2022/04/01 - 2022/04/01
255位(同エリア341件中)
旅四郎さん
春の散策として灘五郷の酒造家が造った素晴らしい建造物を見学。芦屋から桜満開の夙川を歩いて今津まで、晴天の気持ち良い散策だった。
4月1日(金)午前10時に阪急神戸線芦屋川駅に集合。ヨドコウ迎賓館に行って見学。芦屋川駅に戻って阪急神戸線で夙川駅に行く。カトリック夙川教会を見学。夙川沿いに歩いて満開の桜を楽しむ。翠橋を見て、御前浜公園に行って昼食。この公園にある西宮砲台を見学。歩いて旧辰馬喜十郎住宅に行って見学、近くにある酒ミュージアム(白鹿記念博物館)を見学。今津灯台から今津小学校旧校舎「六角堂」を見学して、ここで散策は解散。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
4月1日(金)午前10時に阪急神戸線芦屋川駅に集合。10人のグループでヨドコウ迎賓館に向かう。芦屋川に沿った業平さくら通りを歩く。この通りの名前は芦屋にゆかりのある六歌仙の一人の在原業平に因んでいる。彼を想定した人物が出てくる『伊勢物語』で芦屋の里の情景が紹介され、別荘があったといわれている。川岸に咲き誇る満開の桜が美しい。
芦屋川 自然・景勝地
-
歩いて5分ほどでヨドコウ迎賓館に到着。コロナ禍で入場には予約が必要。アプローチの坂を上がって行くと、奥まった所に写真の玄関が見えてくる。この建物は旧帝国ホテルを設計した近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトによるもので、民間住宅としては現存する唯一のもの。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
玄関にあたる車寄せは写真のように左右対称のデザインになっている。外装には大谷石が使われている。この建物は灘の酒造家・櫻正宗の八代目山邑太左衛門の別邸として設計されたもので、1974(昭和49)年に国の重要文化財に指定され、1989(昭和64)年より一般公開されている。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
玄関を入ると受付があり、ここで料金を払う。2階に上ると応接室がある。高い天井の室内は大谷石と外国産の高級木材のマホガニーが多用されており、オリジナルではないが重厚なテーブルや椅子が置かれている。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
今回は窓に注目した。応接室の壁の上には日本の欄間を参考にしたというたくさんの小窓が並んでいる。今はガラスが入っているが、建てられた当時はここから風が室内を通り抜けた。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
3階へ上がると、写真の西側に長い廊下がある。廊下には大きなガラス窓があり、夕方には西日が差し美しい情景が見られるようだ。この廊下の右側には和室があり、2から4月の時期には山邑家ゆかりの雛人形展が行われる。創業200年の京都丸平大木人形店の美しい雛人形が展示されていたが、残念ながら写真撮影は不可だった。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
窓には写真の植物の葉をモチーフにした銅板で飾られている。銅板はわざわざ緑青と呼ばれる錆が付けられている。この階には和室があるが見学はできない。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
3階に上がると、写真の和室の婦人室がある。この部屋の奥に竣工90周年を記念して家族寝室が復元されている。この階には2つの洋間の寝室があり、売店とビデオの放映室として使われている。洗面室、風呂場や小間使いの間もある。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
4階には装飾性豊かな食堂がある。天井は四角錘のような形になっている。三角形の小窓が特徴的で、奥の方をよく見ると実際には四角い窓になっている。採光と換気、夜空を眺めるという役割を果たしているそうだ。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
壁面には特徴的な木製の飾りが取り付けられている。食堂の端には大谷石で造られた暖炉も設置されている。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
食堂南側のドアからバルコニーに出ることができる。バルコニーに出て振り返ると、食堂の屋根が台形になっていることがわかる。その上にユニークな煙突が立っている。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
この日は非常に天気が良かったので、バルコニーに出て右側を見ると六甲の美しい山並みや市街地が見渡せた。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
バルコニーを前に進むと、下り階段があり3階のバルコニーに出ることができる。間近に芦屋川沿いの満開の桜並木が見え、その先には大阪湾まで見渡せる。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
バルコニーから見ると庇には大谷石の飾り石が並べられている。マヤ文明に強い関心を持っていたフランク・ロイド・ライトの飾り石はマヤの遺跡を想起させる。見学を終えて、ヨドコウ迎賓館から芦屋川駅に行き、阪急神戸線で夙川駅に行く。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) 名所・史跡
