2021/10/23 - 2021/10/23
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たびたびさん
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岡山で妹と合流して、小豆島へは、新岡山港からの最終便フェリー。小豆島の旅は前泊して、早朝からまるまる一日をかけてレンタカーで回ります。私は今回で小豆島は三回目。最初に来たのは小豆島オリーブマラソン。まだ若い頃でしたが、ハーフマラソンをなんとか完走したことがあります。そういう意味では、だいたいの土地勘はあるのですが、小豆島は本当に大きいですからね。あちこち回ろうとすると時間がかなりタイトになるのは目に見えている。妹からはせっかくの小豆島なのでしゃれたレストランの優雅なランチとかの案もあったのですが、そんなことをしているととても回れるものではありません。結局、人気のパン屋さんとかに寄ることでごまかして、いつものようにマイナーなスポットも含めたこまごま旅のスタイル。まあ、お天気にも恵まれたし、なんとかかっこうはついたかなと思います。
ちなみに、改めてですが、小豆島は瀬戸内海では淡路島を除けば最大の島。もともとは備前国に属していて岡山とのつながりが深かったのですが、南北朝の頃、四国に勢力を誇っていた細川氏の一族、細川師氏が小豆島に侵攻しこれを領地とすると以降そこからは実質的に讃岐国となったようです。(似たような話は他にもあって、壱岐がなぜ福岡県ではなくて長崎県なのか。淡路島がなぜ徳島県ではなくて兵庫県なのかとか。もありますね。)で、この細川氏一族は讃岐・阿波・淡路・土佐・摂津・和泉・丹波・備中の八か国を領し室町幕府内で最大の勢力を持つ守護大名に成長。その後の小豆島も、豊臣秀吉の蔵入地や徳川幕府の天領など。中央政権が支配することで、地方の争いには巻き込まれていない歴史が窺えると思います。
そして、それは今にもつながっていて。国内栽培の発祥地となったオリーブや素麺、醤油、胡麻油も日本有数の生産地。小説「二十四の瞳」のイメージも加われば平和で長閑な瀬戸内海の島、そのままかな。
一方で、瀬戸内海の西に目を転じると、因島や生口島、大三島や来島海峡の島々なら村上水軍の歴史とかきな臭くなってしまうんですが、その対比も面白い。私の個人的な推測ですが、古代から江戸期の前半くらいまで、瀬戸内海の海上交通路は陸地近くを行く地乗り航路でしたから、たぶん小豆島はその航路には当たっていない。実質的には離島の島でやや重要性が低かったことが一面こうした歴史に影響しているような気もします。
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今日はレンタカーで回るんですが、レンタカー屋さんが開くのは8時。それまでの時間を使って、宿の近場の早朝散策です。
この土庄港は、小豆島の西の端。岡山からでも高松からでもここへの便が中心になるので、まさに小豆島の玄関口なんですよね。
ただ、観光の中心はやっぱり小豆島の東側だし、寒霞渓とかも中央部。けっこう離れているんですよね~ -
土庄港から西に歩いて10分くらいのかどや製油へ。
こちらの創業は、江戸時代末期の安政5年(1858年)。ごまの製油一本でやってきて、今ではごま油のトップメーカーだとか。 -
土庄港に入る湾の入口に工場があって。煙突に商品の絵が入っていて、遠目でもよく分かりました。
コロナ禍ということもあるのかな。展示室の見学は予約制のようです。 -
今度は、土庄港の西側。市街の中心部の方に向かいます。
小豆島霊場会総本院は、迷路のまちに向かう途中の通り沿い。小豆島にも八十八箇所巡りがあって、その起点がここになります。建物は鉄筋コンクリート造りなので、全体としてはあんまりそんな雰囲気はないのですが、入り口の辺りだけはちょっとそんな感じがなくもないかな。それくらいです。 -
元屋商店は、土庄の市街、もう迷路の街の端っこかな。
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文政12年(1829年)に創業した醤油屋さんです。
見どころは、明治時代中期頃に建てられ国の有形文化財に登録もされたという主屋。二重庇の屋根の入母屋造り。ただ、外観を拝見するだけなので、そこまでのインパクトは感じないかな~ -
ふむふむ、これが迷路のまちですか。
歴史的には、南北朝時代に遡り、島に陣を構えた南朝方の軍勢が、敵の侵入を防ぐために複雑な道を作ったのが始まりとか。冒頭に触れた細川氏の軍勢を迎え撃った辺りのことかなと思います。
ただ、限られた土地に家並みがぎっしりみたいなところは島ではよくある風景なので、その意味では特別な感じはあまりないかもしれません。 -
一方で、まだ開いてはいませんでしたが散策スポットとしてこんなアートのギャラリーが点在していて、むしろそっちの方が目を引きます。
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そして、迷路の街のハイライトがこの西光寺。真言宗の寺で、小豆島霊場五十八番札所でもあります。
