2022/09/21 - 2022/10/04
177位(同エリア1596件中)
Noraさん
9月末から10月初め アテネ、サントリーニ島、ミロス島への個人旅行の記録と写真です。
ギリシャはずっと昔から私の旅行リストのトップにあった国です。ずいぶん前、ルーブル美術館でミロのビーナス像やサモトラケのニケ像に出会った瞬間や大英博物館にあるパルテノン神殿の彫刻を見たインパクトが心の中にあって、いつかこれらの作品が生まれた場所を実際に自分の目でみたいと思いながらも、いろいろな事情で、なかなかそのチャンスがありませんでした。
やっとの思いで2年半前に計画したギリシャ旅行がコロナ過でダメになり、今回、万難を排して実行に移しましたが、そもそもこれまで旅行記というものを書いたことがないので、ある意味、チャレンジングでした。
コメント欄の情報はできる限り様々なサイトを参照して正確を期すようにしましたが、完璧ではないかもしれません。また手作りの旅なので、自分の個人的体験や感想も織り込んでいますし、役に立つかどうか分からない情報もあえて入れました。それは受け止める読者によってとらえ方が違うと思うからです。私自身、この4トラベルのサイトにアップされた旅行記から、一見何でもないことのように見えて実はとても貴重な情報を頂いたことがありました。言わずもがなのことですが、一応ここにある情報についてはご自分で取捨選択してご覧頂ければ幸いです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 タクシー 徒歩
- 航空会社
- エーゲ航空 アメリカン航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
左から自動券売機、メトロのティシオ駅(改札を出て振り返ったところ)、チケット(ICセンサー対応)の写真。駅の職員のおじさんに自動券売機の使い方を聞いたら、親切にこうするんだよと教えてくれてチケットが出るまでやってくれた。どうもありがとう!
-
Biktoria(Victoria)駅で降り、近くのお店の人に聞きながら博物館を目指す。
20分位かかってやっと博物館に到着。1889年に完成したネオクラシックスタイルの建物でギリシャ全土から集められた出土品を1万点以上収蔵しているという。全部を見て回るには時間がないのでピンポイントで回るしかない。
まず入口右手にあるロッカールームの担当者にカメラと貴重品以外のものを預ける。 -
中に入ってチケット(12ユーロ)を買う。右はロッカーの鍵。
-
次に入り口左手にあるカウンターで自分のスマホでQRコードをスキャンする。随所に立っている係員がアドバイスしてくれる。スキャンすると展示ルームと展示品のマップがでてくる。しかしこれはあまりうまく機能しなかった。というのは私のiPhoneの問題かもしれないが一旦展示品の写真を撮るとさっきまで見ていた展示ルームと展示品のマップが出てこないのだ。で、また入口に戻ってスキャンして。係の人に相談したら、ギリシャ語だけどといってプリントしたカタログをくれた。
-
ミュージアムマップ or カタログ?。ギリシャ語であっても図を見れば何がどこにあるかわかるからこれで十分。私は断然この方がいい。
-
年代順に展示してあるとのことだが、入り口に近いところから回ればいいだろう。
これは入ってすぐのレッドルームで見たBC650年頃の作品(アルカイック期)。デロス島で発見されたコレー像。ヘアスタイルや肩の線にエジプト彫刻の強い影響が表れている。この頃のギリシャはまだ独自のスタイルをもたず、文化的に先進国であったエジプトのスタイルを模倣している段階であった。
*コレーとは女性着衣立像。 -
スニヨンクーロス。BC600年頃ナクソス島の大理石で作成されたもの(初期アルカイック期)。1906年にスニヨン岬のポセイドン神殿付近で発見された。神殿の前面に置かれていたものだが、BC480年の第二次ペルシャ戦争でペルシャ軍によって神殿が破壊され、このクーロスもひどく損傷したまま放置されていた。(右膝から下は後に修復したものである)。
*クーロスは古代ギリシャ語で特に高貴な身分の少年や若い男性、またその像を意味する。
ヘアスタイル、肩の線、1歩踏み出した片足、いづれもエジプト彫刻の影響が明らかであるが、足の筋肉の表現にエジプト彫刻にはない写実性が見える。ギリシャ独自の写実的表現が芽生え始める初期の作品。 -
馬に乗る少年。BC140年頃のブロンズ像(クラシック期)。アルテミシオン岬の沖の沈没船から発見された。大型のブロンズ像で躍動感があり、迫力のある作品。
古代ギリシャでは多くのブロンズ像が作成されたが、後の時代に鋳直しされてコインや武器に姿をかえたものが多い。これらのブロンズ像は海底に沈んだ難破船の中で2000年以上眠り続けたがために幸運にもその難を逃れ、現代の我々に古代の息吹を伝えてくれる貴重な作品である。 -
ポセイドンまたはゼウス像。BC460年(クラシック期)。馬に乗る少年と同じくアルテミシオン岬の沖の沈没船から発見された。アルカイック期の静的様式をすでに超え、筋肉や体の動き、顔の表情に動的あるいは自然主義的表現が用いられている。特に神としての威厳をたたえた力強く厳しい顔の表情は見るものを圧倒する。ギリシャ彫刻が独自のスタイルを確立していく初期の作品。
-
アンティキセラの青年像。ブロンズ製。BC340年頃(クラシック期)。1900年にアンティキセラ島沖でスポンジダイバーが沈没船の積荷の中から発見した。右手には球形の物体、ボールまたはリンゴ?を持っていたであろうとされている。
ポセイドンまたはゼウス像の目は失われ空洞だが、こちらはちゃんと目が残っている。白目は象牙やアラバスタ―で、黒目は別の石で精巧に作られている。 -
