2021/09/14 - 2021/09/15
40位(同エリア993件中)
かっちんさん
知床半島東側の「羅臼(らうす)」は、魚とともに生きる「魚の城下町らうす」と呼ばれています。
知床岬への海岸線にはかつて漁師が寝泊まりした番屋が数多くあり、テレビドラマ「北の国から 2002遺言」の舞台となった「純の番屋」は羅臼町に建物が再現されています。
知床半島西側の「ウトロ」には、岩尾別地区開拓の歴史を伝える「旧開拓家屋」が整備され、「森づくりの道 開拓小屋コース」として5年ほど前から公開されています。
9月中旬の今の時期、カラフトマスが海から川を遡上する姿が見られます。
そして、知床の成り立ちを知ることができる「海底地層の露頭」が「遠音別川(おんねべつがわ)」の河口にあり、2016年にブラタモリでも紹介されています。
今日は中標津から出発し、羅臼の「純の番屋」、知床横断道路を通り、ウトロの「旧開拓家屋」・カラフトマスの遡上・「海底地層の露頭」を見学します。
今晩の宿は、ウトロの「ホテル知床」。品数の豊富な夕食バイキングをいただきます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・なかしべつ観光協会「武佐岳」
・中田文雄氏のMy FootPrint「知床・羅臼から国後を眺めたのだ」
・photograph.proブログ「誠諦寺の桜」
・「純の番屋」のHP
・知床・羅臼町「「魚の城下町らうす」のシンボルマーク」
・斜里町観光協会「知床峠」
・知床自然センターのHP
・しれとこ100平方メートル運動の森・トラストのHP
・酒井事務所のヘルシーキャット、2014年4月30日、北海道新聞の記事:旧開拓家屋
・ウェッジ「知床の森 開拓史の真実を探る医師」、2009年12月号
・しげのゆうたの旅ぶろぐ「知床八景オロンコ岩はプチ絶景が楽しめるウトロのシンボル!」
・北海道STYLE「オンネベツ川鮭鱒観覧施設」
・北海道開発庁、5万分の1地質図幅説明書「宇登呂」、pdf
・NHKブラタモリ#55「世界遺産・知床は”火山のおかげ!?”」放送、2016年11月19日
・とらべるじゃーな!「ブラタモリ知床タモリ推奨の知床の歴史・地形・観光ルートまとめ#55」
・知床博物館「オシュンクシュン粗粒玄武岩柱状節理」
・自然人.netコミュニティ「雲の名前を覚えよう。」
・ひがし北海道トラベルラボ「オシンコシンの滝」
・北海道ファンマガジン「知床に行ったら見ておきたい! 珍しい海鳥ケイマフリってどんな鳥?」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
「中標津バスターミナル」(中標津町)
昨晩宿泊した養老牛温泉「だいいち」の送迎車で「中標津(なかしべつ)バスターミナル」に来ています。
ここから9:35発の羅臼行きの路線バスに乗ります。
羅臼までは1時間半ほど。これから車窓風景を紹介します。 -
中標津町のシンボル的な山「武佐岳」(俵橋付近)
標高は1005.2m。三角形の綺麗な姿の「武佐岳(むさだけ)」です。 -
点在する「牧草ロール」(俵橋付近)
ひとつだけ横になっている「牧草ロール」が、これから動き出しそうです。 -
こちらは整列する「牧草ロール」(俵橋付近)
誰かの号令で「牧草ロール」が集まり、並んだのでしょうか? -
目の前に「国後島」(標津町)
標津町に入ると海が見えはじめ、これから海岸沿いに北上します。
目の前に根室海峡を挟んで国後島(くなしりとう)が見えます。 -
小高い丘を通ります(羅臼町幌萌)
羅臼町に入ると、小高い丘や海岸道路を通ります。 -
紺碧の海と国後島(羅臼町松法)
国後島にそびえる山は、「羅臼山(標高882m)」と「小羅臼山(標高797m)」。
似たような名前の「羅臼岳(標高1,661m)」は、知床半島にあります。 -
「羅臼本町」バス停
終点から三つ手前の「羅臼本町」でバスを降り、羅臼の町なかを散策します。 -
「誠諦寺」の山門(羅臼本町)
「誠諦寺(じょうたいじ)」の境内には、エゾヤマザクラの古木が数本あります。
