2022/03/06 - 2022/03/06
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ばねおさん
3月6日の日曜日は、歩行者天国となったシャンゼリゼ大通り。
この日、バスク地方からやってきた羊たちがシャンゼリゼを行進するという。
ちょうどポルト・ヴェルサイユで開催されている農業見本市の最終日にあたるので、そのフィナーレを飾る催しかと思ったがそうではなく、バスク地方の文化を広く知ってもらうための企画だという。
バスクにはまだ足を運んだことがなく、知識もほぼゼロ。
それにしても標高2千メートル近くのピレネーの山で放牧されている羊たちとシャンゼリゼで出会えるとは!
これは滅多にないどころか、二度とない機会ではないか。
という訳で、いそいそと出かけた久々のイベント見学。
戦雲垂れこめる欧州にあって、つかの間の晴れ間が見えたような楽しいひとときだった。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
3月6日、晴れ。
天気は良いが、ここ数日間気温が上がらない。
この日も冷風が吹いていて肌寒い。 -
凱旋門からシャンゼリゼ大通りをジョルジュサンクの方へ向かうと、すでにイベントは始まっていた。
たくさんの見物客が詰めかけてはいたものの予想していたほどの多さでもなく、さほど苦労することなく観覧することができた。 -
はじめに出会ったのは、旗を肩にして凱旋門へと向かうムッシュ。
バスク地方といっても、いくつもの地域に分かれ、地域ごとに旗やシンボルマークやカラーがあるようだ。
こちらはPAU ポーの文字が読み取れる。 -
そのあとに続く女性。
頭上にあるのはヤギの乳だろうか。 -
高らかに音を響かせて音楽隊がやってきた。
大人も子供も誰もが頭に被っているのはバスク・ベレーだ。 -
こちらは歌いながら踊りながらの行進。
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グリーンを基調に揃いの衣装に身を包んだ一団。
掲げているプレートには、地域や団体名などが記されているのだが、もともとバスクについての知識が乏しい自分には区分がよく分からない。 -
ミルク缶らしきものを背負っているロバさんの隊列。
手綱を持っているひとの足元をみると木靴のようだ。 -
こちらのロバさんは少しお疲れのご様子。
イヤイヤしながら進んでいた。 -
独特の楽器を奏でながらの一行。
この楽器の名前が思い出せない。 -
白地に赤色カラーの一行は、お手てつないで仲良し行進。
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男性は赤色の上着、女性は同色のヴェールを被っている。
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こちらもシニアが大健在。
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BIZANOS ビザノ(ス)という旗を掲げた一団。
シックな出で立ちだ。
BIZANOSという地域であることは分かった。 -
BIZANOS最後尾は長老然とした風格のムッシュ。
沿道の見物客と言葉を交わしながらゆったりと歩いていた。 -
何やら大きな物を乗せた荷車を引いてきた白牛さんが登場。
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人を乗せた荷車もやってきた。
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荷台の上では、毛を刈り取られている羊さんがいた。
刈り取った羊毛はその場で見物客に配っている。
羊さんも可哀想にきょうは寒かろうに
風邪ひかないでね。 -
毛を刈られているのは羊さんだけではなかった。
こちらは台車の上で髭のカット中。
但し、見物客に配られることはないようだ。 -
台車を引いていた大きな角をもった巨大な牛。
大きすぎてカメラに収まらない。 -
子供たちの一輪車部隊も登場。
練習が足りなかったのか、どうもうまくいかないようだ。
頑張ってね。 -
あしながおじさんに先導された一団がやってきた。
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台車の上で繰り広げられるパフォーマンス。
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まるでアクロバットのような演技だが、意味不明。
解説不能。 -
アクロバット部隊の台車を引いていた白牛さん2頭。
あとでゆっくり再会することができました。 -
あしながおばさん?
失礼、あしながマダム
いやマドモアゼルかな -
あしなが民族の一行は、凱旋門へ去っていった。
-
次に大きな張りぼてが登場。
-
カーニバルによく登場するタイプだね
地域の衣装と羊飼いの装いだろう。 -
掲げている旗は地域の表象。
そういえばバスク地方全体の「バスク国」の「国旗」というのがあったことを思い出した。 -
こちらはスペイン・バスク地方のようだ。
バスクといっても、一口には語れない多様性があることだけは分かった。 -
さて、観覧場所の向こう側、自転車警官が見物客に歩道に退がるよう警告しながら通過した。
その後から凱旋門方向からやってきたのは
白馬に跨り、まるで王侯のようなお方。
こういうのを威風堂々と言うべきか。 -
そして、続いてやってきた大集団。
-
女性の羊飼いに先導された羊たちだ。
-
うわ、こんなにいるの!