マラトンの若者、ブロンズ製。紀元前460年頃(クラシック期)。恐らくプラクシテレス作。頭に勝者の冠を頂き、手足の長さを若干強調し若者らしいしなやかな肢体を表現している。
-
アタランテのヘルメス。BC395-305頃(クラシック期)ー>ただしこれはローマ時代のレプリカ。
左肩から左腕に流したクラミュスがアシメトリー感を強調している。プロポーションを協調するための小さめの頭部、スリムな体、等からオリジナルは恐らくリュシッポス作といわれる。
*アテネの北方、フィティオシス地区にあるアタランテで発見された。 -
女性の頭部、おそらくヒュギエイア(イギア) BC350~325年頃の作品(クラシック期)。スコパスの作品。アルカディア地方(ぺロポネス半島中央部)のTegeaより出土。
*ヒュギエイア(イギア)は医学の神アスクレピオスの娘。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:NAMA_Hygie.jpg -
ミロス島のポセイドン像。BC130年頃の作品、作者不詳・ヘレニズム期の代表作と言われる。1877年ミロス島で発見された。
右足の後ろに見えているのはイルカ、振り上げた右手は三叉の鉾をもち、左手はヒマティオンがずり落ちない様に(?)しっかりつかんでいる。 -
アフロディーテと牧神パンとエロスの像。BC100年頃の作品(ヘレニズム期)。作者不詳。デロス島の大富豪の邸宅跡で発見された世俗的な作品。パロス島産の大理石。
-
シラキュースのアフロディーテ。パロス島産大理石。プラクシテレスの代表作である’クニドスのアフロディーテをもとに2世紀に作成されたローマ時代のコピー。
-
ポリュクレイトス作ディアデュメノスのオリジナル(BC430年頃のブロンズ像)をもとにしたローマ時代のレプリカ(BC1世紀)。
*ディアデュメノスとは優勝者を特定するリボンバンドを結ぶ人。つまり彼は競技の勝利者。トロイの王子パリスを象ったものという説もあり。 -
ヴァルヴァキオンのアテナ
アテナ女神に献じられたパルテノン神殿内部には、フェイディアスの作品である高さ12mのアテナ像が置かれていたが、5世紀にキリスト教徒によりコンスタンティノープルに持ち去られた後、姿を消した。その後、2世紀(ローマ帝国・ハドリアヌス帝時代)に原作に忠実に作られたのがこのヴァルヴァキオンのアテナ像(原作の1/12のサイズ、1.05m)。1880年ヴァルヴァキオンスクール近郊で発見されたもの。アテネ近郊のペンテリコ山の大理石でできている。 -
エルメス頭部。 1~2世紀のローマ時代のレプリカ。
違法に国外に持ち出され、英国のバーナムオークションで競売リストに入っていたものをギリシャ政府とアテネ考古学博物館が返還をもとめていた。2015年に本国にもどり、考古学博物館に展示された。
https://www.archaeology.wiki/blog/2015/06/09/repatriation-hermes-head/ -
博物館地下レベルの中庭、オリーブの木が優しい木陰を作っている。樹齢何年だろうか?
カフェテリア、ベンチ、トイレもあるので歩き疲れたらここで休むといい。 -
ミケーネ遺跡より
ミケーネの女神あるいは王宮に仕える女官。BC13世紀。作者不詳。 -
ペネポネソス半島ティリンス古代遺跡からのフレスコ画。 BC14~13世紀ミケーネ文明。(ミケーネ文明はミケーネとティリンス遺跡の両方を含む。)
左上:王宮から発見された女性像。鮮やかな色彩、後ろの壁の装飾等からミノア文明の影響を色濃く伝えているといわれる。
左下:ミケーネの美女たち(?)。明るいミノア文明の表現とは違って、トーンダウンしている。また物思いにふけるような表情である。ミケーネ独自の表現方法への過渡期の作品かもしれない。
右下: 猟犬と馬を連れた召使。エジプトやメソポタミア絵画の影響がみられる。 -
黄金のマスク。シュリーマンによって発見されたもの。作者不詳。このマスクを発掘時、彼はトロイ戦争(BC1250年頃)のギリシャ軍総大将アガメムノンのものと主張した。しかし後の調査でそれよりもっと古いBC1550~1500年のものと判明。ある高貴な身分(王族と思われる)の死者のために作成された埋葬用マスクである。
-
’ボクシングをする少年’、BC16世紀頃のフレスコ画。作者不詳。サントリーニ島のアクロティリ遺跡から1968年に発掘された。BC15世期に起きた大規模な噴火で火山灰の下にうずもれていた家屋群の壁に描かれていたもの。右の少年の皮膚の色、質感が異なるのは後の時代の修復によるものか?左の少年はブレスレット、アンクレットを身に着けており、高貴な身分であることを示している。3500年以上も前にこのように明るく伸びやかな人物画が描かれていたとは驚きである。!!
-
アンテロープのフレスコ画、ボクシングをする少年と同じ部屋にあったもので同じ作者が描いたと思われる。アンテロープはほとんど線のみで描かれており、微妙に太さを変えた筆使いでしなやかさと動きを巧みに表現している。
-
ユリと燕のフレスコ画(別名、春のフレスコ画)、BC1500年頃。これもサントリーニ島のアクロティリ遺跡から1968年に発掘されたもの。作者不詳。カラフルに描かれた岩、風にそよぐ赤いユリ、春の’到来を告げる燕、を通して作者は希望にみちた’生命’を描こうとしたのかもしれない。
-
ズームで撮ってディテールをみよう。デリケートな筆のタッチ、そして鮮やかな色使いが見える!!これを見ると当時のアクロテイリの人々がいかに高い文化と表現力を持っていたかがわかる。
-
カフェテリアでビッグランチ。クッションのようなグリークピザ、上手に焼けてた。美味。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
Noraさんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
28