2021/11/04 - 2021/11/04
55位(同エリア340件中)
パディントンさん
- パディントンさんTOP
- 旅行記151冊
- クチコミ15件
- Q&A回答8件
- 175,234アクセス
- フォロワー71人
神戸市の公報で見つけた御影・乾邸の特別拝観に往復はがきで申し込みをしていたところ、かなりの倍率だったのですが、有り難いことに当選!
コロナ禍のずいぶん前に夫と娘二人が行き、とても良かった!と言っていたのでいつか行ってみたい、と思っていました。
妹に「一緒に行く?」と聞いてみると、建築に興味のある妹は「行きたい!」と二つ返事。JR住吉駅で待ち合わせして、市バス38系統に乗って10分弱です。
この日はコートも要らないくらいいいお天気で、大阪湾から六甲山までくっきりと見渡せ、ラッキーな一日でした。
乾邸の内部の公開は11月1日(月)~8日(月)10時からと13時からの二部制になっていました。
小さい頃この辺りに住んでいたというボランティアガイドさんが詳しく、またユーモアも交えて説明して下さいました。
PR
-
今は神戸市が管理しているので、「乾」という表札はありません。
13時からの公開で、すでに15名ほどの方が並んでおられます。
去年は、コロナ禍で拝観は中止。今年は半分の募集だったそうです。 -
[乾邸」は昭和11年に乾汽船株式会社の4代目の乾新兵衛・新治の邸宅として建てられました。
新治夫妻が海外に新婚旅行に行っている間に大急ぎで建てたとのこと、約9カ月で完成…ということはハネムーンは9カ月間だったのですね!
設計はあの大阪綿業会館を設計した渡邊節。教え子に村野藤吾がいます。
施工は竹中工務店です。
今の金額に換算すると20億円かかったそうです。 -
玄関横の水飲み場
これは羊の顔
塩屋のジェームズ邸にもこのようなものがありました。 -
教会の天井のようなアーチが素敵でしょう(^O^)/
つき当りは日常使うお玄関です。 -
こちらのお客様用のお玄関から入らせて頂きました。
天井の丸いのは柔らかな陽の光が入るように工夫されています。 -
アラビア風の模様が素敵なタイルです。
はっきりしたことはわかりませんが、京都の「泰山タイル」かも…?と思いました。 -
ランプの光が御影石に映えていますね(^O^)/
-
こちらがふつうご家族が日常に使うお玄関です。
お客様用と使用人たちの勝手口と出入りするところは3か所ありました。 -
木材はチーク材を使っているそうです。
今は伐採できなくて、輸入もできないし、とても貴重なものです、とおっしやっていました。
赤みがかった素敵な色です。 -
玄関ホールを入ると階段と吹き抜けに圧倒されます。
床はゴム材で出来ています。アラビア風の模様になっていました。 -
タペストリーはゴブラン織り?でも、模様は日本風で”安芸の宮島”
-
まずこちらの大広間に通されました。
ものすごく天井が高いです。 -
このシャンデリアの豪華なこと!これは二代目とのことでした。
みなさん、思わずため息が出ていました。 -
暖炉だけだと寒くて、地下のボイラーからセントラルヒーティングを通して全館を温めていたそうです。
それでも六甲おろしで寒かったそうです。 -
淡いステンドグラスが素敵です。
暗くてわかりにくいですが、薄い黄色と水色です。 -
何だかイギリスの貴族のお屋敷みたいです(*^^*)
-
階段の手すりは真鍮で葡萄のつるの飾りがしてあります。
他の部屋にも至る所に葡萄の模様がありますが、つるが伸びるように子孫繁栄を願ってのことらしいです。
模様はとても細かくて、欠けると二度と復旧はできないとのことでした。 -
暖炉の上にはレプリカですが小磯良平の上品な画が掲げられています。
よく似あいますね(*^^*) -
二階のご主人の応接室からはこのようにお客様が大広間に入って来られたらすぐわかるようになっています。
-
二階の階段から見た大広間です。
東向きに撮っています。 -
こちらは南側です。
広すぎて入りきれません。 -
ここからは上がれませんが、二階のサンルームに通じています。
赤い絨毯がマッチしていますね。 -
書斎・大広間の北側に隣接しています。
絨毯がシックで落ち着いた雰囲気。 -
今まで、色々なロケにも使われたようです。
-
二階のサンルーム・ダンスルームとしても使われたそうです。
窓枠は替えたそうですが、他はすべて当時のままとのこと。
天井の灯りの取り方にびっくりしました。
茅渟の海(ちぬのうみ)まで見渡せるようにここに窓を作ったそうです。 -
海運業で成功した方なので、随所に海に関する模様が施されています。
これは波の模様。
エッチングガラスですが、向こうから見ると明り取りのようになっています。 -
これは温度計です。
-
壁はすべて大理石です。
-
大きな常緑樹が見えますが、これは向こうからこちらが見えないように工夫されています。
-
今ではもう葺き替えできない、色々な色の瓦
上から見ると、何種類もの色の瓦が使われているのがわかります。 -
セントラルヒーティングの吹き出し口が上下に見えますが、その模様も波の模様など
ひとつ、ひとつがとても凝っています。 -
サンルーム横のパウダールーム
-
今でいう収納部屋?ウォークインクローゼット?
