極寒の北海道で鉄道旅

2023/01/17 - 2023/01/19

北海道へ行くのはいつも気候のいい時期で、爽やかな夏の景色に癒されていましたが、冬の北海道はどのようなものか経験してみたくて殆ど思いつきで予約をしました。

どうせ行くなら大寒の頃、ウインタースポーツをするでもなく、レンタカーでの移動は不安が大きく観光もままならないだろうから、鉄道を利用して北海道の雪景色を堪能する計画です。

とは言え、せっかく北海道まで行くのだからと、いつものように事前の調査をもとに尋ねる町々での訪問先を決め分単位での行動計画を立てました。しかし、慣れない雪道での徒歩移動に予想以上の時間をとられ、鉄道ダイヤは乱れがち、予定した半分も回れず時間調整の待ち時間が多い旅となりました。

しかし、列車の中は温かく快適で、車窓から眺める雪の大平原や遠くの山々、雪あかりの街並みは非常に美しく、思い出の残る旅となりました。

エリア 旭川(北海道)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: ANAグループ JR特急
• 旅行の手配内容: 個別手配

旅の起点は旭川で前日に入りました。旭川の歩道はロードヒーティングで歩きやすいのですが、クルマの走る道路は凍結しており、横断歩道は気をつけなければなりません。案の定大きな交差点で衆目の中派手に転倒してしまい、以後雪道ではよちよち歩きとなりました。

旭川駅 駅

旭川を9時発の特急ライラック14号で滝川駅に到着しました。ここで根室本線富良野行普通列車に乗り換えです。富良野へは旭川から富良野線を利用するのが一般的ですが、敢えて本数の少ない根室本線に乗ってみました。

滝川駅 駅

雪化粧の山や原野、所々の町を通過して富良野駅に到着です。当日の天気予報はくもり時々雪でしたが、この時は晴れており大雪山を見ることができるのでは、と期待が膨らみます。

富良野駅 駅

富良野駅横にある「ふらのバス」旅行センターでショートトリップバスセット券を購入、ラベンダー号で新富良野プリンスホテルに向かい、ホテルでの昼食やニングルテラスで買い物をしながら過ごそうと思います。

ふらのバス 乗り物

新富良野プリンスホテルから富良野・美瑛方面の眺めです。この後天気は急変し吹雪となりました。スキー場に隣接するホテルは外国人スキー客で混雑していました。

新富良野プリンスホテル 宿・ホテル

新富良野プリンスホテルを早めに切り上げ、富良野駅近くの喫茶店で時間調整をすることにしました。そこのマスターが「人形を見に来たのか？」と聞くので何のことか分からず、問い質してみると、どうやらこの喫茶店は「北の国から」の撮影時に田中邦衛がよく訪れていたらしく、彼が亡くなってから、いわば聖地としてファンが多く来ているとのこと。

喫茶我夢舎楽 グルメ・レストラン

どうりで山小屋風の店内にはファンと見られる写真が壁一面に貼られており、気さくな感じのマスターは高齢ながら話好きで居心地のいい喫茶店でした。

喫茶我夢舎楽 グルメ・レストラン

富良野を15時42分発の富良野線旭川行普通列車に乗って美瑛駅に16時22分に到着しました。さすがの北海道観光で人気の高い美瑛もこの時期、この時間では観光客は殆どおらず、列車は帰宅の高校生ばかりでした。
きれいに区画整理された駅前は雪明りでより幻想的な風景となり、車窓から見る丘もシミひとつない雪原に特徴的な木が印象的でした。

美瑛駅 駅

旭川に帰ると夕食のため成吉思汗大黒屋へ向かいました。ネットで調べると、100席もあると思える店内にもかかわらず行列必至で、店舗とは別に待合のための建物があるようです。最初の客の入れ替え時間に当たったのか幸い待ち時間はそれほどなく、早めに食事にありつけました。
噂どおり肉は柔らかくジューシーで全く臭みはありません。大満足の夕食となりました。

成吉思汗 大黒屋 グルメ・レストラン

一日目、二日目とも宿泊は星野リゾートOMO7旭川です。スタジオルームというベッドレイアウトの変わった部屋でしたが、外は極寒、温かい部屋でまったりと過ごすには居心地の良いゲストルームでした。
ホテルは高級感があり、スキー客と思われる外国人が多く利用していました。朝食も地元食材を使った多彩な料理が並べられ、スタッフの対応も非常に好感の持てるものでした。

OMO7旭川 by 星野リゾート 宿・ホテル

翌日は晴れ。この日は宗谷本線で稚内まで行き、日本最北端の宗谷岬を目指します。その後稚内空港から新千歳空港で乗り継いで広島まで帰る予定です。
旭川から稚内まで特急で3時間40分、稚内駅から宗谷岬までバスで約50分。本数の少ないバスで稚内駅まで帰ると空港ターミナル行きバスに間に合わないので、途中のバス停で乗り替えるというウルトラC級の技を使って、計画を立てました。
もし特急が遅れれば宗谷岬は諦めるとして、そもそも飛行機が飛ばなければ…　取り敢えず旭川は晴れているので安心しましたが、北海道は広いので稚内がどうなのかはわかりません。これが冬の北海道の怖いところでもあり醍醐味でもあります。

OMO7旭川 by 星野リゾート 宿・ホテル

この日の旭川の気温はマイナス12度、列車のドアが凍り付いて開かないなどのトラブルが続出しているようです。
旭川を9時発の特急宗谷の自由席に並ぶため30分前にホームに到着しましたが、マスクの中は自分の息が結露してびしょびしょ、初めての経験です。

旭川駅 駅

特急宗谷は約5分遅れで旭川駅に入ってきました。無事自由席にも座れてやっと落ち着きました。
ゆったりした席の車内は温かく快適です。北海道らしい広大な景色の中を列車は雪煙をあげながら快走します。

途中、名寄、美深、音威子府といった駅に停車しながら快調に飛ばします。途中下車したくても一旦下りたら最後、今日中に帰れません。やむを得ず車窓から写真を撮ります。これは天塩中川駅、雰囲気のある駅です。
途中天塩川沿いに列車は進みますが、天塩川は完全に凍り、雪のため水面は見えません。

天塩中川駅 駅

特急宗谷は10分遅れで日本最北端の駅、稚内駅に到着しました。案外観光客も多く、最北端駅の表示看板の前では写真撮影の列ができていました。

稚内駅 駅

稚内駅からは中頓別行き路線バスで宗谷岬に向かいます。凍った道を宗谷バスは快調に飛ばし時間どおりに宗谷岬バス停に到着しました。ここでもバスの中扉が凍り付き乗り降りは運転手側の前ドアで行われていました。

宗谷バス 乗り物

今回の最終目的地宗谷岬到着です。観光客もいましたが、さすがにこの時期たくさんある土産物屋や食堂は殆ど閉まっており、寒さもあって寂しい状況でした。

宗谷岬 自然・景勝地

この後バスを乗り継いで稚内空港に到着、無事札幌行きANA4844便に乗ることができました。
宗谷岬から帰る途中凍結した海を初めて見ました。