-
あっという間にシャンゼリゼ通りは羊の群れに覆われてしまった。
歩行者天国ならぬ羊天国だ。 -
あとからあとから次々とやってくる。
羊が一匹、羊が二匹... などと数えている場合じゃない
もう羊の大洪水
羊に倒されて轢死とならぬよう脚をふんばる。 -
めんこいのも一生懸命について行っているね。
-
中からひよっこり顔を出して挨拶するのもいる
夏になれば標高2千メートル近い山にのぼり、そこで放牧されるという。
自然の中でのびのび育てられている羊たち
パリの印象はどうかね。 -
羊たちを見送ったあと、再び凱旋門へ向かう側に見学位置を移動。
ロバに跨り粋に登場したムッシュ
馬?と思ったのが、どうみてもやはりロバだよね -
その傍では介添え役が革袋入りのワインを豪快に飲んでいる。
馬上(ロバ上?)から、「おいおい、飲みすぎるなよ」とでも言っているようだが、聞く耳持たず。 -
見物人にも飲んでみろと勧め、飲んだ人はむせていた。
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その後ろ、剣を手にした女性を先頭にやってきたのは
三銃士!?のご一行。 -
こんな美人なら、斬られても仕方ないか
とは、思わないが...
剣先こちらに向けないでね。 -
隊長さま
ポーズをお願いします。 -
さてさて、パレードももそろそろ終わりに近づいた様子。
凱旋門方向へ向かうとしよう。 -
牛さん、ロバさん、羊さん
シャンゼリゼの印象はどうだったかな。
故郷に戻り、仲間に自慢話ができるかな。 -
思ったほどの人出もなく、存分に観覧できたイベントだった。
凱旋門近くで一か所だけ人だかりがしている。
制服警官も周囲に配置されていて、ちょっと違った雰囲気だ
誰かが牛さんの頭を撫でている様子も遠目で窺えた。 -
何だろうと、野次馬根性を全開にして近づいてみたら
あっ、この横顔は、この前額の禿具合は -
やっぱり、カステックス首相
じゃありませんか。
TVではいつも眼鏡姿だけど、今日は眼鏡なし。
そしてもちろんマスクもなし。
屋外のマスク不要を決めたし、14日からはワクチンパスポートも撤廃すると宣言したその人なのだから。
でも、本当に大丈夫?
まだまだ心配だけど.. -
周りは多数のSPと取材のTVクルーやらが取り囲み、さらに首相の存在に気づいた見物客が押し寄せてきてえらいことになってきた。
そういえばマクロン大統領が農業見本市でロシアとの長期の戦いに臨む決意と協力を述べたことが報じられていた。
「欧州に再び戦争が戻ってきた。我々は今日、未曽有で重大、歴史的な状況に立たされている」との認識を示し、「この危機は長く続く」と語ったと言う。
会場の鶏、豚、牛、羊さんたちも大統領の決意を聞いたに違いない。
カステックス首相は牛さんの頭を撫でながら何を語ったのだろうか。 -
今日のイベントのためだろう、近隣のバス停もメトロの駅も閉鎖されている。
アロマ橋まで歩き、そこから92番のバスで帰宅しようとマルソー通りを辿ることにした。
通りに入ると一般車両通行止めになっていて、珍しい形の大型トラックが何台も並んでいた。
後部には「動物運搬」と記されていた。
そうかこれで羊さんたち運ばれてきたんだね。 -
先ほどシャンゼリゼを行進していた牛さんがやって来た。
凱旋門を背に歩く牛の姿などめったに撮れぬ貴重なショットではないか。
役目を務めた牛さんたちは、ここで車に乗って帰るようだ。
こうした楽屋裏を観察するのは面白いので、邪魔にならぬようのぞかせてもらった。 -
こちらの横綱級の牛さんだね、さっきカステックス首相に頭を撫でられていたのは。
ご苦労様
ところで、首相は何を語ったのかな? -
白牛さんが引いていた荷車。
重そうな石に見えるけど、実は発泡スチロール。 -
その白牛さん、牛飼いのおじさんを頭でゴリゴリ押して
何やらせがんでいる様子 -
ああそうか、お腹が空いていたんだね。
-
おいしい?
