2021/11/06 - 2021/11/07
331位(同エリア1198件中)
小心者さん
この日の宿は、鳥羽駅から1キロほどの『ホテルメ湯楽々』。
温泉宿の中では、素泊まりで最安値でしたので決めました。
前日に観光案内所の方に「バスも通っているけど、本数が少ない」と聞いていたので、鳥羽駅から雨の中トボトボ歩いて向かいましたが、水族館で疲弊した身にはなかなか辛かったです。
しかも、本数が少ないはずのバスに3回ほど追い抜かされ、「なんでやねん」と思いました。
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ヨレヨレになってホテルに到着です。
かなり古いホテルだということは承知していましたが、今にも閉鎖されそうな寂しさが漂っています(失礼)
これを書いている今、ふと気になってサイトを見てみたら『臨時休業』となっていました。
本当に「臨時」なのでしょうか?
全室オーシャンビュー、空はどんより、部屋は5階です。
サッシの隙間から吹き込む海風が旅情を…かき立てません。
広縁が冷えるのみです。 -
エレベーターもあるのですが、なぜか4階までしか上がれず、1階分は階段で上り下りしないといけません。
軟弱者にはこれが意外とこたえました。
備え付けの浴衣は大きすぎて裾を引きずります(うまく着れない)
浴衣にスニーカーは履けず、備え付けのスリッパは油断すると前方に飛んでいきます。
その状態で階段を降りて大浴場に行くのはなかなかの難易度で、朝風呂を断念したことが心残りです。
「寝過ごした」というのもありますが。 -
『THE昭和』な部屋の様子(写真は翌朝撮りました)。
金庫の鍵はあるにはあるのですが、どうやっても閉まりません。
隣の部屋の音は、まるで壁など無いかのごとくよく聞こえます。
またこいつらが騒ぐ騒ぐ。
何とかして奴らのテンションをガン下がりさせてやれないものかと、大人気のないことを考えます。 -
今時なかなか見かけないエアコンですが、ちゃんと効くので安心しました。
問題は便所サンダルを履いて入るバスルームで、とても部屋の風呂を使う気にはなりませんでした。
洋式であることが奇跡のようなトイレはもちろん洗浄機能などありませんし、洗面所で手を洗うたびに脚も濡れるので一石二鳥です。 -
昔の旅館にこういうのありました。
筋トレグッズでしょうか? -
お色気満点の女性に戦慄します。
使用方法を見てもまったく分かりません。洒落た孫の手、みたいなものでしょうか?
でも、あの位置なら手で掻いた方が早いような気もします。
なんとなく「古びた旅館で侘しい一夜を過ごしてみたい」などと思ったりしていましたが、その望みが叶い、「もういいでしゅ」と思いました。 -
来る途中に魅力的な建物がいっぱいあったので、傘を借りて散策に出かけます。
傘の骨はちゃんと2本ほど折れていて、そこは「そうこなくちゃ!」と思いました。 -
あちこちに休業中(?)らしきホテルが見られます。
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閉館したホテルでしょうか。
『歓迎』看板の徹底した錆びっぷりにうっとりします。
そばを通る時、崩れたブロックが頭を直撃しそうでキュンとしました。 -
古い温泉地は素晴らしい物件の宝庫ですね。
入口に「立入禁止」とあったような気もしますが、気のせいだと思います。 -
ずいぶん暗くなり、手ブレし放題です。
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左側手前が宿泊しているホテル。
その向こうには、数年前に親の金で泊まった『胡蝶蘭』が見えます。
部屋の窓からも否応なしに目に入り、たいがい腹立たしかったです。 -
あれに見えるホテルは姉妹館だとか。
あそこもきっと昭和に違いないと確信します。 -
この傾いた橋をお爺さんが渡ってきてヒヤヒヤしました。
途中で2回ほど落ちそうになり、思わず準備運動をしましたが、こちらも負けないくらい老人なので無謀でした。
確実にわたしだけお陀仏でしょう。 -
今も貝を売っているのでしょうか。
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シビレます。
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思ったとおり、足が止められなくなって困っています。
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とっとと戻って温泉に入りたい、という気持ちとは裏腹に。
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強い精神力を持って臨まないと、うっかり鳥羽駅まで行ってしまいそうです。
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ちょっと崩壊している様子。
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すみませんが、めっちゃ楽しい。
加工工場(これがまた渋い)みたいなところから出てこられたおじさんと鉢合わせたのを機に、しぶしぶホテルへと戻ります。 -
夕飯は、鳥羽の駅前で買ってきた弁当をロビーのレンジで温めていただきます。
なかなか美味しかったのでOKです。
温泉は口コミに違わず、とても良かったです。
誰もいなかったので、深い浴槽(水深120m)でちょっとだけ泳いでみたら、背中の筋を傷めました。
たっぷり3日間は苦しみました。 -
翌朝。
晴れではないですが、雨はあがっています。
なんだかんだディスりましたが、ホテルの方々は親切で和みました。 -
鳥羽駅までの送迎があって助かりました。
ホテルに荷物を預かっていただくとまた取りに来ないといけなくなるし、荷物を持ってチェックアウトです。
鳥羽駅にてしばし思案しましたが、コインロッカー代をケチって、荷物を背負ったまま歩きだします。
本日の予定は『江戸川乱歩館』だけなので、大丈夫かと思ったのです。 -
自分のひ弱さを舐めてました。
さっそく疲労困憊しましたので、早くも『伊良子清白の家』で休憩です。 -
なにやら不穏な気持ちになるストリキニーネの瓶。
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今度こそ『江戸川乱歩館』へ向かおうと歩きだすと、『門野幾之進記念館・無料』と書かれた看板を見つけました。
『無料』にはとことん弱いので、よくわからないまま立ち寄ります。 -
係の方の説明も虚しく、やはりよく分からなかったので
「江戸川乱歩館に行く途中でして…」と言い訳します。
すると、
「あぁ、すみません。先日火事で焼けてしまったんですよ」
と、衝撃の事実を告げられて絶句しました。
係の方が「お見せするものでもないのですが」と、焼け残った資料を見せてくださいました。
消防活動で濡れてしまったのを乾かしている、とのことでした。 -
にわかには信じがたく、自分の目で確かめようと『江戸川乱歩館』へと向かいます。
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反対側の道沿いにも煤けた建物がありました。
こちら側まで火の手が回ったのでしょうか。
(元々からこうだったらすみません) -
記憶にある小路。
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ちょっと怖めの、その路地を抜けると
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すぐにその惨状が目に飛び込んできました。
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完膚なきまでに焼けてしまったその様子に呆然と立ち尽くします。
周辺にはまだ焦げ臭いにおいが立ち込めていました。
しばらくすると一人の若い女性がやって来て、隣で立ち尽くします。 -
この方も知らずにやって来たのかな?
