2021/08/05 - 2021/08/05
26位(同エリア336件中)
かっちんさん
「マッコウクジラ」は、ほぼ世界中に分布する世界最大のハクジラ類で、赤道付近で繁殖し、雄は餌を探して高緯度に移動し、イカ類などを求めて深海に潜水します。
知床半島羅臼の根室海峡は、海岸から一気に水深2000mの深海まで切れ込んだV字形の地形で、体長15mほどの雄が回遊してきます。
「マッコウクジラ」は、深海にすむイカ類などを求めて水中に40分~1時間程度潜った後、海面に浮上し、潮を噴き上げ酸素を取り込みます。
長時間呼吸することなく潜っていられるのは、全身の筋肉に大量のミオグロビンを保有し、ここに大量の酸素を蓄えます。
海面に浮上している時間は10分ほど。クルーズ船が広い海原で「マッコウクジラ」と出会うことは最近まで運任せでした。
そんな中、根室海峡のマッコウクジラの研究を続けている「長崎大学水産学部の哺乳類研究室」では、特殊な水中マイクを使って鯨までの距離と方向を特定する方法を開発。
マッコウクジラが餌の探索や仲間とのコミュニケーションに使っている「カチカチ」というクリック音を「指向性ハイドロフォン」で拾います。
2018年からクルーズ船に水中マイクを搭載しはじめ、「マッコウクジラ」と出会う確率が格段に向上しています。
「マッコウクジラ」は、体の1/3を占める巨大化した頭部を持ち、頭部の中身のほとんどが「脳油」というワックスの塊。
「脳油」は体温下では液状ですが、約25℃で凝固することが知られています。
鯨類学者クラーク氏は、この性質に着目し、急速な潜水と浮上が可能にしている説を唱えています。
潜水の際には鼻から海水を吸い込んで「脳油」を冷やして固化させて比重を高め、浮上の際には海水を吐き出して血液を流し温めることで液化させて比重を小さくします。
今日の午後はゴジラ観光の「クジラ・イルカ・バードウォッチングクルーズ」に参加します。
羅臼港を14時過ぎに出港し、乗客は10名ほど。所要時間は約2時間30分。
スタッフの観測によれば、イシイルカを2ヶ所で計14頭、マッコウクジラ1頭を発見。
水中マイクを使って「マッコウクジラ」を見事に探し当て、潮吹きと尾びれを上げて潜水しようとする瞬間を目撃できました。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・知床サライのHP
・ゴジラ岩観光「クジラ・イルカ・バードウォッチングクルーズ」のHP、ガイドの説明
・知床羅臼ビジター「根室海峡に回遊するマッコウクジラ」
・毎日新聞「鯨観察に強い味方 水中マイクで浮上位置特定 羅臼の観光船に」、2019年3月2日
・北海道STYLE「陸からクジラの潮吹きがわかる!「クジラの見える丘」」
・古世界の住人「マッコウクジラ~デカ頭の驚異~」
・千葉県立海の博物館、クジラの識別点「マッコウクジラ」
・ウィキペディア「イシイルカ」「マッコウクジラ」「クロアシアホウドリ」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 船
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
PR
-
「根室海峡マッコウクジラクルーズ」のコース
羅臼港から出発し、東側に位置している国後島と挟まれた「根室海峡」へ進みます。 -
乗船は「(有)丸は宝来水産 ゴジラ岩観光」
予約先は「知床サライ」を通じて「ゴジラ岩観光」に。
14:30発のクルーズ船ですが、予約者が揃ったので14:10に出港します。
観光客は10名ほど。船長以外に女性スタッフ2名が乗船しています。 -
クジラとイルカを探す女性スタッフ(クルーズ船)
根室海峡の広い海原を双眼鏡を覗いて探しています。 -
国後島方面(クルーズ船)
肉眼では海の生き物をなかなか見つけられません。 -
早くも「イシイルカ」を発見(クルーズ船)
出港してから25分。
女性スタッフが見える位置を放送してくれます。 -
水を切り泳ぐ「イシイルカ」(クルーズ船)
体の中央にある三角形の大きな「背びれ」が見えます。
「背びれ」の先端は白色(灰色)です。 -
国後島が見えてきます(クルーズ船)
-
イチオシ
水中マイクの音を聴いてマッコウクジラを見つけたようです・・・(クルーズ船)
出港してから1時間10分。
女性スタッフが水中マイクを海に入れて、マッコウクジラのクリック音をヘッドホンで聴き取っています。
船は指を差した方向へ進みます。 -
水中マイク(クルーズ船)
棒の先端に付けたマイクが水中に入っています。 -
目視でもその方向を確認中(クルーズ船)
マッコウクジラは水中に40分~1時間程度潜った後、海面に浮上して10分ほど潮を吹いて酸素を吸い込みます。
海面に出ているタイミングはわずかなので、至難の業です。
結局1回目の水中マイクの方向では、マッコウクジラと会えませんでした。
スタッフはあきらめずに2回目の水中マイク探索を開始。今度は別の方向へ進みます。 -
「クロアシアホウドリ」(クルーズ船)
出港してから1時間40分。
船上を「クロアシアホウドリ」が横切ります。