と声を掛けたら、
嬉しそうな顔を見せてくれた。 -
表舞台だけでなく最後の楽屋裏まで見ることができて、親しみが湧いてきた。
でもやはり、シャンゼリゼではなく本場で出会うのが一番だよ、きっと。
顔見知りの牛さんもできたことだし、ここはやはりバスク地方へ行く計画を練らねばなるまい。 -
マルソー通りをセーヌ川近くまでくだり、アルマ橋のたもとでバスを待つ間
向かいのカフェの名前をみて、おやまあ
「グランド・コロナ」とある。
隣のカフェは何度か利用したことがあるのだが、この店名には気がつかなかった。
だからと言って、いわゆる風評被害なるものはないだろうけれど、冗談好きなパリジャンのことだ。きっと何か話のネタにされたに違いない
コロナもウクライナも先行きの見えない中での、楽しい時間だった。
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この旅行記へのコメント (9)
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- Driving in Europeさん 2022/03/16 08:58:13
- 楽しく読ませていただきました
- 楽しく読ませていただきました
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- mistralさん 2022/03/14 10:50:13
- 春真近。
- ばねおさん
パリに春の訪れを感じさせられるような旅行記、楽しく拝見しました。
シャンゼリゼを歩くすごい数の羊さん、おまけにめんこい子たちまで、
だけかと思ったらロバさん、巨体の牛さんまで、と続々と。
どうやってパリまでやってきたの?と思ったら、疑問は後で解消。
Pauという懐かしい名前も出てきました。
20代の若き頃、しばらく滞在した地です。
Pau大学の夏季講習?に参加、それだけでなく週末に開催されるエクスカーション
にあれこれ参加したことが一層懐かしい思い出となって蘇ります。
バスク地方とかベレー帽とかの言葉に、すぐに反応してしまいます。
パレードの要?重要な役割を担うのは
多分シニア世代のムッシュ、マダム方々。
背筋もピンと伸びて、格好良く歩かれるお姿を想像すると、なかなか日本人には
真似できない立ち居振る舞いで、既にその世代に突入しています私としては
憧れてはいるものの、なかなか出来そうにありません。
パレードが終わって後、大変なお役目を果たした後の牛さんの表情が
可愛らしく、ご褒美のお食事をねだったりする姿に癒されました。
そこまで取材されたばねおさん、さすがのレポートでした。
mistral
- ばねおさん からの返信 2022/03/15 19:30:30
- RE: 春真近。
- mistralさん こんにちは
コメントありがとうございます。
Pauの地に若き日の思い出があるのですね。
時間は経っても、いつまでも新鮮に保存されている記憶というものがありますが
きっと、バスクの体験がmistralさんにとってはそのひとつなのでしょう。
楽しかった事の数々を蘇らせる契機となったのであれば幸いです。
> どうやってパリまでやってきたの?と思ったら、疑問は後で解消。
専用車両とはいえ、かなりの長旅でしょう。
故郷に戻ったらしばらくはゆっくりと休んで、旅の思い出話でもしていてほしいと願っています。
パレードには多くのシニア世代が登場しましたが、同時に少年少女らの参加も目立ち
きっとこの地の伝統は衰えることなく受け継がれていくのだろうと感じました。
ばねお
-
- ちゅう。さん 2022/03/12 22:36:48
- 羊のシャンゼリゼ越え
- ばねおさん、Bonjour!
まさかのパリで羊の通せんぼが見られるとは!
30年前、Pauから鉄道でOloron-Sainte-Marieへ、路線バスで、ピレネー山脈を越えてスペイン側国境のCanfrancの駅に行く途中で、羊の群に阻まれた楽しい思い出があります。
今回の羊、牛、ロバさんたちのパレードは、とても大規模で楽しいひと時でしたね。
こうした洒落たセンスが、さすがフランスと思います。
日本の比ではない、コロナ禍に、物価高、そしてウクライナ情勢、色々苦難が続きますが、なんとか小さな楽しみを見つけて健康でいたいものですね。
ちゅう。
- ばねおさん からの返信 2022/03/13 05:24:31
- RE: 羊のシャンゼリゼ越え
- ちゅうさん、こんにちは
> 30年前、Pauから鉄道でOloron-Sainte-Marieへ、路線バスで、ピレネー山脈を越えてスペイン側国境のCanfrancの駅に行く途中で、羊の群に阻まれた楽しい思い出があります。
30年も前に行かれた貴重な思い出を持たれているのですね。
旅行記に書きましたように、私はこの地方の知識がほとんどないので、これから少し勉強してみようと思います。
シャンゼリゼが、その予習になっていればよいのですが。
フランスにいると日本のコロナ感染状況は直接伝わってきませんが、ワクチン接種の回数に力点が置かれているでしょうか。
フランスではワクチンパスポートを撤廃してしまうので、これからは接種を受けようとするひとは激減するのかもしれません。
ウクライナのこと、許しがたい出来事ですが、差し迫ったさまざまな危機のほかにヨーロッパの穀倉地帯でもあるので、将来食料に大きな影響が出ることが予測されています。
飛行機も日仏間の直行便がなくなり、日本が少し遠くなってしまいました。
ばねお
-
- yunさん 2022/03/12 21:49:14
- 羊ga
- 珍しきシャンゼリゼの光景に思わずふふっ
NHK-BSニュースで「羊行進」画像を見たのですが、こんな大群だったとは。
石畳を歩いて、羊さんたちの足裏は大丈夫なのかな~
どうやってバスクから連れて来た?の疑問は解けました。
特殊なトラックはよく見ると3階建てのようですね。これはいっぱい乗せられる!
