2021/08/06 - 2021/08/06
23位(同エリア338件中)
かっちんさん
知床半島の知西別岳(ちにしべつだけ)の麓に佇む「羅臼湖」。
標高約740mに位置し、周囲の長さ約4kmの湖は、知床国立公園最大の湖沼です。
以前は深い樹林帯に遮られ、長らく登山道が存在しなかったことから、人を寄せ付けない「幻の湖」と呼ばれていました。
現在は知床横断道路の「羅臼湖入口」から片道2.8kmの登山道「羅臼湖歩道」が整備され、4つの沼を通り「羅臼湖」を訪れることができます。
ダケカンバとトドマツの混合林を歩くと、沼だけでなく湿原や雪田があり、高山植物や山野草に出会ことができます。
また、ヒグマの生息地でもあり、軽登山に準じた装備と経験、体力が必要なため、ガイドツアーの利用が推奨されています。
今日は宿泊している「知床サライ」の「羅臼湖ハイキングツアー」に参加します。
「羅臼湖歩道」を歩き、まわりの景色と山野草などを紹介します。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・知床サライのHP
・知床羅臼ビジター「羅臼湖」「8/27羅臼湖巡視」
・北海道森林管理局、知床らうす発!グリーンサポートスタッフBLOG「2011年8月29日羅臼湖巡視」:ヒメタケシマラン
・トラベルJP「もう一つ」の知床五湖?北海道「羅臼湖」絶景の湖沼ハイキング」
・北海道STYLE、知床ガイド協議会羅臼支部「羅臼湖トレッキングマップ」
・水辺遍路「羅臼湖」
・北海道植物(草花)牽引「ミミコウモリ」
・長野県林業総合センタ- ミニ技術情報「ササが咲いていませんか」
・岡山理科大学生物地球学部生物地球学科「ナガボノシロワレモコウ」
・NHK for School「モウセンゴケのひみつ」
・Tam's素人植物図鑑「シラネニンジン」「イワオトギリ」
・EICネット、環境用語「ヤチボウズ」
・NHKみんなの趣味の園芸「ウメバチソウ」
・花図鑑「黒臼子(クロウスゴ)」
・四季の山野草「マイヅルソウ」
・ウィキペディア「エゾアカガエル」「サワギキョウ」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
-
宿泊している「知床サライ」
「知床サライ」主催の「羅臼湖ハイキングツアー」に申し込み、宿の車で9:00に出発します。
参加者は私たち夫婦2人だけなので、ゆっくり写真が撮れます。 -
「知床羅臼ビジターセンター」
ビジターセンターに立ち寄り、羅臼湖の状況を確認。
「羅臼湖歩道」はぬかるみが多いので、ここで長靴を借りる(有料)予定でしたが、昨日時点でぬかるみがなく登山靴のまま行けることになりました。
羅臼湖には、トイレがないのでここで済ませます。 -
羅臼港の「海霧」
知床峠横断道路を知床峠へ向かって走ると、眼下の羅臼港に「海霧」が発生しています。 -
「羅臼湖入口」に到着
ここには車の駐車場がないため、同乗していた宿のスタッフの方が車を持ち帰ります。
路線バスは夏の期間(7/1~10/3)、羅臼~知床峠~ウトロ間に1日4本走っています。 -
周辺は「ダケカンバ」と「トドマツ」の混合林(入口)
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「ツリガネニンジン」(入口)
早速、山野草を見つけます。 -
道標「羅臼湖入口」
トレッキングのスタートは9:40。 -
「羅臼湖ルール」(入口)
5つのお願いを確認します。
1.足元は長靴~ビジターセンターの判断で今日は登山靴でOK
2.携帯トイレを使用~持参しています
3.万全なヒグマ対策を~ガイドさんがクマスプレーを持ち、私たちは熊鈴を鳴らします
4.動植物を大切に~守ります
5.路上駐車はご遠慮を~車は宿に戻りました -
「羅臼湖トレイル案内図」(入口)
「羅臼湖歩道」は、「入口」から4つの沼と湿原を通り「羅臼湖」まで整備されています。
片道2.8km、往復3~4時間程度のトレッキングを楽しめます。
コース全体の標高差は約70m。途中に1ヶ所大きな勾配があります。
「一の沼」は歩道のコースが変更となり、現在訪れることができません。 -
入林箱(入口)
入林届に記入し箱に入れます。 -
最初は笹薮の道(入口~ニの沼)
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「ミミコウモリ」(入口~ニの沼)
葉は腎形で大きく、縁に不揃いの尖った鋸歯があります。