-
天井の模様の一つ
ここにも葡萄の模様が入っています。 -
ご夫婦の部屋のクローゼット
-
ご夫婦の洗面所、バスルーム
廊下に出ることなくプライベートに使えるよう工夫されています。 -
奥様の着物ダンス
昭和初期に、もうこのような作り付けの箪笥を設置していたなんて、びっくりです。
すっきりしていますね! -
奥様のお部屋の洗面台
横の棚は引き戸になっているところもあり、和洋折衷の様式です。 -
ご夫妻のリビングルーム
廊下のまた南側には、廊下に出ないでも行き来できるご主人と奥様のプライベートなお部屋がありました。
バスルームや洗面所など普通は北側や西側に造られているものですが、やはり気持ちよく過ごしたい空間が全部光の入る南側に造られているのがいいなぁ~!と思いました。
広いからこそそのように造れるのですが、家族を大切にしている設計だな、と思いました。 -
和室があるとホッとします。こちらは一階です。
お客様もお着物の方はそうだったかもしれませんね。 -
当時のままの家具
神戸家具、今の永田良介商店で作られたようです。昔は大丸の北側にお店がありましたが、移転しました。
ここで家具をあつらえるのが神戸っ子の憧れです(^O^)/ -
こちらからお庭に出られます。
-
これは金庫
鏡が上についているし、最初金庫とはわかりませんでした。
金庫まで壁に中に収納されているのにびっくり! でもしっくりきていますね! -
和室もあります。
こちらの応接室から同じ目線で話しできるように、とのことで洋室より一段高くしているそうです。 -
ここはどのお部屋でしたっけ?
忘れてしまいましたが、とにかく細工の精巧さには驚きの連続でした。 -
セントラルヒーティングの吹き出し口
細部に至るまでデザイン性に富んでいます。 -
配膳台
大理石の台にすっきりとした食器棚、反対側にはボードがありました。
配膳の順番とか書いてあったのでは?ということでした。 -
こちらは使用人のいる所、ここもとても広いです。
簡素ですが、窓が多く明るい雰囲気でした。
運転手さん、庭師さん、女中さんなど沢山の人が常駐していたそうです。 -
ご主人や奥様が用事がある時、またどのお部屋からの用事なのかわかるように、電気が点いて、音が鳴るしかけになっています。係の方が試しに鳴らしてくれました。
結構大きな音でびっくり!
呼び鈴くらいだと聞こえないくらい広いですものね。 -
蔵
阪神淡路大震災の前はもう一棟、この前に和風の家が建っていたそうです。
残念ながら震災で壊れてしまったそうです。 -
この辺りは、甲南病院、蘇州園(以前は中華料理・今はイタリアン)白鶴美術館があり、またかっては武田薬品の武田長兵衛・伊藤忠の伊藤忠兵衛・朝日新聞の村山龍平(今は香雪美術館・及び隣に邸宅あり)甲南学園創立者の平生釟三郎など名だたる財界人・文化人が居を構えていました。
日本の中でも一種独特な雰囲気が流れていて"阪神モダニズム”というそうです。
歩いてみるとよくわかります。 -
今はもう須磨離宮道にあったチューダー朝のお屋敷はマンションになったように、昔のお屋敷は壊されて小さな戸建てがいくつもできたり、マンションになったりしていますが、こうして神戸市の指定有形文化財として維持・管理され、またご近所の方がボランティアでお掃除やガイドをして下さってるとのことで本当によかったです。
建物が「呼吸してる!生きてる!」と思いました。
秋の良き日に内部見学でき感謝です。
またいつか行けますように!
