2021/09/13 - 2021/09/14
3位(同エリア123件中)
かっちんさん
道東の中標津町(なかしべつちょう)に広がる根釧台地の牧草地帯を抜け、標津川沿いに上流へ進むと、山と渓流に抱かれた「養老牛温泉(ようろううし おんせん)」があります。
ここは酪農地で役目を終えた年老いた乳牛が、温泉に浸かり第二の人生を過ごすところ なんて思っていませんか。
「養老牛温泉」は昭和に入り標津原野が開拓されるに従い、湯治客が増え賑わいました。
最盛期の昭和40年代にあった宿は5軒。しかし、旅行スタイルの変化に伴い、次々と廃業に追い込まれ、現在は湯宿「だいいち」1軒だけ。
湯宿「だいいち」は、湯量豊富な源泉掛け流しの美肌の湯と、地元の食材にこだわった旬の料理、夜になるとシマフクロウが訪れるなど人気の宿です。
実は平成5年(1993)に中学生だった娘とサイクリングで「養老牛温泉」を訪れたことがあり、そのときの宿が「ホテル養老牛」。
平成21年(2009)に映画「釣りバカ日誌20ファィナル」のロケ地となり、「ホテル養老牛」ではメインキャストが勢揃いし製作発表が行われました。
残念ながら令和元年(2019)に廃業となり、その建物は隣の湯宿「だいいち」が引き取り別館となっています。
中標津町のランドマークとも言われる「開陽台(かいようだい)」は、標高270mの台地にあります。
そこから見渡す360度の眺望は、広大な牧草地帯と格子状の防風林、遠くには阿寒の山々、西別岳、武佐岳、国後島など、北海道ならでは雄大な景色が楽しめます。
今晩の宿は湯宿「だいいち」。
中標津空港に迎えに来てくれる宿の送迎を、途中の中標津バスターミナルから乗車します。
当日の宿泊客は多く、温泉やシマフクロウ観察を目的に訪れています。
シマフクロウが給餌池に現れる時間は決まっておらず、泊まった当日は夕食時と翌日未明に出会うことができました。
翌日の送迎では宿の御厚意により、開陽台に立ち寄ってもらうことができました。
**2023-5-21追加**
平成7年(1995)夏休みに「ホテル養老牛」に泊まった時の箸袋を追加しました。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・養老牛温泉旅館組合「養老牛温泉」
・ようろうし温泉読本、pdf
・湯宿だいいちのHP、パンフレット
・森と水の郷あきた「野鳥シリーズ シマフクロウ」
・Chiik!「フクロウとミミズクの違いは?耳のようなものの正体!」
・中標津町「自然・農村計画区域」「開陽台」
・北海道遺産「根釧台地の格子状防風林」
・中標津郷土館WEBSITE「中標津の山々」
・根室中標津空港、スタッフブログ「空港から見渡せる連山。」
・PHOTO雑記帳「空港の送迎デッキに知床連山の写真」
・日本マンホール蓋学会「中標津町のマンホール」
・根室振興局「中標津ホーストレッキング同好会」
・ウィキペディア「養老牛温泉」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
お洒落な建物 湯宿「だいいち」
中標津バスターミナルから宿の送迎車に30分ほど乗り、養老牛温泉に16時前に到着。
乗客は私たち夫婦だけ。たまたま大女将が運転しており、養老牛温泉の歴史や裏話などを聞かせてもらいました。 -
黒い建物は「別館」
2年前まで「ホテル養老牛」だったところです。
「だいいち」では、「別館」を宿泊者専用の浴室と大広間として利用しています。 -
実は1995年8月に「ホテル養老牛」に泊まりました!(2023-5-21追加)
昔の旅の資料を整理したら、「ホテル養老牛」に泊まった時の夕食の箸袋が出てきたので紹介します。
当時の私は43歳、夏休みに中1の娘と一緒に道東から道北までサイクリングをやりました。
行きは東京(有明)から釧路まで近海郵船のフェリーに乗り、釧路からサイクリングを始め4日目に泊まった宿です。
折りたたみ自転車だったので、くじけた時は鉄道やバスも利用しています。
懐かしい思い出です。 -
