2022/07/03 - 2022/07/03
91位(同エリア982件中)
かっちんさん
小豆島は400年の歴史を持つ醤油の日本4大産地のひとつです。
かつて大坂城築城のために小豆島へ採石に訪れた大名たちが、調味料として紀州・湯浅で造られた醤(ひしお)を持参したことから、湯浅に学び、醤油造りが始まりました。
小豆島では古来より塩づくりが盛んであったことに加え、海上交通の要衝として大豆や小麦が集まったことなどから醤油造りが発展していきました。
明治の最盛期には約400軒の醤油醸造所がありました。
小豆島町南東部の「醤の郷(ひしおのさと)」には、明治時代に建てられた醤油工場やもろみ蔵が並び、今も現役で活躍しています。
「醤」とは塩を加えて発酵させた塩蔵品の総称のことで、米や豆を発酵させた「穀醤(こくびしお)」が醤油の原型といわれています。
この旅行記では「岬の分教場」を最初に見学し、路線バスで「ベイリゾートホテル前」へ移動し、ここから「醤の郷」を歩きはじめます。
散策コースは整備されており、「醤油蔵通り散策路」、「マルキン醤油記念館」、「苗羽(のうま)散策路」の順に歩きます。
小腹がすいたので、馬木地区の「モリクニベーカリー」に立ち寄ります。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・小豆島町商工会「醤の郷散策MAP」
・小豆島観光協会「岬の分教場」
・小豆島旅ナビ「タケサン記念館 小豆島佃煮の郷 一徳庵」
・タケサングループのHP
・京宝亭のHP
・左海醤油工業のHP
・マルキン醤油のHP
・文化遺産オンライン「左海醤油工業醤油蔵・水圧式蓄量機小屋・旧左海醤油醸造所醤油蔵」「マルキン醤油発酵蔵」「マルキン醤油第四号発酵蔵」「山吉醤油諸味蔵」
・「島宿真里」のHP
・森國酒造・モリクニベーカリーのHP
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
「醤の郷」周辺の地図
小豆島南東部「内海湾(うちのみわん)」沿いに、醤油工場が並ぶ「醤の郷(ひしおのさと)」があります。
田ノ浦半島の先端には「岬の分教場」と「二十四の瞳映画村」があります。 -
イチオシ
明治の木造校舎「岬の分教場」(田浦)
「岬の分教場」は、明治35年(1902)、田浦尋常小学校として建築された2教室と教員住宅を含む瓦葺平屋建校舎です。
明治43年(1910)からは苗羽(のうま)小学校分校として使用され、昭和46年(1971)廃校となりました。
入館料は350円。
ここは香川県小豆郡小豆島町田浦(たのうら)です。 -
「きり~つ!」(岬の分教場)
私たちが小学生だった頃の教室、木製の机・椅子などを思い出しますね。
ここは昭和29年、木下恵介監督、高峰秀子主演映画「二十四の瞳」のロケ地となりました。 -
黒板と教壇(岬の分教場)
そうそう、私の通った学校も、先生の机やオルガンなどがこんな配置でしたね。 -
板張りの漁師小屋(田浦)
「岬の分教場」のまわりは漁師の住む町です。 -
土庄行きの路線バス(田ノ浦バス停)
では、「田ノ浦映画村線」のバスに乗り、「醤の郷」へ向かいます。 -
オーシャンビューのホテル(バスの車窓)
バスは海沿いの道を走り、白亜の「ベイリゾートホテル小豆島」が見えてきます。 -
オリーブを飾る「ベイリゾートホテル小豆島」
「ベイリゾートホテル前」でバスを降ります。
ここから坂道を下ると苗羽(のうま)地区の「醤油蔵通り散策路」に入ります。 -
最初に「タケサン記念館」(醤油蔵通り)
正式には「小豆島佃煮の郷 一徳庵」。
