2022/07/03 - 2022/07/03
88位(同エリア982件中)
かっちんさん
「醤の郷(ひしおのさと)」二つ目のコースは、「馬木(うまき)散策路」。
「馬木」は天正期頃(1580年代)に兵庫県赤穂から移り住んだ塩浜師たちによって形成され、塩づくりから醤油づくりへと移行し、たくさんの醤油醸造所が並んでいた地域です。
「馬木散策路」を歩くと、国の有形文化財や近代化産業遺産になっている醤油蔵や住居と出会います。
また、2010年から3年ごとに開催された「瀬戸内国際芸術祭」の作品が各所に残されています。
散策は「モリクニベーカリー」から出発し、瀬戸内国際芸術祭の作品「馬木キャンプ」、真光寺を通り、「馬木散策路」に入ります。
出会った建造物は、山吉醤油跡、坂下醤油、石井平治醸造場跡、正金醤油、ヤマサン醤油、金大醤油、金両醤油など、風情のある黒い縦板張りの建物です。
この旅行記では「馬木散策路」を紹介します。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・小豆島町商工会「醤の郷散策MAP」
・藤井麺業のHP
・暮らしのBLOG「焼杉(外壁)のコストパフォーマンスは?その優秀さと心配事まとめ」
・瀬戸内国際芸術祭の作品(醤の郷周辺)のHP
・瀬戸内しまラジ!「飛び出しトらやん、いくつ見つけマシタか(オリーヴァー)」
・tagboat「ヤノベケンジ」
・パナソニックのHP
・文化遺産オンライン「山吉醤油圧搾場及び仕込場・釜屋・諸味蔵・原料蔵及び帳場」
・文化遺産オンライン「やます坂下家住宅主屋・長屋門」「坂下勤家住宅土蔵」「キッコ石石井家住宅長屋門・醤油蔵・土蔵」
・文化遺産オンライン「正金醤油石井別邸・西諸味蔵」「塩田家住宅長屋門及び塀」
・文化遺産オンライン「金大醤油醤油蔵・諸味蔵」「金両藤井家住宅正門」「金両醤油蔵」
・ライブドアブログ、Architecの寄りみちカメラ「醤の郷・馬木散策路1・2・3・4」
・小豆島物語「ヤマサン醤油」
・ヤマサン醤油のHP
・金大醤油のHP
・ウィキペディア「瀬戸内国際芸術祭」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
「醤の郷」周辺の地図(醤の郷散策MAPより)
小豆島南東部「内海湾(うちのみわん)」沿いに、醤油工場が並ぶ「醤の郷(ひしおのさと)」があります。
散策路は2ヶ所あり、これから「馬木散策路」を歩きます。
「モリクニベーカリー」を出発し、交差点から斜めの道(馬木地区)に入ります。 -
手延べそうめん 麺匠「孫右衛門」(馬木地区)
小豆島の手延素麺は日本三大素麺(手延素麺、三輪素麺、揖保乃糸)のひとつ。
「孫右衛門」の藤井麺業は、「二日工程熟成仕込」にこだわり、独特のコシと歯ごたえ、つるっと喉越しが味わえます。
直売所がありますが、日曜なのか門が閉まってます。 -
あんた「だ~れ」(馬木)
横道にいた茶色い「たぬき」。
しばらく「にらめっこ」状態・・・ -
赤い消火栓(馬木)
標準的な赤ですね。北海道では黄色い消火栓を見かけます。 -
オリーブの木(馬木)
誰かのお庭かな? -
「焼杉板張」の家(馬木)
-
複雑な模様の「焼杉板張」(馬木)
「焼杉」は木材なのに腐食に強く、西日本に古くから伝わる手法です。
耐久性は30年~50年もつ、とも言われています。 -
瀬戸内国際芸術祭2013が開催された「Umaki camp(馬木キャンプ)」(馬木)
当時の作品が残されています。
作家は「ドット アーキテクツ」。大阪・北加賀屋を拠点に活動する家成俊勝・赤代武志氏により設立された建築家ユニットです。
誰でも「建てる」ことに参加できる建築をという考えをもとに制作。
会期中は地元、来島者も使用することができるキッチン、ラジオ局、映像鑑賞スペースとして使われました。 -
キッチン「自由台所・たべだすけ」(馬木キャンプ)
-
ラジオ局「馬木ラジオ」(馬木キャンプ)
-
飛び出し「トらやん」(馬木キャンプ)
「トらやん」は、もともと日本の現代美術作家「ヤノベケンジ」氏が生み出したキャラクター。
3歳児用放射能感知服に、黄色のミニ・アトムスーツを身にまとい、バーコード頭にちょび髭をつけています。
地元坂手のアートなおっちゃん達が、「飛び出し坊や風」に描いたもの。
顔立ちは宇宙飛行士「野口聡一」さんにそっくり! -
「馬木の寺小屋-真夏の課外授業-」(馬木キャンプ)
「Umaki camp」の延長上に位置付けられた課外授業「工学の時間」として制作された2014年の作品。