こうして街の中にあるのですが、境内に小山があって、その上に奥の院として三重塔が建つ。表から見ると堂々とした楼門とその背景に三重塔が見えるので、かなりダイナミックな眺めですよね。 -
境内に入ると本堂の前に、今度は大銀杏。これも三重の塔や
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本堂の建物とのコラボがなかなかのもの。
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銀杏の緑も美しいです。
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最後にやっぱり三重塔まで上って、
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周囲を睥睨する塔の美しさを確認しました。
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イチオシ
それにしてもコンパクトな境内なのに、これだけあちこちビュースポットが豊富な寺。
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ここまで魅せるってすごいことだと思います。
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さて、今日のレンタカーは土庄港にあるマリンレンタカー。そろそろ開く頃なので急いで帰りますよ~
ところで、土庄港近くには他にもレンタカー屋さんがありますが、調べるとみんな同じ価格。島だから少し高いなあとも思ったのですが、実はその価格にはガソリン代も込みになっているんですね。島は限られた範囲だし、まあ、この方が合理的なんでしょう。ちょっと面白いシステムだと思います。 -
さて、いよいよレンタカーで出発です。
土庄の市街から南の海岸へ。これはオリーブ温泉。海岸端に広い駐車場を持つ敷地があって、想像していたよりずっと立派な施設でした。ただ、温泉施設というより、道の駅みたいなお土産物屋さんとかの商業施設という側面が強いかな。 -
そのすぐ先が土庄鹿島海水浴場。オリーブ温泉の隣りみたいなロケーション。土庄港からだと一番近い海水浴場だし、それなりに規模もあって悠々ですね。オリーブ温泉と一体で考えると快適さも際立っていると思います。
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で、ここで一番のお目当てだったのは、この樹齢千年のオリーヴの樹。
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イチオシ
どれだけ大きいのかなと思ったのですが、大きさだけからするとそこまでではないですけどね。
しかし、視界の開けた場所に立つその樹は一見しただけですごいオーラ。活き活きと輝くような葉と -
さりげなく風雪を耐え凌いだ幹とのバランスはやっぱり感動ものかな。
間違いなく元気がもらえる存在だと思います。 -
ここからエンジェルロードに向かうんですが、ちょっとその前に。
高見山公園は、地図で見ると海岸近くの山だし、ちょこっと寄ってみるくらいのつもりでいたのですが、ひとしきり車で上がった先の小さな駐車場から、まだまだ歩いて上がる必要があります。 -
しかし、そこからの眺めは小豆島の南西部の変化に富んだ地形を一望するもの。
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予想もしていなかった絶景でした。
朝日がいい感じで海の青さを引き立てていますね~ -
イチオシ
すこし回り道しましたが、エンジェルロードに到着。
前回来た時は砂浜はつながっていなかったんですが、今回は見事につながっていますよ~
小豆島の前島から沖に浮かぶ中余島を経て余島へと続く約500mの細長い砂州の道。確かに雰囲気ありますねえ。 -
手前に展望所があるので、そっちに行ってみましょうか。
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この先ですけど、観光客がポツポツ。
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あ、願い事を書いた絵馬のような。貝殻のもありますよ~
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イチオシ
そして、これがエンジェルロードの眺め。
うーん、美しいです。 -
エンジェルロードまでの短い間にいきなりテンションが上がったところで。。
続いては、小豆島霊場54番の宝生院。 -
見どころは、その境内にある真柏(シンパク)の大樹。
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シンパクとしては日本最大。
ほ~、なるほどー