白い建物は「新館」
本館、新館あわせて客室数は47。 -
渓流の「標津川」(ロビーからの景色)
宿の裏を流れる渓流。
ロビーではウェルカムドリンクを飲みながらチェックインの手続きをします。 -
「フクロウカレンダー」(ラウンジ前)
シマフクロウが何時ごろ現れたのか記録されています。
昨日9/12は、19:50、翌0:10、3:08に現れたので、参考にします。 -
「シマフクロウの給餌池」(ラウンジ前)
木塀に後ろに「給餌池」が設けられています。 -
お部屋は「本館メゾネット」
1階部分は床の間の和の空間と洗面所・トイレ。
2階部分は寝室。 -
養老牛温泉百年(養老牛周辺)
宿の周りを散策します。
2016年に開湯100周年を迎えました。
大正5年(1916)、和寒村からの移住視察で根室管内を調査していた西村武重氏が温泉の位置をアイヌから聞き出し、開発したのが養老牛温泉。 -
デザインマンホール(養老牛周辺)
2匹のエゾシマリスとモミジが描かれています。 -
元旅館「藤や」(養老牛周辺)
昭和40年(1965)に「藤屋旅館」として開業。
後に「旅館藤や」に改称し、平成27年(2015)に閉館した宿。 -
「釣りバカ日誌20ファィナル」のロケ地(養老牛周辺)
平成21年(2009)に映画「釣りバカ日誌20ファィナル」のロケ地となり、「ホテル養老牛」ではメインキャストが勢揃いし製作発表が行われました。 -
中標津町保存樹木「ハルニレ」(養老牛周辺)
樹齢約425年、樹高22m、胸高直径136cmの「ハルニレ」。 -
「だいいち」の周りを流れる標津川(養老牛周辺)
-
「露天岩風呂」
宿に戻り、露天風呂巡りをやります。 -
イチオシ
混浴の「大露天風呂」
標津川の流れを聞き、山奥の景色を見ながら入浴できます。 -
「丸太風呂」
-
「丸太の洞風呂」
-
「寝湯」
露天風呂は全部で5つ。
内風呂の大浴場は、青森のヒバを使用した保湿性の高い木張り仕上げです。 -
イチオシ
夕食「せせらぎ御膳」
地元の山の幸、海の幸が勢揃い。豪華な夕食になります。
前菜:行者にんにくの醤油漬け、やまべの甘露煮、中標津産ゴーダーチーズ
小鉢:ナラタケのおろし和え
お凌ぎ:いくらご飯
皿盛:根室産朝茹で花咲がに
お造り:羅臼産そい・特大牡丹海老・オホーツク海産生帆立
陶板:オホーツク産帆立の浜焼き
煮物:ふき・わらびの含め煮
食事:花咲蟹の釜飯 -
宝石のような「イクラご飯」(夕食)
-
斜里産やまべの塩ふり焼きと天婦羅(夕食)
天婦羅はやまべ・南瓜・舞茸。
料理はまだまだ出てきます。
突然「シマフクロウが来てます」の案内に、夕食を中断して見に行きます。 -
後ろ姿の「シマフクロウ」(給餌池)
時刻は18:03。
泊まり客がみんなラウンジに集まって来ています。
窓越しに見ているので、シマフクロウは安心しています。 -
イチオシ
「チラッ」、耳を上げてご挨拶
実は耳のように見えるのは羽。
「羽角(うかく)」と呼ばれています。 -
「引っ込めることもできるんだから」
-
「黄色の目がカッコイイでしょ」
もしかして、見学者を意識しているのでは・・・ -
「さて、夕食はどの魚にするかな」
-
「よーく見て、品定め」
-
「あれにしよう、大きいし」
-
「さあ、行くよ~」
-
「バサバサバサッ」
給餌池に舞い降ります。 -
すぐに戻って来た「シマフクロウ」
あれっ、失敗したのかな?? -
モグモグモグ
鋭い足でヤマメ(ヤマベ)を2匹も捕まえてきました。 -
魚を落とさないように器用に食べています
-
「お腹いっぱいになったけど、まだ食べられるかな」
ちょっと悩んでいる顔。 -
「やっぱりやめておこう」
翼を広げ、飛び去っていきます。
時刻は18:09。6分間の出来事でした! -
私たちはひと眠りしてまた観察に来ています
時刻は未明の2:49。
昨日は3:00頃にも現れているので、シマフクロウを待つことにします。
こんな時間に見に来ているのは、私たち夫婦だけ。 -
1時間半も経って待ち疲れた頃、ようやく登場!
