1976/08/01 - 1976/08/07
181位(同エリア354件中)
おくさん
自転車の旅 飛騨路は今日も雨だった(2)
8月4日、出発から4日目、民宿の朝。
6時過ぎに起きる。すぐに窓を開けて空模様を見てみると、今日は何とか晴れてくれそうだ。雨がモロに影響する自転車旅行では、晴れそうだと思うだけで大変な喜びがある。普段なら晴れた降ったで一喜一憂するってのは少ないけど、こういうのも旅の一つの調味料なんだろね。朝食を貰って8時に出発する。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
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すぐに平湯峠の急な登りになる。平湯温泉はその名が示すように山にグルッと囲まれた谷の中にポツンと出現した平野の中の小さな温泉だ(自分で勝手にそう解釈してるんだけど)。だからここから外に出ようとすると、いきなり塀をよじ登るような上りになってしまう。平らな道からいきなり急な上り坂になるので、まるで道路に「こっから平湯峠のぼり口」とでも書いてあるようだ。でも、宿で十分休息できたので元気はいっぱいにえっちらおっちらと上っていく。
1時間半ほどで頂上に辿り着く。今登ってきた後ろを振り返ると、泊まった平湯温泉街が落っこちるような急坂の遙か下に見える。やっぱり相当な登りだった。峠の頂上から峠への登り口が見られるのは珍しいな。これで4キロらしいが、蛇行しているから見た目より距離があるのだろう。 -
ここのドライブインには小熊が飼われていた。檻じゃなく、店先で首輪に鎖で繋がれている。こんなの普通の店が飼ってていいのか?観光客が噛まれたらどうするんだ。
予想通り、峠頂上からはず~っとダウンヒルが続く。このままどこまでも続け続け~と念じながら下っていく。登りの道はえらい時間が掛かるが、下りはいつでもあっという間にすぎてしまう。もっと下りを楽しみたかったらブレーキを掛け掛け下ればいいのだが、そんなもったいないことはやってらんないので危険でない程度の最低限のブレーキ操作しかしない。
自転車をなめちゃいけません、山の下りでは車と同じスピードが出せるのです。坂の具合によっては車を追い越すことだって可能だが、さすがにそれはアホに見えるのでやりませんけどね。ただし、ブレーキの効き目は車並とは行かないので数十メートル先に何があるかを良~く見極めながら下って行かなくてはとんでもない目に遭うこと請け合いです。自転車が高速状態から止まるには数十メートル必要なので常に目線は50メートル先にロックオンです。 -
11時少し前に高山市街到着。最初にあったのは飛騨国分寺だった。ちょうど校外学習なのか、制服の中学生の一団が来ていた。飛騨高山って言うと、群馬からはとんでもない距離に感じるが、来てみると自転車でも4日目には着いちゃうんだなぁ。意外と近かったってことか、距離にしたら270Kmほどなので、平地なら2日あれば到着だけど山越えが沢山あったので日数は倍かかった。
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高山は見るところが沢山ある。今回も事前に図書館から借りてきたガイドブックで丹念に調べてきたので見物するところは盛り沢山リストアップしてある。古い町並みをそのまま保存してある上三之町~上一之町。それぞれに小さい郷土館やら美術館がある。ちょっと離れた市外には、飛騨の郷(さと)に民俗館などホントに盛りだくさんにある。やっぱりまず行きたい所は上三之町なのでいの一番に目指します。
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来たときは差ほどでもなかった観光客が、午後を廻ると沢山繰り出してきて人がいない所を写真に納めるのは難しくなってきた。まぁこれだけの観光地で人抜きで写真に撮るのは贅沢かなと諦める。
