2023/03/03 - 2023/03/04
215位(同エリア374件中)
タブラオさん
金曜日に午後休を取って、一人で群馬県の霧積温泉金湯館に泊まってきました。
霧積温泉金湯館は、愛読書である「日本百ひな泉」で第7位の温泉ですので、その存在は以前から知っていましたが、硫黄泉でないため宿泊候補先からはずっと外れていました。ところが、硫黄泉の温泉も行けるところはほぼ行き尽くし、次の行き先にいよいよ困り始めていたところ、ふと比較的アクセスが良くて、「日本百ひな泉」でも一桁順位の霧積温泉が思い浮かび、早速行ってみることにしました。
で、どうだったかというと、霧積温泉金湯館は想像以上の秘湯でした。横川駅からすぐなのかと思っていましたが、大間違いでした。対向車が全く来ないような細い山道を永遠と走ること30分。正にポツンと一軒家の秘湯宿でした。時代から取り残されたその佇まいは、昭和以前の時代から、時間が止まったままのようでした。「日本百ひな泉」で第7位の順位は伊達でなく、正に鄙びた感満点の旅館でした。周りには何もなく、お風呂に入る位しかすることはありませんが、そのお風呂も期待以上でした。余り期待せずに行きましたが、翌日には旧富岡製糸場にも寄ることが出来、大満足の一泊旅行となりました。
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この日は午後休を取り、家には戻らず、会社からそのまま群馬県に向かいました。送迎時間が決まっていて、横川駅に13時57分に到着する必要があったため、大宮から新幹線に乗りました。
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高崎で信越本線に乗り換え、横川に向かいました。高崎駅で降りたのは、何気に初めてでした。
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横川駅で宿の人が待っていてくれて、旅館まで送迎して貰いました。横川駅も初めてでしたが、峠のかま飯屋があったくらいで他に何もありませんでした。
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横川駅からすぐだろうと思っていたら、スレ違う車もないような狭い道をひたすら上って行きました。30分以上走ってようやく着きましたが、想像以上に人里離れたところにありました。上の写真の通り、途中からは一般車両進入禁止の金湯館専用の私道を走りました。
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14時40分頃に到着しました。横川駅の標高は400m弱で、金湯館は約1,200mなのだそうです。そのため、雪もところどころに残っていました。写真は、車を降りてすぐに金湯館を撮ったものです。
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この階段をワクワクしながら、下に降りて行きました。
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旅館の写真は事前に見ていましたので、もちろんイメージはありましたが、四万温泉の積善館に何となく似ているため、温泉街の中にある旅館だと勝手に思っていました。想像していたイメージとかなり違っていて正直驚きました。
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違う角度から撮ったものです。写真を撮りすぎてなかなかチェックインできませんでした。
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「霧積温泉 金湯館」
私の愛読書である「日本百ひな泉」で第7位の温泉です。この赤い橋の欄干が「線と千尋」を彷彿させ、ここだけ見ると文化とか歴史を感じさせます。実際に、ここで明治憲法の草案が検討されたり、有名な小説の舞台となったりしていますので、とても由緒ある旅館なのですが、立地だけで言うと、どちらかというと山小屋にでも来たような感覚でした。 -
金湯館の正面入口です。
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金湯館の受付です。この雑然としたところが、逆に味があって私は好きです。昭和の匂いがプンプンしていました。
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受付からお風呂&離れの部屋に繋がる通路に向かったところです。「自然を守る」の習字はここの旅館のお子さんが書いたもののようです。
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「いずみ」という離れの部屋に案内されました。お風呂から近かったため、助かりました。お部屋の入口ドアのガラス部分に「泉 いずみ」とマジックで書かれていましたが、この飾らないところに、ひなびた温泉心を擽られました。チェックインの時には鍵は渡されませんでしたが、鍵はないのかと思い、後から受付に聞きに行ったら貰えました。細かいことは気にしてはいけません。
後になって知りましたが、伊藤博文らが明治憲法の草案を練った部屋もあるのだそうです。今も泊まれるのかどうか確認しませんでしたが、知っていたらリクエストを出していたのにと少し悔やまれました。 -
1泊2食+翌日のおにがり弁当付きの一人泊で14,960円(税込)でした。おにぎり弁当は660円のようですので、普通に1泊2食付きだと14,300円だと思います。これに旅行支援の割引が2,992円、クーポンが2,000円分付きましたので、実質的に9,968円でした。
部屋は12畳位だったと思います。トイレなしですので、旅行支援がないとちょっと割高な気もしますが、ここでしか得られないものもありますので、充分に満足です。 -
ファンヒーターがありましたが、部屋が広めであったため、室内は少し寒かったです。そのため、もっぱら炬燵の中に入っていました。そして布団の中には右下の写真のこれが入っていました。何と言うか忘れてしまいましたが、久しぶりに見た気がします。
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トイレは建物から出る必要があるため、寒いです。うちの相方は絶対にNGです。洗面所はトイレの横でした。蛇口を捻ると源泉が出ますので、温かくて良いです。ちなみに飲泉も出来ますが、出汁が少し利いていてなかなか良いお味でした。
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一休みした後、館内を探検してみました。増築を重ねているためか、色んな時代の建物が通路や階段で繋がっていました。この日は宿泊者は二人だけでしたが、もう一人の方は全く反対側の棟の部屋でした。この階段を上っていくと、隣の棟に繋がっていますが、中は迷路のようでした。
