頂いた。流石に人気店だけあったとっても美味しかった。

手打 神代そば グルメ・レストラン

12時40分、最後に島根県物産観光館に立ち寄り、御土産に自宅用も含めて出雲そばを購入した。観光館の少し東側に無料駐車場があり、私たちが着いた時には幸運にも1台だけ空きがあった。

島根県物産観光館 お土産屋・直売所・特産品

2023年5月14日(日)昼食に早速島根県物産観光館で購入したお土産の出雲そばを釜揚げで頂いた。勿論美味しいのだが、原材料目の「めん」を見ると「小麦粉」が最初にあって、二番目に「そば粉」とある。流石に昨日「神代そば」の超美味しい十割蕎麦を頂いたばかりなので、その差は歴然だった。