この古い町並みの通りにあるのは主に飲食店のようだ。珍しい所では造り酒屋や開業医もあるようだ。造り酒屋には入ってみたが、さすがに医院は外から見ただけ。土産物屋には自由に出入りできるので、あちこちの店を冷やかして廻る。 -
赤く塗られた昔風の橋を渡ってみる。この橋もガイドブックに掲載されていたので良く覚えている。中橋と言って、ちょっと有名らしい。小京都高山らしい優雅な橋だ。
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中橋のたもとに、名物「みたらし団子」の屋台があったので2つ食べてみる。珍しくセルフタイマーで自作自演をしてみたけど、どうですか、アホみたいですか?う~ん、何てことない味だぁ。ただの甘辛醤油の団子ってだけ。やっぱり回りじゅう全て山だらけの飛騨の名物ったらこんなモンなのかなー。昨日の民宿の食事も山菜主体だったし。でもまぁ値段の許す限り名物は食べた方が楽しい旅になる。今後もなるべくまめに食べるように心がけよう(安物だけ)。
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大きな施設の高山陣屋に行ってみたが、今日は閉館日なのか扉は閉ざされていたので入り口の写真だけ撮りました。見物もしてない陣屋の前での記念写真ってのもちょっと悲しいものがあるな。大きな屋根付きの立派な門があるので、今夜は野宿を考えている私としてはここも野宿候補に入れておく。
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町屋建築というこの地方独特のお大尽建物では日下部家に吉島家を順番に見て回る。どこも有料だがここまで苦労して来ているのだから金に糸目は付けないのだ。って、大した額では有りませんが。
高山観光はレンタル自転車が盛んらしく、市内にとびとびにある有名観光地にはもれなくレンタル自転車が横付けされていました。 -
日下部民芸館と吉島家住宅は金払ってみるに値するものだった。一抱えもある通し柱が2階を突き抜け天井まで達している。その他の材木も、まぁよくこんな太いのをあつらえたねと感心するような立派なものだ。座敷に上がって家の中じゅう見物することができる。入場料は安いし、どちらもスタンプも置いてるし、こういうのなら有料で見てもいいと思った。高山は記念スタンプがあちこちにあるので、あるたびにペタペタと押して回る。スタンプ収集と言うのも始めると面白いもんだ、金もかからんし。
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住宅の中につるべ井戸があった。きっとこの家が隆盛の時代には、家の中に井戸があることはとても贅沢だったんだろうなと思いながら井戸の写真を撮る。
空町には職人の家並みがあるってことなので飛騨工匠館と言うのに入ってみる。ここは飛騨の民芸家具やでっかい木の根っこを飾ってあった。やっぱりこの辺りでは木材を使った精巧な家具を作るのが特産らしく、沢山の立派な家具が展示されていた。でも、現代の木工細工は写真に撮るほどでないので限りあるフィルムが勿体ないので何も撮らずに出てくる。金払って詰まらない所だとガッカリする。通りの店で牛乳2本を飲んで栄養を補給しておく。 -
道ばたには古道具屋が店開きしていて、いかにも高山ぽい品揃えだ。でもこれ喜んで買う人がいるのかな?がらくたにしか見えない。まったく興味がない私だからそう思うのかも知れないけど。
1時、そろそろ昼飯を食べようと手頃な店を求めて市内をうろつく。高山は意外や高山ラーメンと言う隠れた名物があるそうだ。でも名物と言ってもラーメンはラーメンなのでどこで食べても大した違いはないだろう。それよりはやっぱり隠れてない名物の「朴葉味噌」の方が食べてみたいので、それを売りにしている食堂に入る。当然、注文は「朴葉味噌定食」。