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全ての部屋が宿泊可ではないと思いますが、かなりの部屋数がありました。
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金湯館は森村誠一ゆかりの旅館です。森村誠一の推理小説「人間の証明」は金湯館が舞台となっているのだそうです。Wikipediaによると、大学生の頃、金湯館に宿泊した森村誠一はハイキングに出掛け、山の頂きで宿のお弁当の包み紙に刷られていた、西条八十の“帽子”の詩が目に留まり、それにヒントを得て、昭和50年代の初めに大ヒットした“人間の証明”を世に出すに至ったのだそうです。ということで、館内には「人間の証明」の文庫本も売られていました。
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暗くなる前に近辺を散策してみました。散策と言っても、道しかありませんでしたが…
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車道から逸れて、山の小道を少し歩いてみましたが、風の音しかせず、静寂そのものでした。猿やカモシカも普通に見られるそうです。軽井沢に繋がるハイキングコースもあるようです。
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少し離れたところから、金湯館を撮ったものです。Wikipediaによれば、かつては温泉地・避暑地として旅館4軒、別荘が20-30軒存在していたが、1896年と1910年に発生した山津波で壊滅的な被害を受け、難を逃れた金湯館のみが残ったのだそうです。正に秘境にポツリと建つ一軒宿といった風情でした。
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この日は天気も良く、日中は寒さは全く感じませんでしたが、旅館前の川沿いには、この通り、氷の塊がまだ残っていました。
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硫黄泉でないため、全く期待していませんでしたが、なかなかいいお湯でした。内風呂だけしかないのは少し寂しいですが、この日の宿泊者は2人だけでしたので、窓を開け放って好きなように使いました。
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お湯は40度程度の温湯のため、いつまででも入っていられます。無色透明ですが、若干硫黄臭のようなものが感じられました。口に含んでみると、ほんのり出汁の効いたいいお味でした。特筆すべきは炭酸泉であることです。それほど強い炭酸泉ではありませんが、湯口の近くにいると、細かい水泡が目でも確認できました。暫くすると左の写真のように身体に細かい泡が付着しました。
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この通り、シャワーもありませんてした。お風呂のお湯で洗髪したのは久しぶりでした。
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夕食は部屋食でした。こたつの上で食べましたが、何だかいい感じでした。
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地のものが中心でした。魚は鮎だったと思います。
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そして名物の野菜の天ぷら。豪華というか、何から何まで野菜を天ぷらにしてありました。ネギの天ぷらが大量に入っていましたが、流石に閉口しました。
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とっても具だくさんな豚汁。と思ったら、中に大量のうどんが入っていました。これだけでもお腹が一杯になりそうでした。
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翌日の朝食もこたつの上で食べました。漬物の盛り合わせが結構美味しくて、ご飯を全部食べてしまいました。
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「日本百ひな泉」にウワサのおにぎり弁当が食べられると書いてあったため、予約時におにぎり弁当が欲しいと伝えたら、おにぎり弁当付きの宿泊プランもある言われました! 朝御飯と一緒におにぎり弁当も持ってきてもらいました。学生時代の森村誠一におにぎりを握ったという、大女将もまだご健在ですが、このおにぎりは大女将が握ったおにぎりなのかな? 箸の袋には、「母さん僕のあの帽子どんしたんでせうね」の西条八十の“帽子”の詩が書かれていました。
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10時00分にチェックアウトした後、また横川駅まで送迎して貰いました。横川駅から高崎駅までJRで移動し、高崎駅から富岡製糸場がある上州富岡まで上信電鉄を使いました。往復乗車券と富岡製糸場の入場券がセットの割引乗車券が売られていたため、購入しましたが、往復乗車券1,620円+入場料1,000円がセットで2,200円でしたので、とてもお得でした。
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上州富岡駅のベンチでおにぎり弁当を食べました。写真ではサイズ感がわかりませんが、このおにぎりは特大サイズでした。
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「旧富岡製糸場」
上州富岡駅から歩いて10分ちょっとでした。まだ最近だと思っていましたが、世界遺産に登録されてからもう9年になるんですね! -
特に目的もなく、近くに来たから寄ってみようくらいの気持ちで訪れましたが、結構楽しめました。150年前の工場がそのまま残っているのは正に奇跡だと思いました。
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見学していて、一番ワクワクしたのが工場内です。これが一斉に動いているところを見たら感動するだろうな!
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途中で見つけたお土産屋で「お蚕さまチョコレート」をお買い上げしました。お土産に買っていきましたが、やはり喜ばれませんでした。
帰りはケチって、高崎から在来線を乗り継いで帰京しました。
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