「あら、そんなに長く待ってたの・・・」
時刻は4:16は、まだ真っ暗。 -
ハンティングに行く格好
-
飛び立ちます
-
大きな翼
-
右足で捕まえた魚を口に運ぼうとしています
-
イチオシ
魚を口にくわえ、これからお食事です
-
食事を終え、満足げな顔
-
「さて、もう一匹食べるかな」
-
再び給餌池に舞い降ります
-
あれっ後ろを向く「シマフクロウ」
どうやら魚の捕獲に失敗したようです。 -
給餌池を見つめる「シマフクロウ」
「どうして獲れなかったのかな・・・」 -
イチオシ
怖い顔をしてこちらを睨みつける「シマフクロウ」
「笑うんじゃないよ、こっちは真剣なんだから」 -
イチオシ
丸くなる「シマフクロウ」
「ちょっと寒くなってきた」 -
「よ~し、再チャレンジするか」
-
翼から飛び散る水しぶき
魚を獲らずにすぐ戻って来ました。 -
「あ~冷たかった」
-
「でも、もう一匹食べたいんだよね」
-
「今から捕まえにいくからね」
-
バサバサバサッ
-
「今度は捕まえたと思う?」
-
「駄目だったんだ・・・」
寂しい顔をしています。 -
「今日の狩猟はこれでおしまい」
-
棲み処に帰る「シマフクロウ」
時刻は4:33。
私たちももうひと眠りすることにします。 -
朝食バイキング
感染防止のため、料理が小皿に盛り付けられています。
それにしても料理の種類が多い!
帰りの送迎は私たちだけだったので、8:30に出発し中標津バスターミナルへ向かいます。 -
大規模草地酪農地帯(車窓)
広大な根釧台地は牧草地です。
富士山のように見えるのは熊山だったかな。 -
乳牛がくつろぐ酪農地帯(車窓)
-
地球が丸く見える「開陽台」
時間に余裕があったので、途中の「開陽台(かいようだい)」に立ち寄ってくれます。 -
「開陽台」からのパノラマ
東の方向です。 -
「国後島」が見えます(開陽台)
-
イチオシ
根釧台地の「格子状防風林」(開陽台)
北海道遺産に認定された「格子状防風林」。
格子状に区切られた幅180m、総延長648kmの林帯は、防風効果だけではなく野生動物のすみかや移動の機能を果たしています。
開拓時代の殖民区間を示す歴史的意義を持ちます。
2000年、スペースシャトルエンデバーに搭乗した宇宙飛行士毛利衛さんが撮影したビデオには、この地域に広がる「格子状防風林」がはっきりと映し出されていました。 -
西側に広がる「開陽台牧場」(開陽台)
東京ドーム約100個分の広さを有する草地に約1,000頭の乳用牛を放牧しています。 -
「開陽台展望館」(開陽台)
1階が軽食と郷土品展示、2階に展望回廊、屋上があります。 -
西側の山々(開陽台)
遠方に阿寒の山々(雌阿寒岳、雄阿寒岳)、中央手前に西別岳、摩周岳、少し平らなところが清里峠、その右に温泉富士が見えます。 -
北西の山々(開陽台)
左に温泉富士とシタバヌプリ山、右に西竹山。 -
北西の山々(開陽台)
左から標津岳とサマッケヌプリ山。 -
北の山々(開陽台)
武佐岳。
開陽台のパノラマをじっくり見学できたので、再び車は出発します。 -
珍しい「馬横断注意標識」(開陽台付近)
野生動物注意の標識はよく見るのですが、これは馬に人が乗っています。
もしかすると、このあたりの人は馬が交通手段???
いえいえ、中標津では体験型観光として、乗馬体験の度合いに応じて、外乗(ホーストレッキング)が行われているのです。 -
イチオシ
なだらかなアップダウンの「ミルクロード」
牛乳を出荷するタンクローリーが走る一直線の道路から「ミルクロード」と名付けられた道路。
坂道の上にある「ミルクロード展望台」からの眺めです。
この後、知床の羅臼、ウトロを訪れます。
養老牛温泉の湯宿「だいいち」の露天風呂、豪華な食事、表情豊かなシマフクロウとの出会いに大満足です。
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