スペインで習得したカタロンボールドという建築工法を用いて、小さなパーゴラをWS形式で建築。
竹を支えにしてお手製日干しレンガを積んでつくるという簡易な工法でできています。
ピザ窯も制作し、近所の方や訪問者が気軽に立ち寄り夕涼みができる空間として現在に至ってます。
制作者は建築家 森田一弥氏。 -
真光寺の巨樹「クスノキ」と「シンパク」(馬木キャンプからの眺望)
ともに樹齢400年とされる古樹。
「クスノキ」は樹高20m(胸高幹囲は5.1m)、「シンパク」は樹高15m(胸高幹囲は5.5m)を数える島内で有数の巨樹です。 -
「真光寺」の山門
赤穂から馬木へ塩浜師の移住にあわせ、「真光寺」も移ってきました。 -
仲良く並ぶ「新旧メーカー」(馬木)
エアコンの室外機です。
「松下電器(ナショナルブランド)」から「パナソニック」に社名変更したのは、平成20年(2008)のこと。
「Panasonic」の由来は、1955年に輸出用スピーカーの名称として、Pan(汎、あまねく)とSonic(音)という言葉を組み合わせました。
そして「当社が創り出す音をあまねく世界中へ」という思いを込めています。
なるほど! -
馬木散策路の詳細図(醤の郷散策MAPより)
真光寺から正金醤油で右へ曲がり、正金醤油諸味蔵、坂下醤油、石井平治醸造場跡、正金醤油諸味蔵、ヤマサン醤油、金大醤油、金両まで巡ります。
歩く方向は赤い矢印。 -
「正金醤油」(馬木)
「正金(しょうきん)醤油」は、大正9年(1920)創業し、現在に至ります。
国産大豆、国産小麦、天日製塩を使用した長期熟成天然醸造醤油を主力とし、加工品のだし、つゆ、ポン酢等自然素材を生かした取り組みを展開しています。
ここは現在の正金醤油工場。風情のある「西諸味蔵」はこれから行くところにあります。 -
「馬木川」(馬木)
「馬木散策」はこの道ではなく、「馬木川」の上流方向(手前の右側)へ向かいます。 -
イチオシ
煉瓦煙突が屋根から突き出る「釜屋」(散策路)
ここは「山吉醤油跡」。
「山吉醤油」は文政6年(1823)に操業し、営々と醤油を造り続け、近年にはテレビ等にもよく取り上げられる老舗でした。
しかし、経営者夫婦の急逝にて廃業となりました。
明治期の切妻造、桟瓦葺の木造平屋建の「釜屋(かまば)」は、国の登録有形文化財。
波打つ屋根が印象的です。以前の写真を見ると屋根に煙出しもありました。 -
左側の建物「圧搾場と仕込場」(山吉醤油跡)
明治期の木造平屋建で煙出しの越屋根を載せた「圧搾場と仕込場」が並び、国の登録有形文化財。 -
「原料蔵と帳場」(山吉醤油跡の裏、西側)
明治期の桟瓦葺の木造2階建「原料蔵と帳場」は、腰焼杉縦板張、上部白漆喰塗、切妻造で、国の登録有形文化財。 -
醤の郷「諸味蔵」(山吉醤油跡の裏、西側)
明治期の桟瓦葺の木造平屋建「諸味蔵(もろみぐら)」は、腰焼杉縦板張、上部白漆喰塗で、国の登録有形文化財。
煙出しのある棟が瓶詰場、高窓のある棟に諸味桶を据えています。
現在、「正金醤油」が醤油諸味を仕込んでおり、「山吉醤油」の伝統は受け継がれています。 -
「坂下醤油工場」(散策路)
元禄時代の頃より製塩業、農業を営み、明治初年頃より醤油造りが始まり、今日に至っています。
屋号は「ヤマス」。
商標は二通りあり「山にス」と「○に平」。 -
風情のある「馬木散策路」
石垣の上にあるのは、坂下醤油の居宅「やます坂下家」。
国の登録有形文化財の「長屋門」と「主屋」が屋敷内にあります。 -
「坂下勤家住宅土蔵」(散策路)
明治期の土蔵造2階建、瓦葺で、国の登録有形文化財。
外壁上部は白漆喰塗で、2階南妻面の窓廻りなどの凝った左官仕事に特色があります。 -
「石井平治醸造場跡」(散策路)
「石井平治醸造」は、江戸時代後期~昭和中期に醤油を製造し、大阪、高知方面に販売していました。
石垣上の建物(手前)は、大正期の「長屋門」。
左側の建物は、明治期の「醤油蔵」。
どちらも木造平屋建、瓦葺で、国の登録有形文化財。 -
商標は「キッコ石」(石井平治醸造場跡)
-
親切な青鬼くんのお出迎え(石井平治醸造場跡)
醤油蔵に入ると、ニッコリ顔の青鬼くん。 -
「オリーブのリーゼントみこし」(石井平治醸造場跡)
小豆島町・土庄町青年会議所のメンバーが町おこしに考えた「オリーブのリーゼントみこし」。
両町の夏祭りが盛り上がりました。
ここはその作品の制作現場。 -
美しい石垣の上に建つ「土蔵」(石井平治醸造場跡)