道内屈指の遅咲き桜で、5月下旬になると開花します。
今の時期(9月中旬)は、葉が赤く色づきはじめています。 -
「純の番屋」(羅臼礼文町)
羅臼本町から標津方面へ少し戻ったところが礼文町。
「北の国から 2002遺言」の舞台となった「純の番屋」は、海からしか行けない知床岬までの海岸で漁師たちが寝泊まりした小屋(番屋)です。
そのときの「純の番屋」を羅臼町に再現しています。
建物は外観だけ再現し、内部は海鮮食堂になっています。 -
イチオシ
雰囲気のある建物「純の番屋」(羅臼礼文町)
ここで昼食と思っていたのですが、羅臼町内で最近コロナ感染者が増え始めたので営業を自粛していました。 -
風車(かざぐるま)のように回る干物作り(羅臼本町)
再び町なかを歩き、阿寒バス営業所へ向かっています。 -
知床羅臼地域案内図
「羅臼」から知床峠を知床横断道路で越えたところが「ウトロ」。
途中には「羅臼湖」と「羅臼岳」があります。 -
知床峠を横断する路線バス(阿寒バス羅臼営業所)
羅臼営業所とウトロを結ぶ「ウトロ線」。
7/1~10/3までの期間、1日4往復を阿寒バスと斜里バスが共同運行しています。 -
「魚の城下町らうす」のシンボルマーク
羅臼町の「ら」「う」「す」の3文字を町のシンボルである「魚」にあてはめたもの。
羅臼町では「人・まち・自然 いきいき知床新時代 ~魚の城下町らうす~」をキャッチフレーズに、魚とともに生きる「人・まち・自然」が融合するまちづくりを進めています。 -
停車している「阿寒バス」(阿寒バス羅臼営業所)
車体側面は「丹頂カラー」のデザイン。 -
ウトロからやって来た「斜里バス」(阿寒バス羅臼営業所)
車体側面は「オジロワシと流氷」のデザイン。
どちらのバスも地域の特徴を表しています。
これから乗る13:20発ウトロ行きは「斜里バス」です。 -
南向きにのびる枝(羅臼~知床峠)
バスは知床横断道路を登って行きます。
南向きの枝は、ウトロ側から吹く強風によります。 -
羅臼側の景色(羅臼~知床峠)
眼下に羅臼町、その先に根室海峡と国後島が見えます。 -
ダケカンバとトドマツの混成林(羅臼~知床峠)
羅臼湖入口バス停に停車し、登山者が乗ります。
羅臼湖までは、知床横断道路の入口から2.8kmの登山道が整備されています。 -
まもなく「知床峠」(羅臼~知床峠)
知床横断道路の頂上です。 -
国後島が眺められる「知床峠」(横断道路)
知床連山の尾根筋にあたる標高738mの「知床峠」です。
ここに羅臼町と斜里町の境界があります。 -
ウトロ側の景色(知床峠~ウトロ)
知床峠を越えしばらくすると、オホーツク海が見えてきます。 -
「知床自然センター」バス停(斜里町)
「知床自然センター」は、知床国立公園・世界遺産地域の中にあるビジターセンターです。
ここでバスを降り、「旧開拓家屋」へ向かいます。 -
「森づくりの道」のマップ
「森づくりの道」開拓小屋コースは往復5km 2.5時間かかるので、今回は途中の「旧開拓家屋」だけ訪れます。
この道は100平方メートル運動の一環として、平成28年(2016)にオープン。 -
森林浴の道(森づくりの道)
「知床自然センター」の近くの入口から歩きはじめます。 -
「アカエゾマツ造成林」(森づくりの道)
昭和52年(1977)にはじまった「しれとこ100平方メートル運動」は、乱開発の危機にあった知床国立公園内の開拓跡地を保全し、原生の森を復元する取組み。
当初は買い取った土地に同じ種類を列状に植栽する林業的な手法で植えた「アカエゾマツ造成林」がつくられました。
現在は多種多様な森を目指すためにこの方法は用いていません。 -
トタン屋根の木造家屋「旧開拓家屋」に到着
知床でも大正から戦後にかけて開拓が行われ、多くの人が農業や酪農を中心とした生活を営んでいました。
この家屋は、1960年代後半(昭和40~45)まで実際に使われていた開拓農家の家屋「門間邸」です。 -
イチオシ
木枠のガラス窓(旧開拓家屋)