国指定の特別天然記念物であり、応神天皇の手植えによるものとも伝わる樹齢1600年というとんでもない樹なんですね。石垣で囲われた一角を枝葉が覆いつくしている姿もすごいのですが、 -
中に入って幹の周囲を回って、近くで拝見すると
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どの角度から見ても隆々と年輪を重ね風雪を重ねた化け物のような存在感。どこまでも圧倒的な大樹です。
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イチオシ
いやいや、
これもびっくり。
エンジェルロードくらいすごいです。 -
ここから、今度は肥土山農村歌舞伎舞台へ。
こちらは、土庄町といっても小豆島の中央部、それなりに山の上。肥土山離宮八幡神社の境内にある舞台です。 -
自動車道の脇にちょっとした駐車場があって、そこからしばらく下って行った先。神社の裏手から入る感じで、視界が開けると石垣の下に緩やかな下りの見物スペースとその先に舞台の小屋が建っています。
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始まりは、江戸時代の前期。水不足に悩んでいた土庄に農業用ため池ができたことを祝って、ここで歌舞伎が演じられたのだとか。
農村舞台といえば徳島のイメージがありましたが、そんなに地域を限定したものではないのかなという感じです。 -
再び車でもう少し山中に進んで。
今度の中山農村歌舞伎舞台は、自動車の通りに面して入口があって。 -
境内に入ると一番奥の高いところに神社の建物がありますが、それはまあ付録みたいな感じ。
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観客席になる緩やかな下りの地形とその先に建つわらぶき屋根が舞台で、こっちが圧倒的にメインです。
農村でこれといった娯楽がなかった時代。こんなところで歌舞伎を楽しむなんて極上のひと時だったことでしょう。それにしても、雑草なんか生えていないし、今でもしっかり管理されていますね。
なお、歌舞伎舞台の歴史は、約300年。お伊勢参りに出かけた島の人々が上方から伝えたとされています。始めは、上方から旅回りの一座を招くなどしていたのですが、今度は島人が演じるようになっていったようです。 -
中山農村歌舞伎舞台を拝見した後、そのまま裏手の方に歩いて出ると千枚田がありました。
こちらの千枚田は約800枚の大小の田んぼがあって、日本の棚田百選にも選ばれたもの。 -
ただ、スケール感はそこまでではなくて、純朴な田舎風景といった印象が強い棚田かなと思います。
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少し道を戻って、今度は島の北側へ。
道の駅 大坂城残石記念公園は、香川県の史跡「大坂城石垣石切とび越丁場跡および小海残石群」の場所に設けられた道の駅。ただ、小豆島の北側はどちらかというと観光客の少ない裏通り。この道の駅も産直とかはあんまりないし小規模です。 -
観光のルートとしてもここに回ると効率が悪くなるかなと心配でしたが、島の北側からも寒霞渓に直接上る道があって、それを利用したのでまあまあ無駄は少なくて済みました。
ただ、売り場は小さくてそこはちょっと限界がありますね。 -
ここは、大阪城の石垣の石を切り出していったという場所で香川県の史跡となった場所。たぶん、小豆島だけではなくてあちこちから切り出していたんだと思いますが、比較的その跡がよく残っているということなのかな。
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イチオシ
この切り出しは、江戸幕府によるもの。夏と冬の大坂の陣で落城した大坂城を修築するためのものだったということです。海岸端の石垣にはそこそこ大きな石が並んでいて、それぞれ石を割った加工の跡もよく分かりました。
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島の北側から寒霞渓に向かって上る道。ちょっと寂しげな道でしたが、まあまあなんとか。まずは、美しの原にも寄ってみます。
大観望展望台は、美しの原に到着してすぐにある展望台。緩やかな石段を少し上った先にあるのですが、 -
イチオシ
そこに立つとこれはすごい。
いきなり足元から山裾、海へと下って行く稜線が一望のもとに眺められて、 -
まさに圧巻。
ちらりと寒霞渓のロープーウェイ駅も見えています。 -
小豆島の展望としてはここが一番ではないかと思います。
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ところで、美しの原はこんな感じ。やっぱり、ここは展望台ですよね。
で、四方指展望台と大観望展望台の二つの展望台があって、 -
もう一つの四方指展望台は、美しの原の一番高い場所に設けられたこの展望台。
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駐車場から少し上って行きますが、すぐに目の付く場所なので迷うことはありません。