名前の由来は、葉柄の基部に耳状の托葉があり、この耳状の形と、コウモリに似た葉の形から。 -
風雪に耐えてきた枯木(入口~ニの沼)
-
「ニの沼」に到着
沼は涸れていて水がありません。 -
何の虫かな?(ニの沼)
てんとう虫のように丸っこく、綺麗な虫です。 -
黄色い「ミヤマアキノキリンソウ」(ニの沼)
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「羅臼湖歩道」(二の沼~三の沼)
ハイマツと笹に囲まれた道を歩いています。 -
可愛らしい「ワタスゲ」(二の沼~三の沼)
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淡紫色の「ツルリンドウ」(二の沼~三の沼)
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踊ってる「ダケカンバ」(二の沼~三の沼)
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珍しい「笹の花」(二の沼~三の沼)
笹の開花は、一斉に起きることが知られており、確かにこの一帯は数多く咲いています。
60年に一度咲くと言われていますが、正確な周期はよくわかりません。
笹が花を咲かせると枯死するので、来年の笹は少なくなりそうです。 -
空が水鏡に映る「三の沼」
ここから羅臼岳を望むことができるのですが、雲がかかっていて残念!
帰りに期待します。 -
「ナガボノシロワレモコウ」(三の沼)
湿原や湿性の草原に生育する多年草。
茎の上部は枝分かれして長さ2~5cmほどの花穂を出し、長いものは垂れ下がります。 -
「モウセンゴケ」(三の沼)
湿地に見られる「モウセンゴケ」は、虫を食べる植物。
葉っぱに生えたヒゲの先からねばねばした液体が出ていて、虫を動けなくして捕まえます。 -
「シラネニンジン」(三の沼)
日光白根山で最初に採集されたことからこの名があります。
葉がニンジンやパセリに似ています。
直径2-3mmの白色の5弁花をつけ、複数形花序。 -
葉がコウモリに似ている「ミミコウモリ」(三の沼)
-
イチオシ
美しい風景「三の沼」
風がなく、水面にまわりの風景が映し出されています。 -
雄しべが長い「ハイオトギリ」(涸れ沢)
花は直径1.5-2cmの黄色の5弁花で、突き出た長い雄しべがよく目立ちます。 -
「ハイオトギリ」(涸れ沢)
亜高山帯~高山帯の岩場や草地に生えます。
北海道の高山にある「イワオトギリ」を「ハイオトギリ」といいます。 -
大きな石がころがる「涸れ沢」
道は「涸れ沢(かれさわ)」より少し高い位置にあります。 -
「羅臼岳」(涸れ沢)
見晴らしのいい「涸れ沢」から、雲が通り過ぎた「羅臼岳」が眺められます。 -
「アヤメが原」の木道
「涸れ沢」を過ぎると視野が開け、湿原の「アヤメが原」が現れます。 -
「ヤチボウズ(谷地坊主)」(湿原)
つぼを逆さにしたような株の形をしています。
谷地とは湿原のこと。名前の由来は、その様子がお坊さんの頭に似ていることから。 -
イチオシ
可憐な「ウメバチソウ」(湿原)
「ウメバチソウ」は日当たりのよい湿地や小川のそば、山地の水がしみ出るような斜面に見られます。
花径2~3cmで白いウメのような花を茎の先端に1輪咲かせます。 -
花数の多い「ミミコウモリ」(湿原~四の沼)
-
「ヒメタケシマランの実」(湿原~四の沼)
葉の下にチョコンとぶら下がる赤い実。 -
紫色の「クロウスゴの実」(湿原~四の沼)
黒臼子(クロウスゴ)はツツジ科の落葉低木。
花の後にできる実は、直径8mm-10mmの球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)。
黒紫色に熟し、甘酸っぱく美味しいのですが、羅臼湖では実の採集が禁止されています。
名前は、実の先が丸い形にへこんでいるのを「臼」にたとえたものです。 -
幹が太い「ダケカンバ」(湿原~四の沼)
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赤茶色の「エゾアカガエル」(湿原~四の沼)
北海道に生息する在来のカエルは、この「エゾアカガエル」と「ニホンアマガエル」のみ。
体色は黒褐色から赤茶色。 -
「四の沼」に到着
ここは「羅臼湖歩道」の最高地点です。
沼のまわりの木々が少なく、高原のような景観。 -
