2022/03/13 - 2022/03/13
16位(同エリア1367件中)
旅猫さん
千葉県立美術館で開催されている美術展を観に行くついでに、千葉中心部にある博物館を巡ることにした。天気は花曇りと言った感じだったが、汗ばむほどの陽気の中、芸術と文化、歴史に浸る小さな旅となった。
(2022.03.19 投稿)
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 私鉄 徒歩
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地元の駅から乗った列車を東京駅で降り、地下ホームから出る総武本線の快速列車に乗り換える。総武本線に乗るのは久しぶりであるし、千葉県を旅するのも3年と少しぶりである。
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東京駅を出た列車は、市川、船橋、津田沼などの懐かしい駅を通りながら、40分で終点の千葉駅に到着した。そして、千葉都市モノレールに乗り換え、千葉みなと駅へと向かう。初めて乗ったが、かなりのんびりとした走りっぷりであった。湘南モノレール好きには、かなり物足りない感じである。千葉みなと駅の外に出ると、そこは、いかにも埋め立て地に造られた街と言った風景が広がっていた。
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目指す美術館は、駅から歩いて10分ほどの所にある。歩き始めると、歩道にご当地マンホールがあった。描かれているのは、市の鳥である『コアジサシ』と市の樹である『欅』、そして、市の花である『大賀蓮』である。
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千葉県立美術館を訪れたのは、山本大貴の『-Dignity of Realism-』と、『房総に生きた書家 浅見錦龍 生誕 100 年展』を観るためである。山本大貴の写真と見紛うばかりの写実絵画も凄かったが、浅見錦龍の書も非常に見応えがあった。
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駅へ戻り、再びモノレールに乗車し千葉駅へと向かう。やってきた車両は、洒落た姿をしていた。車内も座席がひとり分ずつ分けられ、色も黒と橙色が使われていて、なかなか素敵な感じであった。
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千葉駅からは、バスで県立中央博物館へと向かうことにする。観光案内所で尋ねると、すぐ裏手の7番バス停だと言う。すると、ちょうどバスが出るところだった。乗り込んだのは、11時36分発の京成バスの南矢作行。そのバスは、高校時代、通学で利用していた時と変わらぬ色のバスで、とても懐かしかった。
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中央博物館は、バス停から少し離れた場所にあった。館内は、いかにも博物館と言った感じの展示内容で、なかなか見応えがある。地質や生物に関する展示が詳しく、歴史の展示も興味深かった。
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博物館で思ったよりも時間を使ってしまった。少し迷ったが、歩いて郷土博物館へ向かうことにした。その途中、道端に七天王塚と言うものが二つあった。この地の豪族であった千葉氏が、一族の繁栄のために築いた説など、諸説あったようだが、現在では古墳と判明しているそうだ。
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七天王塚の先で、左手に天守のようなものが見えて来た。千葉市立郷土博物館の建物である。博物館の建つ場所は、亥鼻城の二の郭跡と云われている。亥鼻城は、通称千葉城と呼ばれ、千葉氏の拠点であったとされているが、実際には戦国時代に築城されたもののようである。しかも、天守のような建物は無かったようだ。
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館内に入ると、千葉氏に関する展示が多い。大河ドラマの影響が多少あるらしく、来場者もそこそこあるようだ。個人的には、鎌倉時代や地方豪族に関する資料を観るのは好きなので、ここはかなり興味深かった。
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千葉氏に関する資料を三点ほど購入し、外に出る。博物館の前には、弓をつがえた騎馬武者の像が据えられていた。詳しくは分からなかったが、千葉常胤の像と云われているらしい。鎌倉時代に活躍した武将だが、この亥鼻城の発掘調査では鎌倉時代の城郭遺構は出なかったらしい。出土品からは、千葉宗家の墓があったのではないかと考えられているそうだ。
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博物館の立つ亥鼻公園には、亥鼻城の主郭を囲んでいた土塁の跡が残されていた。亥鼻城は遺構がほとんど残っていないので、貴重なものである。構造などの特徴から、戦国時代に築城されたと推定されるようだ。
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主郭跡の先に掘割の跡らしきものがあり、その向かい側に神明社が鎮座していた。その場所は、物見台であったと云われ、その突き出たような地形が猪の鼻に似ていることから、亥鼻城と呼ばれたとされている。
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博物館の前まで戻り、『いのはな亭』と言う茶店で御城印を購入し、城跡を後にした。市街地へ下り、往きのバスの車窓に見えた井戸を探す。少々迷ったものの、何とか辿り着けた。そこは『お茶の水』と呼ばれ、土地の豪族千葉常胤が、源頼朝に茶をふるまったと云う伝説があるそうだが、後世の創作のようである。かなり前に枯れてしまったそうだが、湧水があったそうだ。
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観たい場所は巡れたので、そろそろ帰ることにする。近くにある千葉都市モノレールの県庁前駅へと歩いて行くと、途中に千葉家庭裁判所が建っている。一説では、ここに千葉氏の館があったそうだが、確実ではないため、案内板などは立っていなかった。