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ただ、景色としては、ちょっとどうでしょう。
さっきの大観望展望台もそうでしたが、寒霞渓周辺の展望所や展望台は、足元からそのまま山裾、海に落ちていくような眺めがウリ。ここはそうした感覚がないので、イマイチの感じは否めません。やっぱり圧巻は大観望展望台の方だと思います。 -
さて、いよいよ寒霞渓のロープーウェイ駅に到着。
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前回来た時はシーズンだったこともあって、待ち時間が1時間以上ありました。大変でしたが、この日は閑散。
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ショップも
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デッキの方も人はまばらです。
妹はロープーウェイの方に行かせて、私は、その間、周辺の展望所の方をチェックします。 -
寒霞渓第一展望所は、ロープーウェイ駅の先。ちょっと気が付きにくいかもしれませんが、南に向かって奥の方に続く小道の突端です。
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石造りのモニュメントや双眼鏡も設置されていて、なかなかの展望所。
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正面には小豆島の内海湾とそれに面した市街がばっちり見えていて、まさに視界良好。スカッとする眺めです。
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もう一度、駅前の広場に戻って。
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こっちの展望所はどうでしょう。
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うーん
こちらも視界が開けているんですが、ここからだとロープーウェイは見えませんね。 -
さっきの美しの原の方ですが、岩がごつごつしてダイナミックです。
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では、鷹取展望台の方に行ってみます。
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寒霞渓ロープーウェイ駅から歩いて10分足らず。気持ちの良い林の道を進んだ先に
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ひょっこり小さなスペースが開いていて、
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そこから眼下に寒霞渓を見下ろせます。
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ただ、ここからの眺めもちょっと裏側っぽいかな。やっぱり、ロープーウェイは隠れて見えません。
結局、大観望展望台、寒霞渓第一展望所の眺めがよかったかなと思います。
では、これで寒霞渓を終わって、島の南側に降りて行きますよ~ -
下り道の途中、なんとなく気になったのが菓舗ふじさわ。調べると、小豆島の隠れた名店のようですね。何でもない店構えなんですけどね。なんか匂います。
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いただいたのは、バナナをクリームとカステラでふんわり包んだバナナロール。
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いやいや、まずはこのたっぷりクリームなんですが、程よい甘さにくちどけの良さも抜群。バナナとカステラをしっかりリードしてますね。けっこうインパクトを感じるおいしさです。これはお勧めです。
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お昼に予定していたのは、なかぶ庵。
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小豆島はそうめんも名物ですからね。
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いただいたのはオリーブ生そうめん。
オリーブの色が移って鮮やかな緑色。つるつるとのど越しがいいんですが、まあそうめんは、元々のど越しがいいものですからね。そこまでの差があるのかなあという気もしなくはない。つけ汁の方もまあまあ普通かな。ちょっと期待値が高すぎたかもしれません。そうめんとはちょっと違いますけど、インパクトだけで言ったら、稲庭うどんの佐藤養助や水沢うどん、讃岐うどんの名店とかはすごいですからねえ。その辺りと比べるとやっぱり限界はあると思います。 -