初代の武部 吉次(たけべ よしじ)が、戦後、食べるものがなくなった時に、さつまいもの茎を醤油で炊き、佃煮を作りました。
これが小豆島の佃煮産業のはじまりです。
平成18年(2006)に創業から60年を迎えるにあたり、小豆島の醤油と佃煮の発展の軌跡を展示する記念館を開設しました。
「一徳庵」の名前は、武部 吉次の雅号「一徳(いっとく)」が由来。 -
「一徳庵」の館内
建物は、創業当時に佃煮工場として使われていた建物を改装したもの。
館内は醤油と佃煮の展示だけでなく、醤油、佃煮をはじめオリーブ関連製品等も販売。 -
「醤油商標」ポスター(一徳庵)
小豆島醤油の商標が16個あります。
左上から、マルキン醤油、金両、左海醤油工業、坂下醤油、島醸、正金醤油、小豆島醤油、高橋商店。
右上から、タケサン、五平醤油醸造元、金大醤油、丸島醤油、ヤマサン醤油、山善醤油、ヤマヒサ、ヤマロク醤油。
どの商標も会社名を想像できる個性あるデザインです。 -
名物「醤油ソフトクリーム」(一徳庵)
甘さの中に醤油の香りとコクがあります。 -
次に「京宝亭」(醤油蔵通り)
「京宝亭」は、地元で豊富に産出される美味しい「醤油」をふんだんに使い、全国各地の産物を炊いて「つくだに」を供しています。
店舗の建物は明治31年(1898)に建てられた「旧黒島伝九郎醤醸造所醤油蔵」(国の登録有形文化財)、佃煮の草成期から製造所として用いられてきた建物を使用しています。
商標は扇を基本としています。
ここには、業務用の佃煮からはじまった「宝食品」の歴史に触れるミュージアムと、佃煮や島の美味から工芸品までの販売処があります。 -
醤油醸造蔵が立ち並ぶ「醤油蔵通り」
-
商標「フンドウヤマサ」(醤油蔵通り)
商標のデザインは、原料を量るのに用いた「ハカリのフンドウ(分銅)の中に山にサ」。
昔ながらの醤油づくりを続けてきた創業安政4年(1857)の老舗「左海(さかい)醤油工業」の商標です。 -
左手前に「左海醤油工業の水圧式蓄量機小屋」(醤油蔵通り)
小屋の下部に、コンクリート製5段の井籠組を外周柱のガイドレールに沿って上下させる「蓄量機」が内部にあります。
これは諸味圧縮機の動力装置で、醤油醸造の近代化を物語る遺構のひとつで、国の登録有形文化財。 -
「左海醤油工業の醤油蔵」(醤油蔵通り)
明治期の土蔵造平屋建、瓦葺の建物。
道路に沿い17m長の醤油蔵で、国の登録有形文化財。 -
「旧左海醤油醸造所の醤油蔵」(醤油蔵通り)
明治期の土蔵造平屋建、瓦及びスレート葺の建物。
杉板縦張の外壁上部に連子窓を並べ、醤油蔵特有の外観で、国の登録有形文化財。 -
巨大な「醤油桶」(醤油蔵通り)
醤油桶(しょうゆ こが)は約百年前に造られた日本最大級規模を誇る「マルキン忠勇」の天然醸造蔵で使われていたもの。
この蔵に住み着いた天然酵母により、約1年間この桶の中で諸味(もろみ)を発酵熟成させ、味わい深い醤油ができました。
材質は杉材、大きさは直径2m・深さ約2m・容量30石(5.4kリットル)。 -
イチオシ
「小豆島の醤油蔵」の風景(醤油蔵通り)
「醤油桶」向かい側の高台から、「マルキン醤油」の壮大な醤油蔵が眺められます。 -
「マルキン醤油」の工場(醤油蔵通り)
「マルキン醤油」は明治40年(1907)創業。金刀毘羅宮の御紋章からいただいた〇印を商標として「丸金醤油」を設立。
明治41年(1908)京阪神で濃口醤油を発売し「高等醤油」として評判となり、その名は全国に広まります。
醤油ブランド4印(マルキン、キッコウマン、ヤマサ、ヒゲタ)の一つになっています。
平成12年(2000)に灘の老舗酒造会社「忠勇」と合併、商号を「マルキン忠勇」に変更し、現在に至っています。 -