窓のそばに台所用品が残り、今でも当時の生活感が感じられます。 -
家の中を温めたストーブの煙突(旧開拓家屋)
煙突を支える梯子が特徴的です。 -
2階の窓(旧開拓家屋)
雪深い知床では2階が出入口になりそうですね。 -
廣貫堂の胃腸薬(旧開拓家屋)
廣貫堂は今でも実在し、くすりの富山を代表する製薬会社です。 -
家の周りで見つけた「キノコ」(旧開拓家屋)
-
大きな家屋の玄関(旧開拓家屋)
昭和28年(1953)に宮城県から入植した故門間誠志さんが建てた木造平屋の約85平方メートルの家屋。
斜里町史によると、岩尾別地区の開拓は大正3年(1914)から始まり、昭和41年(1966)に開拓事業が終わり、町は残っていた全24戸を集団移転させました。
その後、昭和48年(1973)岩尾別地区の開拓者すべてが離農します。
町はこれまで、開拓農家の家屋は朽ちるまで自然に風化させる方針でしたが、家屋が1軒だけになった頃から保存を求める声が高まり、町は修繕に着手し開拓の歴史を伝えられるよう保存することに方針転換しました。 -
シルクハットのような「オロンコ岩」(ウトロ)
「知床自然センター」へ戻り、館内を見学後、バスでウトロへ向かっています。
「オロンコ岩」は高さ60mの巨岩。
名前の由来はアイヌ語で「そこに座っている岩」という意味。 -
イチオシ
カラフトマスの滝登り(ペレケ川)
斜里バス ウトロターミナルに到着。
近くにペレケ川があり、高さが低い堰を飛び越えるカラフトマスの姿が見られます。 -
カラフトマスの遡上(ペレケ川)
カラフトマスの力強さに、しばらく見とれていました。 -
「遠音別さけ・ますふ化場」と「海底地層の露頭」(遠音別川)
ウトロからタクシーに乗り、「オシンコシンの滝」より斜里側に3.2km先にある「遠音別川(おんねべつがわ)」に来ています。
国道334号の遠根別橋(河口)から120mほど上流に入ったところに「遠音別さけ・ますふ化場」があります。
「ふ化場」は見学できませんが、8/下~9/下に「カラフトマスの遡上」が見られます。
そして、対岸の崖には400万年前の海底地層が露頭しています。
2016年11月にNHKブラタモり「世界遺産・知床は”火山のおかげ!?”」で放送された遠音別川にある斜めの地層です。 -
イチオシ
「海底地層の露頭」(遠音別川)
海側が低く、山側が高い、斜めの地層になっています。
100万年前に太平洋プレートが北米プレートの下に潜りこみ、北米プレートの端が東から西に動きました。
海底はしわのように押し上げられ、さらに割れ目ができ、そこからマグマが吹き出し、海底火山が徐々に盛り上がり知床半島ができあがりました。
この斜めの地層から「知床の成り立ち」がわかります。 -
「カラフトマスの遡上」(遠音別川)
簗の手前に海から遡上してきた「カラフトマス」が集まっています。
今日は「ふ化場」が操業していないので、先へ進めずウロウロしています。 -
看板「さけ・ますの採捕の禁止等の区域」(遠音別川の河口)
海面は5/1~8/31まで採捕禁止。つまり今日9/14は解禁期間で釣ることができます。
河川は周年禁止。 -
今が旬の「海釣り」(遠音別川の河口)
「カラフトマス」が釣れる唯一の場所なので、大勢の釣り人が来ています。 -
荒れているオホーツク海(遠音別川の河口)
天気は晴れていますが、荒い波が押し寄せています。
では、「オシンコシンの滝」まで国道を歩きます。 -
「鹿の横断注意」標識(遠根別橋~オシンコシンの滝)
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イチオシ
「オジロワシ」が遊ぶ橋(遠根別橋~オシンコシンの滝)
シャリキ川に架かる砂力橋の欄干です。 -
カギ状に曲がる「巻雲」(遠根別橋~オシンコシンの滝)
雲の中で一番高いところにできる「巻雲(けんうん)」。
ハケで掃いたように見え、「すじ雲」とも呼ばれ、雲の先端がカギ状に曲がっています。 -
柱状節理の岩礁(遠根別橋~オシンコシンの滝)