少し物足りない気持ちも残ったので、もう少しグルメチェック。
人気のお店と情報があったあずきベーカリーです。早い時間に売り切れになることもあるという情報があったので、事前に電話するともう食パンとバケットしか残っていないということ。
心配しながら -
それでも行ってみるとバケットがなんかいい感じ。カットしてもらって、車の中でかじりましたが、ちょっと衝撃的なうまさ。小麦の香りというかカリカリの焼き加減というか。どこをどうやった工夫か分かりませんが、想像を超える味わい深いバケットですねえ。文句なしの絶品です。
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もう一軒は、モリクニベーカリー。小豆島唯一の酒蔵の小さなベーカリーだそうです。ちょっと奥まった場所にあって少し分かりにくいですね。
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ただ、店内は今風のしゃれた構え。若いカップルがちょっと休憩するにはいいなという感じです。
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で、酒蔵が作る究極のコッペパンというのをいただきましたが、まあ、悪くはないけど普通の範囲内かな。歯ごたえがしっくりあるとか、しっとり感があるとか、香りがすごいとか。全国的に見ればコッペパンはかなり進化を遂げていて、レベルは高くなっていますからね。まあ、そうしたところと比べるのは酷かもしれませんが、私的には究極とか言われるとそういうことかなと思います。
ちなみに、私の全国ナンバーワンは二戸の丹市パン。東京のナンバーワンは、大平製パンですけどね。 -
続いては、ミノリ ジェラート。ロードサイドのジェラート専門店です。
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店内はシンプルな空間で、むだなものが一切ない感じ。いいですね。
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いただいたのは、醤油のジェラート。
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醤油の味がしっかり残っているんですが、クッキーを合わせたりして、基本的なジェラートのおしゃれなおいしさを演出しています。ソフトクリームも含めて、醤油を使ったものは醤油の味で単にサプライズを狙っただけのものも多いように思いますが、
やっぱり専門店は違うなという仕上がりです。 -
最後の八代正栄堂は、馬木の市街地。
甘酒まんじゅうという看板が目に止まって寄ってみることに。甘酒まんじゅうっていうのはだいたい酒まんじゅうのこと。糀で膨らませるので日持ちがしない。今や貴重なまんじゅうなんですよね。 -
ただ、いただいた甘酒まんじゅうはどうかなあ。チーズみたいな妙な苦みも感じる生地。餡子も少しボヤっとしているような。素朴と言えば素朴なんでしょうが、やっぱり田舎の酒まんじゅうということかなと思います。
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後半のハイライト、二十四の瞳映画村に到着。
駐車場から -
入口の前に建つこちらはソフトクリームが名物なんですが、今回はスルーして、
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さっそく中に入りますよ~
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かなり久々ですけど、
小豆島に来たら、やっぱりここに寄らないでは済まないですよね。 -
敷地内は、小豆島というか瀬戸内海の静かな島の暮らしを感じる街並み。
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だんだんと
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目線が
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二十四の瞳の世界に馴染んでいきます。
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こちらは、壺井栄文学館。二十四の瞳映画村内。いくつかある建物のひとつといったところで、特別な感じはないですね。
館内では「二十四の瞳」の原作者、小豆島出身の壺井栄のあれこれを紹介。東京都中野区にあった壺井栄の旧邸の内部が再現されたりもしていますが、その他の展示品を見てもいまさらながら小説「二十四の瞳」の当時のインパクトのすごさがジワリと伝わる感じ。「日本中が涙した」とかのキャッチフレーズは、そんなに大げさでもないように思います。 -
続いては、映画をテーマとする「キネマの庵」。