でもガソリン代高騰で割高の旅路だったことでしょうね。メ~
凱旋門をバックに干し草をモグモグする白牛さん。
眼を細めた「幸せ顔」に150%ほっこりです。
ばねおさん、14日のワクチンパスポート撤廃にて慎重ながらも行動範囲増えますね!年末の帰国時の不自由分まで取り戻してください。
春のパリ様子、またお願いしますね。
もう一方の危機は、どうか長期化しないで…と切に願うばかり。
yun
- ばねおさん からの返信 2022/03/13 04:58:25
- RE: 羊ga
- そうでしたか、BSニュースに出ていたんですね。
羊の数は2022匹であったはずですが、数えて確認することはあきらめました。
このイベントを知らずに、たまたまシャンゼリゼでこの光景に出会ったとしたら、さぞかし驚くでしょうね。
> 特殊なトラックはよく見ると3階建てのようですね。これはいっぱい乗せられる!
そうそう、3層になっていることは外観から分かりますよね。
あとはどうやって乗せるのだろうという疑問があるのですが、残念ながら搭乗場面には立ち会わなかったので、あれこれ推定するほかありません。
yunさんだったら、どのように考えますか?
> ばねおさん、14日のワクチンパスポート撤廃にて慎重ながらも行動範囲増えますね!年末の帰国時の不自由分まで取り戻してください。
パリに戻り、屋外放浪は再開しましたが、次は様子を見ながら溜まっていた屋内探検を開始です。
それから少しづつ移動距離を伸ばしていくつもりですが、コロナに加えてロシアの蛮行でまだまだ先行きのことは語れない状況ですね。
ばねお
- yunさん からの返信 2022/03/13 09:31:02
- 羊が主役
- > そうそう、3層になっていることは外観から分かりますよね。
> あとはどうやって乗せるのだろうという疑問があるのですが、残念ながら搭乗場面には立ち会わなかったので、あれこれ推定するほかありません。
> yunさんだったら、どのように考えますか?
跳躍力の長けた羊さんが3階へピーョン、
まずまずの子は2階へぴょん、
おしとやかな子はスロープで1階へ…なんて! 隠し電動リフトがありそう?
んん〜謎ですね。
> それから少しづつ移動距離を伸ばしていくつもりですが、コロナに加えてロシアの蛮行でまだまだ先行きのことは語れない状況ですね。
JLもNHも欧州便ほぼ停止、信じがたい現状に私の思考も混沌と。
己の意がために、人の命を軽んじる…あってはならない。ましてや国のリーダーが。
蛮行を前に、有力な良識実行の困難さに心が戸惑います。
タイトル記入中に送信した 慌て者yunより
- ばねおさん からの返信 2022/03/13 21:11:43
- RE: 羊が主役
- 「羊はいかにして、3階建て車両に乗車するか」
この難問を前にすると、頭の中は羊のメリーゴーランド状態となります。
ましてや、寝る前に考え出すと眠れなくなります。
そして、羊が一匹、羊が二匹.....
yunさんの、とりあえずのお答えは
> 跳躍力の長けた羊さんが3階へピーョン、
> まずまずの子は2階へぴょん、
> おしとやかな子はスロープで1階へ…なんて!
豊かな想像力をお持ちであることは、よく分かりました。
たぶん、後ろのゲートと3層の仕組みに答えが隠されていそうですが、いずれ行くバスクで答え合わせをしてきます。
それまでお楽しみに
羊gaピーョン、ぴょん かも
ばねお
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