青森への旅（6）～弘前・前川建築巡り～

2022/07/27 - 2022/07/31

今回は、4泊5日で青森を旅しました。
2泊3日の弘前滞在の中で、市内に多くある前川建築も巡りました。
前川國男は、フランスのコルビュジェのアトリエに入門し、帰国してレーモンドのもとで働き、両氏から大きな影響を受けます。
弘前市出身の母をもつ前川は、帰国後、弘前市に2つの建物を手がけました。当時の藤森市長の目にとまり、市庁舎の設計者に選定され、1958年（昭和33年）から弘前市の仕事が始まります。

弘前には8つの建物を遺しており、市でパンフレットや建築カードを作成するなど巡りやすいようになっています。
前川國男の年代に応じて、規模や意匠も変わっていくようです。

エリア 弘前(青森)

「木村産業研究所」（弘前こぎん研究所）
1932年（昭和7年）建築（27歳）
RC造２階建建築
2021年、前川建築では初めて国重要文化財に指定される。
フランスから帰国後手がけた初めての建築で、コルビュジェのモダニズムを実現した前川國男の原型といわれる。

外に向かって窓と外壁をカーブさせた応接室。

1階は全面ガラス張り、朱色の映える天井、吹き抜けの2階に通路のあるエントランス。
正面の外観はシンプルに見えるが、様々なアイディアが盛り込まれている。

「弘前中央高校講堂」
1954年（昭和29年）建築（49歳）
RC造２階建
（非公開・西側から撮影）

弘前市庁舎

「弘前市庁舎新館」
1972年（昭和47年）建築（67歳）
打ち込みタイル

「弘前市庁舎本館」
1958年（昭和33年）建築（53歳）
RC造一部S（鉄骨）造　地上４階

鉄筋コンクリート打ち放し柱、レンガブロック積みの壁。

全面ガラス窓を取り入れている。

赤い壁の階段

エントランス

エントランスの内外には、赤色と黒色のタイルの床。

「弘前市立病院」
1971年（昭和46年）建築（66歳）
RC造　地下１階６階建

壁より内側に下がった窓

車寄せのピロティ

「弘前市民会館」
1964年（昭和39年）建築（59歳）
RC造　地下１階３階建

代表作「東京文化会館」の3年前に建築されている。

打ち放しコンクリート壁、レンガ積みの立ち上がり。

管理棟ロビーの深い青色天井は、プラネタリウムのよう。東京文化会館にもこのアイディアが使われている。

括りつけのコンクリートのベンチ

楽屋入口の赤い扉

木目模様のコンクリート壁。ホール棟内は見学できず。

「弘前市立博物館」
1976年（昭和51年）建築（71歳）
RC造２階建

エントランス

打ち込みタイルの外壁は、隣の市民会館と対象的。

中央ロビーは、天井まで伸びる大きなガラス窓で、室内からはお城の櫓が借景のように見える。

「弘前市みどりの相談所」
1980年（昭和55年）建築、75歳
RC造２階建　銅板片流れの大屋根

正面はこう配のある屋根だが、後ろから見ると四角い建物に見える。