濃紫色の「サワギキョウ」(四の沼)
濃紫色の深く5裂した唇形の花を茎の上部に総状に咲かせます。
花弁は上下2唇に分かれ、上唇は鳥の翼のように2裂し、下唇は3裂します。 -
イチオシ
「ナガボノシロワレモコウ」(四の沼)
花は先端から咲き始め、花弁がありません。
萼片は4枚で白色。これが花の色となっています。
雄しべは4本で長く、黒い葯が目立ちます。 -
2つの花の共演(四の沼)
「サワギキョウ」と「ミヤマアキノキリンソウ」が並んでいます。 -
「五の沼」に到着
4つの沼の中で一番大きな沼。 -
複雑に曲がる「ダケカンバ」(五の沼~羅臼湖)
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「天頂山」(五の沼~羅臼湖)
再び視界が開け、湿原・草原が広がります。
進行方向右側(北方向)に見えるのは「天頂山(てんちょうざん)」。
その先に知床峠があります。 -
「羅臼湖」に到着
時刻は11:45。写真を撮りながら歩いたので、入口から2時間かかりました。
「羅臼湖」は、周囲 3.7km(湖岸長は6km)で、知床半島最大の湖沼です。
紀元前1000年頃、天頂山の噴火活動により堰き止められた湖です。 -
「羅臼湖」北岸の景色
ここは羅臼町湯ノ沢町なので、湖の名前も「羅臼湖」。
面積 43ha、最大水深 2.1m、湖面の標高 740m。 -
「羅臼湖」西岸の景色
展望台から見た正面で、「羅臼湖」の水源となっている「知西別岳」が目の前にそびえています。
ちなみに「羅臼岳」を水源とする湖は斜里町の「知床五湖」です。 -
「羅臼湖」南岸の景色
湖の南側から流出する水は「知西別川」となり、羅臼町八木浜で根室海峡に注ぎます。 -
イチオシ
「羅臼湖」の絶景
山深い知床の中に、静かな佇まいの湖と山野草の咲く「羅臼湖の絶景」が見られます。 -
「羅臼湖」手前に広がる湿原
環境省の巡視員の方が来られています。
「知床羅臼ビジターセンター」では、「羅臼湖歩道」を巡視した季節の変化をHPに適宜掲載しています。
http://rausu-vc.jp/category/lake_rausu_info/
では、「羅臼湖歩道」を歩き、入口へ帰ります。 -
木陰に咲く「ツルリンドウ」(五の沼)
行きにはわからなかった花が、帰りの方向で見つけられます。 -
「五の沼」から見える「知西別岳」の全景(五の沼)
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色付きはじめた葉っぱ(四の沼)
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湿原に溜まる水
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熟し始めた「マイヅルソウの実」(涸れ沢)
やがてガラス玉のように赤く透き通った実になります。 -
ぬかるみ(涸れ沢)
ぬかるみが浅かったので、登山靴で通れます。 -
イチオシ
「羅臼岳」(三の沼)
帰りも雲がかかっています。 -
水鏡のような「三の沼」
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イチオシ
「目梨望遥台」(三の沼~二の沼)
私たちを追い抜いて行った若者が岩の上で休んでいます。
歩道から横道に入って行くので、ここには立ち寄りません。 -
「ゴゼンタチバナの花」(三の沼~二の沼)
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イチオシ
「ゴゼンタチバナの実」(三の沼~二の沼)
わずかに残った実。 -
「イワツツジの赤い実」(三の沼~二の沼)
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「これから熟すイワツツジの実」(二の沼)
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「羅臼湖入口」に到着
時刻は13:45。
帰りの道は1時間45分で、少しだけ早めでした。
宿の車が迎えに来ています。 -
厚い雲のかかる「羅臼岳」(羅臼湖入口から)
知床の自然が残る羅臼湖をガイドさんとともに訪れることができました。
この日はヒグマに会わずほっとしています。
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