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前回もここで映画を少し拝見して、
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とってもいい印象が残っています。
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今回は二十四の瞳の終盤からラストシーン辺り。
最後まで女先生を慕う気持ちと子供たちに寄り添う姿勢は、同窓会のやりとりからもはっきりと伝わってきました。お互いなにかできるわけでもないけれど、それでもその気持ちだけで十分。また生きていけますね。爽やかな風が吹いたのを感じました。 -
銅像から
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学校へ。
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イチオシ
瀬戸内海を目の前にして、
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佇む学び舎。
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子どもたちの気配もしてくるようですね。
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ところで、「二十四の瞳」が発表されたのは、まだ戦後の色も濃い昭和27年。
描いたのは、昭和3年から昭和21年までの18年。新任の女性教師と平和な島で暮らしていたはずのいたいけな生徒たちにも太平洋戦争がもたらした数多くの苦難と悲劇を描きました。 -
まだ戦争の記憶が生々しい時代ですから、小さなエピソードの一つ一つにも自分の気持ちを重ね、つらい戦争体験をした多くの人々の心に響いたのは間違いないことだと思いますが、ただ、それは当時だけの話に収まるものでもないでしょう。
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戦後生き残った人々がまた前に進もうとするのは一人ではないと信じる絆の力。そして、なにより純粋に平和を強く願う気持ちだったはず。
つまり、平和国家として歩み始めた日本の原点はやはり戦争体験。戦争なんて何もいいことはない。もしかしたら、それが一番わかっているのは自らの選択で戦争への道を歩んでしまった日本人なのかも。侵略戦争への謝罪と反省は必要だとしても、我々は反面それくらいの矜持があってもいいんじゃないかと思います。
例えば、日韓関係でいつも問題になる歴史問題。韓国の指摘はかなりずれていると思います。 -
これで、映画村は終わり。
で、これは渡し舟。小豆島オリーブ公園と二十四の瞳映画村を結んでいます。車で行っても30分くらいかかるところを内海湾を10分ほどで突っ切るので、時間を考えるとかなり利便性が高いんですよね。小豆島は意外に移動時間がかかるので、バスの移動を考えている方には片道だけでもお勧めです。 -
ここから、後は土庄港まで。醤の郷、オリーブ園とかに寄りながら帰ります。
まずは、醤の郷。こちらは、400年の歴史を持つ小豆島の伝統産業である醤油造りの中心地。かつて、明治の最盛期には約400軒もの醤油醸造所があったそうですが、今でも丸金醤油ほか20軒以上の醤油蔵や佃煮工場があって、なお盛んな活気を感じます。
これは、一徳庵。 -
木造の倉庫みたいな空間が気持ちいい。
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つくだ煮を中心とするショップです。
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もろみソフトクリームというのがあって、それをいただいてみました。変わった感じですが、これってもろみの味なのかなあ。ただ、おいしさという意味では微妙かな。なにか不自然なところが残っているような気がします。
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そして、マルキン醤油記念館は、昭和62年、丸金醤油の創業80周年を記念して、大正初期に建てられた工場のひとつを記念館として改装したもの。
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マルキンの歴史や醤油造りのあれこれ。
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醤油造りに使われた大桶や圧搾器などの展示もありましたが、
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小豆島でなぜこのように醤油造りが盛んになったのかについては
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あまりよくわからない。そこがちょっとモヤモヤです。