「マルキン醤油記念館」(醤油蔵通り)
昭和62年(1987)、丸金醤油の創業80周年を記念して、大正初期に建てられた工場のひとつを記念館として改装開館しました。
国の有形文化財に登録された合掌造りの建物で、醤油造りの歴史と製造方法を紹介しています。
入館料は400円。お土産に醤油がもらえます。 -
「合掌造りの高い屋根」(マルキン醤油記念館)
これから記念館を見学します。 -
「醤油搾り袋」(マルキン醤油記念館)
薄汚れた手ぬぐいではありません。
熟したもろみから醤油を搾り出す作業で使う、もろみを入れる「醤油搾り袋」です。 -
何に使うの?「業務用ミシン」(マルキン醤油記念館)
もろみ圧搾では高圧をかけて搾るため、頑丈な麻で作った「醤油搾り袋」もよく破れました。
それを女工さん達がこのミシンを使用して繕っていました。
一見、足踏み式に見えますが、足を乗せるペダルは動力を伝えるクラッチを操作するもので、足下にあるシャフトの回転をミシンに伝えます。
ペダルの踏み具合で回転数を調整できます。
シャフトは、モーターの力で回転していて、1台のモーターで4台のミシンを動かす優れもの。 -
昔の「醤油しぼり機」(マルキン醤油記念館)
石のおもりを「てこ」の力にかえて、醤油を搾ります。 -
「亀口」(マルキン醤油記念館)
搾った醤油を受ける「亀口」。
確かに亀さんの細い口に似ていますね。 -
機械化された「醤油しぼり機」(マルキン醤油記念館)
大正時代以後、しぼり機は機械化されました。
水圧機は、プランジャーポンプを使って水を送り、ピストンやシリンダーを上下させ、大きな力を生み出して、もろみを搾りました。
(パスカルの原理) -
醤油をととのえる「火入釜」(マルキン醤油記念館)
圧縮機で搾られた生醤油は、火入釜で熱せられます。
火入は、酵母やこうじ菌の働きをとめ、色、味、香りをととのえる大切な工程。
火入加減は最も難しい作業のひとつで、美味しい醤油を作る重要なポイントです。 -
「大きな木桶(こが)」(マルキン醤油記念館)
-
「こうじ室」の構造(マルキン醤油記念館)
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「むしろ棚」(マルキン醤油記念館)
むしろの上にこうじを広げ、こうじを育てます。 -
マルキン醤油の販売道具(マルキン醤油記念館)
醤油樽に、提灯、銘板など。 -
イチオシ
工場敷地内の風景(マルキン醤油記念館)
記念館の外に出ると工場の建屋が並んでいます。
通路の先は醤油を積み出した内海湾です。 -
工場の備品展示(マルキン醤油記念館)
研究用ガラス管、巡回記録計、輸出用INVOICE、アメリカUNDERWOOD社製英文タイプライター、SONY製テープレコーダーなどの展示。
別の建屋です。 -
マルキン製「しょうゆせんべい」(マルキン醤油記念館)
併設の物産館には醤油関連の商品が販売されています。 -
「醤油色したソフトクリーム」(マルキン醤油記念館)
ここでも「醤油ソフトクリーム」をいただきます。 -
イチオシ
整然と並ぶ「マルキン醤油発酵蔵」(苗羽散策路)
明治期の木造平屋、瓦葺の「醤油発酵蔵」が並び、国の登録有形文化財。
「醤油蔵通り」から横道に入る「苗羽(のうま)散策路」沿いに「醤油発酵蔵」が続きます。 -
「板張りの大きな妻の建屋」(マルキン醤油発酵蔵)
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イチオシ
蔵の出入り口(マルキン醤油発酵蔵)
木枠の窓と引き戸の入口を灯す「裸電球」は、長年の歴史を感じる風情です。 -
イチオシ
「小豆島の醤油蔵」(マルキン醤油発酵蔵)