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イチオシ
「俵石」(遠根別橋~オシンコシンの滝)
近づいてみると米俵に似ていて「俵石」と呼ばれています。
第三紀中新世の頁岩層(けつがんそう)に粗粒玄武岩の岩脈が貫入するという地下でのマグマ活動に加え、オホーツク海の激しい風化作用によって岩石が浸食され生まれた美しい縞模様が特徴です。
横向きの柱状節理と岩柱に直角に発達する縞状構造が見られます。 -
日本百名瀑の一つ「オシンコシンの滝」に到着
チャラッセナイ川の河口付近にある滝で、標高70m、落差50mの断崖から落ちる「オシンコシンの滝」。 -
イチオシ
「双美の滝」(オシンコシンの滝)
流れが途中から二筋に分かれていることから「双美の滝」とも呼ばれています。 -
青い海が似合うバス停「オシンコシンの滝」
-
海に突き出る「オシンコシン岬」
ここも俵石でできています。 -
オシンコシン岬の「俵石」(バス停近く)
「オシンコシントンネル」入口に置いてある「俵石」。
オシンコシン岬先端へ行くことができないので、ここに飾られているようです。
説明板などなく、地質に興味がある人だけ気付きます。 -
ピンクに染まる夕暮れ(バス停)
17:58発ウトロ行きのバスまで1時間ほど夕暮れの海を見ています。
時刻は17時過ぎ。 -
まもなく夕日が落ちます(バス停)
-
ねぐらに帰る海鳥(バス停)
もしかすると知床ウトロでよく見られる「ケイマフリ」かも。
足が赤く、全身がビロードのように真っ黒い色で、目の周りが眼鏡をかけたように白いことが特徴ですが・・・ -
夕焼けのバス停
まもなくバスがやって来ます。 -
今晩の宿「ホテル知床」(ウトロ)
869名も収容できる大型ホテルです。
4月~10月の期間限定営業です。 -
アザラシのキーホルダー(ホテル)
お得な「お部屋おまかせプラン(1泊2食付)」を予約。
部屋は1号館「アザラシの海遊」でした。 -
夕食バイキング(ホテル)
お刺身や牛ステーキをはじめ、数多くの料理が並びます。 -
夕食バイキング(ホテル)
サッポロ味噌ラーメン、夕張メロン、いろんなデザート。 -
部屋からの景色(ホテル)
翌朝、オホーツク海の展望。 -
赤く染まるナナカマド(ホテル知床前)
ホテルの前は秋の風景。 -
ハマナスの果実(ホテル知床前)
-
「ホテル知床前」バス停
ウトロの高台に温泉ホテルが並んでおり、路線バスは各ホテルを順番にまわってくれます。
9:33発の女満別空港行きに乗り、途中の斜里バスターミナルへ向かいます。
この後も旅が続きます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- yamayuri2001さん 2021/12/07 11:23:10
- ホテル知床!
- かっちんさん、お久しぶりです。
かっちんさんの少し前に、ホテル知床に宿泊しました。
かっちんさんの下調べ、凄いです!
やはり、旅行記の内容が濃くなるはずです。
カラフトマスの遡上をご覧になったのですね。
自然の命のたくましさを感じますね。
そうして 繰り返されて今がある・・・
それを壊してはいけないんですね。
昨今、人の傲慢な行動により、北海道の様々な自然生態系が
壊されているのを、実際に目にすると
悲しくて、自分は何をしたら良いんだろうと言う気持ちになりました。
yamayuri2001
- かっちんさん からの返信 2021/12/07 18:13:20
- RE: ホテル知床!
- yamayuri2001さん
こんばんは。ご無沙汰しています。
私たちより2週間ほど早く知床を訪れていたのですね。
yamayuri2001さんの旅行記を見ながら風景を思い出しています。
ホテル知床は大きなホテルでした。
コロナ禍で旅行客が減っていてこの先ちょっと心配ですね。
ちょうどカラフトマスが遡上している時期で、生まれた川に戻って来る姿を見て感動しました。
かっちん
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