う~む、ここ、これわぁー・・・さっきのみたらし団子から想像力を働かせればある程度予測できた食い物だったのかも知れないけど、何てことないただの味噌をおかずにしたご飯ってだけのことじゃないかぁー。朴(ほう)って言う大きな葉っぱの上に味噌を乗せて、刻みネギをパラパラと振りかけ下からミニ七輪であぶったというだけのホントに素朴で素朴な素朴すぎる料理。これ料理か?食べる前は、味噌に独特の味付けがしてあるとか、挽肉やらクルミやら銀杏なんかが入ってるのだと思ったよ。あれ?今気が付いたが、朴葉の朴って素朴の朴じゃないか。じゃぁ朴葉味噌って読んで字のごとく「葉っぱに味噌載せただけの素朴なおかず」ってことなのか。うーむ、新発見をしてしまった。でもこんなんじゃ腹は満足しないよ。 -
高山の町はずれにある屋台会館へ行ってみる。有名な高山祭りで使われる壮麗な山車を数台展示してあった。まぁさっきの工匠館よりは見でがある。でも、祭りの山車ってのは祭りの中で見てこそナンボのもんだろから少々物足りない気がするのは仕方ないのか。山車を展示してあるだけなら山車の車庫を見てるようなもんだで。
夕方5時頃、高山の町から一歩外に出た場所にある、飛騨民俗村に行ってみるが今日はもう終わりだそうだ。開館時間だけチェックして帰る。朝の9時から夕方5時までやってるそうだ。明日は見物させてもらうでー。
夕飯は、ラーメンと野菜サラダ。普段は食堂で野菜サラダなんか絶対頼まないが、健康志向に目覚めたサイクリング中だけは栄養のバランスをしっかり考えているのだ。まぁそうは言ってもその日の気分で注文するだけだからあまり当てにはならんけど。
さて、今晩の寝床だけど、どこにしようかなーと高山の街の中を物色してあるく。陣屋前のひさしは改めて見ると雨よけにはちょっと小さいなー。雨続きの中なので、雨対策は必ず考えなくてはならない。で、屋根があって野宿が出来る所と言えば駅だ。やっぱり高山駅に行ってみる。そしたら、な、なんと!!沢山の先客が駅構内を占拠しているではないか!え!?飛騨高山ってこういう所なの?谷川岳の駅みたいに、登山客が出入りするような駅なら分かるけど、高山って有名でお洒落な観光地だよね。何でこんなに野宿者が駅に集合してるんだろ???
それぞれの服装を見ると、登山客ではない普通の観光客のようだ。駅で寝るのが嬉しいらしく、新聞紙を敷いた上に寝転がって互いに記念写真を撮りあってるのまでいる。それでもって後で「野宿したんだぜぃ」って自慢しようってのか。ヲイヲイ、一般観光客は宿に泊まれよ。私のような貧乏サイクリストが泊まれないじゃないか。駅のベンチで寝ようと思ってきたけど、ベンチどころじゃない、構内の床もいっぱいで中に入れない始末。仕方ないので外のひさしの下を今日のねぐらと決めてコンクリートに新聞紙を敷いた上にシュラフを並べる。おばさんに貰った新聞紙がここでも役に立った。結構利用範囲が広いんだな新聞紙って。構内で寝転がってる人たちは一様に着の身着のままで横になっているだけだった。どうでぇ一般観光客、こっちはシュラフを持ってるんだぜぃと、すっごい次元の低い優越感に浸るのだった。
でもまぁ、混んでてベンチは取れなかったけど、これだけの人数で一緒に野宿するのって初めてだなー。心強いものがある。普段、野宿と言えば、当然自分一人で見知らぬ土地の暗がりの中で長い夜を過ごさなくてはならない訳で、コツコツという足音にも警戒しちゃったりして、それはそれは心細いものなのである。今晩はそういう心配はいっこもしなくていいのでありがたい。横断歩道の話じゃないが、みんなで渡れば怖くないってことだ。 -
写真は翌日の朝に撮った高山駅前の写真です。余りに写真が少ないので見切り発車でこちらにも載せておきます(次回も載せます)。
夜が長くて飽きるので、駅前のロータリーを見物したり自販機の天ぷらうどんを食べる、80円。なんとなく侘びしい。
自転車の旅 飛騨路は今日も雨だった(3)へ続く
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