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (4)
-
- yamayuri2001さん 2022/02/05 16:39:12
- 神戸の豪邸・・・
- パディントンさん、こんにちは。
今年の冬は、いつまでも厳しい寒さが続きますね。
神戸の御影の乾邸、素敵な豪邸ですね。
抽選で入れたんですね。
チーク材は、年月を経て良い色合いになって行きますね。
重みのある・・・
暖炉だけではなくセントラルヒーティングなんて、
とっても贅沢ですね。
グランドピアノは、ヤマハでは無いようですね。
譜面台が凝っています。
奥様が演奏なさったのでしょうか・・・
日本の海運業が全盛時代のゴージャスさ、
圧倒的ですね。
一つ思ったのは、貧富の差は昔からあったんだな・・・
ここが、抽選でしか公開されることが無いので
ここまで昔のまま保存されているのですね。
維持管理するのがとても難しいのでしょうね。
葡萄の階段の手すりは一度破損してしまうと
修理不能との事・・・
貴重な旅行記をありがとうございました。
yamayuri2001
- パディントンさん からの返信 2022/02/05 20:10:38
- Re: 神戸の豪邸・・・
- yakayuri2001さん、こんばんは!
文字通り”立春寒波”が到来、あまりの寒さに震えあがっています!
乾邸の旅行記にコメントも頂きありがとうございます(*^^*)
乾邸の内部見学会は毎年5月と11月にあるのですが、去年は新型コロナの影響で11月のみ、また人数も半分の20名になったそうです。
ただ、北側に立っている中国陶器で有名な”白鶴美術館”の入場券を持っているとその期間入れたようで、その時はごったがえしていたようです。
私達はボランティアガイドさんに丁寧に説明して頂き、じっくり、ゆっくり館内を見学できてよかったです。
御影地区、神戸市でも東の方にあるのですが、本当に独特の雰囲気がある所で、日本の中でもこんな所は他にないのではないかしら?と思っています。
後ろは六甲山で南側には海が広がり…憧れます♡
いつも丁寧にご覧くださりありがとうございますm(__)m
チーク材、確かにここまでいい色合いになるには年月がかかりますね。
お玄関の雰囲気、ニューヨークのフリックコレクションに似ているなぁ…と思いました。
当時の資産家の方はとんでもなく、けた外れのお金持ちだったのですね。でも趣味がよく、内装も凝りに凝っていて、おかげで今では壊れてしまうと再現できない当時の職人の技術の高さがうかがえます。
そう考えると、安近短の今の風潮が危ぶまれます。
技術の継承って大事ですね。
ピアノの譜面台も確かに優雅なカーブの譜面台ですね(^O^)/
グランドピアノ、憧れます。
オミクロン感染者、毎日どんどん増えて心配なことです。
どうかお気を付けてお過ごしくださいね。
パディントン
-
- yokoさん 2021/12/03 07:14:50
- 神戸の洋館は素敵です**
- パディントンさん 続けて失礼します。
御影の乾邸に行って来られたのですね。こちらも抽選でかなりの倍率に当選されたとのこと。持ってますね~!!
やはり神戸の洋館は良いですよね。アラビア風模様のタイルやシンプルな照明なども素敵です。大広間には豪華なシャンデリアが吊され、淡いステンドグラスは雨上がりに見た虹のようです。階段の手すりは真鍮製で葡萄のつるのデザインだったとのこと、ああいうデザインは私の “ツボ” です。今では葺替えが出来ない多色使いの瓦など維持管理は難しそうですが、これからも長く残して欲しい神戸の宝物ですね。貴重なご報告ありがとうございました!
yoko
- パディントンさん からの返信 2021/12/03 22:02:15
- Re: 神戸の洋館は素敵です**
- yokoさん、こんばんは!
こちらこそ、コメントありがとうございます。
本当に、神戸のあの御影の一画は日本のなかでも独特の雰囲気がありますよね。
JR神戸線に乗っていると、丘の上に甲南病院が見え、その東側に緑色の白鶴美術館が見え、あの南側に乾邸があるのよね~、と思っています。
よくぞ残して下さった、、、と神戸市に感謝です。手すり一つ取っても、いくらお金をかけてもきっとこんな邸宅は二度と建てられないでしょうね。
おっしゃる通り、宝物ですよね!
次は春に公開があるかしら? ぜひ行ってみて下さい(^O^)/
今回は白鶴美術館に入館した人はその半券で乾邸も見学できる期間もあったようですが、ものすごい人だったらしいです。
3月のお雛様の頃に芦屋川のヨドコウ迎賓館にも久しぶりに行ってみようかな、と思っています。
あるがとうございました(*^▽^*)
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
4
52