焼杉を使った縦板張りの腰壁、その上に白漆喰塗りと高窓、瓦屋根に煙出しが飛び出ており、醤油蔵の特徴をあらわしています。 -
重厚な黒い妻面(マルキン醤油発酵蔵)
醤油蔵の一番奥(裏面)。 -
長大な建物「天然醸造蔵」(苗羽散策路)
「第4号天然醸造蔵」はマルキン醤油創業当時の明治40年(1907)に建てられた、築100年を超える歴史がある醤油蔵。
国の登録有形文化財です。
小豆島の温暖な気候の中、天然醸造蔵に住み着いた微生物により、約1年かけてじっくり四季を感じながら発酵熟成させるため、まろやかでコクのある味わいと芳醇な香りが漂う醤油が生まれます。 -
「蔵の中の匂いをかいでね」(天然醸造蔵)
スイッチを押すと小窓が開き、匂いをかげます。 -
自然環境の中で「発酵と熟成」(天然醸造蔵)
この蔵は人工的な加温や冷却を一切せず、自然な状態で発酵・熟成させて醤油をつくる蔵です。
毎年12月から1月にかけてもろみが蔵に入れられ、1年かけて発酵と熟成が行われます。
秋田杉を使用した30石(5,400リットル)の木桶(こが)が4列で153本並び、約100mの長さがあります。 -
「ブクブクブク・・・」(天然醸造蔵)
発酵しています。 -
真夏の「ひまわり」(苗羽散策路)
散策路を先に進むと民家が続きます。 -
石垣の上に佇む「醤油蔵」(苗羽散策路)
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「醤」の表札(苗羽散策路)
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「醤油蔵の道」(苗羽散策路)
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島宿「真里(まり)」(苗羽散策路)
古民家の民宿を引き継いだ小さな旅館。
一度泊まってみたいところです。 -
「碁石山」(苗羽散策路)
この先に小豆島霊場の第二番札所「碁石山」があります。
札所には寄らず、ここで左に曲がります、 -
「お堂」(苗羽散策路)
再び左に曲がり、苗羽地区をぐるっと一周して醤油蔵通りへ向かいます。
そして、次の目的地「馬木(うまき)」地区へ。 -
「森國酒造」(馬木地区)
小豆島で唯一の新しい酒蔵です。
当主は島の地酒を復活させ、「ふわふわ。」「ふふふ。」「うとうと。」「びびび。」など、飲んでみたくなるようなネーミングのお酒をつくっています。 -
「モリクニベーカリ―」(馬木地区)
「森國酒造」のお隣にあるパン屋さん。
酒米の米粉を使った小さなコッペパンなど、美味しいパンを作っています。
小腹がすいたので中へ入ります。 -
飲み物メニュー(モリクニベーカリ―)
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コメコッペやスコーンのこだわり(モリクニベーカリ―)
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酒蔵の店内(モリクニベーカリ―)
土蔵の壁。 -
酒蔵の店内(モリクニベーカリ―)
高い天井。 -
「コメコッペとオリーブティ」(モリクニベーカリ―)
「コメコッペ」は、麹から作られる甘酒や夕しぼり牛乳などを練り込んでいるので、ふんわり甘くやさしい香り。
酒蔵のパンらしく酒米粉も配合しており、ふわふわ・もちもちの食感です。
「オリーブティ」は緑茶のような味です。
この後、馬木地区の醤油蔵巡りに続きます。
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