「縄たるみ」と呼ばれる美しいカーブの石垣。
その上には、なまこ壁、腰を焼杉縦板張、上部の壁や軒鉢巻を白漆喰塗の土蔵。
大正期の土蔵造2階建で、国の登録有形文化財。 -
瀬戸内国際芸術祭2013作品「オリーブのリーゼント」(散策路)
作家は清水久和氏。 -
黒い縦板張の「正金醤油石井別邸」(散策路)
「石井別邸」は、大正期の木造2階建で、国の登録有形文化財。
黒い縦板張壁に、上下階とも大きな開口部と庇をつけています。
隣には諸味蔵が並び、ここから「醤の郷」の美しい景観が始まります。 -
イチオシ
杉板張り「諸味蔵」の道(散策路)
明治期の木造平屋建「正金醤油の西諸味蔵」は、国の登録有形文化財。 -
大きな妻面と出入口(西諸味蔵)
-
イチオシ
歴史を刻む焼杉縦板張(西諸味蔵)
西諸味蔵は、当初明治13年(1880)の「金両醤油の創業蔵」で、内海町最古の蔵です。 -
商標は「正に金」(正金醤油)
「正」のデザインは、金沢兼六園にある二本脚の徽軫灯籠(ことじとうろう)にそっくり。 -
イチオシ
風情のある散策路「長屋門及び塀」(塩田家)
「ヤマサン醤油」の南方住宅敷地に建つ塩田家住宅の「長屋門」は、入母屋造、本瓦葺、腰を焼杉板張、上部を黒漆喰塗。
周りの「塀」は内側をコンクリート櫛目仕上、外側を縦板張。
どちらも、昭和前期の建物で、国の登録有形文化財。 -
お洒落な「源氏塀」(塩田家)
馬木川沿いは「谷積石垣(斜めに積む石垣)」の上を屋根のある「源氏塀状」とし、お洒落な景観です。 -
南土蔵(塩田家)
昭和前期の土蔵造2階建「南土蔵」は、国の登録有形文化財。
馬木川の屈曲部に位置し、西面は馬木川の石積護岸上に建ちます。
花崗岩土台に、高い腰板張とし、板張と漆喰塗との境に水切瓦を入れるなど変化のある外観です。 -
「ヤマサン醤油」(塩田家)
「ヤマサン醤油」は弘化3年(1846)創業、小豆島町で一番古いお醤油さんとして知られています。
古の製法で作られる小豆島醤油と自社栽培で作られる新鮮なオリーブを使用したオリーブオイルを販売。 -
イチオシ
うさぎの醤油屋さん「ヤマサン」(塩田家)
商標は「山に三」を「12羽のうさぎ」がとり囲んでいます。
うさぎの仕草がみんな異なり可愛い! -
金大醤油の「醤油蔵」
昭和前期の高さの異なる切妻造、平屋建を2棟並べた「醤油蔵」は、国の登録有形文化財。
低い部分が当初で、鋸屋根風の部分は増築。
「金大醤油(きんだいしょうゆ)」は昭和2年(1927)の創業。
人気の「天然だし醤油」を中心に、醤油ベースの加工調味料を製造。 -
「諸味蔵」(金大醤油)
昭和6年(1931)の細長い切妻造、平屋建を2棟並べた土蔵造「諸味蔵」は、国の登録有形文化財。
街路に面した壁面上半に大振りな開口部を規則的に並べ、桟瓦葺、縦板壁の醤油蔵です。 -
商標「金大」の由来
金大醤油の「金」は単にお金という意味ではなく、家運隆盛、商売繁盛の願いを込めて縁起の良い語を選びました。
また、品質の良い醤油、信頼のおける醸造家でありたいという願いも込められています。
「大」は屋号の「大儀(だいぎ)」から一字を取ったもの。
「大儀」は創業者の坂下重太郎の先祖の一人である「大和屋儀平」の名前の二文字を取って繋げたもののようです。 -
お目目パッチリの土蔵(金両藤井家)
-
金両藤井家住宅「正門」(旧八幡寺山門)
江戸期の正門で、間口9m規模で玄関に通じる大門、勘定場に対応する脇門、大門の西方の木戸門から構成されています。
大門は本瓦葺の1間1戸の薬医門で、廃寺となった八幡寺の山門を移築したものと伝えられています。
いずれも江戸期の門で、国の登録有形文化財。 -
「醤油蔵」(金両醤油)
大正期の桁行22m規模、切妻造、桟瓦葺の平屋建の「醤油蔵」は、国の登録有形文化財。
棟のほぼ全長に亘って越屋根をあげている点に特徴があり。
もとは麹原料混合場及び機械場で、西半(入口側)を醤油販売処として活用しています。
「金両醤油」は、昔ながらの古式杉桶仕込みで、愛情を込めて作った醤油を工場直売しています。 -
安田バス停
「金両」から一番近い「安田」バス停から、今晩の宿「国民宿舎 小豆島」へ帰ります。
「醤の郷」は明治・大正期の醤油蔵が並び、黒い杉板張りの独特の景観が素晴らしいです。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
小豆島(香川) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
48