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港に近くて輸送に便利だったこととか。大阪という大市場から近かったこととかも隆盛の要因なんだと思いますが、原材料の調達とかもろもろもあるし。どうなんでしょうかね~
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それはそれとして、もうひとつ。
マルキン醤油記念館の売店は、マルキン醤油の敷地の通り沿い。 -
醤油のソフトクリームが気になっていただきました。なるほど、確かに醤油の香りと味がするんですが、それがソフトクリームとしておいしいかと言われればちょっと微妙かな。しかし、まあ、ものは試しということかなと思います。
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醤の郷から、今度は道の駅 小豆島オリーブ公園へ。
ここは丘の上に立っていて、見晴しがいい場所です。 -
入口を入って
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その中心に建つのがオリーブ記念館。
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小豆島でオリーブの栽培が成功するまでの苦労や歴史などを紹介するコーナーに、
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オリーブを使ったたくさんの種類の食品が販売されています。オリーブの緑のチョコレートとか。とってもマイルドでおいしいです。
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イチオシ
表から海の方を見下ろした景色。
公園のようにきれいに整備されています。 -
そこからオリーブの畑の方に移動するとこれも穏やかな雰囲気。内海湾を見下ろす丘陵一面にオリーブの木が植えられて、
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気候に恵まれた小豆島の豊かな自然を感じます。
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イチオシ
そして、ここで現れるのが、例のギリシャ風車。
前回来た時は見逃していたので、今回が初対面。 -
いやいや、これは想像以上の迫力ですねえ。
周囲の雰囲気にも溶け込んで、ちょっとうっとりする景色です。
これはよかった。また小豆島の好印象が大幅にアップしましたね~ -
オリーブナビ小豆島は、道の駅小豆島オリーブ公園から眼下に見えていた施設。ただ、観光客は道の駅の方で終わってしまう人が大半。余りこちらには来ないかなあ。
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しかし、広い駐車場もあって、気軽に寄れる場所です。施設にある小豆島の観光スポット案内も網羅的で、かなりバランスが良いですね。
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既に回ってきたところなんかも、ここで改めて説明を読むとそうだったのかと気づかされたり。行っていなかった三都半島の情報も参考になりました。
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オリーブナビ小豆島から海に出たところがオリーブビーチ海水浴場。
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内海湾に面した砂浜はさらさらできめの細かい砂。美しいですね。
ここからさっきの映画村に向かって渡し舟が出ています。 -
さらに戻って。
道の駅小豆島ふるさと村は、三都半島の付け根に当たる場所。遊ぶ・体験する・泊まる・食べる・買うの5つを同時に楽しむというコンセプトで、レンタサイクル、釣り、テニスやプールなんかの施設が併設されているようですが、道の駅だけを考えると、どうかなあ。 -
ちなみに、これが中心施設のふるさと物産館ですが、
オリーブの実の漬けたのとか地元産品を置いたりするだけ。道の駅ならやっぱり野菜や果物の産直とかに期待してしまいますよね。ここは、そんなのが全然ないので、正直ちょっとがっかりですね。 -
また、少し戻って。
井上誠耕園は、峠の高台。見晴らしのいい場所に建つ近代的な建物。通りからこの姿が目に入って、思わず寄ってしまいました。 -
店内も雰囲気があって悠々。
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主力商品のオリーブオイルは種類が豊富だし、それぞれ説明もあって、商品を拝見するだけで楽しくなりますね。買い物するなら、さっきの道の駅より、ここの方がずっとお勧めです。
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富丘八幡神社は、土庄町の双子浦。