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県庁前駅から、14時20発の千葉みなと行に乗車。駅を出た列車は、千葉の中心部をのんびりと走って行く。曲線が多いため、速度が出ないのがこのモノレールの特徴のようだ。そして、6分で千葉駅に到着した。
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JR千葉駅の改札へ向かうと、途中に千葉県内の地酒が飲める洒落た感じの店があった。少し迷ったが、せっかくなので立ち寄ってみることにした。
一献風月 グルメ・レストラン
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『一献風月』と言う店で、一杯からでも楽しめるそうだが、28種1時間呑み放題(1,650円)と言うものがあったので、それをお願いした。お酒は、小瓶に入ったものを自分で選んで席まで持って行くようになっている。分からなくならないように、銘柄などが書かれた札があるので、それを一緒に持って行くこともできる。
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お猪口やコップではなく、ワイングラスのようなもので呑む。ワインを飲んでいるような感じなのが今一つだが、そこは仕方が無い。量も少なめなので、普通の居酒屋なら一杯300円程度だと思われる。そのため、最低でも6杯は呑まないと元が取れない。
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別途席料として550円を取られるが、4種盛のお通しが付いて来る。この店は、料理がイタリアンなので、お通しも洋風であった。
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4杯目を呑み始めたところで、つまみを追加。頼んだのは、クリームチーズの味噌漬け。使われている味噌は、伝統的な杉樽製法で醸された、佐倉市にあるヤマニ味噌のものだそうだ。味噌の風味が程よく、日本酒にも良く合った。7杯飲んだところで時間が来たので、切り上げることにした。
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結局、予定より1時間遅い列車に乗車する。改札を入ると、構内は綺麗になっていた。千葉駅と言えば、子供の頃、夏の海水浴で何度も通った駅である。当時は、房総への玄関口の風情が色濃く漂い、今のような都会の主要駅のような感じではなかった。一抹の寂しさを覚えながら、千葉の旅を終えることにした。
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この旅行記へのコメント (4)
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- hot chocolateさん 2022/03/31 23:28:35
- 千葉市への旅
- 旅猫さま
こんばんは。
千葉市にようこそ! と云っても、千葉県に住みながら、千葉市には
ほとんど行ったことがありません。
今年の2月に、用事があって千葉市に行きましたが・・・
「鎌倉殿の13人」には、千葉常胤がでてきますね。
時代的には興味あるのですが、今回のドラマはあまり積極的には
見ていないです。(一応、録画はしてありますが)
キャストは豪華なんですけどね。
前回の「麒麟がくる」は欠かさず見ていましたが・・・
千葉駅構内の「一献風月」は、かなりお洒落な雰囲気ですね。
28種類飲み放題とは面白い。
さらに、地酒をワイングラスでというのも、若者狙いか・・・?
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2022/04/01 08:46:58
- RE: 千葉市への旅
- hot chocoさん、こんにちは。
久しぶりの千葉県でした。
今年の大河は、時代的には良いですが、内容が駄目ですね。
脚本が悪いです。
俳優も豪華ですが、配役がいまひとつです。
再放送していた『黄金の日々』のほうが面白かった(笑)
「一献風月」は、偶然前を通りかかって見つけました。
なかなか洒落た店でしたが、ワイングラスと言うのが残念でした。
まあ、イタリアンなのでしょうがないかなと。
旅猫
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- ポテのお散歩さん 2022/03/20 02:58:30
- 千葉氏
- 旅猫さん こんばんは。
鎌倉殿の13人はビデオに録って時間のある時に観てるので
実際の放映日とずいぶん遅れているのですが、千葉常胤は
岡本信人さんが演じている方ですね。
頼朝を支えて、この時代に60歳を過ぎるまで生きた方のようですね。
お城の遺構を竹藪の中に見ると、変に整った碑よりも
鎌倉時代らしい風情に感じます。
帰りは素敵なお店に寄られたのですね。
最寄り駅にお店があれば、毎日一本飲んで約一ヶ月
違う種類が飲めるので、楽しいですね。
千葉もお酒どころなのですか?
父が千葉県出身なので 少し興味が湧きました(^^)
ポテ
- 旅猫さん からの返信 2022/03/20 11:50:32
- RE: 千葉氏
- ポテさん、こんにちは。
いつもありがとうございます!
『鎌倉殿の13人』は、一応観ていますが、お笑い系なのでいま一つです。
時代的には、一番好きなのですが。
千葉常胤は、岡本さんですね。
あの土塁は、実際にはかなり整備されていました。
中世の遺構にはとても思えません(笑)
『一献風月』は、千葉駅の構内で偶然見つけた店でした。
女性向けのお洒落なイタリアンの店かと思ったら、入口に日本酒の一覧が。
28種類呑み放題に釣られて入ってしまいました。
でも、さすがに全部は呑めませんね。
7杯で時間切れでした。
千葉は、結構酒蔵が多いのです。
特に房総半島の中ほどの久留里や大多喜などに多いです。
北の方では、佐原が有名です。
以前は、あまり美味しいお酒は無かったのですが、ここ数年でかなり良くなりました。
旅猫
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