-
夙川駅から3分ほど歩くと、写真のカトリック夙川教会が見える。1921年にフランス出身のブスケ神父が阪神間初のカトリック教会として設立した。
カトリック夙川教会 寺・神社・教会
-
守護聖人としてブスケ神父が敬愛した聖女テレジアの像が祭殿正面に置かれている。阪神大震災でパイプオルガンを失った。
カトリック夙川教会 寺・神社・教会
-
1932年にゴシック・リバイバル様式の壮麗な聖テレジア大聖堂が落成した。パリのサント・シャペル聖堂をモデルにしいる。
カトリック夙川教会 寺・神社・教会
-
カトリック夙川教会から夙川沿いに桜を見ながら、川岸に下りたりしながら散策を続ける。しばらく歩くと写真の夙川橋に出る。この橋から夙川と夙川さくら道と名付けられた右岸の道の桜並木が美しい。天気が良かったので多くの人がここで写真を撮っていた。
-
さらに夙川に沿って南に歩くと写真の翠橋が見える。野坂昭如の短編小説『火垂るの墓』の実写版の撮影が行われた場所。
-
さらに南に歩くと、御前浜公園に出る。平安時代にはもっと北にある廣田神社の前がに砂浜だったので、神社の御前ということで御前浜と呼ばれた。この公園には写真の西宮砲台がある。勝海舟の建議を取り入れ、1863(文久3)年、大坂湾の海防のために和田岬砲台、舞子砲台、今津砲台などとともに建設された。1866(慶応2)年に竣工、空砲の試し撃ちで砲煙が内部に充満し、一度も使われなかった。
西宮砲台 名所・史跡
-
西宮砲台から海岸沿いを10分ほど歩くと写真の旧辰馬喜十郎住宅が見えてくる。辰馬財閥の南辰馬家当主、辰馬喜十郎が自邸を新築するにあたって、神戸旧居留地の英国領事館を模すように依頼した。木造二階建ての洋館は1889(明治22)年に完成した。現在、個人所有になっているの内部の見学はできない。
旧辰馬喜十郎邸 名所・史跡
-
旧辰馬喜十郎住宅の近くにある酒ミュージアム(白鹿記念博物館)に行く。まずは写真の記念館に入る。館内には日本酒に関連する古文書や古写真などの歴史史料や日本画や酒器などの美術品が展示されている。
白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム) 美術館・博物館
-
道路を渡ると写真の酒造館がある。1869(明治2)年建築の旧辰馬本家酒造本蔵の中で、伝統的な酒造工程が紹介されている。白鹿グループの辰馬本家が向陽学院中学校・高等学校を設立、菊正宗酒造の嘉納治郎右衛門、白鶴酒造の嘉納治兵衛、櫻正宗の山邑太左衛門によって灘中学校・高等学校が設立された。
白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム) 美術館・博物館
-
酒蔵の前には大きな井戸がある。灘五郷の良い酒造りのために欠かせない「宮水」は「西宮の水」を意味している。宮水は江戸時代の天保年間に櫻正宗の六代目蔵元であった山邑太左衛門が発見したとされている。井戸場をつくり水を汲み上げた。
白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム) 美術館・博物館
-
館内に入ると、伝統的な酒造道具が並べられ触ることができる。写真は昔の酒母つくりを再現したもので、宮水、蒸米、麹をまぜてアルコール発酵させ「酒母菌」を純粋培養する。酒造り映像・酒造り唄の視聴などができる。
白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム) 美術館・博物館
-
奥に行くと貯蔵のための大きな酒樽が並んでいる。その隣には写真の酒造道具を上げ降ろすための道具があり、見上げると滑車の役割を果たす八角形の大きな阿弥陀車が天井に設置されている。壁面に大型スクリーンが設置され、伝統的な酒造りについて映像で紹介されている。
白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム) 美術館・博物館
-
1995(平成7)年の阪神・淡路大震災でレンガ造酒蔵を改修した当時の博物館は全壊した。辛うじて倒壊を免れた明治期の木造酒蔵に鉄骨柱を挿入して補強改修し、新しい酒造館として再開された。開館当時の酒蔵館の写真や、壊れた酒造道具などが展示されている。
白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム) 美術館・博物館
-
酒ミュージアムから東に20分ほど歩くと、海岸沿いに写真の今津灯台がある。1810(文化7)年に灘酒廻船などの出入り船の航海安全のために建設され、1858(安政5)年に再建された。この灯台は民営で酒造会社の大関株式会社が運営している。現役の航路標識として使われている灯台としては日本最古のもの。対岸には今津砲台跡がある。
今津灯台 名所・史跡
-
今津灯台がある今津浜には東川が流れ込んでいる。東川には写真の巨大な東川水門が津波に備えて設置されている。しかし、5.1mの津波に対応できないようだ。今津灯台の奥の海上には津波対策のために巨大な二本柱の新川・東川統合水門が立っている。
-
今津灯台から北に歩いて12分ほどで、写真の今津小学校旧校舎「六角堂」に到着する。建設費の大半は地元の有志の寄付により、1882(明治15)年に今津村立小学校の校舎として建設された。現存する小学校の洋風校舎としては松本市の開智学校に次いで古く、モダンな様式の六角形のバルコニーが特徴的。散策は午後3時過ぎにここで解散した。
今津六角堂 名所・史跡
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅四郎さんの関連旅行記
この旅行で行ったスポット
もっと見る
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
30