国道436号線から海側に脇道があって、それを入っていくのですが、コンクリート舗装の狭い道をしばらく上っていくので、ちょっと不安になりながら訪ねました。本殿とか歴史のある雰囲気ですが、圧巻は正面の長い石段を上から見下ろす眺め。石段を一直線に降りていく先に小島や入り江がいい感じ。絵心があれば、こんな風景を絵にしてみたいと思うような景色です。 -
そして、最後にもう一か所。
富丘古墳群というのがありまして。
こちらは、国道436号線から脇道に入って富丘八幡神社に向かうコンクリート舗装の参道沿いに断続的に続く墳列。で、この富丘八幡神社は山頂古墳の上に建っているんですね。
つまり、富丘八幡神社は富丘古墳神として祀られたもの。小豆島の中心であったとも考えられるということです。 -
神社は進入路も分かりにくいですが、そこからの眺めはこれから向かう双子浦からの眺めよりずっといい。
双子浦まで行ったなら、ついでに富丘八幡神社まで足を延ばすのがいいと思います。 -
で、少し引き返して。
この双子浦は、讃岐十景や新さぬき百景にも選定されている絶景ポイント。
小さな駐車場から歩いてすぐ。海に向かって視界が開ける展望所がありましてそこ。昭和天皇巡幸記念碑も建っています。
ただ、眺めの方はどうでしょう。さっきの方がずっといいですよね。 -
さて、土庄の市街に戻ってきました。もうフェリーに乗るだけなんですが、なんかお菓子屋さんを発見。
池本芳栄堂というお店。迷路の街の入口辺りです。 -
和菓子からドーナツみたいな洋菓子もありますね。
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いただいたのは、豆大福。そんなに期待はしていなかったのですが、スキッとした甘さの餡子にお餅の落ち着いた味わいもあって、ほ~って感じ。やっぱり老舗なのかあ。土庄ではちょっとお勧めのお店です。
あとは、近くのスーパーマルヨシセンターでお弁当を買って、終了。帰りのフェリーでいただきます。 -
帰りのフェリーも最終便。
土庄港から新岡山港へは、第七しょうどしま丸。四国フェリーと両備フェリーの共同運航。船内は木目調のシックなデザイン。フェリーにしてはおしゃれな印象。ほとんど揺れないし、所要時間は70分。お弁当を食べたりしているとあっという間でした。 -
岡山市内に戻って、今夜の宿は駅近くのビジネスホテル新子。
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明日から二日間もレンタカーの旅。
明日は、総社辺りを巡ります。
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この旅行記へのコメント (2)
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- olive kenjiさん 2022/05/29 11:01:53
- 小豆島の事、詳し過ぎに驚く
- たびたびさん 私の高知旅行記にいいね有難うございました。
また私の住処小豆島に三度もお越し下さっていて、これまた有難うございました。
この旅行記を読んで驚いたのは、メイン観光地からマイナーな所までよく周っているなということと、記述が詳し過ぎるほど、よく勉強されています。
住民私が、知らない記述もあれば、菓舗ふじさわなど行ったことも無ければ存在場所も知らない所もあり、地元民として恥ずかしい限りでございます。
また料理、食品に関して地元に媚びせず、的確な感想されること立派だと思います。
確かに、素麺は讃岐うどんなどと比べればインパクト弱しのお言葉つらいものがありますが、まー確かにと思うので、しゃーないですね。
日帰りでこれだけ回れたのは凄い事だと思います。
今度、私の知人が島に泊りがけで来るのですが、たびたびさんんが行った所を全部行って欲しいと言ったらどうしましょう。私はギブアップです。
小豆島の伝道師たびたびさま これからもよろしくお願い申し上げます。
- たびたびさん からの返信 2022/05/30 13:03:42
- RE: 小豆島の事、詳し過ぎに驚く
- 小豆島はお天気にも恵まれて、最高のコンディション。予定していた全行程を無事に回ることができました。
小豆島がお住まいとはすばらしいですね。オリーブや醤油・そうめんとか豊かな食の文化があるし、寒霞渓とか自然もダイナミック。それに何といっても「二十四の瞳」の島ですからね。
特に「二十四の瞳」は、今回、改めて、ちゃんとその価値に思い至ったような気がしました。戦争は何もいいことはない。いかに無意味なことなのか。大空襲や原爆などで多くの市民が亡くなりましたが、それだけではなく、多くの国民が心に傷を負ってしまった。そのことが今の日本の平和主義を根底から支えているものだと思います。かなり古い映画になってしまいましたが、なんとかその思いや価値までもが風化しないよう願うばかりです。
ありがとうございました。
たびたび
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