全長は68-74cm。体重2.2-4.1kg。
全身が黒褐色の羽毛で被われています。 -
白い筋がアクセントの「クロアシアホウドリ」(クルーズ船)
嘴基部周辺や眼下部は白い羽毛で被われています。
風切羽の部分も白。 -
見事な翼の持ち主「クロアシアホウドリ」(クルーズ船)
翼を広げると193-213cmもあります。 -
「根室海峡を回遊するマッコウクジラ」について(知床羅臼ビジターセンターの展示)
7月末~9月末に羅臼の海で「マッコウクジラ」を見ることができます。
後日訪れたビジターセンターの展示資料で、マッコウクジラの一生と行動について知ることができます。 -
待望の「マッコウクジラ」発見!(クルーズ船)
執念の2回目水中マイク探索により見つけてくれました。
出港してから1時間50分。
深海から浮上してきた直後のようです。 -
「プシュー」と潮吹き(マッコウクジラの潮吹き)
鼻孔は頭部先端の左上部にあり、噴気は左斜め前方に上がります。
水面にのんびり浮かんで、10数秒間隔で呼吸(潮吹きと酸素吸い込み)を繰り返します。 -
勢いよく「プシュー」(マッコウクジラの潮吹き)
こぶ状の三角形は背びれで、その後ろにも小さいこぶが続きます。 -
イチオシ
素晴らしい潮吹き「シュシュシュシュー」(マッコウクジラの潮吹き)
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最後に「ドバドバ」(マッコウクジラの潮吹き)
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さあ、これから酸素の吸い込み(マッコウクジラの潮吹き)
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繰り返し呼吸が完了(マッコウクジラの潮吹き)
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背びれを残して水中へ沈みます(マッコウクジラ)
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これは何だ・・・(マッコウクジラ)
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「尾びれ」が現れます(マッコウクジラの潜水)
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「ザバザバザバ」(マッコウクジラの潜水)
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イチオシ
尾びれを高く上げて潜る瞬間(マッコウクジラの潜水)
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深海へ向かって垂直に潜ります(マッコウクジラの潜水)
ところで、この姿はどこかで見たことがあるような・・・ -
それは「コロ助のちょんまげ」(我が家にいます)
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マッコウクジラさん、またね(マッコウクジラの潜水)
これから1時間ほど、深海に潜り餌を食べに行きます。
マッコウクジラ全体の姿は見られませんでしたが、頭部は丸くて大きいのです。
代わりに、「マッコウクジラ」の愛称がある電車を紹介します。 -
頭でっかちな電車(2019年、長野電鉄湯田中駅)
この電車は前面の丸みのあるデザインから「マッコウクジラ」の愛称がある長野電鉄の3500系です。
もともとは東京の地下鉄日比谷線を走っていた3000系を改造しています。 -
夕暮れの海(クルーズ船)
羅臼港へ向かって帰ります。 -
雲に囲まれる「羅臼岳」(クルーズ船)
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まもなく羅臼港(クルーズ船)
17:10に帰港。
「マッコウクジラ」と別れてから、1時間かけて港に戻って来たので、遠くまで探索に行っていたことがわかります。 -
今晩の宿「知床サライ」
2泊目です。 -
お楽しみの夕食(知床サライ)
昨日は洋食メニューでしたが、今日は和食。
先付は、揚げ羅臼昆布、羅臼昆布を使ったピクルス。
小鉢は、氷頭なます、紅鮭こうじ漬け。
漁師鍋。 -
イチオシ
旬のお刺身(夕食)
オヒョウ、銀鮭、サメガレイ、帆立、イクラ。 -
手巻き寿司にして食べます(夕食)
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ブリカマの照り焼き(夕食)
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アイスクリームのデザート(夕食)
羅臼の旬の食材を使った夕食に大満足。
今日の午後のクルーズでは、スタッフの執念により、マッコウクジラの潮吹きを見ることができ感激です。
明日は羅臼湖散策の予定です。
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