などと思っていると、突然泣き崩れられてびっくりしました。
コミュ障ながら黙っていられなくて「残念でしたね」と声をかけます。
すると、彼女がボロボロと涙を流しながら、無念の思いを語り始めました。 -
江戸川乱歩の大ファンだという彼女は、ここを訪れることを楽しみに数ヶ月前から旅行計画を立てておられたそうです。
旅行直前になって火事のニュースを知ったが、どうしても自分の目で見てみたく、他県からわざわざやって来られたそうです。
あくまでも「ついで」のわたしとは大違いで、そりゃ涙も出るでしょう。 -
彼女曰く、こちらの小料理店が出火元だったとか。
学生さんなので、一生懸命お金を貯めてやっと実現した旅行。
気の毒すぎて言葉もなく、わたしの無念など屁のようなものだと思いました。 -
『特に貴重な資料が保管されているという奥の蔵』が無事だったことで少し元気になった彼女と、周辺を散策します。
「これから名張まで乱歩像を観に行く」という彼女は、間違いなく本物のファンでしょう。
「わ、わざわざですか?」という一言を呑み込み、『門野幾之進記念館』に立ち寄ってみるよう進言した後にお別れ。
とてもきれいで礼儀正しい方でした。
天は二物も三物も与えとるやないかーい。と思いました。 -
わたしもまだショックを引きずっていますが、お腹は減ります。
あくまでもそういう奴です。
ちょうど昼時なので、『鳥羽一番街』の3階へ。
今度は、半分くらいのお店が営業中でした。
海鮮料理の他に、うどんや洋食も食べられるようです。
呼び込みのおねえさんに釣られ、『えびしま』というお店で鯛茶漬けをいただきました。 -
席につくと、何の前触れもなく「サービスです」と、干物が運ばれてきました。
「干物サービスしますよ」と呼び込みをするでもない、その奥ゆかしさに感動しました。
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この旅行記へのコメント (4)
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- picotabiさん 2022/01/17 13:07:19
- 江戸川乱歩館…
- 小心者様。火事の写真。。しゅごい。。この写真だけでまた江戸川乱歩の新しいミステリー話ができそうです。ファンの女性、相当ショックだったでしょうね。確かにこれは自分の目で見ないと。
「孫の手」に見えるやつは自分で背中のツボを押すやつだと思います。100均で買ったのを会社で使ってますがいかんせんプラスチック製なので自分の凝ったツボを押すと本当に折れそうになります。首をコロコロさせるやつは凝りに対抗できずに死亡してしまったぐらい、慢性的に肩こりです。
- 小心者さん からの返信 2022/01/17 16:19:26
- い、意外と愛用者が…
picotabiさん、こんにちは。
書き込みありがとうございます。
誰もが「なんやねんコレ」とスルーすると信じていたグッズが人気商品であったことに驚きを隠せません。
遅ればせながら、撮った写真を目一杯拡大して詳細を見てみると
「ツボころ」「ツボきーく」という、なかなか攻めたネーミングであることが判明しました。
ツボコロの使用例写真がまた秀逸で、様々なポーズを取る金髪女性に「なにしとんねん」と小一時間ほどツッコみました。
ていうか、あれを死亡させるとは…さすがpicotabiさんです。
使用方法を間違っておられる可能性もあるので、お申し出いただければ、金髪女性の写真をお送りします。
ついでに、「ツボ押したら折れそうになるツボ押し」はアカンやろ、と思いました。
やんわりとしか押されへんやないかい。
江戸川乱歩館は本当に残念でした。
看板だけがきれいに焼け残っていたことが余計に悲しかったです。
しかし、自分の100倍くらい悲しんでいる人を目の当たりにすると、なんか申し訳なくて、即立ち直りました。
-
- まみさん 2022/01/15 09:51:26
- 「ふふっ」てなりました
- >傘の骨はちゃんと2本ほど折れていて、そこは「そうこなくちゃ!」と思いました。
すごい、小心者さん、センスありすぎ。
公開してくださってありがとうございました。
- 小心者さん からの返信 2022/01/15 12:21:59
- 公開して良かった、と思いました
まみさん、こんにちは。
書き込みありがとうございます。
「センスあり」!
生まれて初めて言ってもらって舞い上がりました。
今後調子に乗る予定なので、目に余ったらそっと戒めてください。
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